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2005年7月 アーカイブ

2005年7月 2日

眠くなる話

6月30日(水)

気になっていた短編小説の続きをやっとの思いで読むことができたのは、その本を手にしてから数週間経った頃だった。タイトルが『眠り』というので、読み始めるといつも眠くなってしまったのである。
これとは逆に小説のなかの主人公は、眠れなくてずっと目を覚まし続けている。かといって主人公は不眠症でも何でもない。いつの日からか急に眠れなくて、ただただ起きっ放しの状態を生きているのだ。どうやら「眠気」というものが発生しないらしい。
だのに、読んでいる側が眠くなってどうするのだ。
と思っていた話をようやく読むことができた。それなりに達成感はある。だが今となって思えば、案外つまらない話しだったから読み進められなかったのかもしれないとも思う。

2005年7月 3日

眠い話

6月30日(木)

 気になっていた短編小説の続きをやっとの思いで読むことができたのは、その本を手にしてから数週間経った頃だった。タイトルが『眠り』というので、読み始めるといつも眠くなってしまったのである。
これとは逆に小説のなかの主人公は、眠れなくてずっと目を覚まし続けている。かといって主人公は不眠症でも何でもない。いつの日からか急に眠れなくて、ただただ起きっ放しの状態を生きているのだ。どうやら「眠気」というものが発生しないらしい。
だのに、読んでいる側が眠くなってどうするのだ。
と思っていた話をようやく読むことができた。それなりに達成感はある。だが今となってみれば、案外つまらない話しだったから読み進められなかったのかもしれないとも思う。


6月29日(水)

 みなさまお元気でしょうか?うっきーです。お久しぶりです。

 わたしは現在日本にいます。西宮に住んでおります。日本標準子午線のある街からJRに乗って1時間ほどのところです。しばらくは-暑いので、いつまでかはわたしにもよくわかりませんが-ここにいるつもりです。

 西宮は何を隠そう甲子園があります。阪神タイガースの本拠地です。市内にはチームが毎年参詣する広田神社もあります。電鉄の駅は何かというと縞模様が目に付くようにできています。じつはさほど熱心なタイガースファンでもないのですが、縞模様はそれなりに気になります。井川投手の髪と赤星選手の赤い手袋も気になります。でも、一番好きなのは金本選手の顔です。それから、なぜ「タイガーズ」じゃなくて「タイガース」なのかも気になります。すかすかしていて落ち着きが悪い。そうは思いませんか。でも、ジュリー所属のグループもたしか「ザ・タイガース」でしたよね?

 甲子園と言えばもうひとつ、全国から高校球児が春夏集まってくる場所なわけですが、これまた一度も高校野球を観に行ったことがありません。暑いのが苦手なこともありますが、チケットを取るのもさらに苦手。あと、暑さでノボセルコトがあって、いろいろと付帯状況が悪いのです。でも野球は好きです。

 毎日ここに住んで何をしているかというと、主に大学の仕事し、映画を観て、歌を聞いて、本を読んで、アイロンをかけて、稽古をして、朝早く起きて通っています。数日おきに合気道の稽古をし、杖道の稽古をしています。授業に出ることもあります。稽古は稽古というよりも生活の一部ですね。ここ数年は生活の中心にもなってきました。基盤となるようにしたいものです。・・・仕事をしていると疲れることが多くなってきました。これまでにまず使わなかったであろう身体や身のこなし、頭などを使っていることも原因のひとつだと思います。院生主体でやっているときには、まず出会えなかったような感覚です。それらを効率よく働かせるようにしています。まあ、仕事なのでやらないわけにはいきませんが、うまくいくことばかりではないです。ぼちぼちですね。
無理していたのか6月には二度ほど倒れました。最近では周囲のひとからかけられる言葉は、専ら「身体の調子はどうですか?」です。あとは「痩せられました?」と「ちゃんと食べてくださいよ」です。これまでにはありえない話です。この仕事していると人間はだんだん痩せるのか?どうでしょう。見てみて判断してください。でも体重計の数値は確実に変化しています。ほんとうです。

