何を考えているのでしょうか。「北陸新幹線延伸ルート、維新が8案の再検討
要求...与党PT」,「出直しダブル選挙」,「自民党と日本維新の会が85選挙区
で激突」......批判派はもちろん、維新の支持者でも意図がさっぱりわからないと
嘆いています。
関西万博の収支をなかなか公表しない事やいわゆる国保逃れなどは、褒められ
た話ではありませんが、よくある問題の範囲です。けれども、昨秋以降の維新は
トチ狂ったとしか言いようのない政策が続いています。
時間稼ぎで嫌がらせ
まず、北陸新幹線の新大阪延伸問題。京都・小浜ルートの目処が立たない中で
の米原ルートの再検討は、昨年の参議院京都選挙区での維新候補の公約ですが、
なんで8本ものルートが出てくるのでしょう。中には、これまで誰も提案したこ
とのない珍妙なルートまで含まれています。
たとえば小浜・舞鶴・京都のルート。何しろ、湖西線と比べて距離が2倍近く
にりそうな上、最速列車でも舞鶴に停まるとすると、京都・敦賀間の時間では現
行のサンダーバード(約52分)どころか、新快速(約90分)にも負けかねません。
料金も2倍以上でしょう。丹波山地の長大トンネルや京都盆地の大深度地下工事
などの致命的欠陥は、現状の京都・小浜ルートと同等かそれ以上です。さまざま
な延伸ルートの欠点だけを集めてきたようなプランです。
ただの当て馬(他のルートをマシに見せるため)なのかも知れませんが、北陸
新幹線の一日でも早い延伸を素直に期待している人から見れば、時間稼ぎの嫌が
らせにしか見えません。実際、こんな代物の検討資料を作らされる現場担当者は、
たまったものではありません。
この件は、昨年末、下の記事にまとめましたので、興味のある方はお読みくだ
さい。
小浜ルートの駆除が始まった 【北陸新幹線 その28】
村山恭平,
http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html
アホな有権者に再挑戦
うんざりするのが都構想です。大阪府市政を牛耳っているのに2回続けて住民
投票で否決されたことを、もう一回住民投票にかけようというのです。自分の任
期中はやらないと言っていた吉村知事の心変わりです。というより、与党になっ
て本音がうずいたのでしょうか。
政治家が前言を撤回することは、必ずしも悪い事ではないと思いますが、大き
な説明責任が発生します。吉村知事の場合、過去2回の住民投票の結果をどう評
価するかということを明言すべきでしょう。理論的に考えれば、次の3つの可能
性しかありません。
1)否決されたときと、今回は状況が大きく変わった。
2)否決されたのとは、今回は別の提案をもってきた。
3)否決は誤った判断だと考えている。
順に検討しましょう。
まず、否決時点と比べて状況が変わった事は、維新が与党になったことです。け
れども、国家の財政も民間の経済状況も大幅に悪化し、「都構想どころじゃない」
という状況になっています。
では、新しい画期的な提案があるのか。どう考えても何もありません。都構想
の信を問うと言いながら、具体的な内容は全く聞こえてきません。吉村知事自身
が、「有権者の審判を仰ぎ、〝大阪都構想の設計図〟を作らせていただきたい」
なんて、いまさら言っています。まともな脳味噌の持ち主ならば、「設計図」を
作ってから「これはいかがでしょうか」と、「有権者の審判を仰ぐ」はずですが。
内容を議論するのではなく、「俺に白紙委任しろ」と言いたいわけです。維新と
いう政党には良い点もたくさんあると思うのですが、議論より独裁という体質に
はゲッソリします。
彼らは恐らく本心で「大阪都構想について有権者の審判をあおぐ必要はない」
と考えているのでしょう。だから、過去2回の否決は、「馬鹿な府民どもの誤っ
た判断であった」と思っていることになります。「再挑戦」という言葉もよく出
てきますが、誰に「再」び「戦」いを「挑」むのでしょうか。大阪の民意と戦う
