<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
    <title>ムラヤマのちょっと一言いいですか？</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/" />
    <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/atom.xml" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2024-03-09:/murayama/17</id>
    <updated>2026-05-29T04:18:48Z</updated>
    <subtitle>Since February 2024</subtitle>
    <generator uri="http://www.sixapart.com/movabletype/">Movable Type</generator>

<entry>
    <title>病原性素粒子について</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/05/29_1314.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6052</id>

    <published>2026-05-29T04:14:49Z</published>
    <updated>2026-05-29T04:18:48Z</updated>

    <summary>脊椎反射で反論 　 　自慢じゃありませんが、私は遅筆なのに、新しい話題に次々と飛...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p><strong>脊椎反射で反論</strong><br />
　<br />
　自慢じゃありませんが、私は遅筆なのに、新しい話題に次々と飛びつくのが大好きです。けれども、進行中の話は状況が変化したり、いろいろな方がいろいろな視点で記事を書いたりします。そのため、キーボードの前でモタモタしているうちに、内容がどんどん陳腐化して、俗に「原稿が腐る」という状況にしばしばなります。<br />
　さすがに事実関係が大きく変化したら自主没にしますが、新しい視点と思っていたものを他の論者に先を越された場合は、気にせず（本当は舌打ちしながら）そのまま出稿します。そして、内容に間違いが見つかっても、人類を滅ぼしたり（出来るもんならやってみな）私自身の犯罪になったりしかねない場合以外は訂正はしません。続報記事を出す場合でも、少し時間をおいて、ネタが貯まって自分なりの整理がつくまで手をつけません。<br />
　でも、今回は違います。原稿を長屋の大家さんに送ってから、1時間後に書いています。同じ内容であまりにも酷い記事を見つけたからです。<br />
　本日（2026/05/28）の朝日新聞夕刊第一面の「素粒子」です。ご存じの方が多いと思いますが、歴史有る寸鉄コラム「素粒子」は、ツイッターぐらいの小パラグラフを3～5個ぐらい連ねて、一つのテーマを論じるスタイルで、朝の天声人語と並ぶ同紙の顔と言ってもいいものです。<br />
  お恥ずかしい話ですが、カタい話題でもあんなお洒落な文章で扱える「素粒子」は、子供の時からの憧れでした。今でも、「さすが」と言いたくなる修辞や論理展開をよく見かけます。ところが、本日のものは真面目に書いたとは思えない代物、ファンとしては目を覆いたくなる低品質でした。</p>

<p><br />
<strong>　酔っぱらいが書いたコタツ</strong>記事</p>

<p>　テーマは巨人軍阿部元監督の事件で、論調として元監督を擁護する方向の世論を批判するものでした。自他とも認める弱者の味方である同紙らしいポジションですが、問題は事実関係が無茶苦茶なことです。素面なんでしょうか。現場取材はともかく、ｗｅｂぐらいちゃんと読んで下さい。以下、極力著作権を侵害しないよう配慮しながら引用します。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>素粒子（2026年5月28日），朝日新聞，</i><br />
<a href="https://www.asahi.com/articles/DA3S16472194.html">https://www.asahi.com/articles/DA3S16472194.html</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　<br />
　まず、冒頭。「どうして少女を責めるのか」。いろいろな先行記事やコメントを見ましたが、単純に「少女を責め」ているものを、ほとんど見ませんでした。基本的に被害者で、「素粒子」自身も触れているように冷静さを欠く状態に追い込まれているわけですから、少々のことでは責められる理由はないでしょう。<br />
　けれども、彼女の行動が全て正しかったかどうかは別の問題です。言い換えれば、もし今後誰かが同じような状況になったとき、同じ行動をすることを推奨できるかということです。実際、本人が予想も希望もしていない方向に事態が進行したのですから、全面的に正しい行動だったとは、とても言えないと思います。<br />
　特に、重大な判断にAIを関わらせたことには、大きな論争の余地があります。朝日新聞を代表とするいわゆる旧メディアは、平素はAIに対して懐疑的な立場をとっていて、若者が頼りすぎることに批判的だったはずです。その視点で議論するなら「被害を受けたら、呑気にAIなんかに相談せずに、すぐに警察に通報するべきだった」と書くべきなのです。もし、AIが「通報はやめなさい」というアドバイスを出し、躊躇している間に重大な追加被害が発生する可能性を「素粒子」氏は無視するのでしょうか。まさか「AIは絶対に間違わないから、その場合は殺されておきなさい」などと主張するつもりはないでしょう。<br />
　なにしろ前例のない問題ですから、いろいろな立場からいろいろ予想や意見が出てくるのは、当然かつ好ましいことです。その中で、少しでも彼女の行動の問題点を指摘すると「責めている」と言って非難するのは、一種の言いがかりです。</p>

<p>　次のパラグラフは、児相を擁護する内容です。言っている事は正しいのですが、とりあえず今回は正しかったというだけの話です。けれども、「通報は、機械的に警察に連絡する」という対応では、何のために警察とは別に児相が夜中も窓口を開けているのか、という疑問に繋がります。通報と同時に、相談員を現場に派遣するのが理想なのでしょう。そうしたことへの言及もほしかったと思います。たとえば、素粒子らしく......</p>

<p>「児相に予算と人員の壁。通報は仕方ないけれど、本当は自ら現場に行きたかったろうに」</p>

<p>　<br />
　<strong>真打ち登場</strong></p>

<p>　さて、ここまでだったら、いちいち批判記事など書きません。3番目のパラグラフに、誤読誤解誤報の真打ちが登場します。</p>

<p>　「被害者の手紙を公開したのは正解だったのか」......一瞬、目を疑い、手紙の全文を読み返しました。この手紙は、文面からも代読者の弁護士さんの紹介からも、世間一般に向けたものであることは明らかです。「正解」も何も、はじめから「公開」目的のものです。これをあえて「公開」しないほうが良いのは、次の3つの場合しかありません。<br />
　まず、手紙の内容が被害者の意思ではない場合です。具体的には捏造や脅迫が考えられます。こうした疑いを常に持つのはジャーナリストとして当然ですが、万一もし捏造や、ましてや脅迫だったら刑事罰の対象になりません。その状況での弁護士さんによる発表なのですから、一定の信憑性はあります。<br />
　これを否定するだけの材料を、朝日新聞社が持っているとは思えません。もしあったら、素粒子ではなくスクープ記事で発表するはずです。また各メディアが、「捏造を疑って公開しそびれた場合」と「捏造だったのに公開してしまった場合」の被害は、前者の方がはるかに大きいかと思われます。また、後者は訂正もできます。<br />
　次に、内容が嘘まみれだという場合です。けれども、この手紙は、ほとんど被害者の心情と「お願い」のみで構成されています。嘘をつく余地はあまりありませんし、つく理由はもっとないでしょう。<br />
　３番目に、反社会的なことやプライバシーやセキュリティーを脅かす内容を含んでいる場合ですが、これは論外。<br />
　つまりどう考えても、「公開」するのが「正解」なのです。そして、弁護士さんがすぐにメディアに公表しなかったら、この想いが世間の目にふれることは永遠になかったでしょう。被害者だからと言って、声を上げる事を封じられて良いはずがありません。<br />
　全ての言論人がやりがちなことですが、言論の自由について、自分たちに不都合なものは（おそらく無意識的に）排除しようとする。特に、朝日新聞は伝統的にこの傾向が強いと思うのですが、いかがでしょうか。</p>

<p><strong>　ゴミ記事はＡＩをも汚染する</strong></p>

<p>　さて、ほとんど誰も指摘しない事ですが、ＡＩは今回の騒動をも織り込みつつあるということです。平素から、それぐらいの情報収集をしていなかったら、「ＤＶ」と「児相」とを結びつけて、警察より優先的に通報を推奨することなど、出来るはずがありません。<br />
　だから、「素粒子」のような社会的影響の強い記事がネット空間に排出されると、ＡＩが読み取って、「うかつに児童相談所に連絡すると大騒ぎになって、エキセントリック連中が出てくる」ということを「教訓」としている可能性が無視できません。そのため、今後、同様の相談があれば、児相への通報を抑制する方向に動くことになりそうです。だとすれば、「素粒子」は日本の情報空間に毒をまいた事になります。<br />
　今回、私が例外的に腰椎反射で反論しているのは、少しでも社会的解毒をしたいからです。大家さんの影響力で、この長屋にもＡＩの目が届くことを祈るのみです。</p>

<p><br />
<strong>　橋下元知事の正論</strong></p>

<p>　社会的影響力が強い論者で、一番まともなコメントを出されたのは橋下元大阪知事です。念のため書いておきますが、私は維新支持者ではありません。それどころか、都構想や国旗国歌に対する考え方など全く理解できません。けれども、今回は簡潔でド・ストライクの正論を出されたと思います。<br />
　<br />
<font size=-1><br />
<b><br />
<i>橋下徹氏　巨人・阿部監督辞任で提言「児相・警察は過剰気味に動く。説明があれば社会は許すべき」，東スポWEB，</i><br />
<a href="https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/389631">https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/389631</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　内容を要約します。<br />
　児童相談所・警察は「その時に厳しく対応せずに子供の命が失われて後から後悔するよりも、間違ってもいいから過剰に対応」する。「しかしその後の当事者の説明で、家庭内で対応できそうであれば、社会は家庭に委ねるべき。」「ファン商売である巨人も、世間からの反発を気にしてこのような対応を取らざるを得ない」が「過剰な社会的制裁は、むしろ児童相談所や警察の動きを鈍らせる」</p>

<p>　こういうのを本当の法曹人というのでしょう。専門家のコメントは、こうありたいと思います。今後、ＡＩがこうした良質の議論を吸収して、より洗練されたものになることを期待したいと願います。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>子育ての矛盾</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/05/28_1948.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6051</id>

    <published>2026-05-28T10:48:14Z</published>
    <updated>2026-05-28T10:50:47Z</updated>

    <summary> プロ野球読売の阿部監督が家庭内暴力を理由に逮捕されました。東京ドームでの対阪神...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p> プロ野球読売の阿部監督が家庭内暴力を理由に逮捕されました。東京ドームでの対阪神戦三連敗の直後でした。野球で負けていちいち子供に手を上げていたら、大阪には児童相談所がいくつあっても足りまへんがな......などと混ぜっ返す気はありませんが、深刻な問題でありながら、どこかコミカルな事件です。</p>

<p>　<strong>正義の基本設計図</strong></p>

<p>　「どんな状況でも暴力はいけない」......現代社会の基本ルールのひとつでしょう。「親は子供に、どんなことをしてでも教えなければならないことがある」......子育てをしたことのある人なら、おそらく賛成してくれると思います。でもこの２つは相容れません。「子育ての矛盾」と呼びましょう。<br />
　矛盾を解消するだけなら簡単な方法があります。あらゆる暴力を解禁してしまえばいいのです。実際、野生の世界では弱肉強食です。そして何億年もそのシステムが回っています。人類についても、本格的な「万人の万人に対する戦い」にしてしまえば矛盾はなくなりますが、そんな社会に住みたいとは思いません。そもそも、そういう状態を社会とは言えないでしょう。<br />
　暴力の制御は社会の本質的部分です。どういう暴力を容認するかというのは、必要な価値判断ですが矛盾の温床にもなります。反戦論や死刑廃止論は、現状では公認されている暴力に異を唱える議論で、言い換えれば矛盾との付き合い方を変えようという話です。だから、それらを正しいとか間違っていると言っても、あまり意味がありません。<br />
　社会的矛盾の解決方法の体系、すなわち正義の基本設計図をイデオロギーと言うのでしょう。同じ土地でも可能な都市計画が複数あるのと同様に、イデオロギーも多様であり、相互に矛盾しあっていて、よく揉めます。<br />
　現実の問題に、いきなり外部から生のイデオロギーを持ち込むと、あちこちで新たな矛盾が発生して混乱やら反発やらを招き、必ず状況を悪化させます。この長屋の大家さんの口癖のひとつ「原理の問題ではなく程度の問題」というのは、イデオロギーを安易に振り回すことへの、戒めだとも言えそうです。</p>

<p><br />
　<strong>豊かさで忘れられたこと</strong></p>

<p>　昭和の時代の話ですが、元将棋名人の米長邦雄氏は「すべての子供は体罰を受ける権利がある」という名言？を述べておられます。別に親による全てのDVを肯定している訳ではありません。「子育ての矛盾」への対応が暴力否定の方向に寄りすぎているのを、修正しようという意図があったことは確かでしょう。この時代には、こういう話は程度の問題として解決することへのコンセンサスがあったのでしょう。<br />
　さて、令和の現代。普段はうるさいの球界一の御意見番も、この事件には、散々歯切れの悪いコメントを残したあげく、チーム内での教育の話に話題を変えています。差別や暴力など、政治的に正しくないものは、程度の問題ではなく原理の問題として、完全に排除してしまおうというのが常識化しています。「程度の問題論」をあからさまに言うと、それだけで公の場から排除されます。どうやら、数ある近代的価値の中で言論の自由だけは、原理ではなく程度の問題として扱うことが決まっているようです。<br />
　正義の原理化は人権の堅牢化という意味では良い事なのでしょう。また、人間が豊かになり余裕ができたことの成果のひとつなのでしょう。自然災害や肉食獣、あるいは家族以外の人間からの攻撃によって乳幼児死亡率が高かった時代には、子供が危険なことを始めたら殴ってでも止めさせるのが正解でした。やさしく言って聞かせているうちに、我が子は波にさらわれ、虎に食われ、拉致されて奴隷にされてしまうでしょう。<br />
　あらゆる人権が理想に近い形で存在可能になったのは、土台に豊かさ有っての話なのです。その代わり、そうなると「子育ての矛盾」のような不都合な真実は、多くのひとには忘れられるようになります。けれども、今回の事例のように、大きな災害や今回のような社会システムにほころびで、いきなり矛盾が噴出します。原理ではなく程度の問題として解決する知恵が失われた社会では、これはかなり危険なことです。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>巨人・阿部慎之助監督が辞任　広岡達朗氏は「残念で仕方がない」と語る　「親が子の間違いに怒るのは当然。暴力は間違い」「同じようにチーム内で選手を叱り、育てられていたのか。私にはそうは思えない」，週刊ポストセブン，</i><br />
<br><br />
<a href="https://www.news-postseven.com/archives/20260526_2111814.html?DETAIL">https://www.news-postseven.com/archives/20260526_2111814.html?DETAIL</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>  <strong>ある「原理」主義者のコメント</strong></p>

<p>　「子育ての矛盾」を無理矢理に、原理の問題として解決しようとして支離滅裂になった例がみつかりました。「児童虐待事件にくわしい飛田桂弁護士」のコメントです。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>巨人・阿部慎之助監督の暴行事件、児相・警察の迅速対応も「長女」に批判の声...児童虐待の専門家に聞く，弁護士ドットコム，塚田賢慎 ，</i><br />
<br><br />
<a href="https://www.bengo4.com/c_1009/n_20455/">https://www.bengo4.com/c_1009/n_20455/</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　おそらくインタビュー取材の切り抜き記事ですから、ニュアンスなどはもしうまく表現できていなくても仕方有りません。突然コメントを求められ、専門家としてはこうとしか答えようが無いかったのかも知れませんが、それにしても私から見れば卑怯かつ無責任なコメントに見えます。申し訳ありませんが、笑えるレベルです。</p>

<p><font size=-1><b><br />
　「親から子どもへの暴力が、きちんと第三者に対する暴力と同等に受け止める力を全国民が持つことが求められています」<br />
</b></font></p>

<p>　「求められています」というのが、50年ぐらい前からある定番の無責任スタイルです。どこの、誰が、どういう理由で「求め」ているのでしょうか。私も一応日本国民ですが、求めた覚えも求められた覚えもありません。<br />
　「きちんと......受け止める力」という表現も鳥肌ものです。「本当に同等に受け止めるべきなのか」、という本質的な議論を省略して、「力」の問題にしてしまう......つまり「きちんと受け止められないのは力（＝能力）のない劣った人である」という判断を、すり込もうとしていますね。でも、ここまで露骨だと、憤りよりも気色悪さを感じます。<br />
　もう少し内容に踏み込みましょう。今回の事件が議論を巻き起こしているのは「親から子どもへの暴力が、きちんと第三者に対する暴力と同等」とは言い切れないと、多くのひとが思っているからです。もし、被害者が第三者（たとえば同年齢の巨人ファンの女性）だったりしたら、逮捕後すぐに釈放した警察の対応は、「有名人への忖度」と言われ、非難炎上していたでしょう。<br />
　普通に考えれば、親子と第三者は「同等」ではないのです。けれども同時に、暴力の重大性は加害者や被害者の立場とは無関係です。こういう「子育ての矛盾」から逃げておいて、上から目線で無難なイデオロギー表示しておく。控えめに言っても卑怯で無意味なコメントですが、......まあ、面白いから引用を続けますか。</p>

<p><font size=-1><b><br />
「本来、子どもの安全に関する通報・通告窓口が、一元化されていないこと自体が大きな問題です。<br />
　今回のように刑事事件化する可能性があるケースでは、結果的には、警察への通報のほうが迅速かつ強い対応につながります。ただし、子どもにとって、いきなり警察に連絡することは心理的ハードルが高い。<br />
　その点、児童相談所は子どもからのSOSに慣れており、比較的アクセスしやすい存在です。」<br />
</b></font></p>

<p>　通報窓口が「一元化されていない」と批判した直後に、「迅速かつ強い対応」の窓口と「比較的アクセスしやすい」窓口、を使い分ける話が出てきます。わざわざ御自分で矛盾を追加しておられる訳ですね。<br />
　今回の問題は話が逆です。警察への通報を明らかに望んでいなかった被害者が児相を選んだのに、結局警察に話が行ってしまった。窓口が別でも結果的に処理が「一元化」されたことが問題なのです。ある意味でコミカルな展開になったのも、これが大きな原因だったと思います。</p>

<p><font size=-1><b><br />
「今回は、児相が迅速に対応したことで、深刻化を防ぐことにつながったと思います。」<br />
</b></font></p>

<p>　確かに「迅速」ですが、児相がかなり無神経に対応したため問題が「深刻化」しました。だいたい、放っておいても「深刻化」などしようがなかったんじゃないでしょうか。</p>

<p><font size=-1><b><br />
「海外でも、自分の子どもへの暴力は、第三者に対する暴力よりも軽く受け止められがちな傾向があります。その中で、児童相談所や警察が、家庭内の暴力であっても第三者に対する暴力と同等に対応したことは、素晴らしかったと思います。」<br />
</b></font></p>

<p>　タリバン支配下の原理主義家庭やアマゾン奥地の狩猟民も含む「海外」ですか......などと野暮は言いませんが、欧米「先進国」（これだって多様性がありますから一括りにするのは無理でしょ）を想定しているのなら、はっきりそう書くべきです。<br />
　一般的に「海外でも」というのなら、あえて人類共通の見解に反する判断を、勇敢にもわが日本国の児相や警察がしたことになります。こんな褒められ方をされては、関係者は迷惑極まりないでしょう。<br />
　「素晴らしかったと思います。」......通報者が望まない大事件なったせいで、家族全員が必要以上に傷つき、警察や児相の信用がゆらぎ、そして本物の暴力被害者が相談しにくくなりましたが、こういう副作用に全く思いが至っておられません。つくづくお気楽な方ですね。司法や行政システムの限界と不備が露わになっているのに、法律家として遺憾に思うどころか、「素晴らしい」ですか。</p>

<p><font size=-1><b><br />
 しかし、日本でも、親から子どもへの暴力を「家庭内のこと」と矮小化せず、きちんと第三者に対する暴力と同じように受け止める視点が求められています。<br />
</b></font></p>

<p>　もう一度言います。「子育ての矛盾」に対しても、従来以上に「暴力絶対禁止」のイデオロギーを適応しようとするのは一つの見解です。賛成はしませんが、有力な意見として耳を傾けるつもりです。けれども「私は......求めます」と責任をもって書けばいいところを「日本でも......求められています」などと上から目線を維持したまま逃げを打つ。こういう卑怯さや格好悪さは、「やはり法律家は杓子定規でよくないよね」という乱暴な「常識論」を強化して、体罰教師やＤＶ親父を勇気づけかねません。人権思想そのものにまで泥を塗っているとさえ思います。</p>

<p><br />
　<strong>ＡＩが生成したコント</strong></p>

<p>　今回の事件が大きく議論されている最大の原因がＡＩの関与です。深刻な問題でありながら、どこかコミカルさが拭えない原因にもなっています。<br />
　報道によれば、被害者の女性は最初ＡＩに相談しました。この時点で、もともとの親との関係、暴力を受けた経緯、受けた暴力の内容が過不足なく入力されていたのでしょうか。ここいらへんは、もし最初から警察に相談したのなら、丹念に聞き取りが行われるはずです。この種の状況をスマホで描写するのは作家でも無い限り難しいでしょう。<br />
　ＡＩの側だって事例が少なく対応が洗練されているとは思えません。ＡＩが止めたせいで通報が遅れて殺された事例など発生するといけませんから、安全率を考えれば通報するほうに誘導するはずです。<br />
　児童相談所の担当者にも同情します。ただでさえ人手不足の深夜に、訪問はもとよりあまり時間をかけて話を聞く事も難しかったでしょう。経験的な職業上の感で対応を決めるしかありません。その際、「深夜、子供がわざわざ児相に連絡してきた」という事実は有力な判断材料になるでしょう。問題は、「匿名だからとＡＩに促されて」ということを、どの程度考慮したが、やはり最悪のことを考えて、また公務員の原則として、警察に回す事になります。<br />
　一番責任が重いのは現場の警察官でしょう。状況が一番よくわかるのですから。けれども、「本人が児相に相談した」という事実が重くのしかかります。防犯相談を受けていながら発生してしまったストーカー殺人などの事例が影響したのかも知れません。説諭だけして引き上げた後、重大なことになったら警視庁全体の責任問題です。<br />
　被害者が児相や警察に通報したということが、加害者の心理に悪影響を残している可能性もあります。やはり、大事をとって逮捕ということになったのでしょう。だから、大丈夫そうだとわかると速攻で釈放されました。結果的には逮捕は行き過ぎだったことを認めたようなものです。でも、それでいいのです。<br />
　関係者の誰もが、間違った判断や極端な選択をしたわけではないのでしょう。私がそれぞれの立場だったら、おそらく同じことをしていたと思います。けれどもその結果、国民の多くが不当だと思うような事がおこってしまいました。報道サイトへの圧倒的多数のコメントや各識者の発言からも、「今回はやり過ぎ」というのが常識的な見解だと思います。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>全文 巨人・阿部監督の娘が手紙で説明「父が警察に連行された姿見て泣き崩れてしまいました」電撃辞任，サンスポ，</i><br />
<br><a href="https://www.sanspo.com/article/20260526-3SN7APA3LFDL5OVMB45IWLDKDM/?outputType=theme_giants">https://www.sanspo.com/article/20260526-3SN7APA3LFDL5OVMB45IWLDKDM/?outputType=theme_giants</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　技術的な意味での原因は、最初に時点でのＡＩの関与の影響を誰もが処理できなかったことにあると思いますが、それでも関係者を非難する気にはなりません。ＡＩを作る側もそれに対応する側も、あまりにも事例が少なく判断が難しい状況で、全員が少しずつ過剰に反応することで大事件になってしまった訳です。<br />
　落語やコントの定番パターンに、「些細な問題が誤解によってエスカレートしていく」というのがあります。落語なら「金明竹」か「あみだが池」、コントなら「ゴキブリを殺した話がいつの間にか殺人事件のようになる」というようなやつです。ＡＩが関与する事で、普段は常識的に働いているシステムが誤動作した......というのが、今回の事件のコミカルさの原因だと思います。</p>

