わたしアップルの回し者ではありませんが

1月4日(水)

みなさま、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、iPodのことである。

きっかけは、マックミニを購入した際、設定してくれたスズキさんから「先生、マックミニにはせっかくiTunesが入ってるんだから、iPod買いましょうよ、聞くところによるとshuffleがいちばん音いいそうですよ、何せ大きさはチューインガム程度だし、1GBのモデルなら相当な曲入りますよ、だから今からプリウスで電器屋さんへ直行しましょう!」と強く推奨されたことである。

今までiPodの存在は知ってはいたものの、手前が聴くのはほとんどがクラッシックの曲ばかりだから、CDの曲を圧縮してコンピュータに取り込み、またそれをフラッシュメモリのような媒体に移して聴いたって、いい音で聴けるはずなどなかろうと高を括っていたのである。

ところが、推奨した件のスズキさんはクラッシック音楽のファンでもあり、特にショスタコービッチの交響曲が大のお気に入りなのである。「クラッシックもいい音で聴けるの?」と問うと、「けっこういけますよ」とのお返事。「まあコストパフォーマンスを考えれば、買いはshuffle1GBかnano4GBのどちらかですね、さあ買いにいきましょうよ、今行かないとちょうどクリスマスプレゼントでiPodを買う人って多いから商品がなくなっちゃいますよ」

そんな急に言われても困るのである。「まあ、年末に大阪行くから、そんときに日本橋の電器屋さんで見てみて購入するかどうか考えるわ」ととりあえず答えておいた。でも、そう言われてからどうも気になるのである。それから大阪へ行くまでに、地元の電器屋さんを何件か回って実物を見てみることにした。

確かに、shuffleは小さい!でも、こんなものでホントにいい音でクラッシックが聴けるのかよう、と些か疑問に思わないでもない。

スズキさんの言ったとおり、店先にはshuffle1GBとnano4GBのモデルはなかった。店員さんに聞いてみると、両商品とも年内には入荷せず注文取り寄せになるとのことである。「まあ浜松じゃあないのかもしれないけど、大阪日本橋ならあるでしょ」とあまり深くは考えずに大阪行きを待つことにしたのである。

その大阪にて、忘年会が終わって駅まで歩いている時に、「明日は日本橋の電器屋さんでiPodを買おうと思ってるんだけど」と話をしていると、京都のキシ先生が「これですか?」とポケットからnanoを取り出したのである。「おおお、nanoだあ!さすがはキシ先生!でも4GBモデルじゃないよね」と言うと、「いーえ、ちゃんと4GBですよ」とのお答え。「ちょっと聞かせてよ」と実際の音を聞かせてもらった。

これで購入が決定した。

翌日は日本橋の電気屋さんを巡ってiPodを探すことにした。お目当ては、shuffle1GBのモデル。値段的にも財布の中身に相応しいと思ったのである。もちろん、せっかく大阪まで来て購入するのだから、同じshuffleでも512MBのものではなくて、1GBのものにこだわることにした。

ところが!それこそ日本橋の隅から隅までの店舗を廻っても、shuffle1GBとnano4GBだけない!のである。ある店舗で、「nano4GBの黒だったら2台だけありますわ」と言われたが、あくまでお目当てはshuffle1GBなのである。

インターネットの通販ならあるだろうかと気が付いて調べてみたのだが、やはりshuffle1GBとnano4GBだけは「現在品切れ中です」とか「現在お取り扱いできません」との表示ばかりであった。

半分以上諦め気分で、最後に立ち寄った店で店員さんにいろいろと尋ねてみた。「なんでshuffle1GBとnano4GBだけないの?」「そら、このモデルの方が金額的にお得だっちゅうことでしょうね、あのねクリスマスの前までははっきり言ってそんなに売れてなかったんですわ、ところがクリスマスを境に爆発的に売れたみたいで、それも全世界的に。で、生産が追いつかんみたいなんですわ、それにshuffle1GBはもうアップルが作らんいう噂もありましてなあ」

ううう、スズキさんの忠告を素直に聞いていればよかった、と後悔しても始まらない。まあ512MBのモデルで我慢するかと考え、スズキさんのピッチに電話を入れてみた。
「今大阪に来てるんだけど、やっぱ大阪でもshuffle1GBとnano4GBだけないんだよ、しょうがないからshuffleの512MBかnano2GBを買うべきかねえ」しかし、スズキさんは「せっかく大阪まで行ってるんでしょ?shuffle512とかnano2GBとかだったら浜松でも買えるじゃないですかあ、やっぱshuffle1GBかnano4GBにこだわるべきですよお」との厳しいお答えであった。

と、先ほどの店員さんが「お客さん、ひょっとしたら心斎橋のアップルの直営店なら置いてるかもしれませんわ、行ってみる価値はあると思うんですけど」と教えてくれた。「え?どこどこ、それどこにあるの?」と言うと、親切にも地図まで書いて場所を教えてくれた。

かくなる上は、その直営店に全ての望みをかけるしかない。知らず、足早に心斎橋へと向かうのであった。

その直営店、いかにもアップルらしいセンスのいいお店である。店の奥、キャッシャーの近くがiPodのコーナーであった。「しゃっふるいちぎが、しゃっふるいちぎが」と念仏のように唱えながら恐る恐る近づいてみると、あった!あった!何台もあるじゃないですか、shuffle1GBが!今まで日本橋の電器屋さんを何件も廻ったのは何のためだったのだろうと、思わず溜息が出てしまった。

すぐに、手前と同様に購入を検討していた「シューマッハ」オノちゃんに電話を入れた。「あったんですか?じゃあ一緒に購入しといてください、今ちょっとすぐには動けないんで」とのことであった。そんな2台も購入できるほど手前の財布には余裕がない。「でもお金ないよ」と言うと、「また後で電話します、場所どのへんですか?」と言うので場所を教え、とりあえず手前の分だけは購入することにしたのである。

店員さんに「本体以外に購入しておいて方がいいものってあります?」と聞くと、「そうですね、AC電源からバッテリーをチャージできるアダプタはあった方がいいと思います、あとはケースですかね」とおっしゃるので、それもついでに購入した。まことに、物欲というものも業が深いものである。

そうこうしているうちにオノちゃんも現れて、「すいません、タコ焼き買ってたらなかなか焼けなくて」と暢気なことを言う。あのなあ、タコ焼き買ってる場合じゃないんだけどよう。でも、とにかく買えてよかった。これで冬休みの楽しみが増えたのである。

浜松に帰って、さっそくshuffleをマックミニのUSBのポートに接続し、これも難波のタワーレコードで購入してきたチャイコフスキーをダウンロードしてみた。どれどれ、とイヤホンを付けて聴いてみた。

みなさま、別に手前はアップルの販促でも何でもありませんが、お金に余裕があるのであれば、iPodはぜひとも購入すべき代物だと思われます。特に、shuffleはその携帯性のよさと操作の簡便さから、得も言われぬ好感が持てます。クラッシック音楽をお好みの方も、その音質は他のポータブルCDプレーヤーなどと比較しても決して勝るとも劣らないものだと思います。

というわけで、毎日マーラーやらワーグナーやらをCDからせっせとダウンロードしては、一人悦に入っているのである。いやあ、iPodってホントにいいですね!