気だと理解しました。
出直し大阪府知事選、都構想「設計図」是非を問う 吉村氏、府市一体の成長
を訴え,
47news,
https://weekly-osakanichi2.net/archives/45922
白票で冷や水を
そもそも都構想に何のメリットがあるのでしょうか。二重行政の廃止と言って
も、大阪市を複数の基礎的自治体である「区」に分割して、なんで二重行政じゃ
なくなるのでしょうか。だいたい、約十年にわたって府市両方の行政を牛耳って
きていながら、なぜ「二重行政」とやらの解除ができなかったのでしょうか。そ
もそも、都道府県の他に市区町村という基礎的自治体を置く制度は、はじめから
手厚い二重行政を指向するもので、大阪だけに限った話ではありません。
つまり都構想のメリットがよく分からないことが、過去2回の住民投票での否
決に大きな影響があったと考えるべきではないでしょうか。さらに、ここ半年ほ
どは副首都の話が出てきてさらに、議論が混乱しています。
念のために書いておきますが、副首都とは災害などで東京が機能不全になった
ときに、代わりに首都の働きをする都市を予め造っておこうという考え方で、別
に特別区が構成する都である必要はないのです。また、国全体に関係する事です
から、大阪府市だけで決められるわけではありません。実際、長野や福岡なども
手をあげています。恐らく、我が国は独裁制ではなく一応は民主主義国家である
限り、この話は実現しないでしょう。
副首都になることのメリット(確かに大阪にとっては大きい)と都構想そのも
ののメリット別物です。あたかも、都構想が成立すれば自動的に大阪が副首都に
なれるような幻想を振りまくのはやめるべきでしょう。
もうひとつ、あまり知られていないことですが、住民投票以下の手続きが進ん
でも、国会での法改正が無い限り、大阪都にはなりません。考えてみれば当然の
話で、道府県が自分たちだけの判断で「都」を名乗れるのなら、北海都、青森都
......なんてことにもなりかねません。大阪市が区に分割されても、大阪府は府の
ままです。前回の住民投票でもそうなっていたのに、なぜかみんな都構想と平気
で言っています。
ちなみに、今回の知事・市長選挙では私は白票をいれるつもりです。選挙の開
票では白票は他の無効票とは別途集計されます。つまりひとつの意思表示として
認められているわけです。たとえば選挙を行うことへの抗議としては、認められ
ていることです。
過半数が白票だったら面白いのですが、そこまで行かなくても大阪府なり市で
行われた過去の選挙と比較して突出して多い白票が出れば、ゾンビのような都構
想に盛大に冷や水をぶっかけられ、簡単には住民投票に踏み切れなくなります。
今回の知事選・市長選に納得の行かない有権者の方におすすめしたいと思います。
白票が歴史を動かすという前代未聞の民主主義に参加してみませんか。
最後に衆院選。維新は与党になりながらも自民党と選挙区調整しないため、小
選挙区に与党候補が2人立候補するという複雑怪奇な事が、数十選挙区で起こっ
ています。高市総裁は、「あたらしい連立の形」などと力なく笑っておられまし
たが、自民党の候補者はたまったものではありません。特に、与党の現職がいる
選挙区に、あえて立候補するということは、与党の政策を認めないということで
す。ひとつやふたつなら、その議員の例外的な話なのでしょうが、これが何十選
挙区にも及ぶとなると、「どこが連立なんじゃ」と思います。
ビートたけし氏などは、「自民党の寝首をかく気じゃないか」などと言ってい
ますが、与党の一角に加わることで国民の信用を得て、結党以来のいかがわしさ
を粉飾するのが最大の目的ではないでしょうか。
右も左も次々と新党が結成され、自分たちが目立たなくなったからと言って、
奇をてらったことばかりするのは、落ち目の芸人が舞台で裸になるのと同じよう
なもの、みっともない限りです。