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2006年8月 アーカイブ

2006年8月 6日

ジブリな帽子屋さん

le 5 aout

昨日、素敵な買い物をした。

元はといえば、彼が帽子を買いたいと言い出したことが
きっかけで。
いろいろ探してるんだけど、なかなかいいものが
ないなぁってことだったので、一緒に見に行きたいと
主張して、とりあえずデパートに行ってみた。

行ってみて気付いたんですけど、男の人用の帽子売り場って
ないんですねぇ。

で、旧居留地の辺りを物色していたら、
偶然帽子屋さんを発見。

実は愛知にいた頃、その帽子屋さんの名古屋店に足繁く通って
いたので、急にテンションが上がってしまったんですけど、
なんせ、すごい帽子の数ですから。
帽子好きなら必ずテンション上がるだろうし、帽子好きでなくても、
少しはテンションが上がるはず。
そして、ここならきっと自分に合う帽子が見つかるはずっ
という気がして、わくわくしてしまうという。

彼は、お店の入口近くにあった麦藁でできたっぽい
黒いハンチングを手に取っていた。
すると、お店のおじさんがどこからともなく現れて、
それと同じものの紺色を宮沢りえが買って行ったんですよ、
とうれしそうに話し出して。
ほーっと話を聞いていると、最後の方にユニセックスだから
どちらが被ってもいいんですけどね、みたいなことを
ぼそっとにこやかに言っていた。

気になる・・・。

でもとりあえず、彼に似合う帽子を探し出すことが
目的だし、と思いつつ、いろんな帽子を彼の頭に乗っけてみた。
たまに、失礼なコメントを付けながら。

その結果、どういう形の帽子が似合い、どういう風に被ったら
しっくりくるかということがわかってきた。
例えば、キャップならなるべくつばが広めのものが良いとか。

何となく、これがいいかもーっていう帽子を発見した後も、
いろんな帽子を見てかぶってもらって・・・なぜか
ふと気付くと自分で自分の帽子を選んでいたという・・・。
ははは。

どうも夏になると、麦藁素材の帽子が欲しくなる。
で、女の子っぽいのが欲しいかもって思って、
大きなリボンがついてるのとか、お花がついてるのを
鏡の前でかぶってたんですけど、洋服を選ぶなぁって
感じがして、決定するまでには至らなかった。

そんなこともしながら、彼に最初の麦藁っぽいハンチングを
もう一回かぶってもらうついでに、自分でも色違いを
かぶってみたら、どうやらしっくりしていたらしく、
私が鏡で確認する前に、みょーに似合うよ・・・
生まれたときからそこにあったみたい・・・って言われ。

そうなの?っと思いながら、鏡でチェックしていると、
またおじさんがやって来た。
どうやら、この帽子はおじさん一押しらしい。

このお店の名古屋店と違うところは、お店の一角で
職人さんが帽子をせっせと作っているところで。
おじさんも、そんな職人さんの一人なんですけど
(むしろ、ぬし?)、見るからに「帽子職人」という
感じの方で、てか、ジブリの映画に出てますよね?
っていう雰囲気で・・・ひょっこり現れる度に、
違う帽子をかぶって来られるんですよ。

このハンチングの材質は、麻らしいんですけど、
秋冬には、同じ形で材質が毛のものを作っていらっしゃる
そうで、それをモヘアにアレンジすることもできるんですよ
みたいな感じで、話がどんどんはずみ、実際にモヘアバージョン
(おじさん私物)を見せてもらったりしていると、
うわー、この帽子欲しい・・・という気持ちが抑えられなく
なってきた。
そもそも、こういう麦藁チックなハンチングって珍しい
じゃないですか。

私がかぶっていたのは茶色ので、四角い感じなんですけど、
彼が最初に手に取った黒は、丸い感じなんですね。
なので、またちょっとかぶった感じが違うはずだし、黒という
色もいいはずだから、かぶってみてくださいよ、っていう
話になったので、かぶってみてまた鏡の前に行ったら、
あら、これもいいかも・・・って思えてきて。

あぁ、いいかもーと言っていると、おじさんが
合わせ鏡を持ってきてくれた。
美容院だったら、必ずこうして合わせ鏡でチェックするのに、
帽子を買いに来てもお客さんは合わせ鏡でチェックしない、
というのが少々不満らしい。

てか、普通、合わせ鏡とかないし、持ってきてもくれない
ような・・・。
このおじさんの場合、一声かければ持ってきてくれるみたいです。
一声かければ。

で、合わせ鏡で黒バージョンと茶バージョンの形の違いを
見比べて、茶だな、といきなり決定。
彼の帽子を探しに来て、先に自分の帽子を決めてしまうという。

その後、彼も始めら辺に「何となくこれがいいかもー」と
思っていた帽子を合わせ鏡でチェックして、決定。
おじさんも、雰囲気に合ってるよ、と褒めてくださっていたので、
間違いないはず。
リバーシブルで、服の色とも合わせられるし、
汗かいても手洗いできる素材だからすごくいいと思う。
きっと重宝するんじゃないかなぁ。