 夏が近づいてくると(もうとっくに気温は夏ですが、いちおうまだ梅雨の時期なので「近づいてくる」にしておきます)、すぐさまサザンの季節になります。桑田佳祐の声はじつに夏がよく似合う声です。以前、サザンのベストアルバムである『HAPPY!』が売られていたとき、パッケージを見て洗剤だと勘違いし、買い損ねたことがあります。じつに悔しい話です。洗剤のような箱にしてあったのは、中身にアルバムと共にたしか法被が入っていたからです。いまではもう完売したアルバムなので、ときおり中古屋で見るか、レンタル屋で見るくらいです。惜しいことをしました。
ビーチボーイズもいいですね。ビーチボーイズには「スマハマ」という歌がありますが、未だに誰もわかってくれません。ほんとにあるんです。一部は日本語で歌われています。『スマップ×スマップ』のセットに使われるような「スマハマ」の名称ではありません。

 新聞の話。新聞の勧誘の話が来ました。「朝日新聞の集金」というのは、どこでもよく見かける風景ですが、(江戸弁のたとえ話にこんなのがありました。「江戸っ子は『ひ』と『し』を言い違えるから「あさひしんぶんのしゅうきん」は「あさしひんぶんのしゅうきん」になるのだと)それではありませんでした。講読契約更新の話でした。とりあえず契約更新すると、新聞屋さんは、ビールか洗剤をくれると言います。一瞬迷いましたね。ビールにするか洗剤にするか。でも、よく考えたら、わたしは家ではほとんど飲まないのです。ビールがいくらあったってひとりじゃ飲まない。暑い夏に仕事のあとの一杯。うまいのはわかってます。信じられない話ですか?でも、その分、誰か一人でも目の前にいたら飲みます。こういう不思議な体質なんです。誰かが来たり、誰かといたりなら、がががががーっと、喉の奥のシャッターが空くみたいです。相手が何人でも、飲まないひとでもかまいません。ひとりでは何の味もしないんです。結局寂しがりやなんですかね。考え方によれば。

 ところで、先日、野茂投手が日米通産200勝をあげたことを知り、うれしくなりました。今でこそ簡単に「メジャーに行ってきます」と宣言して、さっさとアメリカに行ってしまう日本人選手がいますが、野茂の頃はそうではなかった。長引くストのなか、交渉もできず、入団もできるチームがなく、野茂は一時厚い壁に何度もぶち当たりそうになっていたことは今でもよく覚えています。あの人の存在がなければ、いまほど盛んにメジャーを目指す選手もなかったでしょう。いわば日本人でメジャーを目指すルートを作った人物だといえるでしょう。それだけに彼の存在は大きいです。独特のフォームだけでなく。

 今日の近況報告をしたくなったのは、村上春樹氏が近況を語っていたからです。形式はそれをすこし借りました。

 村上春樹氏はいま、ボストン近郊にいるんだそうです。いいですねえ、涼しそうで。わたしもいきたいです。ボストンは「ダンキン・ドーナッツ」の本拠地ですって。好きな食べモノがある街って、いいですねえ、ほんと。ダンキン・トーナッツのオールドファッションドとコーヒー、かなりうまそうです。素材本来の味をそのままうまく引き出したような感じがします。わたしも実際に食べてみたくなりました。


6月28日(火)

 暑いですね。今日もめまいがしそうです。


6月27日(月)

 もうどのような格好をしても蒸し暑い。
 普段からネクタイを締めなくていい分には涼しいのかもしれないが、普段から締めることがないので、「締めている」状態がどれくらい暑いのか(あるいは涼しいのか)は、ほんとうはよくわからない。ネクタイよりも上着を羽織ることのほうが暑かろうとだけ思う。

ネクタイを締めずにクール・ビズも結構だが、見た目の涼しさというものも必要である。
人間は視覚情報によってかなりの認識をするらしいから、見た目から相手に与える情報はかなり大事だ。
身なりはきちんと整えよう。
いつの日も言うではないか。物事は「形から入る」のだと。


6月25日(土)・26日(日)

 東京日和、夢心地。
トロに会えた。にこりとしたトロが元気でよかった。


6月24日(金)