<p><br />
　<strong>原理主義の欺瞞が加速する少子化</strong></p>

<p>　もうひとつ。あえて大きな論点を指摘しておきましょう。今回の事件当時、阿部監督の巨人は、東京ドームでライバル阪神に三連敗した直後でした。野球に限らずプロスポーツというものは、勝ったり負けたりするものです。スポーツ観戦に限らず、ゲームやギャンブルなど勝負事は、敗北の痛みがあるからこそ娯楽として成立しています。昔阪神が本来の弱さを発揮していたころ、甲子園で（巨人が）勝ったり（阪神が）負けたりするのを見て、ファンは選手・球団・監督をボロクソに言いながら楽しんでいました。<br />
　けれども、負けの原因をつくったとされる選手や指導者を本気で詳細に分析して非難し、人格までも否定するとなると話が変わってきます。「怠惰だから体が動かない、弱気だから打てない、軽率だから打たれた」......親しくもない他人が言う事ですか。これはスポーツの世界だけではありません。<br />
　経済成長が頭打ちなゼロサムゲーム社会で成果主義を持ち出すと、多くの職業人は常に非難されている事になります。なにせ普通は「勝ったり負けたり」ですから。そして負けるたびに人格を否定されていたら、社会全体のストレスが限りなく増大してしまいます。<br />
　社会から余裕が消えて、縄文以前の野生時代や戦中戦後の貧困時代に似て来たとも言えます。こうなると「子育ての矛盾」から目を背けて擬似的に「原理の問題」として解決できる幸せな欺瞞が、少しずつ通用しなくなるでしょう。これからは一層、家族間の暴力に関しても、程度の問題として事例ごと場面ごとに丁寧に判断される知恵が求められるはずです。<br />
　ただし、もうひとつ別の「解決方法」もあります。子供さえ作らなければ「子育ての矛盾」に、自分ごととして直面することはありません。他人の子育てを程度ではなく原理に基づいて非難する事も可能で、誠に賢い生き方です。多くの若者が家族を持ちたがらない理由のひとつでしょう。わざわざ非難される側に回るには、相当の覚悟がいります。<br />
　今回の事件で、ジャイアンツの若手が「野球で食えるようになったら結婚して子供を作ろう」と、以前ほど思わなくなったとしたら、大変悲しく困った事です。けれどもこうした傾向は、他球団や他のスポーツにも留まらず、じわじわと若者全体にひろがっていくでしょう。<br />
　　</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>けったいな話</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/05/04_0811.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6042</id>

    <published>2026-05-03T23:11:08Z</published>
    <updated>2026-05-03T23:26:12Z</updated>

    <summary>教会版町内会 　それにしても、けったいな話です。アゴラという評論サイト。玉石混淆...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p><strong>教会版町内会</strong></p>

<p>　それにしても、けったいな話です。アゴラという評論サイト。玉石混淆......と<br />
言っても執筆者の中に「玉」と「石」が混じっているわけではありません。いつ<br />
もは知識量も豊富で読み応えのある文章を書いている著者が、突然、トンデモ記<br />
事を書くことがあるのです。<br />
　サプライズが出るテーマには著者ごとのツボがあるようで、オーナーライター？<br />
のI氏は、財政や経済のことは面白くて堅実なのですが、原発のことになると推進<br />
派というより猪突猛進派になります。歴史分野で研究者ハダシのトリビア記事を<br />
書くY氏は、医者と京都が鬼門。ここに着火すると読んでて怖くなるほどです。コ<br />
ンスタントに「石」ばかり書いていたのは、数年前に石屋をやめてこの長屋に拾<br />
われた私ぐらいです。<br />
　今回、紹介しますH氏。普段は、ヨーロッパ中心に国際政治について味わい深い<br />
コラムを書いておられるのですが、私の見る限り今回はやっちゃったみたいです。<br />
辺野古沖の同志社国際高校修学旅行事故について、妄想じみたことを書いておら<br />
れます。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>「右翼」と「左翼」のルーツについて、アゴラ、長谷川良､</i><br />
<a href="https://agora-web.jp/archives/260426191502.html">https://agora-web.jp/archives/260426191502.html</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p><b> 「そしてキリスト教主義の同志社国際高が戦後、左傾化した日本基督教団と<br />
深い関係があること、事故の背後に左翼的イデオロギーが大きな影響を与えてい<br />
たことなどが次々と明らかになってきた」</b></p>

<p>　こう書かれてしまうと、「同志社国際高と極悪カルトとの闇の関係がついに明<br />
るみに出た」みたいな印象ですが、実態はかなり冴えないものです。まず、日本<br />
基督教団は、戦中に日本政府がキリスト教団体を監視する目的で、プロテスタン<br />
ト諸派を一つにまとめるための団体でした。目的は敵性宗教の押さえ込みで、軍<br />
歌みたいな聖歌を歌わせたり、唯一神より皇室を上位に置くように要求したりと、<br />
無理難題を各教会に効率よく押しつけるための組織です。戦後、この異常な状態<br />
からもとの普通のキリスト教に戻れば、自動的に左傾化になるのです。<br />
　もうひとつ、カトリック教会との比較で言えば、聖職者の妻帯があり洗礼制度<br />
が実質的に存在しないこと、聖書をやたらに細かく読むことなど、プロテスタン<br />
ト諸派はラジカルで左っぽく見えないわけでもない......ぐらいの話です。だから、<br />
日本基督教団は所属教会間で教義を統一する気はまったくなさそう。ルーツは軍<br />
国翼賛団体だったけれども、便利だから戦後も残ったという感じです。教会版の<br />
町内会といったところでしょうか。</p>

<p> <font size=-1><br />
<b><br />
<i>日本基督教団とは、日本基督教団、</i><br />
<a href="https://uccj.org/about_uccj">https://uccj.org/about_uccj</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　さて、同志社グループとの関係ですが、大学のホームページにも、「新島がア<br />
メリカで所属していたのは、プロテスタント教会の流れをくむ「組合教会」<br />
（Congregational Church）でした」とあるように、同志社は自他とも認めるプロ<br />
テスタント系の宗教教育をする学校です。だから、「日本基督教団」とは結成時<br />
からのつきあいであったことは、「つぎつぎと明らか」になるどころか、もとも<br />
と常識中の常識です。<br />
 「左翼的イデオロギー」 呼ばわりもどうかと思います。あるイデオロギーを信<br />
奉する団体から危害を加えられた者が、そのイデオロギーに対して警戒ないし反<br />
発の態度をとるのは当然の話です。日本のキリスト教徒が戦前の国体、あるいは<br />
戦後のゾンビ国体、もしくは昨今の帯状疱疹型国体（免疫が弱るとゾロゾロ出て<br />
くる）に親和的でないのはイデオロギーの問題というより、自己防衛的な反射で<br />
す。線路沿いの住民が騒音に抗議し、沖縄県民が米兵の性犯罪を警戒するのは、<br />
電車や米国人が嫌いなのでは無く、迷惑をなんとかしてくれと言っているだけな<br />
のです。<br />
　「事故の背景」というのも、あらかじめ言い訳を用意した便利な表現です。さ<br />
すがに、「事故の原因は極左偏向教育」だなどとはおっしゃらないでしょうね。<br />
「神風が吹いて抗議船を沈めた」というのと同じことだからです。単に「背景」<br />
だけなら、ビッグバンも太陽系の形成も、人類の登場も全て「背景」です。「揚<br />
げ足をとるな」とおっしゃるのなら、そもそも、沖縄に米軍がいることが最大の<br />
「背景」ではないのですか。<br />
　このひとに限らず、事故を理由に「平和教育」を批判する声がありますが、ど<br />
う頑張っても無茶な議論です。どんなすばらしい理念の教育実践でも、安全管理<br />
を怠れば事故は起こりえます。逆に、統一教会の洗脳研修でもオカの上でやって<br />
いる限り、海難事故はおこりません。教育内容の善し悪しと安全には何の関係も<br />
ありません。自然の脅威の前では、こざかしいの政治思想など何の意味のないか<br />
らです。</p>

<p><br />
<strong>　小役人の利権あさり</strong></p>

<p>　それにしても、けったいな話です。文部科学省。教育現場で起こった事故は第<br />
一義的本来は自治体の教育委員会の管轄です。いじめや校内暴力と同じです。<br />
　ところが、今回は始めからキリスト教系学校や平和教育にケチをつけたい自民<br />
党政治家の意を受けてなのでしょうか、文科省の小役人どもがノコノコと京都ま<br />
でやってきました。しかも国土交通省（外局の海上保安庁）による報告が出るま<br />
では、学校側の管理責任など議論のしようがないはずです。いったい何を調べに<br />
来たのでしょうか。<br />
　褒められた話ではありませんが、同志社の教員は誰一人事故現場にはいません<br />
でした。弁解の余地のないことですが、船上に「いなかった」のですから、さら<br />
に調べてどうなる問題でもありません。唯一やれるとしたら、乗船していた生徒<br />
の話を聞く事ぐらいですが、事故から一月もたってから素人の文部官僚が聞き取<br />
れることなど、たいしてあるとは思えません。<br />
　政権与党の意を受けて、事故を口実に「偏向教育」の証拠を取りに来たとの批<br />
判が多いようですが、小役人の嫌らしさを舐めてはいけません。明確な「偏向」<br />
の証拠が見つかれば、戦利品として意気揚々と持ち帰るでしょうが、過去40年間、<br />
同志社がやってきた実習なんですから、下手に問題が見つかれば「なんで今まで<br />
見逃してきたのか」という批判が自分や先輩（つまり上司）にも降りかかります。<br />
いくつかの小さな落ち度を指摘して、「行き過ぎや、誤解を招く点があった」ぐ<br />
らいの線が落としどころでしょう。<br />
　おいしいのはここからです。関西屈指の巨大学校法人に貸しをつくれば、大き<br />
な見返りが期待できます。具体的には天下り先でしょうか......入省以来のブルシ<br />
ット激務で消耗しきったポンコツＯＢを、最低でも事務方管理職、うまくいけば<br />
教授で引き取ってもらえます......とまで言うのは、さすがに嫌み・因縁・陰謀論<br />
の世界です。けれども、良くも悪くも官僚の本能として、彼らは所轄の民間活動<br />
に先手先手で介入しようとします。そして、たいていの場合、介入によって適法<br />
で退屈で存在意義の怪しい活動になってしまいます。</p>

<p><br />
 <strong> 原因不明は陰謀論の温床</strong></p>

<p>　それにしても、けったいな話です。海上保安庁。いっこうに事故の全貌を発表<br />
しません。産経・八重山新報といったゴロツキ新聞が、気合いを入れてあら探し<br />
をしています。これらを寄せ集めたウィキペディアの記事では、船の長さをセン<br />
チ単位で報じているのに、転覆の瞬間は、「10時10分頃、高波に煽られ『不屈』<br />
が転覆」「『平和丸』も約2分後にほぼ同じ場所で転覆した」とあるだけです。<br />
　フライトレコーダーがあるわけでなし、船体が沈没したわけで無し、基本的に<br />
は乗船者の話をまとめれば、精度はともかく一通りの事実関係は分かるでしょう。<br />
けれども、「船の構造や整備に問題はなかったのか」、「転覆時には巡航中だっ<br />
たのか停船していたのか」、「予定のコース上にいたのか」、「現場の水深と岸<br />
までの距離」、「どんな波や風をどちら側から受けたのか」、「船長（船頭さん<br />
と言うべきか）はどんな対応をしたのか」、「近くに別の船はいたのか」。これ<br />
らの重要な情報は、事故後一ヶ月以上経過した今も以上一切発表がありません。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>辺野古沖抗議船転覆事故、フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』、<br />
</i><br />
<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BA%E9%87%8E%E5%8F%A4%E6%B2%96%E6%8A%97%E8%AD%B0%E8%88%B9%E8%BB%A2%E8%A6%86%E4%BA%8B%E6%95%85#">https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BA%E9%87%8E%E5%8F%A4%E6%B2%96%E6%8A%97%E8%AD%B0%E8%88%B9%E8%BB%A2%E8%A6%86%E4%BA%8B%E6%95%85#</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　船頭が操る小型船での死亡事故例には、2023年に京都保津川での川下り船のケー<br />
スがあります。当時の報道は「大高瀬付近で舵取り役の船頭が水を掻こうとした<br />
ところ、空振りし川に落ちた。他3人の船頭が舵を取ろうとしたがコースから外れ<br />
岩に衝突」とあり、簡潔ですが明確な事故の経緯が記録されています。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>保津川川下り船転覆死亡事故､フリー百科事典『ウィキペディア<br />
（Wikipedia）』、</i>，<br />
<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E6%B4%A5%E5%B7%9D%E5%B7%9D%E4%B8%8B%E3%82%8A%E8%88%B9%E8%BB%A2%E8%A6%86%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BA%8B%E6%95%85">https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%9D%E6%B4%A5%E5%B7%9D%E5%B7%9D%E4%B8%8B%E3%82%8A%E8%88%B9%E8%BB%A2%E8%A6%86%E6%AD%BB%E4%BA%A1%E4%BA%8B%E6%95%85</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　「細かい話はどうでもいい。とにかく抗議船は怪しからん」などと主張するの<br />
は勝手ですが、報道としも批判としてもほぼ無意味でしょう。断っておきますが、<br />
この事故はそれほど単純ではありません。<br />
　日常的に航行している場所で、２隻の船が次々と転覆。両船から各一名だけが<br />
犠牲になり、その後、「監視にあたっていた那覇海上保安部所属の小型船も転<br />
覆」。かなり特殊な状況だったのではないでしょうか。また、『不屈』の船頭さ<br />
んについては、死因や外傷の有無すら報道されていません。<br />
　こいつまでも事故原因がはっきりしないと、「船頭さんが事故直前に急病死し<br />
ていて操船不能だった（自動車事故ではたまにあるケース）」とか「誰かが故意<br />
に船を転覆させた」とか「一部の生徒が船を揺らすなど悪ふざけをした」とか<br />
「小型船にとって致命的で特殊な波が発生していた」など、常識的に見れば珍説<br />
や陰謀論のようなものまで、仮説としては可能になってきます。<br />
　断っておきますが、こういう突飛な推定を支持するような情報は一切ありませ<br />
ん。極めて可能性が低い話だと思っています。けれども、これらを明確に否定で<br />
きるだけの説得力がある公式の事故原因は、いまだに発表されていません。<br />
　事故の詳細が謎だらけで、学校関係者を含め誰にどの程度の過失や責任がある<br />
のかが不明のままだと、刑事責任や損害賠償などの法的な立証が難しくなり、ど<br />
んどん遺族にとって不利な状況になります。なんでメディアは海上保安庁に食い<br />
ついて行かないのでしょうか。</p>

<p><br />
<strong>　遠巻きの自己満足</strong></p>

<p>　それにしても、けったいな話です。海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民<br />
主化を求める協議会（以下；反対協議会）。いつもは、いったい何をしていたの<br />
でしょう。<br />
　現在、辺野古沖は米軍基地ではなく埋め立て工事現場です。米軍幹部も日本政<br />
府関係者も常駐していません。いや、多分いつ行ってもいないでしょう。現場に<br />
いる末端の作業員には、基地建設に関して何の権限もありません。テロ・妨害・<br />
嫌がらせの類いをしないのなら、反対協議会が洋上で出来る事はないはずです。<br />
だから、数隻の小舟で現場を遠巻きにしていても、「また来てるな」ぐらいのイ<br />
ンパクトしかありません。「自己満足」の烙印を押したいところですが、あまり<br />
満足そうですらないので保留しておきましょう。<br />
　反対協議会が本気で、「戦争につながる工事に協力している」と現業者に抗議<br />
をしたいのなら、その業者の役員会や株主総会に合わせて本社（那覇か名護か知<br />
りませんが）前で活動した方が、命がけで海に出るより、はるかに費用対効果が<br />
大きいでしょう。陰険にやるなら、その工務店の別の現場を調べ上げて、「反沖<br />
縄的な業者に仕事を回すな」と施主に要求するのもありでしょう。</p>

<p><br />
　<strong>事実の前では偏向は無力</strong></p>

<p>　それにしても、けったいな話です。同志社国際高校の平和学習。京都出身の私<br />
から見れば、昔から同志社はボンボン学校でリスクに敏感な校風です。過剰なぐ<br />
らい安全対策を旅行業者に要求しそうなものです。いや、実際そうだったのでし<br />
ょう。ところが、今回の洋上実習は、牧師さんどうしの個人的つながりで企画さ<br />
れていました。いくら宗教的・人格的にすぐれた人物でも、自然相手のリスク管<br />
理訓練を受けているとは限りません。現地の旅行代理店が、「この船、危ないで<br />
すよ」ぐらいの耳打ちはしたかも知れませんが、学校自身の主催となると、それ<br />
以上強く言えるものではなかったでしょう。<br />
　そもそも、この実習は平和学習とは言いがたいものです。繰り返しますが辺野<br />
古の沖に出たところで、米軍や自衛隊は影も形もありません。軍用機が上空を飛<br />
ぶのは沖縄本島のどこでも同じです。<br />
　埋め立て工事は見えるかも知れませんが、これは平和学習というより環境学習<br />
です。土砂をぶっかけられる珊瑚やイソギンチャクにとっては、目的が米軍基地<br />
なのかリゾートホテルなのかは、どうでもいい話です。<br />
　では、なぜ船を出したか。右翼メディアがよく言う「抗議活動の資金かせぎ」<br />
というのも、あり得ることだと思います。だとしたら、生徒たちはなぜそんな退<br />
屈なコースを選んだかというと、私の推定はオマケ説です。「あまり面白くない<br />
基地移設反対派の話を聞いたあとは、亜熱帯の海の生き物を間近で見られる」と<br />
いうような形で、学校側が宣伝したのではないでしょうか。埋め立て地からやや<br />
離れた珊瑚礁の端に、船がいた理由の説明にもなる仮説です。<br />
　一方、偏向教育という批判ですがこれは的外れだと思います。現物を見せる実<br />
習授業は、偏向とは折り合いが悪いからです。しょぼい抗議船に乗れば、基地建<br />
設反対が必ずしも沖縄県民の総意ではないことが、一発でわかってしまいます。<br />
なんで支持が広がらないのかを考えてみるだけでも、学校側のもくろみとは異な<br />
りますが、沖縄に来た意味は十分にあったと思います。<br />
　事実の重みの前では、ケチくさい偏向などあっけなく吹っ飛んでしまうもので<br />
す。私自身の経験ですが、某大学の学生を兵庫県南部地震の被災地に連れて行っ<br />
たところ、瓦礫の山や広大な焼け跡では涙していた子が、避難所のお祭りでさん<br />
ざん御馳走になり、ふと「被災地って楽しいな」と漏らしました。巨大災害のあ<br />
と、ときには一種のアジールが生まれることを身をもって経験できたのは、こち<br />
らの意図をはるかに越えた学習成果だったと思います。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>あれから30年（後半）、この長屋、村山恭平、</i>，<br />
<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/01/06_1644.html </b>">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/01/06_1644.html </b></a><br />
</font></p>

<p>　話を沖縄に戻します。実習先で、基地被害や戦争の悲惨さばかりを見せるのは<br />
不公平だ、という批判はあり得るでしょう。バランスをとるには、たとえば米軍<br />
の広報にでもかけあって、基地見学をさせてもらい、日米安保の必要性や在中米<br />
軍の健全性について拝聴できればいいのですが、そのような話は聞いた事があり<br />
ません。<br />
　修学旅行で沖縄を訪れる学校の数は膨大ですが、米軍や防衛省はアピールしな<br />
いのでしょうか。基地必要論を学ぶ機会がないのですから、反対派の主張をとり<br />
あえず聞いておくのを偏向と呼んでも仕方ないでしょう。</p>

<p><br />
　<strong>ドナルドにはお願いしないのですか</strong></p>

<p>　それにしてもけったいな話です。保守派の愛国心。彼らは、旧日本軍の沖縄で<br />
の奮戦や献身的な住民の犠牲を美談にしがちですが、もし、元気な若者が、米軍<br />
基地の迷惑があらわな現地でそういう話を聞けば、「自分たちも勇敢にアメ公ど<br />
もと戦って、いつの日か沖縄を取り返そう」という気分になるのが自然です。け<br />
れども、多くの保守派は、「米軍には目一杯協力して台湾有事では積極的に貢献<br />
しよう」と主張します。間違っても、「台湾有事は米軍の寝首をかくチャンス」<br />
などと口走ったりしません。<br />
　親米保守と反米保守のねじれは深刻だといいますが、「外国軍の巻き添えや侮<br />
辱はいやだ」というシンプルで愛国的な主張は、反米保守の中でさえ皆無です。<br />
「実現性のないことは口にしない」というのなら、「北方領土返還」の旗印も引<br />
っ込めるべきでしょう。<br />
　保守派が「安保という名の米軍支配」を容認するのなら、旧日本軍の戦いをど<br />
う評価するのか、かなり困った事になりませんか。「国のために命を捧げた人に<br />
敬意を表するのは、イデオロギーや敵味方を越えて当然のこと」と逃げるのなら、<br />
なぜ訪日した米国大統領を靖国に連れて行こうと誰もおっしゃらないのでしょう。<br />
はるばる広島まで足を伸ばしたオバマ大統領（当時）も、帰り道に九段の鳥居を<br />
くぐろうとはしませんでした。ちなみに、日本の総理がワシントンを訪問した際<br />
には、アーリントン墓地に参拝するのが慣例になっています。日米英霊格差と言<br />
うべき屈辱的状況でしょう。<br />
　この春、ワシントンで喧嘩......じゃなかった献花をした高市総理は、一般的な<br />
アメリカ人が抱いている「正義の戦没者と戦犯戦没者の区別」を、認めるのでし<br />
ょうか。そうでないなら、一刻も早く行動するべきです。いきなりドナルドにお<br />
願いするのは敷居が高いというのなら、まずはご近所のよしみで韓流ドラマー氏<br />
を、英霊たちの社にご招待申し上げてはいかがでしょうか。</p>

<p><font size=-1><br />
<b><br />
<i>高市首相、アーリントン墓地で無名戦士の墓に献花...帰国の途に、読売新聞、<br />
</i>，<br />
<a href="https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260321-GYT1T00096/">https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260321-GYT1T00096/</a><br />
</b><br />
</font></p>

<p>　 旧日本軍の壊滅的な敗戦と現在の在日米軍の特権的地位......その両方が一番よ<br />
く見える場所が沖縄です。矛盾に目をつぶっているのか、矛盾に気がつかないの<br />
か知りませんが、政権に近い劣化保守が、無神経な平和運動批判を繰り返して、<br />
かえって南の島の国防を脆弱化している。これが一番けったいな話だと思います。</p>

<p> <font size=-1><br />
<b><br />
<i>反国防的活動、この長屋、村山恭平、</i>，<br />
<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/04/27_1726.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/04/27_1726.html</a><br />
</b><br />
</font></p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>反国防的活動</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/04/27_1726.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6036</id>

    <published>2026-04-27T08:26:43Z</published>
    <updated>2026-04-27T08:29:18Z</updated>

