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2006年01月 アーカイブ

2006年01月01日

甲南麻雀連盟浜松支部の死闘

12月31日(土)

年末だというのに、昨日まで1泊2日で大阪へ行っていた。

実は、毎年この時期に、東海・近畿ブロックのソフトテニスを愛する中学校の顧問たちが集まって、忘年会を行っているのである。もう、かれこれ10年以上になる。

せっかく大阪まで行くのだから、宴会とは別の楽しみもあった方がよい。例年、楽しみにしていたのは、日本橋で電化製品を買って帰ること。「今年は何買うの?」というのが合言葉のようになっていた。

ところが、ここ数年の間に、日本橋もずいぶん様変わりした。コミックやアニメのキャラクターのフィギュアなどを売る、いわゆる「オタク系」の店が増えているのだ。聞くところによれば、東京の秋葉原などでも同様だそうだ。

以前、電子手帳を購入した店もなくなっていた。店員さんと、「これとこれ買うから、その分何かつけてよ」とか「これ2台買うからまけてよ」などというやりとりをすることも、日本橋の楽しみの一つだったのだが、これからはそういうこともだんだんなくなっていくのだろうか。

さて、今回浜松から参加したのは、「シューマッハ」オノちゃん、「会計係」ヨッシー、「忍者」ハットリくんと手前の4名。オノちゃん提供の「ご存じ」アルファードで、一路大阪へと向かった。

手前は、今回大阪でどうしても購入してこようと思っていた品々があった。

1.ベルティーニ指揮マーラー交響曲全集
2.『秋山真之戦術論集』(戸高一成編、中央公論新社)
3.ipodシャッフル1ギガ

以上の3点である。

大阪へ到着後、ホテルのチェックインを済ませ、すぐに難波のタワーレコードへと向かった。

ちなみに、いつも宴会はミナミで行われているので、当然のごとく宿はミナミなのである。

高島屋隣のタワーレコードは、クラッシックのフロアがとても充実している。お目当ての1番目、ベルティーニのマーラー全集はすぐにゲット。日本版(¥11,000)も出ているのだが、輸入盤の方が圧倒的に安い(¥6,990)のである。

お買い得は「ワゴンセール」のボックスCD。今回は、娘のみやげに「往年の名演奏家によるショパン作品集」(CD10枚組で何と¥1,790!)と、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏によるチャイコフスキーの交響曲全集(CD5枚組で¥1,990!)をついつい衝動買いしてしまう。

お目当ての2番目、『秋山真之戦術論集』は、ジュンク堂難波店にてゲット。これはまだ出たばかりの本だから、4冊くらいあった。

とりあえず、ショッピングはここまでにして、忘年会場へと移動。

忘年会の会場は、天王寺駅から阪和線に乗り換えてひと駅の「O屋」。以前は環状線寺田町駅のすぐ近くにあったのだが、昨年移転したのだ。

何を隠そう、ここの「てっちり」は絶品!なのである。

大阪のシモムラ先生や、京都のキシ、ミヤタ両先生、滋賀のニシカワ先生などと久闊を除し、とりわけ鍋にうるさいシモムラ先生の作るてっちりを存分にいただく。

「今度はみんなで温泉でも行こうかあ」などという話題が出たりして、手前も含め参加者の加齢を感じさせられる。でも、相変わらずみんなとても元気なのである。

近畿ブロックの先生方とお別れしてからは、宿舎近くに戻って麻雀。甲南麻雀連盟浜松支部の年間王者決定戦が残っていたのである。

いつの頃からか、「会計係」ヨッシーがいつもの雀荘にノートを持ち込み、その都度の結果を記録して、その年の年間王者を明らかにするようになった。今までの最多年間王者は、「シューマッハ」オノちゃん。F1界で毎年圧倒的な強さを誇っていたシューマッハに擬えるほどに、ここ数年は他を寄せ付けない強さで年間王者に輝いていたのである。