 アメリカン・チェリーがおいしい。
 甘さとほんのり効いた酸味が最高だ。冷えていて、きゅっとしまりがあって、とてもおいしいん。こんなにおいしいものだなんて、なぜいままで気がつかなかったんだろう。

 短編。
 
 


6月23日(木)

 クール・ビズな道衣が欲しい。


6月22日(水)

『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』の試写会にお招きいただく。
「完全版」を名乗る今作でようやく、アナキン・スカイウォーカーの深い傷の始まりと謎が明らかにされた。もう一度シリーズをはじめから見たくなる。
エピソード4からつくった監督は、非常に読みがいい。


6月21日(火)夏至

 太陽の位置を確認するのを忘れてしまった。


6月20日(月)

アイオワのグリンネル・カレッジ大学の訪日教授団が来校される。
 昼過ぎ、キャンパスツアーの一群にまぎれ、暑さと湿気の漲る校内で、ぱちぱちとカメラのシャッターをきる。
 たまたま着ていたシャツとパンツがそう見せたのか、肩から提げた名札がそう感じさせるのか、見かけからしてフォトグラファーになる。形ができると気分もいつしかフォトグラファーだ。こういう仕事のときはとても心地いい。

 改めて見るソールチャペル、講堂、理事室、図書館本館、中庭、噴水、理学館、社交館、茶室。どれもこれも見事にきれいで趣のある建物ばかりである。
なるほど。この大学の遺産は建物にあるのだと思う。
 レンズを通してみるまでもなく、キャンパスはまさに絶好の「キャンバス」である。


6月19日(日)

これまたどういうミスをしでかしたのか記憶にないのだが、仕事で叱られる。
しょんぼりと肩を落とし、がっくり落ち込んでいる。
そんな「わたし」を見ているわたしがいることに気づいて、「なーんだ夢だったんだ。あー、よかった」と胸をなでおろしている「わたし」がいることにさらに気づく夢を見る。
夢の中で夢を見ている夢である。ややこしい夢だ。
 暑さのせいか、夢見の悪さのせいか、非常に気分がよろしくない。

 暑いのでのっそりと動く。とあっという間に昼が過ぎ。


6月18日(土)

 うだるような暑さのなか合気道の稽古。
 体内から発せられる熱気で、膝に貼った湿布がとろけてしまいそうになる。
 
 夕刻は吉例「ゴルゴンゾーラの会」。
 会場はJR大阪駅から徒歩10分ほどのお店。(「パウロ」だったか「パオロ」だったか、そのような名前だった)。
店には、メロンを「メ」を、「メ」と「ロ」のちょうど間くらいの音で発音し、メロンの「メ」と「ロ」の間に「―」を入れて発音するイタリア人らしきオーナーがいた。
彼の発音する「メロン」らしき発声からは、すぐさまあの甘くて喉が痛くなる緑色をしたメロンを想像することは難しく、メロンのジェラートをマロンのジェラートだと思い込んでしまった。「世の中には珍しいものがあるもんだ」とひとり感心してしたが、結局食べたのは、カシスのジェラートである。


6月17日(金)

 震えは容赦なく続く。
 手までぶるぶるしてきた。
 投与された薬がちょうど終えたこともあり、薬を飲むのをやめた。
これで震えが消えたら、震えは薬のせいだったということができる。それでも震えが消えなかったら、震えの原因はほかにあるということができる。


6月16日(木)

 電話の音や足音になぜか敏感に反応してしまう。
「わたし」が意識する前に「わたしの身体」が敏感に音を拾い上げている。
ぶるるっと毛並みを揃えるときの犬みたいに、わけもなくぶるるっと、身体が震えている。震えている。震えている。
震えは薬のせいなのだろうか。薬のせいだと思いたい。


6月15日(水)

 どこか遠い世界にいるようないちにちだった。


6月14日(火)

 朝から熱っぽく、ふらふらしていた。
 顔面にへばりつくような頭痛でまっすぐに歩けない。
ここ数日ずっと痛くしている喉の調子も、きょうはまた一段とよくない。
 これまでのわたしなら、「熱なんて大したことないよ、喉なんていつものことさ」と、気にせず出かけていたことだろう。
だが今日は違った。どこか身体の重さが違っていた。
取り出した体温計で測った数値を見ると、さらに眩暈がしてきた。