    <summary>　那覇から帰って来ました。前回の訪問時には、西田参議院議員の「ひめゆり失 言」が...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　那覇から帰って来ました。前回の訪問時には、西田参議院議員の「ひめゆり失<br />
言」がありました。今回も、辺野古での沈没事故。もしかしたら私は疫病神では<br />
......などと、一瞬自意識過剰になりましたが、よく考えてみると毎日のように同<br />
じような事件が、沖縄ではおこっています。</p>

<p><br />
　<strong>辺野古問題の始まり</strong></p>

<p>　たとえば、先日の「沖縄タイムズ」の第一面の記事。</p>

<p><b><br />
<i>政府、沖縄県内移設に固執　米軍ヘリ岩国案に反対　日米協議「前提損なう」<br />
　普天間返還合意、きょう12日で30年</i>、沖縄タイムス、<br><br />
<a href="https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1815381">https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1815381</a><br />
</b></p>

<p>　30年前、せっかく「海兵隊の大型輸送ヘリコプター基地を普天間から、広島県<br />
の岩国への移転」を米側が提案してきたときに、こともあろうに日本政府が話を<br />
潰してしまったというものです。移転話が表に出て、「本土」での与党票を減ら<br />
すことを危惧しての政策なのでしょう。「日米安保の負担は君たち離島の二級国<br />
民が一手に引き受けなさい」という、自民党政権からの大変分かりやすいメッセー<br />
ジになっていました。<br />
　反対理由は「海兵隊との一体的運用を損なう」とのことですが、天下の合衆国<br />
海兵隊に軍事指導しちゃったわけです。随分大胆な話です。おそらく鼻で笑われ<br />
たと思われますが、これが辺野古の新基地建設につながったのですから、笑い事<br />
ではすみません。<br />
　けれども、沖縄タイムスのスクープは県外のメディアでは、大きな扱いにはな<br />
っていません。県民と県外の間で認識ギャップが、少しずつ広がってきているよ<br />
うです。</p>

<p><br />
<strong>　維新らしい斬新な失言</strong></p>

<p>　同じ紙面のお隣の記事。これは最近の話です。<br />
　那覇に来ました。前にもこちらで原稿を書いた時、西田参議院議員のひめゆり<br />
失言がありました。今回も、辺野古での沈没事故。もしかしたら、日頃行いの悪<br />
い私のせいで......などと、一瞬自意識過剰になりましたが、よく考えてみると、<br />
規模の大小はあれ、同じようなタイプの事件は沖縄で毎日のおこっています。</p>

<p><b><br />
<i>PFAS「反国防的運動に使われているのでは」　衆院環境委で維新議員が持論　<br />
汚染不安の訴えに誤認識、沖縄タイムス</i>、<br><br />
<a href="https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1815382">https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1815382</a><br />
</b></p>

<p> 維新所属の北関東の地方議員が、「一連の沖縄でのＰＦＡＳへの抗議行動は、思<br />
想的に偏った反国防運動だ」という趣旨の言いがかりをつけた、という話です。<br />
「反国防」とはまたすごい表現ですね。とりあえず一回、笑っておきましょう。<br />
　発言のなかで、その議員は「ＰＦＡＳ（の有害性は）医学的にも科学的にもま<br />
だ証明されていない」ということを上げていました。この部分だけなら、私も支<br />
持できます。有機フッ素化合物（以下ＰＦＡＳ）には膨大な種類があり用途も毒<br />
性も違うのに、一括りにして議論されています。問題の発見直後は仕方ないにし<br />
ろ、こんな大雑把なくくりで規制だの安全基準だのと言い出すのは、とても科学<br />
的態度とは言えません。けれども、この議論を持って行く相手は沖縄では無く、<br />
環境庁のはずです。<br />
　ＰＦＡＳについては、環境上の努力目標であったのが、本年４月から規制化さ<br />
れたような状況ですから、他県民と同様に沖縄県民が不安に思い、水道関係者が<br />
対応するための協力を米軍関係者に求めるのも当然のことでしょう。</p>

<p><br />
<strong>　軍用機には消火器がつきもの</strong></p>

<p>　先日、嘉手納基地での「アメリカフェスト2026」（要は米空軍の「学園祭」）<br />
を見てきました。わずか数時間の滞在でしたが、米軍基地内は実質治外法権だと<br />
いうことがよくわかりました。<br />
　入場者に野戦用のタンクから飲料水を呑ませたり（食品衛生法違反？）、機関<br />
銃の台座に子供を座らせて引き金を引かせたり（弾は無くとも銃刀法違反？）、<br />
やりたい放題。圧巻は飛行場上空での花火大会です。羽田や関空で同じ事をした<br />
ら、所轄の消防署が激怒するでしょう。<br />
　会場ではオスプレイを含む１０機程度の米軍機が展示してあったのですが、そ<br />
れぞれ機首の前に大型洗濯機サイズの消化器がおいてありました。戦闘が身近に<br />
ある米軍は、「飛行機は時には炎上するものである」と、はじめから織り込んで<br />
いるようにも見えます。ちなみに、横にあった航空自衛隊機の前には消化器はあ<br />
りませんでした。<br />
　おそらく、嘉手納では通常の空港よりは頻繁に消火訓練が行われているはずで<br />
す。また、滑走路の舗装も通常の空港よりかなり簡単なもので、ひび割れも多く<br />
何か液体を流せば簡単に地下水層まで染みこむでしょう。基地周辺には大規模な<br />
化学工場はありませんから、常識的に考えればPFASの出所は米軍しか考えられま<br />
せん。水道局が、詳しい調査をさせてほしいと言うのは当然です。<br />
　水道水は県民だけでなく、米軍将兵や家族も飲むものです。安全な水を提供す<br />
るのは、日米地位協定上も義務のはずです。水道関係者と基地関係者との間で技<br />
術的に協力しあえる部分はあるはずで、こういう地道な活動を通じて人間どうし<br />
の、あるいはプロとしての信頼関係を現場で作ることは、「国防上」も必要なこ<br />
とだと断言できます。</p>

<p><br />
　<strong>国防の基礎は不愉快さの最小化にある</strong></p>

<p>　沖縄在住者が、米軍に何かを要求をすると、仮にそれが些細のなことや当然の<br />
こと、あるいは簡単に対処できることでも、ただちに政治的な「極端な」反米運<br />
動と考えて糾弾するのは、失礼でありかつ愚かなことです。<br />
　80年前、私たち「内地」の日本人は、沖縄を捨石にして「国体」を守る事を選<br />
びました。その後、「国体」は日米安保体制を選び、私たちはさまざまなかたち<br />
で利益を得て、沖縄の人たちはさまざまなかたちで迷惑を受けています。<br />
　県外での、沖縄に対する思いやりのない発言や礼を失した行動が、少しずつ積<br />
み上がっていけば、「本土の連中のために誰が犠牲なんか払うものか、むしろ戦<br />
中・戦後の貸しを回収させてもらう」という考え方が多数派になっても仕方ない<br />
でしょう。<br />
　米軍基地を支える電気・水道のインフラ、県内基地間の道路、そして約５万人<br />
の米軍関係者（軍人・軍属・家族）の食料・医療などは、県内の民間人の協力が<br />
なければ、とても確保できるはずがありません。有事の場合、これらは米軍の士<br />
気や戦闘能力に大きく影響します。<br />
　県民にとって米軍は不愉快な隣人たちです。米軍将兵のほうだって、同じよう<br />
な気分でしょう。だからこそ、お互いの不愉快を最小限にして、間違っても許容<br />
範囲をこえるようなことが無いようにするのが、日米安保体制下での国防の基礎<br />
のはずです。政治家の無神経な発言は、仮に内輪向けのものでも、明らかに無知<br />
に基づくものでも、かなりタチの悪い反国防的活動だと言えるでしょう</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>恐れていた事</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/03/20_0809.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6021</id>

    <published>2026-03-19T23:09:50Z</published>
    <updated>2026-03-19T23:19:21Z</updated>

    <summary>　この長屋では、北陸新幹線をはじめ公共事業などの技術論を書いているつもりですが、...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　この長屋では、北陸新幹線をはじめ公共事業などの技術論を書いているつもりですが、あまり一般的には注目されていない危惧も指摘するよう務めてきました。<br />
　見方によっては、重箱の隅のあら探しです。けれども、記事にした「恐れていた事」の2つが、立て続けに現実化してしまいました。報告しておきます。   </p>

<p><br />
　<strong>鋼鉄のタケノコは二度死ぬ</strong></p>

<p>　暖かくなってきました。春と言えばタケノコ。今年の出色は、一夜にして梅田の路上に生えた、高さ13ｍの鋼鉄製の「タケノコ」です。不謹慎かも知れませんが、生えて来るところを是非ともライブで見たかったと思います。<br />
　原因は多分浮力です。人間の心理なのでしょうか、物が沈んでいく事に関しては恐怖心が働くのですが、沈んでいた物が浮き上がってくることはあまり気にしません。そういえば、鹿児島の道路トンネルの崩壊事故もその例でした。</p>

<p><b>本当は恐ろしい浮力の話（この長屋），村山恭平，<br />
<i><a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/08/29_0556.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/08/29_0556.html</a></i>，</p>

<p></b></p>

<p>　今回の「タケノコ」騒ぎも同型の話です。正体は鋼鉄製のパイプ、大雨のとき地下3ｍの下水（雨水）管から24ｍ下にある地下貯水層へ汚水を落とすための縦の送水管だったそうです。つまり巨大な雨樋です。<br />
　こういう場合、通常の工事ではまずは穴を掘りながら上のパイプと繋いでいきます。たぶん作業中に少しずつ地下水が浸入して来るでしょうが、底の部分が完成したらポンプで吸い上げて捨てます。こうすれば中は空っぽになります。<br />
　なにしろ水を一切通さない直径3.5ｍ高さ27ｍのパイプを地下に立てるわけです。地表から地下27ｍまでの途中に地下水の層があれば、そこからパイプの周囲を伝って水が下へ落ちて行き底に回り込んで貯まりはじめます。<br />
　地面の下に巨大な注射器を押し込んだようなものです。血液検査のときなど、注射針を刺しただけで、ピストンを引かなくても注射器の中に血が入ってきます。低血圧症などで血が貯まらない場合に、力づくで医師がピストンを操作して血を吸い上げることを強行採血と言います......嘘です。<br />
　梅田の地下は「高血圧」だったのでしょうか、鋼鉄パイプは穴底に貯まった水に浮かぶ形でどんどん持ち上げられ、地上に出てきたのです。<br />
　報道では「浮力あるいは地下水の圧力」などいう表現もありましたが、実は同じ物です。水中で物体が受ける圧力のうち、「上から下に押し込む力」と「下から上に押し返す力」を比べると、水深が深い分だけ後者の方が大きいのですが、その差が浮力になります。大きさは、水に沈んでいる部分の体積に比例します。<br />
　船の設計などでは、積分なんぞを使った面倒な計算になりますが、今回の「タケノコ」は、直径3.5mの円筒で、これ以上ないほど単純な形です。上面は空中に出ていて側面は鉛直ですから、底面にかかる水圧がそのまま浮力になります。13ｍ飛び出した状態では、地下に残っている部分の体積は、1.5　×　3.5　×　3.14　×　17　で、だいたい650立方ｍぐらいですから、浮力は最大で650t分になります。鋼鉄管の重さは約56ｔ。まだまだ余力があるのに上昇が停まったのは、地下水の深さのせいでしょう。パイプの長さは約30ｍで地上に13ｍ出ているということは、地下17ｍまで刺さっているということで、ここいらが地下の水面なのではないでしょうか。</p>

<p><b>大阪の鋼鉄管最大１３ｍ隆起...専門家「地下水の圧力でありうるが、これだけ<br />
巨大な事例聞いたことない」，読売新聞オンライン，<br />
<i><a href="https://www.yomiuri.co.jp/national/20260311-GYT1T00407/">https://www.yomiuri.co.jp/national/20260311-GYT1T00407/</a><br />
</i>，</p>

<p></b></p>

<p>　この「タケノコ」ですが、中に水を入れると浮力に対抗できる重さになり、ズブズブと再び地中に沈んでいきます。なにしろ注射器のようなものですから、上から押してやれば沈みますが押すのをやめれば浮き上がります。だから最後に地上に残った1.6mほどの先っぽは、切らない方がよいでしょう。先っぽが無くなればパイプは軽くなり、その分また地上に上がってきそうだからです。<br />
　もともとの目的が大雨時の送水管なのですから、完成後、平時には常に鋼鉄管の中を空っぽにしておかなければなりません。大阪市は地盤の補強が終わったら再び鋼鉄管内の水を抜いて工事を続行するとのことですが、やめた方が良いと思います。<br />
　今回の事故でさらにはっきりしたのは、この地域は地下水が多く地下にある中空の構造物は、浮力で浮き上がって来るリスクがあることです。周辺に固着剤を流し込んで鋼鉄管を周辺の地盤にくっつけるとの事ですが、なにせ軟弱地盤です。固着したはずの土砂ごと持ち上げられ、「タケノコ」の回りに土砂の衣がへばりついて、もう一回、上がってくることになりかねません。地元の人は絶対に許さないでしょう。大阪では「二度漬け禁止」は常識です。いつまでも「タケノコ」にこだわらず、最初から設計をやりなおすのが、実は一番早くて安上がりなのではないでしょうか。</p>

<p>　身近な市街地でも、地下のことは案外見落とされているものです。たとえば、降った雨のほとんどは地下水になるのに、その先の流れはほとんど解明されていません。ですから、十分な地質データの無い場所や大深度地下での工事では、これまでの常識では考えられないような問題や、経験したことのなかった事態が発生するのです。<br />
　ところで、浮力と関係ないところでも、地下水によってよく考えてみると恐ろしい事態が進行しています。見てみましょう。</p>

<p><br />
　<strong>甘過ぎた私の危惧</strong></p>

<p>　福島第一原子力発電所に関して、先日、ある報道がありました。内容は2022～23年ごろの調査です。2026年3月9日付けの朝日新聞の朝刊一面でしたが、スクープというより、どちらかと言えば地味な震災記念日がらみの回顧記事です。けれども、見出しを見て冷や汗が出ました。</p>

<p><b>原子炉直下に新たな想定外「消えたコンクリート」　15年後の今も謎，朝日新<br />
聞<br />
<i><a href="https://www.asahi.com/articles/ASV2W33C4V2WUTFL01BM.html">https://www.asahi.com/articles/ASV2W33C4V2WUTFL01BM.html</a></i>，</p>

<p></b></p>

<p>　やっぱり来たか......恐れていた老朽化がいよいよ始まったようです。地震翌日にメルトダウンして以来、いまだに大量のデブりが残る一号機。原子炉本体とも言える格納容器を支える台座の中心部分で、鉄筋だけを残してコンクリートがゴッソリと無くなってしまっているようです。<br />
　現場の担当者の方は、「横からの支えもあることなどから、大規模な損壊に至る可能性は低い」などと呑気なことをおっしゃいますが、とんでもない話です。調査で分かったのは「中心部分が無くなっている」ということだけで、当てにしている周辺部分がどの程度残っているのかは不明です。<br />
　下に破片がほとんど落ちていないことから考えて、台座のコンクリートは「崩れた」というより「溶けた」ということです。あるいは両方かもしれませんがメカニズムは不明。今後、崩落（熔解？）が進行しないと考えるのは、あまりにも楽観的でしょう。<br />
　地震や津波などのリスクもあります。明治になってから3回も大きな津波が来た場所です。無視できる危険ではありあせん。いずれにせよ、格納容器がそう長く保つことは期待できません。この前の記事で、「どんなに頑張っても、あと100年もすれば建屋が崩壊」と書きましたが、見積もりが数10年単位で甘かったようです。</p>

<p><b>新春備忘録（この長屋），村山恭平，<br />
<i><a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/01/14_1820.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/01/14_1820.html</a></i>，</p>

<p></b></p>

<p>　<strong>鉄筋コンクリートのジレンマ</strong></p>

<p>　最近まで知らなかったことですが、鉄筋コンクリートは鉄筋のないコンクリートよりも寿命が短いそうです。理由は鉄筋が錆びるからです。ローマの円形競技場が残っているのも鉄筋が入っていないからとのことです。<br />
　それでは、なんで鉄筋なんか使うのでしょうか。コンクリートは押しつぶす力には滅法強いのですが、引っ張られるとたわいなく割れてしまいます。タイルを考えると分かりやすいのですが、少し腕力のある人なら普通の10ｃｍ角のタイルをへし折るのは簡単でしょう。しかし、たとえレスラーや力士でも、壁に張ってある同じタイルを、指で押しつぶすのは無理でしょう。<br />
　地震時など、コンクリート製の柱や壁を引き延ばしたりねじったりするタイプの力に備えて、補強をするのが鉄筋なのです。だから、地震国ほど建物に鉄筋をしっかり入れる必要があります。<br />
　これまた不謹慎な話ですが、ガザやキーウの爆撃で倒壊しかけているビルは、えらく安普請に見えませんか。けれども地震の少ない地域の建築はあれぐらいで十分です。それを、わざわざ壊しに来るほど人類が馬鹿なのは、設計者やコンクリートの責任ではありません。<br />
　けれども、鉄にも弱点があります。国内の普通の建物では、何十年かすると鉄筋はさび始め、元に戻ることはありません。さびが進むと鉄筋は膨張して周囲のコンクリートにひびが入り、そこから入った水分でさらに鉄筋がさびるというという悪循環が始まります。<br />
　古いビルの外壁が剥がれて、中から赤茶けた鉄筋が顔を出していることが時々ありますが、そのビルは倒壊への王道コースを進み始めたことになります。ここまで来てしまうと、いくらお金をかけてもメンテナンスすることは困難です。コンクリートの中にある鉄筋を全て新しい物に取り替えることなど不可能だからです。中古マンションなどでこういう個所を見つけたら、いくら外見が丈夫そうでも絶対に購入しようなどと思わないで下さい。<br />
　まとめて言えば、耐震などの「短期的な丈夫さ」と「長期的な安定性」は、本質的に矛盾しているのです。鉄筋を減らせば地震に弱くなり、増やせばさびのリスクが増えるからです。</p>

<p><br />
　<strong>メンテが分けた二つの被曝建築物</strong></p>

<p>　ただし、建築時に鉄筋のさびを防ぐ工法や完成後のメンテナンスで、鉄筋の寿命も延ばすことも可能ではあります。たとえば、広島の原爆ドームは1912年の完成で、終戦の時点ですでに耐用年数に近かった可能性があります。被爆で福島よりもはるかに強烈な熱と放射線と爆風を浴びているのですが、その後、８０年にわたって（少なくとも台座部分は）原型を保っています。戦争遺構になったことで十分なメンテナンスが行われ、築後100年以上残っているという訳です。まさに歴史の皮肉なのですが、原爆投下がなかったら、おそらく戦後の早い段階に老朽化で取り壊されていたことでしょう。<br />
　では問題の福島の原子炉格納容器はどうなのでしょう。まず、完成は１９７０年頃、海砂やアルカリ骨材反応などの問題が知られる前の施工ですから、もとのコンクリートとしての完成度は期待できるとは思えません。<br />
　また、原子炉の寿命は４０年とか６０年とか言われているわけですから、百年単位の使用を前提に設計されたはずがありません。むしろ、短期的な丈夫さを優先して鉄筋を多様するのが常識ですから、さびに対してはあまり工夫のない、当時の普通のコンクリート基礎だったのでしょう。<br />
　そして、「そろそろ寿命かどうかをチェックしよう」という時期に、震災が起こったわけです。もともと耐用年数が近づいていたときに、地震・津波・メルトダウン・水蒸気爆発・海水の流入とダメージのフルコースを耐え忍んでいるのですから、最初の設計施工者はある意味でヒーローです。けれども今後はどうなるのでしょうか。<br />
　もちろんメンテなど夢のまた夢です。格納容器には人間が近づけないですから。それどころか、デブリで加熱された海水が常に循環し、弱くなったとは言え今でも放射線にさらされているのですから、これまでと同じかそれ以上のスピードで、腐食が進んでいくでしょう。</p>

<p><br />
<strong>　呑気な現場と忍び寄るXデイ</strong></p>

<p>　さて、その現地で何が行われているかと言えば、デブリの取り出しです。いつ終わるのでしょう。事故から10年以上たって、「0.9グラム取り出せたぜ」と技術者が興奮している状態です。デブリの総量は880ｔで取り出せた量の約10億倍。<br />
「100億年仕事。それまで太陽系がもつかどうか」とか「ウランの半減期は最大47億年だから、そのころには放射線もかなりマシになってるやろう」などと嫌味を言うつもりはありません。<br />
　けれども、デブリ取り出しの完了時期は、東電「大本営」の発表では、本格的な取り出し開始が2037年以降、建屋の解体終了が2051年ごろとのこと。怪しげな数字が並んでいます。ほとんどの関係者や科学・技術者が鼻で笑う、この楽観的な見積もりでさえ、取り出し終了は今から25年後、つまり震災から今までよりも長い期間になり、そのころには一号機は築80年を迎えることになります。格納容器が頑張りきれるかどうかは、微妙なところだと思います。<br />
　デブリの受け入れ先問題なども無視した楽観的な工期見積もりでさえこれなのですから、格納容器のコンクリート劣化問題は深刻だと言わざるを得ません。最悪の場合、2040年ごろのある日、一号機の格納容器が建屋ともろとも倒壊してしまい、大量のデブリが外気に露出し、それまで健気に汚染水を除染していたＡＬＰＳも停止するでしょう。<br />
　こうなると敷地に近づくことすら危険ですから、事故の対処どころか逃げ遅れた人の救助も不可能です。大気中や海水中の放射性物質は海外でも観測されるまでになり（チェルノブイリ事故では日本国内のモニタリングポストにさえ異常値が出ました）、なすすべも無く汚染物質を垂れ流し続ける日本は、世界中から呆れられ天文学的な損害賠償を求められるでしょう。<br />
　最後に私なりの対策を書いておきます。まず、デブリの取り出しは早期に諦めるべきです。出来そうもないことに経費と人員、そして何よりも時間を費やすべきではありません。諦めきれない夢(ここでは完全な現場の除染)のために、着実に危険が増す事を放置しがちなのは私たち日本人の（あるいは人類の共通の）悪い癖です。<br />
　地元福島県の方には本当に申し訳ないのですが、デブリを含む放射性汚染物はその場で密閉処理するより仕方有りません。具体的には、まず、既存の原子炉施設（格納容器や圧力容器）が曲がりなりにも機能して放射線を遮蔽できているうちに、周囲に土手を作るような方法で建屋もろとも隔離してしまい、最終的には埋めてしまうより仕方有りません。そして、一帯の地下水やら海水やらをくみ上げて、冷却と除染を続ける......こんな方法しかないでしょう。<br />
　それで何とかなるのかと聞かれたら、「分かりません。無理かもしれません。多分無理でしょう」としか答えようがありませんが、今のままデブリ相手のママゴトで遊んでいて、「突然の倒壊で手の付けようもなくなる」となるよりは、はるかにマシだと思います。少なくとも、日本は最後の最後まで勇敢に戦い抜いて破綻した国家として、と歴史に名を残すことができるからです。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>公共的な有害コンテンツ　　　　　　　　　　　　　　　【北陸新幹線　その 31】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/02/27_1516.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6014</id>

    <published>2026-02-27T06:16:10Z</published>
    <updated>2026-02-27T06:29:23Z</updated>