ところが、今年は新年からそのオノちゃんが不調。代わってトップに躍り出たのは、誰あろう「会計係」ヨッシーと手前なのであった。

王者争いは12月に入っても続き、冬休みに入って行われた2連戦でトップに立ったヨッシーと手前の差はわずかに20点ほど。最後の決戦の舞台は、大阪へと持ち込まれたのであった。
まるで、セナとプロストか、はたまたセナとマンセルか(そんなえーもんか)とも言うべき、今年最後の麻雀の幕は切って落とされたのである。

勝敗を分けたのは、ゲストメンバーの「忍者」ハットリくんの存在であった。その名のとおり、忍術のようなダマ聴攻撃に、万点棒を供出し続けた手前がビリ。かくして、手堅く打ったヨッシー年間王者が確定したのである。ばかりでなく、ヨッシーは甲南麻雀連盟浜松支部創設後、初の王者ともなったのである。

かくなる上は、本部内田理事長からも「認定証」を出していただくよう申請することにいたそう。

さて、まだipodのことが残っているのだが、それはまた年明けに。

それではみなさま、よいお年をお迎えください。

2006年01月05日

わたしアップルの回し者ではありませんが

1月4日(水)

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、iPodのことである。

きっかけは、マックミニを購入した際、設定してくれたスズキさんから「先生、マックミニにはせっかくiTunesが入ってるんだから、iPod買いましょうよ、聞くところによるとshuffleがいちばん音いいそうですよ、何せ大きさはチューインガム程度だし、1GBのモデルなら相当な曲入りますよ、だから今からプリウスで電器屋さんへ直行しましょう!」と強く推奨されたことである。

今までiPodの存在は知ってはいたものの、手前が聴くのはほとんどがクラッシックの曲ばかりだから、CDの曲を圧縮してコンピュータに取り込み、またそれをフラッシュメモリのような媒体に移して聴いたって、いい音で聴けるはずなどなかろうと高を括っていたのである。

ところが、推奨した件のスズキさんはクラッシック音楽のファンでもあり、特にショスタコービッチの交響曲が大のお気に入りなのである。「クラッシックもいい音で聴けるの?」と問うと、「けっこういけますよ」とのお返事。「まあコストパフォーマンスを考えれば、買いはshuffle1GBかnano4GBのどちらかですね、さあ買いにいきましょうよ、今行かないとちょうどクリスマスプレゼントでiPodを買う人って多いから商品がなくなっちゃいますよ」

そんな急に言われても困るのである。「まあ、年末に大阪行くから、そんときに日本橋の電器屋さんで見てみて購入するかどうか考えるわ」ととりあえず答えておいた。でも、そう言われてからどうも気になるのである。それから大阪へ行くまでに、地元の電器屋さんを何件か回って実物を見てみることにした。

確かに、shuffleは小さい!でも、こんなものでホントにいい音でクラッシックが聴けるのかよう、と些か疑問に思わないでもない。

スズキさんの言ったとおり、店先にはshuffle1GBとnano4GBのモデルはなかった。店員さんに聞いてみると、両商品とも年内には入荷せず注文取り寄せになるとのことである。「まあ浜松じゃあないのかもしれないけど、大阪日本橋ならあるでしょ」とあまり深くは考えずに大阪行きを待つことにしたのである。

その大阪にて、忘年会が終わって駅まで歩いている時に、「明日は日本橋の電器屋さんでiPodを買おうと思ってるんだけど」と話をしていると、京都のキシ先生が「これですか?」とポケットからnanoを取り出したのである。「おおお、nanoだあ!さすがはキシ先生!でも4GBモデルじゃないよね」と言うと、「いーえ、ちゃんと4GBですよ」とのお答え。「ちょっと聞かせてよ」と実際の音を聞かせてもらった。

これで購入が決定した。

翌日は日本橋の電気屋さんを巡ってiPodを探すことにした。お目当ては、shuffle1GBのモデル。値段的にも財布の中身に相応しいと思ったのである。もちろん、せっかく大阪まで来て購入するのだから、同じshuffleでも512MBのものではなくて、1GBのものにこだわることにした。

ところが!それこそ日本橋の隅から隅までの店舗を廻っても、shuffle1GBとnano4GBだけない!のである。ある店舗で、「nano4GBの黒だったら2台だけありますわ」と言われたが、あくまでお目当てはshuffle1GBなのである。