 電話して、半日は病院に行く旨伝える。
病院に行って診察を受けると、喉は見事に腫れていたようだ。
「よくまあここまで我慢しましたね。喉が真っ赤です。これ以上、無理するとまた熱が上がりますよ。きょうは一日休養してください。え?仕事?そんなん行ったらもうだめですよ。証明書が要るんなら書きます。それが書けるくらいの症状なんですから」と言われて休む。
幼い頃から病院に行くとたいてい、「よくまあここまで我慢したなあ」と言われる。
 
ともあれ、こうして久しぶりに熱を出し、病気になった。


6月13日(月)

 新聞疑惑。僅かながら記事写真掲載記録更新である。っほほ。

2005年7月10日

雨の七月

7月8日(金)

500mlの缶ビールを軽く飲み、白ワインが1本空いた。夏の日の夜にしては、摂取量が少ない。


7月7日(木)

七夕。
健康でありますように。
合気道の専門家になる。
身体が無事でありますように。
主体性を持って生きていけますように。
考える前に行動できますように、考えすぎませんように。
胃まで壊しませんように、病気が治りますように。
またいつかジョンとどこかで会えますように。


7月6日(水)

腎臓結石と診断されたのは、夕方も暮れて小腹も空いた頃だった。まだ見ぬセミたちも今日の嘆きを止めて、静かにどこかへと帰る頃だ。

胃でも腹でも腰でもないところに鈍い痛みを感じていたのは、夕べあたりからである。
「痛い」と感じたとき、稽古の時にでも打ち所が悪かったのかと思ったが、先週末はさほど大きく痛めた覚えもない。

病院に行くと診断をくだされ、とりあえず抗生物質で散らすことになる。


7月5日(火)

なんか変な感じだ。腹が。


7月4日(月)

どうもまだ不調だ。


7月3日(日)

疲れて寝ていたらどっぷり日も暮れ、雨も一段と激しく降り、夜になっていた。


7月2日(土)ヤアヤアヤア!ヤベッチが戻ってくる

梅雨らしく激しい雨が降る。
稽古に行く。
雨のせいか、多少出足が遅いものの、稽古後に新歓コンパが控えているためか、時と共に増えてくる。
どどどっどっと、40名ほどが道場に押し寄せてくる。
途端に湿度が上がる。熱気も上がる。懐かしい面々もあるため、ボルテージも上がる。
懐かしいはずなのに懐かしくない。
まるで昨日まで、ずっと会っていたかのようだ。すぐさま打ち解けることができる。笑いが耐えない。
ああ、なんていいことなんだろう。
合気道の良さはこういうところにもある。

稽古後には、どどどどどっと、内田先生のお宅へ移動。
新入生が誰なのか、誰がどういう名前なのか認識するために、各自胸元には名札を付ける。
最終的には収容人数は、過去の事例をピーク時は大きく更新したようである。
正確な数値は覚えていないが、内田先生宅のどこかに、常時40名がいる状態である。

各地でいくつもの話題が飛び交う。
隙間を見つけてはうろうろし、台所に立ち、ソファーや椅子を見つけては座り、話す。
トイレに行くだけで列が出来ている。
テーブルのうえに持ち寄った一品が並べられると、途端に激しく人類の移動が始まる。そして、途端に入り身転換、半身を一重身に変えて、あるいはマジックなどなど、各自あらゆる手段を駆使して、各自のプレートに食べ物を収穫略奪譲渡分配交換していくのである。冗談ではなく。
というわけで稽古が終わってもさらに身体感受性を効率よく強めて動かなければ、一生食べ物にありつけないという有様である。
あまりに大きく動くと、皿やコップにひっかかり、破損の恐れがあって危険である。
注意深くかつ軽快に移動しなければならない。そうしなければコップは割れるうえに、白い目で見られるし、食べ物にはありつけないしで、いいことはまったくないのだ。稽古のあとの腹を空かせた集団にとっては、食べ物の分配はそのまま死活問題に直結する。


7月1日(金)