    <summary>　青少年に有害なコンテンツを勝手に送りつけて、後日、料金を取りにやってく る.....</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　青少年に有害なコンテンツを勝手に送りつけて、後日、料金を取りにやってく<br />
る......こんな反社のような押しつけ商法が野放しになっています。もっとも予防<br />
法はわりと簡単で、テレビを持たなければ良いのです。学生などひとりぐらしの<br />
若者は、「ＮＨＫが来る」という理由で、はじめからテレビ受像機を買わないよ<br />
うになっています。<br />
　けれども、有害コンテンツ自体は野放しのまま。言論の自由とは誠に難しいも<br />
のです。一般的には、気に入らない番組なんか放っておけば良いのですが、明ら<br />
かに誰かを傷つけたり、セキュリティーやプライバシーを侵害したりする表現を<br />
見かけたとき、どうしたらいいのか。さらに、事実関係は正しく表現に穏当を欠<br />
いていないけれども、この発想が社会に広まってはマズイと思われる場合などど<br />
うしたものでしょう。<br />
　やはり言論には言論で対抗するのが筋というもの。特に、若い時に税金で教育<br />
を受けた人間は、自分の専門分野に無茶苦茶な話が広まるのを止めにかかる義務<br />
があるように思います。<br />
　前にも書きましたが、私はＮＨＫの「プロジェクトＸ」は有害コンテンツだと<br />
思っています。嘘八百並べているとか、詳細で迫力のある性的動画の宝庫とかい<br />
うのでありませんが、番組の根本にある科学技術思想を、社会が共有してほしく<br />
ないからです。「科学技術は万能で、解決できない問題はない」という、「理化<br />
学的根性論」とか「技術者ドラえもん化思想」とか「ヘルメットをかぶった水戸<br />
黄門」とでも呼びたくなるやつです。<br />
　同じＮＨＫでも「魔改造の夜」などは、失敗の重要性を教える優良な番組だと<br />
言えます。本当に新規性のあるプロジェクトは、構想段階も含めれば99％失敗す<br />
るという経験則があるようですが、私に参画させていただければ、あと1％上乗せ<br />
する自信があります。</p>

<p>　<strong>トンネル穿かず、見方を穿て</strong></p>

<p>　今回、私が見逃せないと思ったのは、2026年1月24日（土）に拡大版で放送され、<br />
いまでもＮＨＫプラスでも視聴可能な、「新プロジェクトX～挑戦者たち～」にて<br />
「半世紀の悲願 北陸新幹線～飯山トンネルを穿（うが）て～」です。</p>

<p><br />
半世紀の悲願 北陸新幹線～飯山トンネルを穿（うが）て～，ＮＨＫ，<br />
<i><a href="https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P1124VMJ6R">https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P1124VMJ6R</a></i>，<br />
</b></p>

<p>　最初に断っておきますが、内容の真実性にケチをつける気はありません。それ<br />
どころか、大きな落盤があっても、一人の犠牲者も出さなかった熊谷組などの安<br />
全管理には、最大の敬意を払うつもりです。<br />
　けれども、いかがわしいのは「悲願北陸新幹線」「トンネルを穿て」といった<br />
昭和的な見出しが、「小浜・京都ルートも頑張ればなんとかなる」というメッセー<br />
ジを含んでいることです。念のためもう一度結論を言いましょう。いくら頑張っ<br />
ても、何ともならんもんは何ともなりません。飯山と丹波では条件が違いすぎま<br />
す。小浜ルートが不可能性に満ちた悪夢のプロジェクトだという話は、これまで<br />
に記事30本も書いてきたので、いまさら焼き直しをしても仕方ありません。今回、<br />
飯山トンネル関連を調べていて新たに分かった事を書き留めてみましょう。<br />
　まずはトンネルの長さです。現在の発表では、新小浜駅（仮称；以下同様）か<br />
ら京丹波市のあかり区間まで35ｋｍほどのトンネル（仮に「東小浜トンネル」と<br />
呼びましょう）に対して、飯山トンネルは23ｋｍ以下でかなり短めです。<br />
　貫通までの工期は、飯山が約7年半とのことですが、乱暴に計算すると23000ｍ<br />
÷（7．5×365）で、一日あたりの掘削速度が8．4ｍということになります。工区<br />
の数は6で、両端の工区では各１か所、それ以外の４つでは各２か所の「切羽（き<br />
りは）」があります。切羽とは掘削作業の最前線となる場所のことで、合計10か<br />
所の切羽で同時にトンネルを「穿って」いたということです。<br />
　一つの切羽の掘削速度は平均で0.8～0.9ｍ／日ということになります。多めに<br />
見積もって1.0ｍ／日としましょう。ちなみに、この見積もりは以前の北陸新幹線<br />
の記事で私がしたものと、大きく変わりません。</p>

<p><b><br />
竹槍戦隊大本営【北陸新幹線 その12】，長屋（村山恭平），<br />
<i><a href="http://nagaya.tatsuru.com/mt/mt-search.cgi?search=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%81%93&IncludeBlogs=17&limit=20&button=">http://nagaya.tatsuru.com/mt/mt-search.cgi?search=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%E9%81%93&IncludeBlogs=17&limit=20&button=</a></i>，<br />
</b></p>

<p>　では、長さ35kmぐらいはある問題の「東小浜トンネル」について計算してみま<br />
しょう。予定の掘削期間は15年とされていますから、最低でも6か所の切羽が必要<br />
で、工区を4つ以上に分けることになります。両端以外の中の工区は斜坑を作って<br />
現場の地下まで行き、トンネルの中程から掘り始めるしかありません。<br />
　工事中に斜坑から運び出す残土の量を計算してみましょう。トンネルの断面積<br />
は80平方ｍ。毎日1ｍ進むとすれば、80立方ｍで約200ｔの残土が発生します。1つ<br />
の工区には切羽が両側に2つありますから、斜坑から出てくる土砂は400ｔ。10ｔ<br />
積みの大型ダンプで40回分。往復で80回、ダンプが毎日通る作業道が、斜坑から<br />
最寄りの幹線道路（国道162号しかない）まで必要になります。1日に16時間（た<br />
とえば朝6時から夜10時まで）稼働したとしても、1時間に5台。つまり、15年間に<br />
わたって12分に一回は大型ダンプが走りことになり、そんな道はとても生活道路<br />
としては使い物になりません。そのため、土砂搬出要の専用道路が必要になり、<br />
それだけでも結構な環境破壊です。用地買収に応じる地主がどれぐらいいるので<br />
しょうか。それやこれやで掘り始めるまでに数年は要するでしょう。着工後の<br />
「土埃」とか「騒音」とか「交通事故」とか「道路沈下」とか言わないで下さい。<br />
そこまで面倒見切れませんから。<br />
　そもそも、作業道以前に斜坑自体がつくれるのでしょうか。トンネルの半分以<br />
上（20ｋｍ前後）を占める京都府内の2市のうち、北よりの京丹波市は熱心な新幹<br />
線反対派で、早くから議論を先取りして、わざわざ「斜坑」という言葉を使って<br />
拒否宣言をしています。南よりの京都市も市議会が反対決議を上げています。も<br />
し彼らを説得できるとしても何10年単位の時間がかかるでしょう。その問題を回<br />
避して、斜坑なしで20kmのトンネルを一気に「穿つ」と、27年以上かかることに<br />
なります。まあ、どっちにしろ30年仕事、非常に気の長いことです。</p>

<p>　　<strong>想定された想定外と想定外を想定しない行政</strong></p>

<p>　これまでの計算は全てが順調にいった場合の話です。「プロジェクトX」に出て<br />
くる飯山トンネルでも落盤などのトラブルはありましたが、東小浜トンネルでも、<br />
せいぜいその程度（おいおい......）のトラブルで済むと仮定しての工期計算です。<br />
　状況を比べてみましょう。長野･新潟県境にある飯山トンネルのルートは、飯山<br />
街道と呼ばれた古くからの交通の要路で、現在は国道292号など多くの道路が併走<br />
しており、古くから開発されたエリアです。だから、地元の建築会社などにはか<br />
なりの地質データの蓄積があったはずです。<br />
　さらに、トンネルを掘るに際しても、十分な時間と人員とコストをかけた調査<br />
研究が行われていました。着工の12年前にすでに、現地での工法に関する研究論<br />
文まで書かれています。最終的には、この専門雑誌だけで、「飯山トンネル」が<br />
表題・副題になった論文が13本掲載されました。十分な調査と研究に基づき、満<br />
を持して工事を始めたことがよく分かります。</p>

<p> <b><br />
　膨圧層克服に自信を深めた飯山トンネル 北陸新幹線調査坑試験報告，鉄建公団<br />
他，<br />
　トンネルと地下6月号，1988，<br />
<i>　<a href="https://tunnel.ne.jp/underground/3829-6052/">https://tunnel.ne.jp/underground/3829-6052/</a></i>，<br />
</b></p>

<p>　一方、我らが「東小浜トンネル」は、手つかずの自然林と言われる「芹生の森」<br />
付近を延々と行くルートで、併走する国道どころかまともな道路もほとんどなく、<br />
集落さえ皆無な場所に「穿ち」に行くわけです。地質データの蓄積など皆無でし<br />
ょう。<br />
　ルートが決まっていないので仕方ないのかも知れませんが、上に引用した学術<br />
専門誌にも敦賀以南のトンネルに関しては、いまだに（2026年2月現在）1本の論<br />
文も出ていません。それでも「今年度中に着工を」などと叫ぶ人がいます。「目<br />
をつぶって突撃せよ」と言われるのと同じですから、現場で何がおこるか不明で<br />
す。<br />
　敵情を調査研究し、それに基づく戦術を徹底的に訓練して事に望んだ「真珠湾<br />
攻撃」と、相手の戦力を甘く見て突っ込んだ「ミッドウェー海戦」の違いで、す<br />
でに結果は目に見えています。<br />
　こんなことを書くと、「また年寄りが悲観的なことを言って社会の足を引っ張<br />
る」などと言われをうえですが、「着工後に想定外のことが次々とおこり、いつ<br />
まで立っても完成時期の予想や建設費の全体像すらわからない」という泥沼状態<br />
は、リニア中央新幹線や北海道新幹線の現場で、今実際におこっていることです。<br />
　そのリニアや北海道に関してさえ、上記の専門誌に多数の研究論文が掲載され<br />
ています。だから論文0ということは、ゼネコンの研究部門でさえ「東小浜トンネ<br />
ル」については、ほとんど何の知識も何の準備もないとしか思えません。もしか<br />
したら、着工となっても落札する気がはじめから無いのかも知れません。大手が<br />
見向きもしなかった万博工事の悪夢が思い出されます。</p>

<p>　少なくとも、小浜ルートの工期や工費に関して現在発表されている数字は、専<br />
門家が資料に基づいて計算したものではなく、ただのファンタジーです。いつも<br />
のポエムで申し訳ありませんが、工期はエンドレス、工費はプライスレス、採算<br />
性はホープレスということになります。それでも、とにかく着工してしまおうと<br />
する小浜ルート関係者の度胸と無責任と反知性主義に、改めて悪寒が走る思いで<br />
す。</p>

<p><strong>　令和の川口浩探検隊</strong></p>

<p>　プロジェクトＸからだいぶ話がそれました。今回、飯山トンネルについて調べ<br />
ていて、一番笑ったのは、トンネルコースの1ｋｍ横に「地滑り資料館」という博<br />
物館があったことです。同館によれば、約700年前の鎌倉時代末にはすでに付近が<br />
地滑り地帯だということはよく知られており、人柱伝説にまで作られていました<br />
（伝説どころか人柱と思われる人骨まで出土しました）。同館の開館でさえ<br />
1992年ですから、2000年の着工時点では付近一帯が「ブランド物」の地滑り地帯<br />
であることは、周知されていました。</p>

<p><b><br />
　人柱供養堂，新潟県，<br />
　<i><a href="https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/jouetsu_sabou/1354572113082.html">https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/jouetsu_sabou/1354572113082.html</a></i>，<br />
</b></p>

<p>　トンネル工事中の地滑りによる落盤事故も、ある程度は着工前から織り込まれ<br />
ていたから、犠牲者が出なかったのでしょう。これはもちろん偉大な事なのです<br />
が、いわば「想定された想定外」で、「プロジェクトＸ」が描く、「突発事故に<br />
現場が機転と根性で対抗した」というシナリオとは随分と印象の違う話です。現<br />
場の技術力や決断力には大きな敬意を払いますが、それが発揮できたのは事前の<br />
地味な準備と、それを容認した経営陣や施主である行政があってのことです。逆<br />
に、想定を怠ったための想定外は、たいてい大惨事になります。<br />
　「テレビなんだから仕方ないじゃない」と言ってしまえばそれまでですが、だ<br />
とすれば「プロジェクトＸ」は民放のバラエティーと大差ないということになり<br />
ます。政財界はともかく教育関係者からもそれなりに評価されている分、タチが<br />
悪いとさえ言えます。有害番組だという根拠はここにあります。<br />
　現実の医師がドクターＸではなく銀行員が半沢直樹ではないのと同様。現場技<br />
術者は川口浩探検隊長ではありません。出来ない事は出来ないのです。</p>

<p><b><br />
川口浩探検シリーズ，テレビ朝日，<br />
<i> <a href="https://douga.tv-asahi.co.jp/program/37089-37088">https://douga.tv-asahi.co.jp/program/37089-37088</a></i>，<br />
</b></p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>狂気の沙汰には白票を</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/02/01_0815.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.6001</id>

    <published>2026-01-31T23:15:41Z</published>
    <updated>2026-01-31T23:18:52Z</updated>

    <summary>　何を考えているのでしょうか。「北陸新幹線延伸ルート、維新が８案の再検討 要求....</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　何を考えているのでしょうか。「北陸新幹線延伸ルート、維新が８案の再検討<br />
要求...与党ＰＴ」，「出直しダブル選挙」，「自民党と日本維新の会が85選挙区<br />
で激突」......批判派はもちろん、維新の支持者でも意図がさっぱりわからないと<br />
嘆いています。<br />
　関西万博の収支をなかなか公表しない事やいわゆる国保逃れなどは、褒められ<br />
た話ではありませんが、よくある問題の範囲です。けれども、昨秋以降の維新は<br />
トチ狂ったとしか言いようのない政策が続いています。</p>

<p>　<strong>時間稼ぎで嫌がらせ</strong></p>

<p>　まず、北陸新幹線の新大阪延伸問題。京都・小浜ルートの目処が立たない中で<br />
の米原ルートの再検討は、昨年の参議院京都選挙区での維新候補の公約ですが、<br />
なんで８本ものルートが出てくるのでしょう。中には、これまで誰も提案したこ<br />
とのない珍妙なルートまで含まれています。<br />
　たとえば小浜・舞鶴・京都のルート。何しろ、湖西線と比べて距離が２倍近く<br />
にりそうな上、最速列車でも舞鶴に停まるとすると、京都・敦賀間の時間では現<br />
行のサンダーバード（約52分）どころか、新快速（約90分）にも負けかねません。<br />
料金も２倍以上でしょう。丹波山地の長大トンネルや京都盆地の大深度地下工事<br />
などの致命的欠陥は、現状の京都・小浜ルートと同等かそれ以上です。さまざま<br />
な延伸ルートの欠点だけを集めてきたようなプランです。<br />
　ただの当て馬（他のルートをマシに見せるため）なのかも知れませんが、北陸<br />
新幹線の一日でも早い延伸を素直に期待している人から見れば、時間稼ぎの嫌が<br />
らせにしか見えません。実際、こんな代物の検討資料を作らされる現場担当者は、<br />
たまったものではありません。<br />
　この件は、昨年末、下の記事にまとめましたので、興味のある方はお読みくだ<br />
さい。</p>

<p><b>小浜ルートの駆除が始まった　　【北陸新幹線　その28】<br />
<i>村山恭平</i>，<br />
<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html</a><br />
</b></p>

<p><br />
　<strong>アホな有権者に再挑戦</strong></p>

<p>　うんざりするのが都構想です。大阪府市政を牛耳っているのに２回続けて住民<br />
投票で否決されたことを、もう一回住民投票にかけようというのです。自分の任<br />
期中はやらないと言っていた吉村知事の心変わりです。というより、与党になっ<br />
て本音がうずいたのでしょうか。<br />
　政治家が前言を撤回することは、必ずしも悪い事ではないと思いますが、大き<br />
な説明責任が発生します。吉村知事の場合、過去２回の住民投票の結果をどう評<br />
価するかということを明言すべきでしょう。理論的に考えれば、次の３つの可能<br />
性しかありません。</p>

<p>　１）否決されたときと、今回は状況が大きく変わった。<br />
　２）否決されたのとは、今回は別の提案をもってきた。<br />
　３）否決は誤った判断だと考えている。</p>

<p>　順に検討しましょう。<br />
まず、否決時点と比べて状況が変わった事は、維新が与党になったことです。け<br />
れども、国家の財政も民間の経済状況も大幅に悪化し、「都構想どころじゃない」<br />
という状況になっています。<br />
　では、新しい画期的な提案があるのか。どう考えても何もありません。都構想<br />
の信を問うと言いながら、具体的な内容は全く聞こえてきません。吉村知事自身<br />
が、「有権者の審判を仰ぎ、〝大阪都構想の設計図〟を作らせていただきたい」<br />
なんて、いまさら言っています。まともな脳味噌の持ち主ならば、「設計図」を<br />
作ってから「これはいかがでしょうか」と、「有権者の審判を仰ぐ」はずですが。<br />
内容を議論するのではなく、「俺に白紙委任しろ」と言いたいわけです。維新と<br />
いう政党には良い点もたくさんあると思うのですが、議論より独裁という体質に<br />
はゲッソリします。<br />
　彼らは恐らく本心で「大阪都構想について有権者の審判をあおぐ必要はない」<br />
と考えているのでしょう。だから、過去２回の否決は、「馬鹿な府民どもの誤っ<br />
た判断であった」と思っていることになります。「再挑戦」という言葉もよく出<br />
てきますが、誰に「再」び「戦」いを「挑」むのでしょうか。大阪の民意と戦う<br />
気だと理解しました。</p>

<p><b>出直し大阪府知事選、都構想「設計図」是非を問う　吉村氏、府市一体の成長<br />
を訴え，<br />
<i>４７ｎｅｗｓ</i>，<br />
<a href="https://weekly-osakanichi2.net/archives/45922">https://weekly-osakanichi2.net/archives/45922</a><br />
</b></p>

<p>　<strong>白票で冷や水を</strong></p>

<p>　そもそも都構想に何のメリットがあるのでしょうか。二重行政の廃止と言って<br />
も、大阪市を複数の基礎的自治体である「区」に分割して、なんで二重行政じゃ<br />
なくなるのでしょうか。だいたい、約十年にわたって府市両方の行政を牛耳って<br />
きていながら、なぜ「二重行政」とやらの解除ができなかったのでしょうか。そ<br />
もそも、都道府県の他に市区町村という基礎的自治体を置く制度は、はじめから<br />
手厚い二重行政を指向するもので、大阪だけに限った話ではありません。<br />
　つまり都構想のメリットがよく分からないことが、過去２回の住民投票での否<br />
決に大きな影響があったと考えるべきではないでしょうか。さらに、ここ半年ほ<br />
どは副首都の話が出てきてさらに、議論が混乱しています。<br />
　念のために書いておきますが、副首都とは災害などで東京が機能不全になった<br />
ときに、代わりに首都の働きをする都市を予め造っておこうという考え方で、別<br />
に特別区が構成する都である必要はないのです。また、国全体に関係する事です<br />
から、大阪府市だけで決められるわけではありません。実際、長野や福岡なども<br />
手をあげています。恐らく、我が国は独裁制ではなく一応は民主主義国家である<br />
限り、この話は実現しないでしょう。<br />
　副首都になることのメリット（確かに大阪にとっては大きい）と都構想そのも<br />
ののメリット別物です。あたかも、都構想が成立すれば自動的に大阪が副首都に<br />
なれるような幻想を振りまくのはやめるべきでしょう。<br />
　もうひとつ、あまり知られていないことですが、住民投票以下の手続きが進ん<br />
でも、国会での法改正が無い限り、大阪都にはなりません。考えてみれば当然の<br />
話で、道府県が自分たちだけの判断で「都」を名乗れるのなら、北海都、青森都<br />
......なんてことにもなりかねません。大阪市が区に分割されても、大阪府は府の<br />
ままです。前回の住民投票でもそうなっていたのに、なぜかみんな都構想と平気<br />
で言っています。<br />
　ちなみに、今回の知事・市長選挙では私は白票をいれるつもりです。選挙の開<br />
票では白票は他の無効票とは別途集計されます。つまりひとつの意思表示として<br />
認められているわけです。たとえば選挙を行うことへの抗議としては、認められ<br />
ていることです。<br />
　過半数が白票だったら面白いのですが、そこまで行かなくても大阪府なり市で<br />
行われた過去の選挙と比較して突出して多い白票が出れば、ゾンビのような都構<br />
想に盛大に冷や水をぶっかけられ、簡単には住民投票に踏み切れなくなります。<br />
今回の知事選・市長選に納得の行かない有権者の方におすすめしたいと思います。<br />
白票が歴史を動かすという前代未聞の民主主義に参加してみませんか。</p>

<p> 最後に衆院選。維新は与党になりながらも自民党と選挙区調整しないため、小<br />
選挙区に与党候補が２人立候補するという複雑怪奇な事が、数十選挙区で起こっ<br />
ています。高市総裁は、「あたらしい連立の形」などと力なく笑っておられまし<br />
たが、自民党の候補者はたまったものではありません。特に、与党の現職がいる<br />
選挙区に、あえて立候補するということは、与党の政策を認めないということで<br />
す。ひとつやふたつなら、その議員の例外的な話なのでしょうが、これが何十選<br />
挙区にも及ぶとなると、「どこが連立なんじゃ」と思います。<br />
　ビートたけし氏などは、「自民党の寝首をかく気じゃないか」などと言ってい<br />
ますが、与党の一角に加わることで国民の信用を得て、結党以来のいかがわしさ<br />
を粉飾するのが最大の目的ではないでしょうか。<br />
　右も左も次々と新党が結成され、自分たちが目立たなくなったからと言って、<br />
奇をてらったことばかりするのは、落ち目の芸人が舞台で裸になるのと同じよう<br />
なもの、みっともない限りです。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>新春備忘録</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/01/26_1743.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.5998</id>

    <published>2026-01-26T08:43:38Z</published>
    <updated>2026-01-26T08:49:41Z</updated>

    <summary>　第二部　水に流して流される 　備忘録ということですが、私も忘却力では若い者には...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　<strong>第二部　水に流して流される</strong></p>