インターネットの通販ならあるだろうかと気が付いて調べてみたのだが、やはりshuffle1GBとnano4GBだけは「現在品切れ中です」とか「現在お取り扱いできません」との表示ばかりであった。

半分以上諦め気分で、最後に立ち寄った店で店員さんにいろいろと尋ねてみた。「なんでshuffle1GBとnano4GBだけないの?」「そら、このモデルの方が金額的にお得だっちゅうことでしょうね、あのねクリスマスの前までははっきり言ってそんなに売れてなかったんですわ、ところがクリスマスを境に爆発的に売れたみたいで、それも全世界的に。で、生産が追いつかんみたいなんですわ、それにshuffle1GBはもうアップルが作らんいう噂もありましてなあ」

ううう、スズキさんの忠告を素直に聞いていればよかった、と後悔しても始まらない。まあ512MBのモデルで我慢するかと考え、スズキさんのピッチに電話を入れてみた。
「今大阪に来てるんだけど、やっぱ大阪でもshuffle1GBとnano4GBだけないんだよ、しょうがないからshuffleの512MBかnano2GBを買うべきかねえ」しかし、スズキさんは「せっかく大阪まで行ってるんでしょ?shuffle512とかnano2GBとかだったら浜松でも買えるじゃないですかあ、やっぱshuffle1GBかnano4GBにこだわるべきですよお」との厳しいお答えであった。

と、先ほどの店員さんが「お客さん、ひょっとしたら心斎橋のアップルの直営店なら置いてるかもしれませんわ、行ってみる価値はあると思うんですけど」と教えてくれた。「え?どこどこ、それどこにあるの?」と言うと、親切にも地図まで書いて場所を教えてくれた。

かくなる上は、その直営店に全ての望みをかけるしかない。知らず、足早に心斎橋へと向かうのであった。

その直営店、いかにもアップルらしいセンスのいいお店である。店の奥、キャッシャーの近くがiPodのコーナーであった。「しゃっふるいちぎが、しゃっふるいちぎが」と念仏のように唱えながら恐る恐る近づいてみると、あった!あった!何台もあるじゃないですか、shuffle1GBが!今まで日本橋の電器屋さんを何件も廻ったのは何のためだったのだろうと、思わず溜息が出てしまった。

すぐに、手前と同様に購入を検討していた「シューマッハ」オノちゃんに電話を入れた。「あったんですか?じゃあ一緒に購入しといてください、今ちょっとすぐには動けないんで」とのことであった。そんな2台も購入できるほど手前の財布には余裕がない。「でもお金ないよ」と言うと、「また後で電話します、場所どのへんですか?」と言うので場所を教え、とりあえず手前の分だけは購入することにしたのである。

店員さんに「本体以外に購入しておいて方がいいものってあります?」と聞くと、「そうですね、AC電源からバッテリーをチャージできるアダプタはあった方がいいと思います、あとはケースですかね」とおっしゃるので、それもついでに購入した。まことに、物欲というものも業が深いものである。

そうこうしているうちにオノちゃんも現れて、「すいません、タコ焼き買ってたらなかなか焼けなくて」と暢気なことを言う。あのなあ、タコ焼き買ってる場合じゃないんだけどよう。でも、とにかく買えてよかった。これで冬休みの楽しみが増えたのである。

浜松に帰って、さっそくshuffleをマックミニのUSBのポートに接続し、これも難波のタワーレコードで購入してきたチャイコフスキーをダウンロードしてみた。どれどれ、とイヤホンを付けて聴いてみた。

みなさま、別に手前はアップルの販促でも何でもありませんが、お金に余裕があるのであれば、iPodはぜひとも購入すべき代物だと思われます。特に、shuffleはその携帯性のよさと操作の簡便さから、得も言われぬ好感が持てます。クラッシック音楽をお好みの方も、その音質は他のポータブルCDプレーヤーなどと比較しても決して勝るとも劣らないものだと思います。

というわけで、毎日マーラーやらワーグナーやらをCDからせっせとダウンロードしては、一人悦に入っているのである。いやあ、iPodってホントにいいですね!