髪を切った。
このところ髪を切るときはいつも決まって天気がよくない。今回だって、つい先日までのお天気がウソのように大雨の日に傘を差して出かける。
「髪を切るときは雨が降る」といった法則。
決して「髪を切る(切った)ので雨が降る」でもなければ、「雨が降りそうなので髪を切りたくなる」でもない。だって、天気なんてどうなるかわからない時に髪を切る予約をするのだから。
でもよく降るなあ。

2005年7月16日

宝塚とロック

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2005年7月22日

ふと気がつけば

7月21日(木)

今週はどうも長い。
まだ明日があるかと思うと末恐ろしい。
ああー、長い長い長い長い。長居は陸上競技場。


7月20日(水)

 世間は終業式らしい。ええなあー。成績表が懐かしい。


7月19日(火)

 ふと気づけば朝だった。
どこからどこが現実で、どこからどこが夢なのかわからない。
夢から夢も覚めないままに朝が来る。こんなとき、夢の続きは、どこに着地させるのがいいだろう。


7月18日(月)

 おお、ニシオカさんがさっきから北側を向いて触っているのは、薬ではないか。

「うち、あんさん来はるの、ずっと待っとたんどすえ。待つえ。くち、おおきゅう開けて、早うそこに座んなはれ。薬飲まんとあきまへんさかいに。せやかて、なんでそんなとこに居んの?そないにじっと手を見る啄木みたいに、しおらしゅうならんかてええやないの。薬飲むくらいで。おかしなおひとやわあ、ほんま。え?なんやて?違うて?炭俵みたいに真っ黒やから、アタイの側やと色の黒さが目立つやて?あんさんもまたおかしなこと言うなあ。そないなこと気にしはっとったん?なんも哀しむことあらへんて。色の白いや黒いなんて関係ありゃしまへん。人間の価値には。あ、そやそや、この話、知ってはる?」

北を向いていたニシオカさんは、何の話か想像するまでに、ぶるぶると首を横に振っている。
というのも綾部がお国のそんひとが、強い口調で知ってるかと尋ねてくるときは大概突拍子もない話か、もしくは、まったくおもしろくない話だったからである。
いつぞやは、元力士の寺尾のデラックスちょんまげについて、「この話、知ってはる?」と聞いてきた。「知らない」と応えると、「そうかい。知りはらんの」と言ったきり、後が続かなかった。
それにしても好奇心だけで北を向くうち、ふと気がついたら、奇妙なことばをしゃべりだすそんひとに出会って、もうどれくらいになるのだろう。


7月17日(日)

 「やっベー。遅刻しそうだ」
 かなり激しく息を切らせて走るさんうは、眉と眉のあいだ、いわゆる眉間にシワを寄せながら、つぶやいた。
「おいおい、また遅刻かよ」心の中では、そう思った。

約束の時間に間に合うように、昨晩からきちんと準備していたにもかかわらず、さっき慌てて道路の窪みに足を引っ掛けてしまったのである。そして、そのままずるずるりとつまずきそうになった。
さらに運の悪いことに、つまずきそうになったとき、ゆるゆると手押し車を引くおばあさんが前を歩いていた。
瞬間的に避けようと前受身を取り、おばあさんにぶつからないようにした。
だが、大きすぎる荷物を抱えていたので、受け損ねてしまったのである。結果、多少のすり傷。しかし持ち前の柔らかさで、大事に至らずには済んだ。そのまま慌てて駅のホームへと続く階段を駆け上っていく。

電車はすぐにやって来た。
息を切らせながら、ドア近くの角だと邪魔になるので、頃合を見つけてつり革のあるところに移動する。

突然、くすくすっと笑いがこぼれてくる。
「キミ、絵になるね」と、先日爽やかな笑顔で友人に言われたことを思い出したからだ。
なぜかはよくわからないが、そう言われたのである。そして、さらになぜだかよくわからないが、そのときのことを思い出したのである。
友人は続けざまに、「しおれたコノハのみほんみたい」とも、「薪割りするのに、斧で楽することはまず無理だ」と言っていた。