<p>　備忘録ということですが、私も忘却力では若い者には負けません。一方こうい<br />
う人間は、脈絡なくつまらないことを、突然思い出したりします。少し前に流行<br />
った言葉が妙に気になったりもします。<br />
　米百俵の話を覚えていますか、2002年当時の小泉純一郎総理大臣が所信表明演<br />
説に引用してから一気に有名なった物語です。内容の真実性や総理の引用の適切<br />
さはあえて議論しませんが、そのとき多くの私たち日本人の心に刺さったことは<br />
間違いありません。<br />
　それから30年もしない昨年、別に飢饉でもないのに私たちの多くは、備蓄米の<br />
放出を支持しました。その結果、昨春100万ｔ弱あった政府備蓄米は三分の一弱し<br />
か残っていません。しかも大半は、2020年21年産のいわゆる古古......米。備蓄の<br />
うち新しい方から食い散らかしたわけです。事情はいろいろあるにせよ、なんだ<br />
か意地汚い話です。米百俵の精神とどこへ行ったのだ......などと「オールドメデ<br />
ィア」のラスボス、新聞のコラムあたりがボヤくか思ったのですが、どうやら何<br />
もおこりませんでした。米百俵どころか備蓄米という言葉さえ、みんな忘れてし<br />
まったみたいです。<br />
　それにしてもなぜ、古古古......なんでしょう。いくら農業技術が進んだとは言<br />
え、収穫直後から古古古古米になる品種はありません。政府が新米を通常は食用<br />
にしない古古古......米になるまで保管したからです。毎年の備蓄量を増やして、<br />
せめて古古米ぐらいのときに、海外での飢餓救済や工業用に回すのが普通のやり<br />
方だと思うのですが。購入量は増えますが、使わなければ新しいうちに償却でき<br />
るのですから、それほど経費には響かないでしょう。農林大臣が、備蓄の量と質<br />
を確保するより目先の米価を下げることを考え、あまり批判を受けてはいません。<br />
今後、米百俵の話が復活することがあるのでしょうか。いやないでしょう。</p>

<p><b><br />
米百俵物語，<i>米百俵スクールプロジェクト</i>，<br />
<a href="http://kome100sp.com/story/">http://kome100sp.com/story/</a><br />
</b><br />
<b><br />
小泉首相の所信表明演説（米百俵の引用），<i>小泉純一郎</i>，<br />
<a href="https://www7a.biglobe.ne.jp/~jigenji/koizumi.htm">https://www7a.biglobe.ne.jp/~jigenji/koizumi.htm</a><br />
</b><br />
<b><br />
農水省は11月12日、同日時点の政府備蓄米の在庫状況を32万ｔとの見込みと公表<br />
した。<i>農水省</i>，<br />
<a href="https://www.jacom.or.jp/kome/news/2025/11/251113-85698.php">https://www.jacom.or.jp/kome/news/2025/11/251113-85698.php</a><br />
</b></p>

<p><strong>　見栄を張る「首長」族</strong></p>

<p>　前回お話しました原発は、いくら公共性が高いと言っても民間企業である電力<br />
会社の話です。福島第一の事故で東電株は紙切れになりました。今後の原発の安<br />
全性については、曲がりなりにも、株主によるガバナンスが機能することが期待<br />
できます。ところが、純粋に税金だけで動いている国や自治体となると、どんな<br />
無茶をしても選挙で落ちる以上の形で責任を取らされることはありません。<br />
　バラマキで破綻が確実であっても、それが数十年以上先の話だと、「なんとか<br />
なるさ」と考えるのが、私たち日本人の特性です。逆に、目の前でクラッシュが<br />
おこっても、数十年以上前まで遡って責任を追及することはありません。何でも<br />
水に流す国民性だからでしょう。<br />
　覚えてますか東京五輪（2021）。都は莫大な損失をどうするのでしょうか。今<br />
でも日々それが膨らんでいます。金利の話をしてるのではありません。レガシー<br />
という名の金食い虫が元気に活躍しているからです。<br />
　たとえば、水泳会場となった東京アクアティクスセンター。ここにはメイン・<br />
サブ・飛込用と、３つのプールがあります。メイン・サブはいずれも長さ５０ｍ<br />
幅２５ｍ深さ３ｍとなっていて、競泳・水球・アーティスティックスイミングの<br />
全てに対応できる公認規格です。<br />
　とんでもない代物だと思います。国際基準の公認規格では、競泳用のプールは<br />
深さは２ｍ以上あればよく、水球・アーティスティックスイミングは長さ約３０<br />
ｍで十分です。だから、メインを競泳用（深さ2ｍ）にサブ水球・アーティスティ<br />
ックスイミング用（長さ30ｍ）にすれば、３０％以上水量を減らせます。温度や<br />
水質を管理しなければならないことを考えると、五輪以降の維持経費を大幅に削<br />
減できたはずです。<br />
　実は、学校プールの維持管理に関わったことがあるので身にしみているのです<br />
が、水質は一度悪化させてしまうと、システム全体のメンテが必要になるので、<br />
使い続けるつもりなら水の循環を長期間止めることはできません。<br />
　それにしてもなぜ、競泳用プールを３ｍにしたのか......どうやら、深いプール<br />
ほと波の発生が少なく、良い記録が出やすいことが理由だと言われています。実<br />
際、競泳３７種目中、世界新記録が６とまずまず多めの大会だったと言えますが、<br />
歴史の浅い種目も多く自由形での世界新はなし。どこまで水深に効果があったの<br />
か不明です。<br />
　この東京アクアティクスセンターが出している赤字は、年間６億円以上だそう<br />
です。辺鄙なところで、最寄り駅から無料の送迎バス（これまた赤字の原因）が<br />
出ていますが、都民が気軽に泳ぎに行ける立地ではありません。旧東京オリンピ<br />
ックで使われた代々木体育館のプールを復活させれば、こうしたレガシー経費も<br />
不要だったはずです。今からでも、せめてプールを部分的に埋め立てて、公認規<br />
格ギリギリまで縮小してはいかがでしょうか。<br />
　一方、さらに巨大な赤字が出そうな国立競技場の収支計画は不明。プールの水<br />
を気にしている場合ではないのかも知れません。後腐れ無く、閉会後は全てを更<br />
地にもどしてしまう関西万博の「潔さ」さえも、光って見えます。<br />
　ちなみに、五輪自体の赤字は2.3兆円以上。東京から地方への税の再分配問題に<br />
せよ、ゴミ袋有料化の話にせよ、「都にお金がないからダメ」とは言い出せない<br />
でしょう。</p>

<p><b><br />
東京アクアティクスセンター，<i>東京アクアティクスセンター</i>，<br />
　<a href="https://www.tef.or.jp/tac/index.html">https://www.tef.or.jp/tac/index.html</a><br />
</b><br />
<b><br />
東京オリンピック【競泳】世界新記録、五輪新記録まとめ， <i>Excalibur（エク<br />
スカリバー）水泳教室</i>，<br />
　<a href="https://excalibur-personal.com/1474/">https://excalibur-personal.com/1474/</a><br />
</b><br />
<b><br />
東京オリパラ「負のレガシー」が重すぎる　7つの恒久施設の維持費は年間50億円，<br />
<i>ＡＥＲＡ</i>，<br />
　<a href="https://dot.asahi.com/articles/-/67041?page=1">https://dot.asahi.com/articles/-/67041?page=1</a><br />
</b><br />
<b><br />
◆宮本勝浩 関西大学名誉教授が推定 ◆東京オリンピック・パラリンピックの経<br />
済効果と赤字額〜経済効果は約6兆1,442億円。一方で、組織委員会や国、東京都<br />
の赤字総額は、約2兆3,713億円〜，<i>宮本勝浩</i>，<br />
　<a href="https://times.sanpou-s.net/detail/pid-31143/">https://times.sanpou-s.net/detail/pid-31143/</a><br />
</b></p>

<p>　<strong>不発爆型レガシー</strong></p>

<p>　赤字と言えば、一番恐ろしいのがミャクミャク界隈です。不気味なのは、「万<br />
博は黒字だ」としながらも、あまり維新の連中が騒がないことです。彼らの「上<br />
品な」文化を考えれば、鬼の首でも取ったように大言壮語しそうなものですが、<br />
妙に静かです。<br />
　そもそも、公的イベントでの黒字の定義はなんなのでしょう。まず、設備投資<br />
とも言える建設費は滞りなく瓦礫に化けつつあります。それと比べれば経済効果<br />
なんてほとんどないでしょう。誰かが万博に行ってお金を使えば、その分は他で<br />
の消費が減ります。「万博で遊ぶために一生懸命働くぞ」という人は皆無だから<br />
です。せいぜい、万博に行くために来日した少数の外国人たちの、インバウンド<br />
消費が経済効果と言えるぐらいですか。<br />
　知事や市長がどや顔で言う「黒字」は、チケットの売り上げが会場経費の合計<br />
を上回ったという意味でしょう。けれども、よく指摘されることですが、会場の<br />
警備費や市内あちこちにあった宣伝用の飾り（粗大ミャクミャクなど）やイベン<br />
ト。大部分は博覧会協会とは別会計で、膨大な金額になるはずです。建築費の未<br />
払いも踏み倒す気でしょう。仕送りで衣食住まかなっているくせに、下宿の家賃<br />
を滞納している大学生が「今月はバイトでいっぱい稼だよ」と無邪気に自慢する<br />
ようなものです。<br />
　「黒字額」の公式発表は来年（2027年）とのことです。変だと思いませんか。<br />
「総選挙だ！、大阪名物同時選挙だ！！」などと騒がしい今年（2026年）。「逆<br />
風の中で上げた奇跡的な成果」をあえて自慢しないほど、維新という政党は奥ゆ<br />
かしくなったのでしょうか。あるいは、誤魔化し切れないぐらいの結構な額の赤<br />
字を、しっかり出せた自信があるのではないでしょうか。<br />
　今後、数年でおそらく維新という政党は、少しずつ自民党に削り取られて消滅<br />
するでしょう。その間に内部告発などで、いろいろな形で残っている「巨額の債<br />
務」は、知らず知らずのうちに大阪府市民と日本国民が背負うことになりそうで<br />
す。<br />
　この件は今年も追いかけるつもりです。</p>

<p>　<strong>八潮市の陥没</strong></p>

<p>　昨年（2025年）、クマ騒動と入れ替わるように話題にならなくなった八潮市の<br />
道路陥没。現在どうなっているのか。県が膨大な費用を投じて復旧をしているよ<br />
うですが、いまだに周辺地域では悪臭が漂っているとのことです。<br />
　気になるのは、現場付近で駐車車両のエンブレムが錆び始めているとの報道で<br />
す。エンブレムとはいわば車の顔です。みすぼらしい姿をしているとメーカーの<br />
威信に響きそうですから、常に排気ガスにさらされていても耐えられるように作<br />
られているはずです。実際、廃車以外でエンブレムが錆びているのを見たことは<br />
ありません。</p>

<p><b><br />
八潮市の事故が示す下水道の危機...インフラを維持・拡張する時代から"しまう<br />
"発想へ、下水道の「可視化」を急げ，<i>Wedge（ウェッジ）</i>，<br />
　<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/2366b51adee3c2b40c9dd619df5062c249d560e2?page=2">https://news.yahoo.co.jp/articles/2366b51adee3c2b40c9dd619df5062c249d560e2?page=2</a><br />
</b><br />
<b><br />
八潮市道路陥没事故から約1年　"戻らぬ日常"住民らの苦悩...続く交通規制や<br />
「下水のにおい」「さび」報告も【バンキシャ！】，<i>日テレNEWS NNN</i>，<br />
　<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/3709cc871e929b31f6dc8b4947dfac4b1fa98733?page=2">https://news.yahoo.co.jp/articles/3709cc871e929b31f6dc8b4947dfac4b1fa98733?page=2</a><br />
</b></p>

<p>　犯人は硫化水素なんでしょうが、かなりの高濃度で付近に漂っているはずです。<br />
建物や送電設備などのインフラは大丈夫なのでしょうか。そして何より健康被害。<br />
近隣住民に呼吸器系の病気が多発したら、誰がどう責任をとるのでしょう。責任<br />
範囲やら因果関係も大議論になりそうです。<br />
　休業補償やら不動産価値の低下など、損害賠償の話にはなかなか進んでいない<br />
ようですが、たとえば原発事故を前例にして計算すると、こちらも膨大な金額に<br />
なるはずです。今後のインフラ事故の「モデルケース」になるわけですから、自<br />
治体としても安易に大盤振る舞いはできません。<br />
　もし、水道事業が民営化されたら、こういう場合は事業者が倒産して全てチャ<br />
ラになるのでしょうか。原発事故同様、広大な地域が住めなくなりますが、人口<br />
も減り空き家が増えているのですから、多くの日本人にとって、他人事である限<br />
り仕方のないことなのでしょう。<br />
　あえて恐ろしいことを書きますが、これはテロにも十分に使えます。マンホー<br />
ルから忍び込んで爆弾を仕掛け、下水本管の天井を破壊します。数日で土砂が流<br />
入して道路陥没がおこり、修理には膨大な費用と日数がかかります。爆発の規模<br />
が足りなくても硫化水素が仕事をしてくれますから、陥没は数年後のお楽しみで<br />
す。<br />
　以前、山岳地帯で高圧送電用の鉄塔を倒す「イタズラ」がありましたが、こん<br />
なのも含めて、日本中にある細かいインフラ設備をいっせいに破壊したら、我が<br />
国の経済活動は即死。数人の工作員だけでできそうですから、警備の厳しい原発<br />
や新幹線を狙うより効率的です。台湾有事は基本的に外国の話。「そんなことよ<br />
り」よほど深刻な潜在的脅威だと思うのですがいかがでしょうか。</p>

<p>　五輪、万博そして道路陥没。何の関係もないようですが、共通しているのは膨<br />
大な公金が成果の少ないことに使われていて、それに対する批判が弱々しく、し<br />
かも長続きしないことです。時間がたてば全てを水に流してしまう私たち日本人<br />
の性癖が、最悪の形で現れた問題です。<br />
　けれども、根本的な手当を先送りしたせいで、あちこちで被害の出血がチョロ<br />
チョロと続いていては、いずれ、国全体がそれに耐えられるなくなるはずです。<br />
あと20年もすれば若者たちは、空っぽの百俵を眺めて平成・令和の有権者を呪い<br />
ながら、ため息をつくことになるのでしょう。<br />
　これは警告ではありません。なぜならば、多分何をやっても、いまさら間に合<br />
わないことだからです。覚悟するしかありません。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>新春備忘録</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2026/01/14_1820.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2026:/murayama//17.5990</id>

    <published>2026-01-14T09:20:44Z</published>
    <updated>2026-01-14T09:31:26Z</updated>

    <summary>　明けましておめでとうございます。昨年の10大ニュースと思いましたが、うん ざり...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　明けましておめでとうございます。昨年の10大ニュースと思いましたが、うん<br />
ざりするほど話題になったトランプ・ミャクミャク・クマ・サナエ的な話を、も<br />
う一回しても仕方がありません。ここはひとつ私らしく、忘れられていても火だ<br />
ねが残っていて、今年あたり大ごとになりそうな話を集めてみることにしました。</p>

<p><strong>第一部　終わらない福島の負債</strong></p>

<p>　最初は原発にかかわる昨年末の２つの報道についてです。<br />
　ひとつは、国土地理院が昨年の調査で、能登半島の志賀原発の下に活断層を新<br />
たに発見したとのことですが、北陸電力は「航空写真から何がわかるのか」と、<br />
怒り狂っています。つまり、活断層の有無についての論争です。<br />
　もうひとつは、昨年末の日経新聞の一面トップ記事に、柏崎羽倉原発の電気を<br />
使ってデータセンターを立ち上げるという構想が出ていました。海外でも、マイ<br />
クロソフトやグーグルが原発とデータセンターを併設するというプランが報道さ<br />
れましたが、果たしてうまく行く見込みがあるのでしょうか。東電自身は慌てて<br />
取り消していますが......<br />
　ところで、そんなことより、福島の廃墟原発はどうなっているのでしょうか。</p>

<p><b><br />
　東電、新潟にデータセンター　大災害に備えリスク分散，共同通信<br />
<a href="　https://www.47news.jp/13636493.html">　<a href="https://www.47news.jp/13636493.html">https://www.47news.jp/13636493.html</a></a></p>

<p>　「東京電力、柏崎刈羽原発の周辺でデータセンター開発 AI 需要に的」の報道<br />
について，東京電力，<br />
　<a href="https://www.tepco.co.jp/press/news/2025/pdf/20251222j0101.pdf </b>"><a href="https://www.tepco.co.jp/press/news/2025/pdf/20251222j0101.pdf">https://www.tepco.co.jp/press/news/2025/pdf/20251222j0101.pdf</a> </b></a></p>

<p>　<strong>活断層をめぐる不毛な理論</strong></p>

<p>　活断層から行きましょう。これまでにも何回か書いたことですが、基本的な論<br />
点を二つ押さえておきましょう。まず、「断層が動くと、原発はなぜ危険なの<br />
か」、そして「活断層とは何か」です。<br />
　活断層の上に原子炉があるとなぜまずいのか、地震の揺れはあまり問題ではあ<br />
りません。例えば、阪神淡路大震災のとき大きく動いた淡路島の野島断層。直上<br />
の古い木造家屋が真っ二つに裂けても、倒壊していませんでした。一方、震源か<br />
ら何十ｋｍも離れた神戸市内の激震地では、鉄筋コンクリート造のビルが軒並み<br />
全壊していました。被害の大小を分けたのは基本的にはその地域の地盤で、もと<br />
もと田んぼだったような軟弱地盤のあるところで大きな被害が出ています。活断<br />
層の近くがよく揺れるとは限らないのです。<br />
　当たり前ですが世界中の原発は、十分に安定した岩盤の上に作られています。<br />
よって、対応できないような地震は想定されていません。つまり、揺れないこと<br />
になっています。まあ、地震国で原発を動かすなら、どこかで割り切らないと仕<br />
方ありません。地震そのものによる原発の大事故も、なかったことになっていま<br />
す。<br />
　けれども、福島での原発事故の最初の原因は、津波ではなく地震の揺れそのも<br />
のだと私は考えています。ちなみに、うっかりこの分析を原発推進派の「アゴラ」<br />
に書いた私は、社長の逆鱗に触れ「永久追放」されました。よほどのタブーなの<br />
でしょう。この件はまた、この長屋でまとめて記事にしようかと思っています。<br />
　それでは「安全な揺れ」しかおこらない岩盤の上にある原発が、なぜ活断層を<br />
忌み嫌うのでしょうか。それは建屋などの重要施設の真下で断層運動がおこり、<br />
地面もろともに引き裂かれたらたまらないからです。<br />
　阪神淡路のときに、私自身が調査した神戸市内の例ですが、比較的新しい鉄筋<br />
7階建てのマンションが、断層（なのかどうか厳密には不明）に裂かれて、数ｃｍ<br />
ずれたことがあります。同じ事が原発の直下でおこったら、冷却水のパイプ類が<br />
ちぎれていきなりメルトダウンです。だから、国の安全基準でも直下に活断層が<br />
発見されたら、既存の原子炉でも廃炉になります。<br />
　電力会社のほうは必死になって、敷地内に断層があっても、それが活断層では<br />
ない証拠を提示します。けれども、これはかなり不毛な議論です。「活断層」の<br />
学問上の定義は、「今後活動する可能性のある断層」ということですが、これで<br />
は現場では何の意味もありません。今の地球科学では地震予知でさえ難しいので<br />
すから、特定の断層の今後を知るためには、精度の良い占い師が必要になるから<br />
です。<br />
　しかたがないので、「過去一定の期間動いていないなら今後もう動かないだろ<br />
う」という推定で「活」断層かどうか判定することになります。現在の原子力規<br />
制委員会の定義では「約12〜13万年前以降」に活動したものとのことです。上に<br />
書いた国土地理院の指摘に対する北陸電力の反論は、敷地内でボウリングまでし<br />
て地層データから、「断層はあるが、13万年よりも古いものである」と主張する<br />
ものです。ご苦労さんとしか言いようがありません。</p>

<p><b><br />
　能登半島北部などの活断層図を公開します，国土地理院，<br />
 <a href="https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/afm_koukai_2025.html">https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/afm_koukai_2025.html</a><br />
</b></p>

<p>　「古い断層だからもう大丈夫」というのは希望的観測でしかありません。全て<br />
の断層は何もない地層が割れるところから始まります。「すべての娼婦もかつて<br />
は処女であった」というわけです。何もないところに、いきなり断層が出来るこ<br />
とさえあるといことは、古い断層が新たな地殻変動で「再稼働」することもある<br />
ということです。ですから、いくら古い断層でも、特に安全とは言えないはずで<br />
す。<br />
　もうひとつ言えば、地上で見える断層はごく一部です。大部分は農地や建物・<br />
道路などの下にあり見えません。地震で地表に断層が顔を出しても、その後に洪<br />
水でもおこれば見えなくなるのが普通です。また、断層は、教科書にあるように<br />
まっすぐに伸びるとは限らず、微妙に曲がったりずれたりすることもよくありま<br />
す。<br />
　ですから、原子炉の直下ばかりを見て、細かい議論をしても仕方ありません。<br />
航空写真でザクっと地形を見て、「危ないんじゃないですか」と指摘した国土地<br />
理院の主張は、理にかなっています。<br />
　北陸電力が「志賀原発は安全だ」と言いたいのなら、2年前の震災直後の原子炉<br />
建屋周辺の様子、たとえばアスファルトの割れや、原子炉建屋内部の状況（画像<br />
がないとは言わせませんよ）を見せていただくのが第一歩です。当然ながら「古<br />
い断層」は全く動いていないんはずですよね。<br />
　また、「もし能登半島地震のときに運転していたら安全に冷温停止までもって<br />
いけたこと」も、シミュレーションででも証明する義務が最低限あります。それ<br />
にしても、地震から2年もたっているのに、なんで再稼働（東日本以来15年動いて<br />
いない）の話が出てこないのでしょうか。建屋内外がグチャグチャになり、もは<br />
や手の付けようがなくなっているのではないことを祈ります。</p>

<p><b><br />
 活断層 かつだんそう ，原子力規制委員会，<br />
　<a href="https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2668.html">https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_2668.html</a><br />
 引用・発言・名言の非公式解説ノート，ウィリアム・ブレイク，<br />
  <a href="https://note.lv73.net/william-blake/every-harlot-was-a-virgin-once/">https://note.lv73.net/william-blake/every-harlot-was-a-virgin-once/</a><br />
</b></p>

<p>　<strong>デブリとデータセンターの関係</strong></p>

<p>　デブリとは何か。東京電力の癌、日本経済の癌、日本国の癌、そして日本列島<br />
の癌です。福島第二原子力発電所の地下に貯まった金属酸化物の塊。強烈な放射<br />
線を放つ、自然界には存在しない８８０ｔの「岩石」です。ここからバレーボー<br />
ル一ぐらいの大きさの塊（4ｋｇ）をつくって、横に1時間いたら数日で死にます。<br />
机一つ分（40ｋｇ）なら即死。豆粒大でも風船に付けて飛ばせば立派な核兵器で<br />
す。<br />
　福島第一廃墟原発地下にあるデブリはもともと原子炉燃料ですから、大量のウ<br />
ラニウムを含んでいます。半減期は約45億年、地球の寿命に匹敵します。無害化<br />
するころには、人類どころか地球があるのかないのかの世界です。苦労に苦労を<br />
重ねてデブリを取り出し、整形し、海水の来ないところに安置できても、それは<br />
ゴールではなく、何十億年単位の長期保存のスタートラインなのです。<br />
　東電は最終処分について、何やら気楽なことを書いています。どうやら普通の<br />
使用済み核燃料などの高レベル廃棄物と同じ方式で、処理するつもりみたいです<br />
が、どう考えても無理です。ただの使用済み核燃料でも受け入れ先がないのに、<br />
こんなものに対応できる処分場は、国内はもとより世界中探してもあるとは思わ<br />
れません。</p>

<p><b><br />
　取り出したあとの「燃料デブリ」はどうするのか？，ＴＥＰＣＯ，<br />
<a href="https://www.tepco.co.jp/decommission/towards_decommissioning/Things_you_should_know_more_about_decommissioning/answer-20-j.html">https://www.tepco.co.jp/decommission/towards_decommissioning/Things_you_should_know_more_about_decommissioning/answer-20-j.html</a><br />
</b></p>