2006年01月17日

私、アップルの回し者ではありません

1月16日(月)

もちろん、私はアップルの回し者などではないのだが、この10年の間が「ITブランク」などとも形容できようことは、Mac miniを使用する(正確にはアプリケーションを使用する)ほどに、その実感が増していくばかりである。

もちろん、その間もPCを使用して仕事はしていたのだし、インターネットも閲覧していたわけで、新しいIT環境にまったく馴染みがなかったというわけではない。今回の驚きは、音楽など趣味の分野でのITの進歩についてである。

たとえば、iTunesの中の「ラジオ」である。手前は、不覚にもインターネットでラジオが聴けるなどとは思っていなかった。

アップルの説明によれば、以下のとおりである。
“ご家庭のオーディオセットやステレオコンポで、お気に入りのFMやAMラジオを聴いて楽しむことがあると思いますが、これらのラジオステーションは放送電波で信号を送信しているため、電波の届く範囲という制限があります。しかし、iTunesでは、全世界のインターネットラジオステーションを聴くことが可能です。ブルースからポップスまでのあらゆるジャンルが揃っています。
インターネットラジオのチャンネルは、インターネットからユーザのコンピュータに、デジタルミュージックを一連のデータの流れ(ストリーム)として配信するため、「ストリーム」と呼ばれています。高音質のストリームでは、より多くのデジタル情報を配信しているため、より高速なインターネット環境が必要となります。iTunesのリストで、高い数値のビットレートが表示されているものは高音質ストリームです。”

説明にあるとおり、あらゆる音楽ジャンルの配信がされている。

手前のお気に入りの「ストリーム」は、InfiniteClassical.comである。192ビット配信だと、すばらしい音質でクラッシック音楽が楽しめる(時々「接続速度が遅くなりましたので…」と中断することもあるけど)。しかも、FMラジオのようにパーソナリティがいないから、音楽だけが次々と配信されていくのである(それを聴くために、PCに接続するためのミニスピーカーセットも購入してきました)。

もちろん、流れている曲目については、指揮者や演奏者までがちゃんと画面に表示されるし、これもiTunesの中の「ビジュアライザ」なる機能を使用すれば、音楽に合わせて画面に視覚効果が表示される。

これがまた、何とも摩訶不思議な代物である。

まるで、映画『2001年宇宙の旅』の有名なシーン、ボーマン船長の乗ったスペースポッドが巨大なモノリスの「スターゲート」に吸い込まれていく場面のよう、とでも申せばどんなものかが想像されようか。

よく見ていると、その視覚効果は音楽に合わせて変化していっているようにも思われてしまう(実際そうなっているのどうかは寡聞にして知らない)。

昨日も、炬燵に入って何やら書きものをしていた手前の娘が、ベートーヴェンのピアノソナタがかかると同時に「ん?」とPCの方に向き直り、画面で展開されていた「ビジュアライザ」をじーっと黙って見ていたのである。曲が終わると同時に「この画面見ていると、中に吸い込まれてく感じがする」と言っていた。まさに、「ミュージック・モノリス(?)」または「スターゲート・ミュージック(?)」なのである。

もう一つは、「ウィジェット」のことである。

これもアップルの説明によれば、
“ウィジェットはJavaScriptで書かれた小さなアプリケーションで、ちょっと楽しんだり、便利な機能を使うために用意されています。世界時計やカレンダー、アドレスブックをチェックしたり、計算機やスティッキーズなどを利用できます。また、計算機、iTunesの再生コントロール、アドレスブックを使った住所検索など、よく使う機能に手際よくアクセスするのにも役立ちます。”
とある。

キーボードのF12キーを押すと、一瞬のうちに「ダッシュボード」なる場所に格納されているウィジェットが画面に現れる。手前は、「カレンダー」・「時計」・「浜松の週間天気予報」・「日本列島の衛星写真」・「ミニWebブラウザ」・「香港のWebカメラ」をデスクトップに置いている。
中でも、以前二度ほど訪れ、その雑多で「危ない感じ」と夜景の美しさに、何とも言えない魅力を感じた香港がリアルタイムで見られるWebカメラは、ちょっとお気に入りなのである(けして美しい夜景が見られるわけではありませんが)。