実際、さんうには、すべての意味があまりよくわからなかった。
もしかしたら相手は何か嫌味なことでも言おうとしていたのかもしれない。あるいは何かのメッセージを含んでいたのかもしれない。けれど、こちらが何かを言おうとするまえに相手は消え、愚痴をこぼすことも、質問することもできなかった。だから、どこにも不思議ではあっても別段嫌な印象を受けることはなかった。爽やかな笑顔だけが記憶される。

人間は、「忘れる」ことができる。
そのため、悪いことをずっと記憶したままにしないで、消していくことができる。ときには、いいことだけが頭の中に残ることがあるからだ。これは、わりに便利な機能だ。

ぼんやり訳のわからないことを考えるうち、約束の駅に着いた。
滑走路をゆく飛行機のように徐々にスピードを上げていく。テンションを高めていく。
もうすぐみんなに会える。
そう思うと、足取りは一気に軽くなった。


7月16日(土)

 偶然ミーハーになる。
偶然とご縁は案外似ているところがあるのかもしれないなと思う。もうすぐ梅雨も明けそうだなと思う。ビールも飲めるようになったと感じる。

2005年7月24日

たねあかし

7月23日(土)

 暑い暑い午後だった。滴る汗は波飛沫。


7月22日(金)

謎解き。
前回の日録二日分には、とある15名の名前が隠れています。決して暑さのせいでどうにかなったわけではありませんので、ご心配なく。さて、何人探せるでしょうか。すべて探せた方はご報告ください。先着で、気が向いたら、記念に粗品進呈するかもしれません。

2005年7月30日

デジカメと鰻

7月29日(金)

 7月、懸念の精密検査に行く。結果は、いまのところ異常なし。
思ったより時間がかからずに済んでよかった。ガンガンに、やかましいほどにセミが鳴くある夏のことである。


7月28日(木)

 パソコンも夏の疲れが出るみたい。
 突然止まったり、調子が悪くなったり。
 さっきまで正常だったのに「応答なし」反応を出してみたり。
 一番困るのは、「このファイルは反応していません」というような掲示が出るとき。そして促されるまま、処置を行っても余りうまくいかないとき。
 こんなとき結構ストレス。


7月27日(水)

 「彗星を観に行こう」と言われた。
彗星なんてみることができるの?と思った。だって、彗星ってあっという間にどこかに行っちゃうものじゃない。落ち着いて考えるとそうかもしれない。 
でも、観に行きたいなと思った。


7月26日(火)

 一津差間阿鯛武!


7月25日(月)

 今一番欲しいもの。それは、デジカメ。
 今一番食べたいもの。それは、うなぎ。
 欲しい欲しい欲しい。ああ、デジカメ、欲しい。
 食べたい食べたい食べたい。ああ、うなぎ。

どこかにないかなあ。
どこかに余ってないかなあ。
いろいろと研究に使う予定があるとです。
たとえ、うなぎは我慢したとしても(…ってできるかな。そんなこと…)欲しいのです。

 ああ、うなぎよ。デジカメよ。
 
もうすぐ誕生日なのですよ。


7月24日(日)

 午後は居合の稽古に行った。
 身体の感覚は近くて遠い。ぷにゅぷにゅしている自分がいる。

 夕刻は、おいちゃんの壮行会。
 我らがおじきの門出を祝う会である。
持ち寄りの品々は、どれもこれも、いつもの宴会に並ぶものより、ひと際愛情に溢れていた。それはやっぱり「おいちゃん」という人の人柄の成せる業だろう。こういうとき、そのひとの良さがよくわかる。
ここですぐさま想像されるのは、「もし、これが、わたしの場合だったら、どうなるだろう?」である。
おそらく、こんなに楽しいことにはならないだろう。(「性格が悪い」ので)。
いや、待てよ。その前に。
留学するなんてことになったら、一体全体周囲からは、どういう反応が返ってくるのだろう。(「性格が悪い」ので)。
多方面にどういう影響が出るのだろうか、あるいは出ないのだろうか。やはりなんだかいまは、恐ろしいことしか想像できない。(「性格が悪い」ので)。
怖い想像をするのもおもしろいことではあるが、きょうは楽しい日なので、特別にはしないでおいた。
 真っ暗な夜空には星がきらり。
 おいちゃん、元気でね~。

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