<p>　逆に言えば、デブリの取り出しなど出来っこないことに、よほど自信があるの<br />
でしょう。では、取り出さなかったらどうなるのか、デブリは敷地内に流れ込ん<br />
でいる地下水にさらされて、汚染水を量産しています。<br />
　現在は、ＡＬＰＳという除去システムを使い、汚染水から大部分の放射性物質<br />
を除去し、除去できないトリチウムに関しては十分に薄めることで安全な処理水<br />
にして、沖合に放出しています。<br />
　ちなみに、「トリチウムは薄めさせすれば安全である」というのが東電の見解<br />
に反対意見も世界中に見られますが、この部分の安全性は科学的に支持できる主<br />
張だと私も思います。では何が問題なのでしょうか。最初に東電の主張を見てみ<br />
ましょう。</p>

<p>「これまで、原子炉建屋への地下水・雨水の流入量を減らすため、地下水のくみ<br />
上げや凍土壁（陸側遮水壁）等、重層的な取組みを実施してきた結果、汚染水発<br />
生量は、対策前の約540m3／日（2014年5月）から、約70ｍ3／日（2024年平均）ま<br />
で低減しています。」</p>

<p>　よく考えてみると頼りないことを言っています。地震からＡＬＰＳが稼働する<br />
まで1年以上かかっているますが、540立方ｍもの地下水が流れ込んでいるのに、<br />
敷地から水が溢れたという話は聞いたことがありません。ということは、流れ込<br />
んだ地下水は汚染水になり、地下から海のどこかに漏れ出していたはずです。<br />
「重層的な取組み」とやらで、地下水の流入を防いだとしてもデブリと海を繋ぐ<br />
地下水路は残存していて、デブリ出汁の利いた高濃度汚染水として海に流れ込ん<br />
でいるはずです。この地下水路が有る限りはいくらＡＬＰＳが頑張っても、潮の<br />
干満などで流入した海水が放射性物質を、地下水路経由で海まで運搬する仕組み<br />
はなくなりません。よって、「低減」しているのは「汚染水発生量」ではなく、<br />
処理をした汚染水の量なのです。<br />
　いまのところ、周辺海域でのモニタリングでは異常が出ていませんが、これら<br />
はあくまでトリチウムを目的にした計測ですから、海底からしみ出してくるはず<br />
の汚染水の影響を、どこまで拾えるのか不明です。<br />
　けれども逆に言えば、事故直後1年以上も高濃度の汚染水が垂れ流しだったのに、<br />
何も問題がおこっていないのですから、ＡＬＰＳなど実質的には不要だったのか<br />
も知れません。</p>

<p>　<strong>いつまでも、もつと思うな、建屋と同情<br />
</strong><br />
　原発の建屋がなんとか持ちこたえていて汚染水の流出を最小限にしていますが、<br />
これがいつまでも続くとは思えません。前にも書きましたが1号機の建屋は築50年<br />
以上で、事故後15年間はメンテがされていません。鉄筋コンクリート建物の寿命<br />
は70年ぐらいといいますが大丈夫なのでしょうか。<br />
　原子炉部分の鉄筋コンクリートは、地震、津波、爆発、高熱を経験した上に、<br />
放射線を浴びつつ地下水や海水の流れにさらされ続けています。ですから内部の<br />
鉄筋が錆びていないはずがありません。今後、錆びて膨張した鉄筋が周囲のコン<br />
クリートをかち割りボロボロになり、小規模な地震などをきっかけにして建屋が<br />
大崩壊して、デブリと海を繋ぐ地下水路が爆発的に広がることもありえます。劣<br />
化が進んだ鉄筋コンクリートのメンテはただでさえ難しいので、強い放射線の中<br />
でそんな作業ができるとは思えません。<br />
　つまり事故のせいで廃炉も出来ないのです。どんなに頑張っても、あと100年も<br />
すれば建屋が崩壊し、ＡＬＰＳも破壊されるでしょう。そうなると大量の放射性<br />
物質が海に流れ込むことになり、世界中から強烈に非難されることになります。<br />
原子炉事故当初には一定の同情がありますが、100年以上前の事故の後始末ができ<br />
ていないとなると、ただでは済みません。<br />
　だから、東電はいつ崩壊するかわからない建屋を指をくわえて見ながら、効果<br />
のはっきりしないＡＬＰＳを、せっせとこの世の終わりまで運転しなければなら<br />
ないのです。いくら国や他の電力会社がサポートしてくれるとはいえ、こんなも<br />
のを背負い込んでいるのですから、東京電力の経営は苦しいはずです。案外、建<br />
屋が大崩壊して手の付けようがなくなってたと開き直った方が、経営的な意味で<br />
は将来が明るいのかも知れません。</p>

<p><strong>データセンターで一発逆転</strong></p>

<p>　こんな状況ですから、何が何でも収益性が高い原発を動かしたいところですが、<br />
自社で生き残っているのは柏崎刈羽原発だけです。単純に稼働させるだけでなく、<br />
なんとか安定した新たな収益源にしたいところです。出てきたのが敷地内データ<br />
センター構想です。<br />
　実は上の報道、東電自身が取り消しているように典型的な飛ばし記事で、もと<br />
は関係者のプライベートな雑談・放談のたぐいを、記者が真に受けたのだと思い<br />
ます。発電の常識と全く合わないからです。<br />
　そもそもデータセンターの立地条件は、自然災害の少なさ、清廉な淡水、豊富<br />
で安定した電力ぐらいで、それさえ満たされれば世界中どこでもいいのです。言<br />
い換えれば、世界中が誘致競争の相手で、地震国日本は最初から不利です。水に<br />
ついても、少なくとも既存の国内原発は全て河畔や湖畔ではなく海岸にあります。<br />
原発の冷却なら海水でも使えるのでしょうが、精密機械でも同様なのか心許ない<br />
話です。<br />
　そして何より電力です。データセンターに限らず単独の原発に電力を依存して<br />
いるシステムは世界中に皆無です。あえていえば原子力潜水艦ぐらいですか。原<br />
発には自然災害や事故などでの緊急停止がつきものだからです。<br />
　これまで緊急停止自体が原因で停電がおこった話は、国内ではあまり聞きませ<br />
ん。考えてみれば、これはすごいことです。いつどこで大型発電機が停止しても<br />
バックアップできる体制が組まれているわけですから。<br />
　ましてやデータセンターです。停電はもちろん急激な電圧の低下、電源ノイズ<br />
の発生なんかにも脆弱で、なによりも安定性が求められます。<br />
　では、柏崎刈羽原発。あまり知られていませんが、こやつは東日本大震災より<br />
も前の、新潟地震で故障・緊急停止して、やっと再稼働したところで３月１１日<br />
を迎えて再び停止、その後、大小不祥事が続いたこともあり、やっと最近、再々<br />
起動の話が出たわけで、不安定性では定評があります。<br />
　もうひとつ、この原発にはデータセンターを作るには向かない特徴があります。<br />
こやつは、東電ではなく中部電力の縄張りである新潟県内にあり、出来た電気は<br />
直接東京方面に送られます。だから、周囲の電力ネットワークからは切り離され<br />
ているはずです。もし地震で発電が止まったら、データセンター用のバックアッ<br />
プ電力はどこから持ってくるのでしょうか。関東の発電所から逆流するように、<br />
はるばる新潟まで運んでくるのでしょうか。<br />
　そうでなくても、データセンターのように大電力を安定的に必要とする施設は、<br />
電力会社泣かせと言えます。貯蔵がほとんど不可能である電気という商品の特殊<br />
性を考えれば、原発の緊急停止に備えて平時から大きな予備電源を用意しておく<br />
のは、かなりの無駄が発生することになります。<br />
　でも、だからと言って、いっぱいいっぱいの運用をしていたら、データセンター<br />
への送電を守るために、都市への送電量を絞ったり、酷い場合には停電というこ<br />
とになってしまいます。停電ならまだしも、データセンターへの送電を守るため<br />
に、原発の運転者が緊急停止をためらうというのも、有ってはならないけれど有<br />
りそうな話です。少しでも原子炉が事故ったら、データセンターも無事ではすま<br />
ないと思うのですが。<br />
　地震国である我が国は、データセンターの設置場所としては最悪の環境なので<br />
す。柏崎刈羽原にデータセンターを作るようなIT事業者は、おそらく存在しない<br />
でしょう。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>小浜外しか長大トンネルか　　　　　　　　　　　【北陸新幹線　その30】　</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/26_0728.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5986</id>

    <published>2025-12-25T22:28:17Z</published>
    <updated>2025-12-25T22:35:47Z</updated>

    <summary>　この記事は3本1組の記事の2本目です。 　1本目は、小浜ルートの駆除が始まった...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　この記事は3本1組の記事の2本目です。<br />
　1本目は、<strong>小浜ルートの駆除が始まった　　【北陸新幹線　その28】</strong><br />
　　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html</a><br />
　　です。<br />
　２本目は、<strong>ゴーゴーイチでゴーは無理　　【北陸新幹線　その29】</strong><br />
　　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/23_1435.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/23_1435.html</a><br />
　　です。<br />
よろしかったらお読みでください。</p>

<p><br />
　ここまで書いていた段階で、新しい動きが出ました。前回ふれました「フライング調査」の予算が、例年同様14.5億円で計上されるようです。インフレを考えれば実質減額で、無いよりは良いレベルですが、これをどうやって8ルートで分けるのでしょう。<br />
　ではでは、維新が持ち出している8ルートを順に検討していきましょう。もしかしたら、提案者ですら、そんな面倒なことはしないかも知れませんが、いかに不真面目な議論なのかを記録しておくことことには価値がありそうです。<br />
　まずはもう一度、８つのルートを並べてみましょう。</p>

<p>1）京都小浜<br />
2）亀岡<br />
3）湖西（新設）<br />
4）湖西（在来線利用）<br />
5）舞鶴（京都経由）<br />
6）舞鶴（亀岡経由）<br />
7）米原（乗り入れ）<br />
8）米原（乗り換え）　</p>

<p>　<strong>舞鶴回りや亀岡経由も論外</strong></p>

<p>　これまで延々と議論した小浜・米原系（１．７．８）ルートは簡単に結論だけにしておきます。小浜は技術的に無理無理無理無理です。米原系ルートは肝心のJR西や滋賀県に、メリットもやる気もないので無理無理無理無理でしたね。興味がおあり方は、これまでの記事をご覧ください。</p>

<p>ＩＮＤＥＸ－<strong>はじめて、記事を読まれる方のために【北陸新幹線　その25】</strong>，村<br />
山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/06/21_1637.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/06/21_1637.html</a></p>

<p>　まず、そもそも今回の延伸はなんのためかというと、大阪と北陸方面との移動時間の短縮です。小浜・京都ルートの場合、現行の「大阪からサンダーバードに乗って敦賀まで行く」のと比べて時短効果は30分程度。敦賀で乗り換えが発生している大阪・金沢間で比較しても、乗換駅の問題まで考慮すれば、大きな違いはなさそうです。<br />
　今回の8ルートのうち舞鶴を回る2つ （5.6.）は、今の敦賀乗り換えよりも乗車時間は短縮どころか長くなりそうで、なんのための延伸かということになります。<br />
 沿線のどこが高架なのか地下なのかは不明ですが、少なくとも日本海側から京都に抜けるには長大な山岳トンネルが必須です。青函トンネルなみの長さで、天文学的工事費・難工事・ヒ素入り残土と言った小浜ルートの致命傷はそのままです。<br />
　つまり、経費はかかるわ時間短縮は皆無だわで、各ルートの欠点を集めたような代物。議論を混乱させるために維新が持ち込んだとしか思えません。わかりやすく言えば嫌がらせです。　<br />
　亀岡（2）は、（万一ですが）完成すれば小浜・京都ルートよりも早くなるかも知れません。けれども、敦賀から日本海に沿って西に向かうと丹波山地の北側にはいってしまうので、大阪方面に直線的な線路を引くと、毎度お馴染みの長大山岳トンネル問題をさけられません。おそらく、トンネルの距離は小浜・京都ルートよりも長くなるでしょう。<br />
　小浜市と大阪市との間には、百人一首の時代から難所としてしられた丹波山地が立ちはだかっています。小浜経由が事実上不可能であると思われる本質的な理由です。今回の維新八案には無かったものを含めて、敦賀から大阪方面に向かうルートを考えると、「小浜を外すか、長大トンネルを掘るか」との究極の選択をつきつけられます。</p>

<p><strong> 百人一首で始める古文書講座</strong>，honda，<a href="https://honda-n2.com/privacy-policy">https://honda-n2.com/privacy-policy</a></p>

<p>　ここで、あえて意地の悪い計算をしてみましょう。延伸が完成するとされる2050年ごろには、小浜市の人口は２万人程度でしょう。長大トンネルを掘って小浜を通すための費用は３兆円ぐらいはかかりそうです。少なくとも、小浜市民１人あたり１億円以上のお金が使われることになります。「新小浜駅のために１億円出しますか」とか「延伸やめる代わりに、全員に１億円あげます」とかの話になったら、市民こぞって「延伸してほしい」とはならないでしょう。まことに品のない話ですが、こう考えてみると小浜を経由することは巨大なバラマキだとわかります。技術面のみならず財政面を考えても無理だと言わざるをえません。</p>

<p><strong>　NOと言える滋賀県</strong></p>

<p>　最後に残った湖西系の２ルートはどうでしょうか。今回の維新提案で一番目新しい部分です。まず、湖西（新設ルート）。最大のメリットは直線性が良いことです。長大トンネルを避けるのなら完全な直線は難しいでしょうが、国道１６１号やJR湖西線沿いの比良山脈の麓を一気に山科まで向かえます。<br />
　沿線はほとんどが山林なので用地買収は進めやすく、地べたを走れますのでトンネルや高架橋も最小限ですみそうです。市街地に高架橋を並べる米原ルートより、もしかしたら安くつくかもしれません。京都駅付近での接続を工夫できれば、大深度地下工事をする必要もありません。だから工期も短かそうです。地下水問題も発生しにくいでしょう。<br />
　けれども、このルートには米原と同じ大問題があります。滋賀県の不同意です。米原ルート以上に県民のメリットが少なく、環境問題などの実害は米原よりマシとは言え、費用負担と並行在来線問題が解決できない限り、知事は相手にしないでしょう。国もJRも「それなら、うちが負担します」とは言うはずもないので、佐賀県内での西九州新幹線と同様に話の進めようがありません。<br />
　最後に残ったのは４）の湖西（在来線利用）というやつですが、あまりに漠然としていて、何を提案しているのかよくわかりません。極端に言えば、現在の「湖西線」の名称を「北陸新幹線」に変えればそれでいいのでしょうか。<br />
　馬鹿にされたような話ですが、案外それもありという気がします。現在、特急サンダーバードが走る湖西線は、ほぼ全線が高架で踏切が一か所もありません。車両・信号設備の改良やホームドアなどの細かい工夫と敦賀駅乗り換えの対面化で、「関西から北陸への移動時間を短くする」という最大の目的は、低予算でもかなり達成できそうです。<br />
　さらに、将来的には三線軌条やフリーゲージトレインといった方法で、サンダーバードを敦賀から新幹線高架に乗り入れて、金沢方面まで行くことも考えられます。維新としては、この湖西（在来線利用）がもともと本命で、あとの６プランは当て馬だったのかもしれません。財政状況を考えれば安さは正義です。</p>

<p>　<strong>〈北陸新幹線延伸〉五里霧中の中央要望　再検証「発車」も長期化必至</strong>，北國<br />
新聞，<a href="https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1964506">https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/1964506</a></p>

<p><br />
　<strong>巻き込まれた子供たち</strong></p>

<p>　今年、北陸新幹線がらみで一番気分の悪いニュースは、小浜市が児童や幼児を巻き込んだことです。何回も書きましたが、小浜・京都ルートには、はじめから実現性がありません。にもかかわらず、何の責任もない子供たちを巻き込んでしまいました。</p>

<p>　<strong>北陸新幹線が走る未来の小浜、アートに　福井県嶺南4市町の子どもたちが共同<br />
制作</strong>，<br />
福井県「若狭湾観光連盟」公式サイト，<a href="https://wakasabay.jp/articles/-/2555">https://wakasabay.jp/articles/-/2555</a></p>

<p>　数年もすれば、小浜・京都ルートの話など雲散霧消しているでしょう。そのころ多感な時期を迎える彼らはどう思うでしょうか。ある日突然、正式に小浜延伸が断念されるか、小浜を通らないルートが着工されるかしたら、彼らにどう説明するのでしょう。ある少年は無力な地元の大人たちを馬鹿にし、別のある少女は故郷を弄んだ国や社会に対して反感を抱くことになるかもしれません。<br />
　こうした経験をした子供たちは成人しても、自分たちが主権者であるという実感を、平均的な日本の若者よりもさらにに持ちにくいでしょう。この「長屋」の大家さんの文章には、「学校教育でも家庭教育でも「適切な負け方」については誰も教えない」とあります。だから彼らは恐らく、地元民に絶望しながらも地元に残ったり、都会人に不信感を持ちながらも都会に出たりすることになります。</p>

<p><strong>〈北陸新幹線延伸〉五里霧中の中央要望　再検証「発車」も長期化必至</strong>，内田樹<br />
の研究室，<a href="http://blog.tatsuru.com/2008/08/18_1017.html">http://blog.tatsuru.com/2008/08/18_1017.html</a></p>

<p>　北陸新幹線の大阪延伸問題。大きな視点で見れば、「大人」たちの利権と負担をめぐるありふれた争いなのでしょうが、こうした、たとえ些細でも無責任な「大人」の振る舞いが、地域の将来に大きな傷を残すのではないかと思います。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>ゴーゴーイチではゴーは無理　　　　　　　　　　【北陸新幹線　その29】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/23_1435.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5985</id>

    <published>2025-12-23T05:35:09Z</published>
    <updated>2025-12-25T00:09:21Z</updated>

    <summary>　この記事は3本1組の記事の2本目です。 　1本目は　 　小浜ルートの駆除が始ま...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　この記事は3本1組の記事の2本目です。<br />
　1本目は　<br />
　小浜ルートの駆除が始まった　　【北陸新幹線　その28】<br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html</a><br />
です。<br />
よろしかったらお読みでください。</p>

<p><br />
　今年（2025年）の参議院選挙直後に、「北陸新幹線の敦賀―新大阪間の延伸ルー<br />
トを再検証する石川県関係の自民党国会議員」たちが、小浜ルートのＢ／Ｃ（＝<br />
経済効果／建設費）が０．５５１だと独自推定しました。つまり、建設費の半分<br />
ちょっとしか経済効果がないとのことです。試算した団体には米原ルート系の方<br />
が多そうですから、故意に厳しくした可能性はありますが、これでもまだ甘い評<br />
価だと思います。大甘中の大甘、Ｆラン大の仏教授（故人でもフランス哲学研究<br />
者でもなく、仏様のようにやさしい先生）による、就職内定者向け卒業追試験の<br />
採点のようです。<br />
　まず、建設費だけ考えても「丹波山地での長大トンネル（青函トンネル級）」<br />
と「大深度地下工事（国内で成功例なし）での京都盆地縦断」という二つの大技<br />
を含む巨大プロジェクト。総工費は不明のはず「膨大」としか言いようがありま<br />
せん。<br />
　これは悲観論でも言いがかりでもなく、リニアでも北海道新幹線でも費用のメ<br />
ガ上振れは、実際におこっていることです。どちらも着工時より五割以上増えて<br />
いて、今後のさらなる追加まで示唆されています。大規模なトンネル工事とはそ<br />
ういうものかも知れませんが、地下構造に不安の多い小浜ルートでは、想像を絶<br />
する規模のギガ追加を求められそうです。</p>

<p>事業費3兆円半ばに膨らむ試算　2038年度末以降に延期の新幹線札幌延伸　鉄道・<br />
運輸機構が公表へ，STVnews，<a href="https://www.stv.jp/news/stvnews/kiji/st52d458b5a83746748055cf481d36e273.html">https://www.stv.jp/news/stvnews/kiji/st52d458b5a83746748055cf481d36e273.html</a></p>

<p>なぜリニア工事費が11兆円へ倍増？それでも計画実現が不透明なワケ，枝久保達<br />
也，<a href="https://diamond.jp/articles/-/377120">https://diamond.jp/articles/-/377120</a><br />
山地を嫌う高速鉄道【北陸新幹線 その７】　<br />
一長十短四苦八苦【北陸新幹線 その８】，村山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/10_0927.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/10_0927.html</a></p>

<p>残土は続くよどこまでも【北陸新幹線 その９】，村山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/12_0736.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/12_0736.html</a><br />
見えない刺客は火成岩【北陸新幹線 その10】，村山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/12_0738.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/07/12_0738.html</a></p>

<p>　やや蛇足ですが、上の議員さんたちの計算は、見かけの数字が細かすぎること<br />
も問題です。経済効果はもちろん建築経費もドンブリ勘定しかないのですから、<br />
少数点以下３桁という高精度の数字（「５」「５」「１」）を出せるはずありま<br />
せん。今わかることは「小浜ルートのＢ／Ｃはどんな良くても０．６を上回らな<br />
い」ぐらいが妥当なところでしょう。<br />
　でも、語呂がいいから容認しちゃいましょう。ゴーゴーイチ.........ホウライ指<br />
数と呼ぶぞ。確かに、「ゴーゴーイチの無い時と有る時で」小浜派の皆さんの元<br />
気が全然違いました。関西以外の方には分からないかもしれませんが......。<br />
　馬鹿にするなと言われそうですが、馬鹿にされても仕方ない数字です。小浜派<br />
が文句を言うなら、今回の「B／Cの算出方法」にか、あるいは「着工の可否にＢ<br />
／Ｃを使うこと自体」に、最初から反対しておくべきでした。</p>

<p>　<strong>調査費のフライングは容認できる<br />
</strong><br />
　当然ながら２６年度中の着工は無し。次の焦点は調査費です。着工前のフライ<br />
ング支出と批判されながらも、この２年は15億円程度で細々と調査継続中です。<br />
　意外に思われるかも知れませんが、この支出を私は評価しています。着工五条<br />
件の確認のためには、正確な建設費用の見積もりが何よりも大切なはずで、その<br />
ためには詳細な地質調査が必要です。逆に言えばこれをやらない限り、大規模な<br />
トンネル工事を伴うプロジェクトのＢ／Ｃが見積もれるはずがないのです。<br />
　ろくに地質も調査せずに着工すれば、本当に完成するかさえ不明で、「工費は<br />
プライスレス、工期はエンドレス」の泥沼に突っ込みかねません。これに限らず、<br />
われわれ日本人の計画性の甘さは、インパール作戦のころから進歩していません。<br />
今世紀になって、むしろ拗らせているようです。</p>