アップルのホームページからは、フリーウェアとして提供されている様々なカテゴリー(情報、ニュース、スポーツ、ビジネス、海外、計算機&単位変換、映画&テレビ、交通、音楽、検索、トラベル、ネットワーク&セキュリティ、ショッピング、Webカメラ、ゲームなど)のウィジェットをダウンロードできる。

ちなみに、手前は「地球から見える現在の月面」、「現在の地球上の日照範囲」、「道路交通情報」などもダウンロードしてみた。どれも、仕事などには「なくてはならないもの」ではないのだが、「あると何となくうれしくなったり、へえ便利じゃんって思ったりするもの」であることだけは確かなのである。

語り古されたことであるが、Macにはそんな「遊びゴコロ」のあるところがいい。「同じ仕事するんならちょっと楽しんでやりましょうよ、仕事の合間に誰も知らない現在の太陽黒点とか見れたら息抜きになったりするでしょ?ましてや家庭で使うPCならよけいにそんな楽しみのある方がいいじゃない」って感じなのである。

かくなる上は、iSightも購入してビデオチャットにも挑戦してみようか!って何のことかわからないですよね?

いやはや、Mac miniとOSⅩTigerのおかげで、一気に「IT達人」になろうかという勢いなのである(ウソだけど)。

2006年01月24日

大掃除のBGMには『フィガロの結婚』がいいです

1月24日(火)

最近は、クラッシック音楽が社会的なブームになっているそうな。

火付け役になったのは、コミックの『のだめカンタービレ』(講談社)と、CDの『ベスト・クラッシック100』(東芝EMI)らしい。本校の音楽担当であるサイトウ教諭が見せてくれた新聞記事には、ともに、「爆発的な大ヒット」(@産経新聞)と書かれている。

そうかそうか、ようやくクラッシック音楽もそのファンが増えてきたのか(涙)。

そう言えば、甲南麻雀連盟浜松支部で「会計係」を務めるヨッシーも、昨年末大阪へ行った際、タワーレコードで「ボクもクラッシック聴いちゃおうかな」と言い出し、「5,6枚お薦めのCDを紹介してください」と言われて、「おおお、ヨッシーもついにクラッシックを聴くようになったのかあ」と喜ばしく思ったっけなあ。

今まで、「好きな音楽は?」と聞かれて、「あー、クラッシックですかね」などと答えようものなら、「へーえ、高尚な趣味をお持ちで」と、言葉では敬意を表しているようで、その底意には「こいつ、なにイチビってんねん」という明らかな敵意を含みつつ、冷笑的かつ揶揄的な嘲りも含む反応を示されるのが常であった(もちろん、等し並にというわけではありませんが)。

だから、クラッシック音楽がお好みの人たちは、「好きな音楽は?」という質問に対しては、まかり間違っても「そうですね、バッハとか好きです」などとは答えず、「え?そうですね、中島みゆきとかけっこう好きです」と言おうとしつつも、(ちょっと待てよ、中島みゆきが好きなどと言えば「こいつ暗いヤツ」って思われちゃうよな…)という思案が働き、結局「えーと、八代亜紀とかけっこう好きです」などと答えるようになってしまっているのである(もちろん、みんながみんなそうではありません)。

ところが、そんな暗い時代を過ごしてきた全国のクラッシック音楽ファンも、晴れて「ハイ、モーツァルトが好きです!」と言える時代となったのである。

それにしても、クラッシック音楽って、どうして「高尚なもの」に祭り上げられてしまったのであろうか。言うならば、「ヨーロッパのリージョナルな音楽」ではないか。けして「畏まって聴くべきもの」ではないのではないか。