お会計を済ませたあと、買った帽子をその場で
かぶっていると、おじさんが、今買ったんじゃなくて
ずっと前からかぶってたみたいですよ、と言ってくれた。
ちょっと前に彼が言ってくれたのと、ほぼ同じだし。
きゃははは。

いやぁ、これは通うなぁ。
これから、帽子が欲しくなったら、間違いなくここに
通うだろうなぁ、私。
とりあえず、秋にモヘアハンチングを買う確率が高い。

てか、おじさんのキャラクターが良かった。
そうそう、買った帽子が型崩れした場合、おじさんとこに
持ってけば直してくださるそうです。
あと、オーダーもできるそうです。

昨日最後におじさんがかぶっていた帽子は、四角い
麦藁で、浴衣にも合うんだよって言ってて、
きっと今日の花火大会に浴衣に麦藁で出かけるんだろうなぁ。

帽子も「出会い」じゃないですか、っておじさんが言ってたけど、
本当にそう思う。
人も帽子も服も食も、みんな「出会い」だなぁ。
そして、帽子を通じて帽子職人さんにも出会うし。
いいですねぇ。
運命的な買い物だったなぁ。

私としては、次はメガネに出会いたい。
もう何年も探してるけど、なかなかこれ!というメガネに
お目にかかれていないので。
で、同時にメガネ職人さんにも出会えたら最高なんですけどね。

2006年8月13日

青春18きっぷな旅

le 11 aout


高校の頃の先生からハガキが届いた。

今は大学で研究を続けつつ、別の学校で教えて
いらっしゃるんですが、少人数のクラスで、
生徒さんの反応が個々に伝わってきて楽しいそうです。
しかも、教室から瀬戸内海に浮かぶ島々が見えたり
するらしい。

いい環境なんだろうなぁ。
海、いいなぁ。


さて、海といえば、私も海を見てきました。
日本海。

めっちゃきれかった!
澄んでてちゃんと底が見える。
またそういう小さな入り江みたいなところで、
地元の子どもが泳いでたりしてですね、
何とも涼やかな光景でした。

その子どもが泳いでたところは、鎧っていう駅から
見える海で、駅に何かあるわけではないんですけど、
そこから見える景色が本当にきれいなんです。
次の電車が来るまで40分ぐらいあっても、
全然平気。
「うわ~きれいだなぁ。」とか
「うわ~海入りたい・・・。」とかつぶやきつつ
ぼんやり眺めているだけで、意外に時間は過ぎてしまう
ものなので。

鎧の前に、餘部鉄橋も見てきました。
もうすぐコンクリートになっちゃうんですよね、鉄橋。
あの、赤いのがいいのに。
まぁ確かに、風ひと吹きで電車が落っこちそうな
気がしないでもないですが。
で、コンクリートになる前に、一度見てみたかったので、
行って来たわけです。

鉄橋の高さとか美しさとか、空と海と山の青さも
さることながら、鉄道ファンみたいな人たちが
すごかった・・・。
ベストポジションを確保するために、必死ですから。
たぶん、彼らからしてみれば、私たちなんて
「何しに来てるの?」って感じなんでしょうねぇ。

いや、それにしても、天気も良かったんで、
赤が映えてました。
10日を選んで正解だったなぁ。

実は、彼と私が出かけようって決めると、
雨が降るってことがあって、・・・というか、初デートが
すでにどしゃ降りっていう・・・今回は、予備日とか考えつつ
日々天気予報をチェックして前日の夕方まで待って、
そこでようやく決定。
ほんと、11日にしなくてよかった。

昨日は、青春18きっぷを使って日帰り旅行を
してきたんです。
思いっきり一日を堪能できるように、時刻表と相談して
超過密スケジュール組んで。
組んで、っていうか、組むのは彼で、
私は、隣でへーとかほーとか、どこ行きたいとか言うだけ
なんですけど。
その結果、彼は4時起き。私は5時起き。

でも、そうやって早起きしたおかげで、
本当に丸一日楽しんだ感があって、かなり素敵でした。

だって、餘部行って鎧に寄って、城崎でおいしいもの食べて
温泉にも入ったんですよ。
電車は、鈍行ですよ?
車窓からのきれいな景色も見放題っていう。
これは、4時とか5時に起きなきゃ無理です。
いやぁ、早起きしてよかった。


さて、城崎ですが、ここに着くまでお昼過ぎてても
お昼ご飯らしきものは何も食べてなくて、
着いたら何かおいしいもの食べよーってわくわく
しながら駅降りて、食べたものは、海鮮丼と岩ガキ。