<p>フジのヤマから昭和が見える　......　フジテレビ性上納事件で考える戦後日本<br />
（その1） 悪事も満足に出来ない令和日本の会社，村山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/04/28_0919.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/04/28_0919.html</a><br />
　断言しますが、リニア、北海道新幹線、辺野古の埋め立てなどの巨大プロジェ<br />
クトが、ことごとくトラブル続きで大遅延している最大の原因は、事前に十分な<br />
地質調査をしなかったからです。特に今回の北陸新幹線のように多数の案を比較<br />
検討するなら（真面目やるならですが）、まずは地域全体の地質を詳細に調べる<br />
のが妥当でしょう。<br />
　しかしながら、今のヤバイ財政状況では永遠に完成しない「ホウライ電鉄」の<br />
調査費など、いきなり廃止されてもおかしくありません。そうなると、建設費を<br />
まともに予想出来ないのですから、ルート選定はますます混乱するでしょう。<br />
　ここまで記事を書いていると、もう一つニュースが入ってきました。ＪＲ東日<br />
本が、整備新幹線の原資にもなる、路線の貸付料の「値上げ」に応じる気がない<br />
と言いだしたのです。北陸新幹線延伸への金の出し手は、国、ＪＲ、沿線自治体<br />
（福井県、滋賀県？、京都府、大阪府）ですが、どこも自分とこの負担は軽減し<br />
てもらえると甘く考えているようです。<br />
　だから、このまま無理に小浜で着工などしようものなら、毎年毎年、費用負担<br />
を巡ってバトルを展開するようなことになります。巨額の未払いが発生して建築<br />
業者に迷惑が及ぶかも知れません。一度でも、そんなことになれば、翌年からど<br />
こも工事に参加しなくなりますから、万博の海外パビリオンのような食い逃げは<br />
できません。</p>

<p>整備新幹線の貸付料　JR東日本が「維持管理」の範疇を主張　1991年の「合意」<br />
指摘，産経新聞，<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/53aac71cadc2cdd35d076df7d8bf934ee56a8a46">https://news.yahoo.co.jp/articles/53aac71cadc2cdd35d076df7d8bf934ee56a8a46</a></p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>小浜ルートの駆除が始まった　　【北陸新幹線　その28】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/22_0935.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5977</id>

    <published>2025-12-22T00:35:41Z</published>
    <updated>2025-12-22T00:41:23Z</updated>

    <summary>　以前、小浜ルート吸血鬼論を書きましたが、どうやら来年度も生き残りそうで す。毎...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　以前、小浜ルート吸血鬼論を書きましたが、どうやら来年度も生き残りそうで<br />
す。毎年恒例の「調査費」が2026年度予算にも計上されそうだからです。一方、<br />
新装開店の与党プロジェクトチームは、維新というトロイの木馬が加わり小浜以<br />
外の7ルートの検討を始めるということです。<br />
　並べてみましょう。</p>

<p>1）京都小浜<br />
2）亀岡<br />
3）湖西（新設）<br />
4）湖西（在来線利用）<br />
5）舞鶴（京都経由）<br />
6）舞鶴（亀岡経由）<br />
7）米原（乗り入れ）<br />
8）米原（乗り換え）　</p>

<p>　整理の仕方がメディアによって多少ちがうようですが、現時点（2025／12／13）<br />
で一番アクセスしやすく消えにくいと思われる「読売オンライン」の記事に準拠<br />
して整理していきます。著作権など面倒くさいので図を貼り付けませんが、ちゃ<br />
んと見たい方は、下のリンクからダウンロードしておいてください。ただし、あ<br />
まりおすすめしません。半年も待たずに、話題自体が全部まとめて消えると思わ<br />
れるからです。　</p>

<p>　「北陸新幹線延伸ルート、維新が８案の再検討要求...与党ＰＴ」，読売オンラ<br />
イン，<br />
　<a href="https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20251213-GYT1I00017/">https://www.yomiuri.co.jp/pluralphoto/20251213-GYT1I00017/</a></p>

<p>　<strong>粗製乱造</strong></p>

<p>　これらのうち、2）亀岡、3）湖西（新設）、5）6）舞鶴、7）米原乗り入れ、は<br />
どの部分がトンネルなのかさえはっきりしていません。メディアによってコース<br />
の位置が微妙に違うという代物です。これでは工法も用地買収費も見積もりよう<br />
がないので、Ｂ／Ｃは予想の概要のだいたいのところの見込みの推定もできませ<br />
ん。<br />
　こんなのを出してくるのは、既存の1）小浜やら8）の米原やらの工費計算のい<br />
かがわしさを誤魔化す気なのかと勘ぐりたくなります。あるいは単に議論を混乱<br />
させるつもりなのでしょうか。<br />
　国土交通省に各ルートについて選定のための数字を出させるとのことで、維新<br />
は「８案全ての試算には２年程度を要する可能性がある」などとのんきなことを<br />
言っています。けれども、ここまで漠然とした話では、1000年検討しても意味の<br />
ある数字が出てくるはずありません。無理に進めてガラス張りで議論などすれば、<br />
話が集約するどころか、あちこちから反論というよりツッコミが入り収拾がつか<br />
なくなります。<br />
　なぜ維新は今になってこんな荒唐無稽な提案を出してきたのか、この１年の経<br />
緯を振り返りながら考えてみましょう。</p>

<p><strong>　京都市民の堪忍袋</strong></p>

<p>　まず今年（2025年）2月、福井県境に近い南丹市議会が「住民から一定の理解を<br />
得られるまで建設工事に着手せず、市内に掘削土を搬出する斜坑を設置しないよ<br />
うに求める」要望書を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に提出しました。「一定<br />
の理解」というかなり低いハードルのようですが、機構側に自治体や住民を説得<br />
できるカードがあるとは思えないので、事実上の拒否宣言です。<br />
　それに続いて6月、京都市議会が小浜ルートに対して事実上の反対決議をあげま<br />
した。市長もこの決議を尊重する方針を示しました。「ちゃんと説明してくれな<br />
い限り協力はできないよ」とういわけです。南丹市のケースと同様、推進側がま<br />
ともに説明できるはずないと知りながら、あえて質問をしています。つまり、京<br />
都府内では福井県境から京都駅までの2市が反対表明をしたわけです。いままで、<br />
穏便に済まそうとあいまいな態度だった京都府民も、ついに我慢の限界に達した<br />
のでしょう。<br />
　今にして思うと、これは二つの点で今年の重要な転換点でした。まず、京都府<br />
では反対の声がかなり根強いということが、あからさまになったわけです。直後<br />
の参議院選挙では、小浜強行論を主張する候補が現れず、争点化すら出来ません<br />
でした。<br />
　もうひとつは、府北部での地質・環境調査や用地買収準備などが、さらに難し<br />
くなったことです。こんな要望や決議を出しておいて、両市が公道や公有地での<br />
調査を無条件で許可するとは思えません。官民挙げての反対が盛り上がっていま<br />
すから、民有地の立ち入りは無理ですし、クマと猟友会の両方を敵に回して山に<br />
入る勇敢な地質調査員がいるかどうか疑問です。</p>

<p>　「市が潰れてしまう」 北陸新幹線"小浜・京都ルート"は八方塞がり？ 鉄道<br />
・運輸機構に南丹市が「待った」...日本の原風景の行方どうなる，高田泰，<br />
<a href="https://merkmal-biz.jp/post/87444">https://merkmal-biz.jp/post/87444</a></p>

<p>　住民理解なく着工しないで　北陸新幹線で京都・南丹市，ＫＹＯＤＯ，<br />
<a href="https://news.yahoo.co.jp/articles/71b0c3fc7956eb89a5730378f8fd3a262ace8203">https://news.yahoo.co.jp/articles/71b0c3fc7956eb89a5730378f8fd3a262ace8203</a></p>

<p>　京都市議会の北陸新幹線市内ルート反対決議、福井県の反応は　県の担当者、<br />
県議会議長は国に注文，福井新聞，<br />
<a href="https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2328707">https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/2328707</a></p>

<p>  北陸新幹線の京都市内大深度トンネルルートへの反対決議（令和7年6月6日提<br />
出），京都市，<a href="https://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/honkaigi/R07/ikenshoketsugi5.html">https://www2.city.kyoto.lg.jp/shikai/honkaigi/R07/ikenshoketsugi5.html</a></p>

<p>　そうこうしているうちに、小浜ルート推進派の西田参議院議員（自民、参議院<br />
京都）が、はるばる沖縄まで行って「ひめゆりの塔」を侮辱して、オール沖縄ど<br />
ころかオールジャパンで顰蹙を買いました。歴史観の問題というより、単に無知<br />
と軽率さをさらけ出したように見えます。</p>

<p>「西田議員のトンデモ発言　その１～5」，村山恭平，<br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1658.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1658.html</a><br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1701.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1701.html</a><br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1705.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1705.html</a><br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1710.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1710.html</a><br />
　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1711.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/05/18_1711.html</a></p>

<p>　当然、直後の参議院選挙では大苦戦をすることになり、新幹線に関しては小浜<br />
原理主義者だったこの人が「他のルートも検討する」と言わざるを得なくなりま<br />
した。つまり、「小浜推し」は京都の票を減らすことを、本人も認めざるを得な<br />
かったのです。</p>

<p><strong>　薄氷の勝利で加速する見直し論</strong></p>

<p>　さて開票です。6年前の選挙では42万票獲得し、ゼロ打ち（開票率0で当選確実<br />
が出ること）だった盤石候補が、今回は大苦戦のあげくわずか約19万票でなんとか<br />
２位に滑り込みました。次点との差は3万票弱。「アンチ小浜」候補の乱立や公明<br />
党の協力がなかったら、恐らく落選していたでしょう。</p>

<p>参議院京都府選挙区選出議員選挙 開票結果，<br />
2025年選挙区，<a href="https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r7san_senkyokukaiketsu.pdf">https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r7san_senkyokukaiketsu.pdf</a><br />
2025年比例代表<a href="https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r7san_hireikaiketsu1.pdf">https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r7san_hireikaiketsu1.pdf</a><br />
2019年選挙区，<a href="https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r1senkyokukaihyoukekka.pdf">https://www.pref.kyoto.jp/senkyo/documents/r1senkyokukaihyoukekka.pdf</a><br />
　西田氏の苦し紛れの「ルート見直し宣言」が、選挙公約だったかのように一人<br />
歩きをして、今の混乱につながってしまったのですから、小浜派にとっては、黙<br />
って落ちてくれた方がまだしも良かったのかも知れません。<br />
　一方、ダントツで当選したのは米原派である維新の新人でした。ところが、別<br />
の維新の大物議員が「米原は不可能だ」などと言いだしました。米原より前原と<br />
いうわけでしょうか、何をしたいのかよくわかりません。結局この大物が与党新<br />
ＰＴの共同代表に西田氏とともに選出されました。仲良くしましょうね。<br />
　この時点で西田議員は、「維新の党内で意見を集約しないと（ＰＴの）議論が<br />
混乱する」と警告しましたが、維新は議論の集約どころか怪しげなルートをさら<br />
に何本も追加して、むしろ混乱を楽しんでいるようです。<br />
　この騒ぎの中、小浜派の最後の砦だった元福井県知事のＳ氏が、別件のセクハ<br />
ラが発覚して辞任に至りました。まさしく来年度（２０２６年度）予算議論の詰<br />
めの段階でです。新知事が就任するのは来年の１月２５日。もちろん、小浜派が<br />
当選するとは限りません。副知事が、小浜を通らないなら県は予算を出さないと<br />
いう、従来の見解を繰り返していますが、小浜派のリーダー不在は当分続きそう<br />
です。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>クマとの戦いの論点整理　【無理のクマさん　その３】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/13_1011.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5975</id>

    <published>2025-12-13T01:11:19Z</published>
    <updated>2025-12-13T01:17:17Z</updated>

    <summary>　この記事は【無理のクマさん】連載3本中の3本目です。 　１本目は「シュレック氏...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　この記事は【無理のクマさん】連載3本中の3本目です。<br />
　１本目は「シュレック氏との出会い」で　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/12_0852.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/12_0852.html</a></p>

<p>　２本目は「クマの出没を地形で考える」で　<br />
<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/13_0759.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/13_0759.html</a><br />
よろしかったら、これらもお読みいただけると幸いです。</p>

<p>　<strong>インバウンド型と難民型</strong></p>

<p>　前回までの現状認識の上で、クマ対策を考えてみました。報道を見ていると、<br />
人里や農地に現れるクマには２つのタイプがあると思われます。仔熊などが好奇<br />
心から人里に出てきたり、人間の食料の味を忘れられずに畑に現れたような連中<br />
で、わざわざ積極的に山を下りてきた、いわばインバウンド型のクマです。<br />
　おそらく人類が集落を作っ以来ずっとあった事で、ごく一部の人食い熊以外に<br />
は、鈴やロケット花火による威嚇が十分通用しました。最近までは、街で捕まっ<br />
たクマも人間を襲った場合以外は山に返すことが多く、駆除されることは希でし<br />
た。<br />
　ところが、ここ数年。個体数が増えすぎたため生存競争に破れて山を追い出さ<br />
れた、いわば難民型のクマが激増しています。彼らは人間よりも他のクマの方が<br />
よほど怖いので、普通の威嚇は効果がありません。なんとか人里で生き残ろうと<br />
しますから、山に返してもすぐ降りてきます。<br />
　難民型が増えたせいで、東北や北海道では、今では人里でみかけた段階で問答<br />
無用で駆除になります。ただし、同じツキノワグマでも絶滅が心配される四国で<br />
は保護に重点がおかれ、駆除は極力さけるられています。<br />
　従って早急に議論すべきなのは、クマが急増したレッドゾーン内の難民型のク<br />
マについて、「原則保護・例外駆除」という考え方が、どこまで通用するかにつ<br />
いてです。最初に両極端な意見を見てみましょう。<br />
　まず、「野生の熊なんか絶滅させてしまえばいい」という乱暴な意見がありま<br />
す。レッドゾーン内の住人にとっては、確かな安全が永久に確保できる究極的解<br />
決策と言えます。<br />
　逆に、「かわいそうだから狩猟も駆除もやめろ。クマの出るような場所には住<br />
まなければ良い」という極論もあります。確かに、愛くるしい小熊たちと、知り<br />
あいでもない住人たちとを比較すれば、西日本や首都圏にはクマの味方をしたく<br />
なる人も一定数いるでしょう。心情的には理解できる部分もあるのですが、こう<br />
いうのは善悪よりも美意識（「カワイイ」も含む）を優先する一種のルッキズム<br />
なのでしょう。<br />
　美意識がやっかいなところは、善悪の判断や損得勘定さえも簡単に超越してし<br />
まうとことです。「良い○○人も悪い○○人も殺してしまえ」などというのもこ<br />
の一種でしょう。対応策は、「投票など何か政治的・社会的選択をするときに、<br />
自分が何かのルッキズムにとらわれていないかチェックする習慣をもつこと」と、<br />
「他人がルッキズムで暴走する可能性を常に考慮して、挑発に類することをしな<br />
いこと」ぐらいしかありません。<br />
　ある種のフェミニストなどがやりがちなことですが、上から目線の論理や倫理<br />
でルッキズムを批判しても逆効果にしかなりません。善悪と美醜とは相互に独立<br />
した価値なので、いくら誠実に議論しても（珍しいケースですが）、話が堂々巡<br />
りしてお互いに釈然としない感覚だけが残りだちだからです。相手の美意識を尊<br />
重した上で、「それにとらわれすぎると多くの不幸と分断を生み出すこと」を説<br />
明し、妥協点を探すより仕方ないでしょう。<br />
　たとえば、若い女性の部下だけをチヤホヤする男性上司には、彼の感性自体は<br />
否定せず、「そうした振る舞いは、仕事の効率を下げ、その部下を含む多くのメ<br />
ンバーを不愉快にする可能性が高い」ことを、冷静に説明していくのが上策でし<br />
ょう。職場では効率を低下させることは悪ですから、この部分は合意できるはず<br />
です。</p>

<p>ルッキズムは永遠に不滅です，村山恭平，<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/10/20_1504.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2024/10/20_1504.html</a></p>

<p>　<strong>ゴキブリ退治と絶滅論</strong></p>

<p>　話がそれました。クマ対策について両極論の間には、いくつかの「現実的だ」<br />
とされている意見があります。整理してみましょう。</p>

<p>1．一定数の個体を飼育し、残りの野生のクマは絶滅させる<br />
2．人里や農地に現れたクマは駆除し、山では狩猟を行い個体数を減らす。<br />
3．人里や農地に現れたクマは駆除するが、狩猟は行わない。<br />
4．クマは一切殺さず、人間の側が逃げる。</p>

<p>　軍事的な表現に直せば、１は全面戦争、２敵基地攻撃、３は専守防衛、４は撤<br />
退戦ぐらいになりそうです。順に見ていきましょう。<br />
　まず1の熊絶滅論は全く無意味。不可能だからです。うちの名物、北陸新幹線延<br />
伸問題なんかでも見てきましたが、技術的に（実質）不可能なことを議論しはじ<br />
めるのは、思考実験としては面白い（例．富士山は移動できるか？）かも知れま<br />
せんが、政治や経済の場では時間の無駄でしかありません。<br />
　クマ絶滅論はゴキブリ退治と全く同じ発想です。たとえば飲食店は、できれば<br />
ゴキブリなど絶滅させてしまいたいのですが、ほとんどうまくいきません。いわ<br />
ゆる三つ星フレンチの厨房でも深夜には......という実態がある一方、客の前に一<br />
匹でも現れたら、店によっては致命傷になります。だから経営者には絶滅が悲願<br />
なはずなのに成功例は皆無です。厨房を一度取り壊して作り直すのが唯一の方法<br />
でしょう（半年もすれば元の木阿弥ですが）。<br />
　クマで言えば山脈全体を焼く払うぐらいの話です。ヒグマを倒すために、北海<br />
道の全ての山・森林・農地を一気に焼き尽くす......大量破壊兵器でも使わない限<br />
り無理です。<br />
　では、人海戦術で殲滅するというのはどうでしょうか。たとえばヒグマなら北<br />
海道全体を完全包囲しなければなりません。山奥で悠然と暮らしている大型のヒ<br />
クマが、身の危険を感じて大量に人里に向かいかねないからです。<br />
　もちろん猟友会だけでは手が足りませんので、警察や自衛隊......まだまだ不足<br />
します。米軍に加え、中ロ朝韓、ついでにASEANやらEU各国にも援軍を求めましょ<br />
う。オール人類による北海道ヒグマとの戦い......考えるだけ無駄です。これに限<br />
らず技術的に考えれば、絶滅論は現実的な話にはならないのです。環境保全や動<br />
物愛護を持ち出すまでもありません。</p>

<p><strong>弊害の多い狩猟</strong></p>

<p>　では、２つめの「敵基地攻撃モデル」はどうか。今でも各地の猟友会は従来の<br />
害獣駆除だけで手一杯でしょうから、陸上自衛隊にということになります。防衛<br />
省関係者からは「銃剣で戦うぞ」とか、「攻撃ヘリから対戦車砲をぶっ放せ」み<br />
ないなヨタ話（もちろん本気ではなく、何でもかでも自衛隊に押しつけることへ<br />
の嫌味）が出ています。<br />
　兵器とはあくまで人を殺したり建物や乗り物を壊したりするたの道具で、動物<br />
相手には向きません。別途、必要な数の猟銃と十分な訓練が兵員には必要です。<br />
やり過ぎて、「自衛隊は対クマ戦は強いが、普通の戦闘はすっかり忘れた」、な<br />
どとならないか心配です。少なくとも猟銃に慣れ過ぎると、ライフル射撃の勘が<br />
狂うのではないでしょうか。シュレック氏の話では随分体感が違うようです。東<br />
京五輪の射撃の予選に出はったのですが、警察・自衛隊とは勝負にならなかった<br />
そうです。<br />
　もう一つ、仕留めた死骸はどう処理するのでしょう。山林や急斜面での運搬、<br />
自衛隊に応援を求めるのならこの仕事が最適だと言われていますが、人数が足り<br />
るとは思えません。300kgを越えるような個体は、平地でも運ぶのに4～5人がかり。<br />
藪の中を時には数キロ運ぶ。かといって現場で解体すると、血の臭いに他の熊が<br />
集まってきます。死骸や骨を現場に放置するなどもってのほかです。共食いとは<br />
いえ、おいしくて栄養価の高い餌を与えて、クマたちに肉食化教育をすることに<br />
なります。<br />
　さらにもう一つ付け加えるならば、人里での駆除によって新鮮なクマ肉が大量<br />
に出回る状況では、狩猟によるジビエビジネスには競争力がありません。公費に<br />
よるガバメントハンターということになりますが、人工減少・少子高齢化・財政<br />
悪化の三重苦が特に厳しい地方で、どれぐらい回せるのか心許ない話です。</p>

<p>　<strong>現状維持どころか後退戦</strong></p>

<p>　結局、害獣駆除の考え方で「出てくるクマは、皆々倒せ」の対症療法しかなさ<br />
そうです。3．の専守防衛の考え方ですが、このままでは現状維持すら相当難しそ<br />
うです。東北・北海道地方の中小都市では、この問題が起こる前から急激な人工<br />
減少に悩まされていました。徐々に耕作放棄地や廃墟が増え、周辺には柿・栗な<br />
どがの果樹が収穫されることもなく放置されています。格好の環境です。食住環<br />
境が良くなるのですから、狩猟で頭数調整をしないかぎり、レッドゾーンのクマ<br />
は確実に増殖することになります。<br />
　ところが狩猟や駆除を支える猟友会員は激減しています。免許をとり、自宅で<br />
銃を厳重に管理し、危険をもろともせず、ひがな一日山野を駆け回り、ちょっと<br />
した事故で前科がつく世界です。多くの若者が仕事はもちろん趣味としても、今<br />
後狩猟を始めることはなさそうです。猟友会が弱体化すれば、狩猟どころか駆除<br />
の数も減らさざるを得ません。<br />
　防衛ラインがどんどん後退し、最終的には居住を断念する4．全面撤退になる集<br />
落が、増えてくることになります。高齢化と人工減少による地域崩壊にクマが拍<br />
車をかけたという事になりそうです。駆除も長い目で見れば時間稼ぎに過ぎず、<br />
少子高齢化が進む日本人が繁殖意欲旺盛なクマに勝つことは、本質的に無理なの<br />
ではないでしょうか。</p>

<p>　<strong>撤退論を考える</strong></p>

<p>　私の提案です。まず、猟友会にしろガバメントハンターにしろ、狩猟のような<br />
効率の悪いことはせずに駆除に徹することです。そして市町村ごとに、市街地な<br />
ど確実に駆除を行うゾーンと周辺農地など可能な限り駆除を行うゾーン、そして<br />
それらの周辺に位置する中間ゾーン、さらに放置する山林ゾーンに分けて管理す<br />
ることです。<br />
　必要なのは、最初に駆除の能力を見積もって、その範囲内でゾーンを決めるこ<br />
とです。猟友会側で最大守れるエリアを指定してもらい、「守るべきエリアでは<br />
なく、守れる大きさのエリア」ということになります。その範囲に限定しないと、<br />
「うちの村も」とか「私の畑も」という正当かつ切実な要望が止めどなく集まり<br />
ます。全てを受け入れてゾーニングをすると駆除の手が回らなくなり、隙をつか<br />
れて市街地にまでクマが侵入してくることになりかねません。<br />
　そうなると余計に街の活力の低下と住民の流出がおこり、市町村単位でコミュ<br />
ニティーの維持が難しくなり、駆除に避ける人員も手薄になり、クマの出没が増<br />
えます。さらに住民が流出するという悪循環に陥り、役場と住民票を残して市町<br />
村が消滅するということになりかねません。<br />
　逆に強引な政治力の行使か民主的な熟議（と言う名の強引な政治力の行使）か<br />
は知りませんが、クマの侵入を防止できるゾーニングが完成した市町村は、近隣<br />
からの住民も流入し、しばらくの間はコミュニティーを維持できます。けれども、<br />
我が国の平均的な出生率を大きく越えるベビーブームがその街で１０年以上続か<br />
ないと、容赦なく人口減少と少子高齢化が進行して、一度持ちこたえた街も衰退、<br />
消滅の途をたどることになります。<br />
　つまり、限界集落の限界をクマのパワーが破ってしまったということです。さ<br />
らに猪・鹿・猿など他の害獣が増え農産物などの被害も増えます。疲弊した地方<br />
都市は、一度でも地震・風水害・山火事などで、コミュニティーに大きなダメー<br />
ジを与えられると、そこから回復する余力があまりにも少なく、ちょっとしたこ<br />
とでも致命傷になってしまうのです。<br />
　なんとも気の滅入る話ですが、現実から目を逸らした政策は長期的にはかえっ<br />
て状況を悪くします。たとえば、警察・自衛隊などの人員に過剰なリスクや負担<br />
をかければ、本来の業務の空洞化、士気の低下、就職希望者の激減、などという<br />
形で、時間稼ぎの成果を大きく上回る弊害が発生します。<br />
　勝ち目のないことを受け入れながら知恵をしぼって撤退する......気勢の上がら<br />
ないプロジェクト（「プロジェクトＸ」の題材には最も不適）、もしかしたら日<br />
本人には最も苦手なことなのかもしれません。長屋の隅にころがっている３年前<br />
のあの本が、行政をあずかる人たちの教科書になる日も遠くないでしょう。</p>