西洋古典音楽が本格的に日本に紹介されたのは、たぶん明治維新からであったろう。他の分野も含めた「西洋に追いつけ追い越せ」の合言葉は、音楽の分野においても同様の志向性を発揮して、それまで「五線譜」や「音符」などというものの存在すら知らなかった多くの日本人音楽関係者の向学心を刺激したことであろう。同時に、音楽についても「西洋のもの」=「高尚なもの」というイメージが自然にできあがってしまったのではなかろうか。

義務教育諸学校における音楽教育の歴史にも、西洋古典音楽を「高尚なもの」と思わせる要素があったのかもしれない。教える教師の「西洋音楽」=「高尚なもの」という無意識は、教えを受ける子どもたちにも、知らず伝播していったのかもしれない。

爾来、百三十年の余。

今や、その日本人が西洋音楽の総本山とも言うべきウィーン国立歌劇場の指揮者を務めるに至っている一方で、「え〜?クラッシックって退屈でつまら〜ん、やたら長いしぃ、よくわから〜ん」という人が多いことも事実である。

この「よくわからん」というのはけっこう典型的なレスポンスで、たいていの人は「よくわからんから近づかんとこ」という態度をとるのであるが、中にはヨッシーのように「よくわからんからもう少し詳しく知りたい」と欲望する殊勝な心がけ?の人(「シューマッハ」オノちゃんも数年前からクラッシックに親しんでます)もいるのである。

件のサイトウ教諭によれば、学習指導要領の改訂で、中学校の音楽の時間に聴く「鑑賞教材」も、従来のように決められた曲を「共通教材」として必ず教えないといけないということはなくなり、指導要領のねらいと学校の実情にあわせて、それぞれの学校で選ぶようになったとのことである。これは、授業時数の削減で今まで「共通教材」とされてきたすべての曲を扱うことが不可能になったということもあるのだそうだ。

中学校の指導要領では、「多様な音楽に興味・関心を持ち、幅広く鑑賞する能力を育てる」(1年生)、「音楽に対する総合的な理解を深め、幅広く鑑賞する能力を高める」(2,3年生)とされているので、従来の鑑賞教材も参考にしつつ、上記の指導要領のねらいに合っている(鑑賞に堪えうる)と考えられる曲を、音楽担当の教師の判断で選べるようになったということである。

ということは、音楽担当の先生がクラッシック音楽について相応の知識を有していないと、「鑑賞教材」についての授業も、ありきたりのものになってしまうということである。

手前は、中学時代の音楽の鑑賞教材で、シューベルトの『魔王』を聴いた記憶がある。正直に申し上げて、あまり印象には残っていない(もちろん、『魔王』がいい曲ではないということではない)。どんな教材でもそうであると思われるが、教える教師が「この曲はぜったいイイ!」と確信を持って紹介する曲でなければ、聴く生徒に強い印象を持たせることはできないのではないか(これは、こと音楽に限らず全ての教科の教材についても言えることだと思われる)。

などということを考えながら、「そう言えば最近CMとかでよく流れる曲、たぶんラフマニノフの曲だと思うんだけど、何ていう曲か知ってるかあ?」と娘に尋ねたところ、「え?ラフマニノフで有名って言えば、パガニーニの主題によるラプソディーなんじゃないの?アンダンテ・カンタービレ、確か第18変奏だったと思うけど」という返事が返ってきた。「CDある?」と聞くと、「これ」と取り出したので、その第18変奏を聴いてみた。紛うことなくまさにその曲であった。それにしても、なんという美しい曲であろう!

ついでに、娘が所有せるラフマニノフの交響曲第2番のCDも聴いてみた。第3楽章のアダージョ!言葉もない。こういう曲を中学時代から聴いていたなら、きっと証券取引法違反で逮捕されるような人も出なかったに違いない。

事ほど左様に、すばらしい曲は数多ある。ぜひ全国の音楽科担当の先生には検討に検討を重ねられて、生徒たちにクラッシック音楽のすばらしさを伝えてほしい。

今年は「モーツァルト生誕250年」の年でもある。これを機会に、さらにクラッシック音楽のファンが増えていくことを期待したい。ちなみに、モーツァルトの生まれた日は、1月27日。その日は、大好きな『リンツ』でも聴くとしようか。

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