<p>　撤退論――歴史のパラダイム転換にむけて，内田樹編，<a href="https://www.shobunsha.co.jp/?p=7075">https://www.shobunsha.co.jp/?p=7075</a></p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title> クマの出没を地形で考える 【無理のクマさん　その２】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/13_0759.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5974</id>

    <published>2025-12-12T22:59:51Z</published>
    <updated>2025-12-13T01:10:51Z</updated>

    <summary>　この記事は【無理のクマさん】連載3本中の2本目です。 　1本目は「シュレック氏...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　この記事は【無理のクマさん】連載3本中の2本目です。<br />
　1本目は「シュレック氏との出会い」で　<a href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/12_0852.html">http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/12_0852.html</a><br />
よろしかったら、こちらからお読みください。</p>

<p>　シュレック氏との経験をもとに、今年（2025年）の大事件になりましたクマの<br />
大量出没とその対策について考えてみました。<br />
　まず、出没の場所ですが、北海道と東北地方が大部分で、それに北関東甲信越<br />
と北陸・北近畿（滋賀・京都）と続きます。クマが激増しているこのエリアをレ<br />
ッドゾーンと呼ぶことにしましょう。<br />
　国内で他に生息が確認されているのは紀伊半島・中国・四国ですが、人との遭<br />
遇が少なく人的被害もごく少数です。また、九州では絶滅が確認されています。<br />
クマの存在密度は山林の深さに関係しているように思います。私なりに整理すれ<br />
ば、「クマは山脈に連なる地域で増える」ということになります。<br />
　少し解説をしましょう。山の多い場所は次のいずれかです。山脈・山地・連山<br />
です。学問的な定義ではないのですが、こう整理して覚えておくと便利です。山<br />
脈とは大地のシワです。急な斜面と尖った峰筋が一直線に細長く続きます。川も<br />
それと平行に走り支流はあまり発達しません。<br />
　大雑把に言えば、下から河川敷・農地（村落・市街）・里山・山林・峰の順に<br />
川と平行にそれぞれが細長く並ぶことになり、自動的にクマと人とのゾーニング<br />
ができている環境と言えます。山林も農地も長々と続くので、移動するときクマ<br />
も人も相手のテリトリーを通る必要がありません。<br />
　こうした地形が出来やすい典型的な（小学校の教科書にあるような）大山脈は、<br />
国内に５本しかありません。すなわち、日高（北海道）、奥羽（東北）、木曽・<br />
飛騨・赤石（中部）で、全てレッドゾーンのほぼ中心に位置しています。<br />
　次に、山地ですが、そのほとんどは山脈のなれのはてで、風化によって山が削<br />
られて低くなり、川や谷筋が発達してネットワーク状になったものです。さらに<br />
風化が進んで凸凹がすり減って、頂上に平地が残るのっぺりした広大な台地が出<br />
来ることがあります。これを高地と言います。傾斜が緩いので集落や農地が峰の<br />
すぐ近くにまで広がっています（棚田や段々畑など）。杉・檜の植林も古くから<br />
盛んに行われており、自然林が少なく熊の餌になるトングリ類はあまり落ちてい<br />
ません。近くの山脈にある本格的な山林と行き来できるような場所（たとえば夕<br />
張山地、阿武隈山地、関東山地）以外では、今のところクマの急増は見られてい<br />
ません。<br />
　連山というのはあまり聞かない言葉ですが、狭い地域に同時多発した兄弟火山<br />
のグループを言い、多くの場合、一つ一つの山々は独立しています。また、火山<br />
の大部分は火山灰や溶岩だけでできていますから、水はけが良すぎる上に土がや<br />
せていてドングリなる木はあまり生えておらず、標高が高くても火山はクマにと<br />
って魅力のある山ではありません。たとえば富士山の裾野にもクマはいますが、<br />
個体数も少なく被害の報告はあまり聞きません。</p>

<p>　<strong>九州では絶滅したクマが四国にはいる理由</strong></p>

<p>　国内各地での地形とクマとの関係を見てみましょう。<br />
　九州は意外なほど大規模な山林の少ないところです。標高1800ｍ以上の高山の<br />
大部分は、屋久島内か九重連山かにあり、いずれも火山です。それ以外でも雲仙<br />
・阿蘇・霧島・桜島と九州の高山はほとんどが孤立した火山で、しかも爆発噴火<br />
型やカルデラが多く、富士山のような巨大な山はありません。山脈状の地形は熊<br />
本・宮崎間に少しあるだけで、そこにも1700ｍ越えの峰はありません。東京都内<br />
にすらこれらより高い山は１０座以上あります。<br />
　九州ではかなりの山中にまで耕地が広がり植林も盛んです。人工林では餌にな<br />
るドングリ類が極端に少なく、人間から隠れられる場所もあまりません。おそら<br />
くそのためでしょう、戦前のうちに野生のクマは絶滅しています。<br />
　一方、四国には、西日本最高峰の石鎚山をはじめ１９００ｍ越えの山だけでも、<br />
４座もあります。活火山はひとつもなく山脈状の地形で多く広葉樹林が発達して<br />
います。もちろん、ドングリを落とす広葉樹の原生林も潤沢に残っています。<br />
　だから、本州のツキノワグマとは何世紀にもわたって行き来がないはずなのに、<br />
今でも四国の中心部には数十匹の集団が残っているということです。この数なら<br />
突然の餌不足もおこりにくく、食い詰めて人里に降りてくる個体も皆無でしょう。<br />
そのため、今のところ熊鈴などの普通の対応で十分で、むしろ絶滅が心配されて<br />
います。<br />
　では本州のツキノワグマの分布はどうなのでしょうか。本州全体は地続きなの<br />
で、すべての集団に交流の可能性がありますが、現在のところ数十の集団に分か<br />
れているようです。ちなみに淡路島や佐渡島などの離島には、野生のクマは一頭<br />
もいません。<br />
　本州の各地域を簡単に具体例を見ていきましょう。<br />
　まず、確実に孤立していると思われる小集団が紀伊半島にいます。本州で唯一、<br />
太平洋ベルト地帯の南側にいる数100頭規模の集団で、四国と同様こちらも今のと<br />
ころ大きな被害が出るほどの急増はおこっていないようです。<br />
　次に、山口県・広島県西部・島根県西部からなる中国地方西部、こちらの集団<br />
も頭数の推計は発表されていませんが、今のところあまり大きな被害は出ていま<br />
せん。このエリアでは、今年（2025年）に入って目撃数が減少していることも報<br />
告されています。<br />
　西南日本にある以上三地域のクマたちは、今のところあまり問題になっていま<br />
せん。さて、残りの青森から島根東部までつながる広大な地域をレッドゾーンと<br />
一括りにして扱ってよいかどうか、私には判断がつきかねていますが、細かい分<br />
析をしたところで意味はあまり無いでしょう。大部分が過疎地で山脈・山地の割<br />
合も高いので、今後、熊の数が増えていけばクマの移動と交流がおこり、地域全<br />
体が一体化してしまう可能性が高いからです。<br />
　以上まとめると、国内のツキノワグマの集団は、小さい順に、「四国」「紀伊<br />
半島」「中国地方西部」そして「北陸・関東・東北にまたがるレッドゾーン」の<br />
4つにあるということです。このうち、個体数が激増していて今大問題になったの<br />
はレッドゾーンだけです。言い方を変えれば、「太平洋ベルト地帯の北側の過疎<br />
地」それも人口減少と高齢化が激しい場所ばかりです。耕作放棄地や収穫されな<br />
い果樹が増加していそうなエリアでもあります。<br />
　ではもうひとつのクマであるヒグマはどうかなのか、実質的に北海道全域が1つ<br />
のエリアです。かなりの頭数が札幌にまで出没しているのですから、北海道本島<br />
内にはヒグマの来ない場所はないと考えられます。一方、利尻島や礼文島などの<br />
離島や、北方領土のうち歯舞諸島・色丹島にはいないとのことなので、北海道本<br />
島全体をレッドゾーンに追加しました。</p>

<p>　クマ出没マップ，汎用投稿システム Sharp9110，<a href="https://public.sharp9110.com/view/allposts/bear">https://public.sharp9110.com/view/allposts/bear</a></p>

<p>  熊出没データを解析してみた(1/3) 熊の出没，おぴ，　<a href="https://ops-system.net/blog/archives/473">https://ops-system.net/blog/archives/473</a></p>

<p>　生き物通信２１，大西尚樹，<a href="https://www.ffpri.go.jp/thk/research/publication/ffpri/documents/kikanffpri-19_26-27.pdf">https://www.ffpri.go.jp/thk/research/publication/ffpri/documents/kikanffpri-19_26-27.pdf</a></p>

<p></p>

<p>　<strong>同時に急増したことの謎<br />
</strong><br />
　ところで、ヒグマとツキノワグマとはクマの中ではかなり遠い種類（混血はし<br />
ない）なのに、同時期に出没が急増したのはなぜなのでしょう。ドングリの豊作<br />
と凶作の周期が短くなり、この10年ほどはほぼ一年ごとに豊凶を繰り返している<br />
ことが原因のようです。豊作の年に出生数が増加し、翌年の凶作で人里に出没し<br />
た。これまでのように3～4年に一度だけ豊作があるのなら、豊作の時に一時的に<br />
個体数が増えても、翌年から2～3年の間に淘汰されるので、急増は起こりにくい。<br />
という説が有力です。<br />
　よくできた話ですが、なぜ豊凶の周期ができるのでしょう。これは豊作のあと<br />
は「種子の生産のために消費する樹体内の養分を回復させる」まで凶作が続くが、<br />
近年の温暖化で回復までの年数が短縮した」という説明がなされることが多いの<br />
ですが、では、気候も日照時間も違う場所に生えている膨大な数のドングリの木<br />
が、北海道から山陰までのレッドゾーン内で、なぜ一斉に豊作になるのか不明で<br />
す。有効な熊対策をするためには、今後ぜひこの部分を解明しておく必要があり<br />
そうです。</p>

<p>  近年、クマ被害が急増している理由　気候変動による影響は？，ウェザーニュー<br />
ス，<a href="https://weathernews.jp/news/202511/050146/">https://weathernews.jp/news/202511/050146/</a></p>

<p>　ただし、根本的には日本ではヒトが減っているため、一時的なクマの急増を押<br />
し返せなくなっているということが大きな要因です。実は、こうした現象は２年<br />
前に予言されていました。</p>

<p>「これまでは里山が野生の力を押し戻して、『ここから先は人間の領域だ』と宣<br />
言していたのですが、里山が過疎化で痩せ細ってきて、野生を押し戻す力が弱ま<br />
っている。都市部に熊や猪や鹿が入り込んできて、街中で人的被害が出るという<br />
ことも遠からず起きると僕は予測しています。」</p>

<p>内田樹「人口減の日本は〈都市集中〉に舵を切った」そこまでして資本主義の延<br />
命を図らなければならないのか？，婦人公論．JP，<a href="https://fujinkoron.jp/articles/-/7703?page=2">https://fujinkoron.jp/articles/-/7703?page=2</a></p>

<p>　大きな構造の中で考えなければならない話なのですが、現状の対策は、「とり<br />
あえず人里に出てきたクマや人間に危害を加えたクマを駆除する」ということに<br />
徹しています。電気柵やロケット花火などを使っての追い返しも行われています<br />
が、やはり駆除が対策の中心です。このあと（特に来春の冬眠開けや再来年に予<br />
想されるドングリの凶作時）どうするのか。さらに、これから最低数十年は続く<br />
と言われる人口減少下で、どうしていけばいいのでしょうか。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>シュレック氏との出会い       【無理のクマさん　その１】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/2025/12/12_0852.html" />
    <id>tag:nagaya.tatsuru.com,2025:/murayama//17.5973</id>

    <published>2025-12-11T23:52:11Z</published>
    <updated>2025-12-11T23:55:32Z</updated>

    <summary>　ある日。冬の朝。ドアを開けると生臭い風。ポーチのタイルには薄赤い水滴が 飛び散...</summary>
    <author>
        <name>uchida</name>
        
    </author>
    
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://nagaya.tatsuru.com/murayama/">
        <![CDATA[<p>　ある日。冬の朝。ドアを開けると生臭い風。ポーチのタイルには薄赤い水滴が<br />
飛び散っています。出所はドアノブにかけられたコンビニのレジ袋。中には何や<br />
ら内臓めいたものが入っています。今もし、こんな猟奇じみたことがおこれば、<br />
即110番通報です。でも、30年前の田舎暮らしは呑気なものでした。<br />
　「ごちそうさん。でも、驚いたで」<br />
　「朝5時やったから、起こしたら悪いと思ってな。大物の猪がかかったから、し<br />
ぇんしぇ（先生）にお裾分けや。けど、生で食べたらあかんで......虫わくで」<br />
　電話の相手は知り合いの猟師さん、猪が専門ですが鹿やアナグマも仕留めます。<br />
オフシーズンには副業の建物解体をしておられます。なにしろ、ちょっとした木<br />
造家屋をバール一本で解体してしまうお方で、うちの家族はシュレックさんと呼<br />
んでいました。<br />
　思えば不思議な御縁でした。知り合ったきっかけは、わが四女が空き地に繋が<br />
れた２頭の若い紀州犬に、ちょっかいを出したことです。大型犬に目がない私も<br />
参入し、このワンコたちと親子で遊ぶのが保育園帰りの日課になりました。その<br />
うち、シュレック氏から「そんなに好きなら、ときどき散歩に連れて行ってくれ<br />
へんか」「餌やっておいて」などと頼まれ、娘共々お世話を手伝うことになりま<br />
した。<br />
　二頭は兄妹で、訓練中の猟犬でした。人間でもよくある話ですが、兄貴（ヨシ<br />
オ）は臆病で、猪を見ると震え上がってしまい、シュレック氏の足下から離れ<br />
ようとしないそうです。妹（グー）の方は出来が良く、猟の手伝いのようなこと<br />
を、半分仔犬のころからやっていました。ただ、彼らも猟期以外は普通のワンコ<br />
なので、シュレック邸の横の空き地に繋がれていて、私たちに出会ったわけです。<br />
　お世話のお礼は、様々な山の幸でした。松茸もありました。猪レバーも玄関先<br />
に吊されるたわけです。ヨシオとグーは、その後わが家で引き取り１５年にわた<br />
って付き合うことになるのですが、その話はまたいつか機会があれば書くことに<br />
しましょう。</p>

<p>　<strong>淡路島遠征</strong></p>

<p>　夏のある日、シュレック氏から電話です。「しぇんしぇ（先生）。明日、淡路<br />
島に行かへんか」「はあ、淡路ですか？」「そや。鹿狩りや。夏鹿は脂が乗って<br />
てうまいで」「仕留めたやつを、トラックまで運ぶの手伝ってくれ」<br />
　暑い盛りは禁猟なのですが、農業被害が深刻とのことで、季節はずれの駆除の<br />
仕事が、はるばる紀伊水道を渡ってシュレック氏にまで回ってきた訳です。弟子<br />
たちは皆仕事があって行けそうもないので、夏期休暇中の教員（当時は暇でした）<br />
の私が指名されたわけです。現場は洲本や鳴門のリゾートホテルに近く、新鮮な<br />
ジビエを持ち込めば結構な収益があるとのことです。でも、鹿を仕留めて私に運<br />
ばせるより、私を仕留めて鹿に運ばせたほうがよほど効率的でしょう。さすがに<br />
固辞いたしました。<br />
　後日聞いたところ、仕方なく鹿の耳だけを切り取って駆除完了の証拠として役<br />
所に持っていったとのこと、それ以外の部位（ほぼ全身）は現場に放置。狐狸や<br />
トンビの御馳走になったのでしょう。<br />
　ジビエというものは、仕留めた瞬間に危険な野獣から鮮度管理の難しい巨大な<br />
食材になります。すぐに作業場に運ぶか、逆に食肉加工業者を現場に待機させて<br />
おき、最低でも血抜きっだけはしておかないと、臭くて使い物にならないそうで<br />
す。そのため、輸送手段がない現場では、もったいないけど放置は仕方ありませ<br />
ん。<br />
　こういう話をすると、「食べないなんて、命の大切さが分かっていない」とか<br />
おっしゃる方がいますが、そんなに命に拘るのなら、狩猟なんかやめるべきです。<br />
肉食もやめましょう。ついでに生きること自体やめませんか。人間、いや全ての<br />
動物は他の命を犠牲にすることで自分の命をつないでいます。けれどもその命も<br />
いずれ消えていきます。生きること自体が残酷で身勝手で、かつ無駄なことなの<br />
です。<br />
　「いただいた命」なんて言い方、鳥肌モノです。あなたは猪に「お命頂戴しま<br />
す」と頼んで承認されましたか。一方的に殺した相手に謙譲語を使って、何か意<br />
味のあることをした気になる......感動ポルノにもならない、贖罪自慰。「あなた<br />
の命をいただいてよろしいでしょうか」。黙っていきなり「いただく」のもあり<br />
です。<br />
　繰り返しになりますが、私たちが生きること自体が残酷で身勝手で、かつ無駄<br />
なことなのです。そのことを自覚して、ときに自己嫌悪に陥り、ときに誤魔化し、<br />
ときに開き直りながら生きる。結局それしかないわけですから、あまり見苦しい<br />
ことや、はた迷惑なことはやめておきましょう。</p>

<p><strong>　駆除と狩猟は別物</strong></p>

<p>　シュレック氏からは他にも猟についての面白い話をたくさん聞きました。山に<br />
入ったら、まず目標とする大物を決めて、そやつの行動パターンを調べます。専<br />
門用語でストーキングと呼ぶそうです。そして罠を仕掛けるか犬と猟銃で仕留め<br />
るかなどと作戦をたてます。ときには、ストーキングだけで何日もかかるそうで<br />
す。<br />
　特に狙いをしぼらずに歩き回って、出会った猪を撃つということもあるのです<br />
が、日によっては一頭もかからないこともあり、まあ中級品が２～３頭獲れれば<br />
上出来とのことです。<br />
　これを最低でも２～３名一組で行うので猪猟はとても採算が悪く、自他とも認<br />
める泉州一の鉄砲打ちのシュレック氏でも、これだけで生活することは不可能で<br />
す。だから、日本国内の猟師さんはほぼ全てアマチュアであり、基本的に趣味の<br />
集まりである猟友会が地域を害獣から守っているのです。<br />
　最近の狩猟では、近くに建物や道路などがあるため銃が使えないこともありま<br />
す。罠が使えれば一番楽なのですが、お目当ての猪がかかるとは限りません。ア<br />
ナグマやタヌキが入っていることもよくあり、何かが捕まっている間には罠は機<br />
能しません。結局、野原で犬に追いかけさせ、人犬団体が集団で襲いかかり猪が<br />
動けなくなったところで、シュレック氏がナイフでトドメを刺すという、縄文時<br />
代となんら変わらない手法になります。<br />
　犬たちも無事では済みません。死に物狂いの反撃を受け、牙で腹を割かれたり、<br />
跳ね飛ばされて大木や岩に激突したり、泥沼に押さえ込まれて溺れたりで、チー<br />
ムシュレックでは猟犬のシーズン戦死率が５０％越えのことがあり、例年犬を貸<br />
し出している紀州犬保存会の会長さんをあきれさせたこともあります。<br />
　シュレック氏は、自分の犬を殺した猪（大物が多い）は「絶対に忘れずに敵を<br />
とる」と息巻いていましたが、どう考えても相手の猪の方が正当防衛です。でも、<br />
犬好きの私もこちらに同調してしまうのですから、みんな身勝手なものです。案<br />
外、絶対に猪を追わなかった我がヨシオが一番、正しくマトモだったのかも知れ<br />
ません。</p>

<p>　<strong>本当は恐ろしい害獣駆除</strong></p>

<p>　農作物被害の防止などで、街や里山に現れた猪を殺すことを害獣駆除と言いま<br />
す。ジビエの入手はオマケみたいなもので、あくまで目的は殺すことです。場所<br />
は主に里山や村落なので道路網も発達していて、猟師の移動、罠の輸送、処分後<br />
の運搬。どれひとつとっても、山中での狩りとはえらい違いです。狩猟がアウェー<br />
ゲームなら駆除はホームゲームです。<br />
　けれども、害獣駆除には狩猟にない残酷さがあります。たとえば食肉目的の狩<br />
りでわざわざ瓜坊（イノシシの子供）を狙うことはありませんが、害獣駆除では、<br />
どんな幼獣でも罠にかかったら容赦なく処分することになります。<br />
　以前、罠にかかった瓜坊に授乳している母猪を、ナイフの一撃で仕留めて喜ん<br />
でいるシュレック氏を見たことがあります。子供の方は連れて帰って少し育てて<br />
から、若い猟犬の練習台にするそうです。瓜坊と仔犬、最初はじゃれ合っている<br />
ようですが、犬の方は育つにつれて野生に目覚め、少しずつ攻撃がエスカレート<br />
して最後は殺してしまうそうです。理不尽なイジメや仲間内での暴力を容認する<br />
ことで、野蛮さを引き出していく......なんだか、旧日本軍の新兵教育みたいです。<br />
　我がヨシオ君は、いくら瓜坊をけしかけられても野生に目覚めることはなく、<br />
逃げてばかりだったそうです。シュレック氏の話では、何匹かに一匹こういう<br />
「出来損ない」がいるとのことですが、これが遺伝によるものなら紀州犬はよほ<br />
ど人間より上等のDNAをお持ちだということになります。攻撃性が一斉に発火する<br />
集団では、負け戦はしばしば全滅を意味します。実は、全体の士気を下げ統制を<br />
乱す個体は、出来損ないどころかその種にとって貴重な存在なのです。<br />
　話がそれました。害獣駆除は狩猟とは比べものにならないぐらい、安全で効率<br />
の良い仕事です。深山に分け入って獲物を探したり分析したりする必要は全く無<br />
く、農地や里山でウロウロしていたり罠にかかったやつを仕留めれば良いのです<br />
から。今問題になっているヒグマやツキノワグマでは、この差は猪よりさらに大<br />
きくなりまするでしょう。重量も危険性も桁違いだからです。</p>]]>
        
    </content>
</entry>

</feed>