おいしくないわけがないんですけど、
本当においしくって、温泉入る前に妙な満足感が
全身を満たしてしまったという。
やっぱいいなぁ、海の幸。
岩ガキって初めて食べたんですけど、すんごい
甘くっておいしいんですねぇ。
また食べたい・・・。
11種類ものった海鮮丼もまた食べたい。
うぅ、お腹すいてきた・・・。

で、次は温泉。
もし余裕があったら、外湯2つぐらい回る?
とか言いつつ御所の湯へ。

露天風呂さいこー。
私たちが行った時間はまだ空いてて、
のんびりお湯に浸かることができました。
ほぼ、独り占め。

温泉に来たのなんて何年ぶりだろうっとぼんやり
考えつつ、ぽけーっとひたひた浸かり、
お湯を存分に味わって上がったら、なんだか
人が増えててびっくり。
そろそろ宿泊客が来る時間だったらしい。

てか、のんびりしすぎたかも・・・と思いつつ、
顔に化粧水と乳液だけつけて適当に髪を乾かしていたら、
隣りで念入りにお化粧をしている若い人たちが。
えらいなぁ。
私とか、化粧品重いし・・・って思って、はなから
ノーメークで帰るつもりだったんで、
眉ペンとリップぐらいしか用意してなかったですからね。
はははは。

てな感じで女湯から出ると、ぐったり机に突っ伏している
彼を発見。
あ、やっぱりのんびりしすぎたんだ、私・・・
とか思いつつ話しかけると、「今から本気で寝る態勢」
に入ったところだったらしい。
朝4時起きのところを、途中で目が覚めてもっと早くに
起きちゃったそうなので、本当に眠かったんだろうなぁ。
その証拠に、口がぽかーんって開いて目がうつろ
でしたから。
まぁ、午前中太陽を浴びて疲れてるし、
お腹も満たされてるし、お湯も気持ちよかったんで、
その場でバタンッと寝られたら一番良かったんでしょうねぇ。

外湯一つで、かなりの満足度だったので、
ちょっと水分取って休んでから温泉たまごを食べに・・・
行ったはずなんですけど、そこでジェラートを
発見してしまったため、私は急遽ジェラートに変更。
彼は、温泉たまごとビール。
その、温泉たまごを少しもらいつつ木苺味の
ジェラートをあっという間に食べ尽くす。

その後、おみやげを買って、お蕎麦屋さんに。

実は、海鮮丼を食べてから3時間経ったか経ってないか
という状態で、お腹いっぱいって言いながらも、
おいしかったのであっさり完食。
「お蕎麦」っていう味がして、硬さも絶妙で、
さらに自家製「きつね」が甘くておいしい。
さいこー。

お蕎麦の後は、ちょっと早めに駅へ。
電車を待ちながら、駅のホームで、
なんかさ、城崎着いてから食べてばっかじゃなかった?
って話し出したら、おかしくて笑いが止まらなくなった。
朝ご飯として、電車の中でパン食べたりしたけど、
それ以降まともな食事してなかったわけで、
でも、だからと言って、数時間の間に二食って!
「よく食べたなぁ。」みたいな。
おかしかったー。

私の場合、やたらと“とほほ”な出来事がついて来たり
するんですけど(電車乗り遅れるとか・・・)、
今回は“とほほ”も特になく、
ほんとに楽しく満足な一日となりました。
景色とか味と一緒に、餘部の土地ですれ違った
地元のおばあちゃんとかわした「こんにちは」とか
餘部駅までの坂道ですれ違った人たちとの挨拶も、
映像として心地よく頭に残ってる。

あ、もし“とほほ”があったとしたら、
日焼け?
一応、二人してこないだ買った帽子かぶってたものの、
日傘持ってかなかったので結構焼けたかも。
私は、腕とか足に少しだけ日焼け止め塗ってたんですけど、
うっかり塗り忘れていた首とか肩とか・・・かゆい。
帰りしに隣りの彼を見たら、鼻や腕があかーくなってて、
ってことは、私も同じように太陽を浴びてるわけで・・・。
足の甲にビーチサンダルの痕もついてるし。
はははは。
まぁ、夏だからいっか。

18きっぷっていいですね。
そんなに贅沢しなくても、そんなに遠くに出かけなくても、
充分満足できるってことがわかって、
楽しみが増えた気がする。

IMG_1390.jpg
JR鎧駅のホームで

2006年8月20日

「長屋」の住み心地

le 15 aout


先日、職場で健康状態をチェックする質問50問ほどに
答えて提出していたものの結果が返って来た。

結果は、良好。

身長と体重のバランス、生活習慣バランス共に良好です、と。
ただ、細かく見ていくと、体力年齢が、中年だったりする。
歩行については実年齢より若いぐらいなのですが、
階段の上り下りや身体の前屈、という項目に来ると、
突然中年レベル。

さらさらと5段階の設問に○付けただけで、そんなことが
わかるのか・・・と思いつつも、脚筋力低下とかいうのが
かなり気になる。

確かに、階段なんてほとんど使ってない。
というか、今は家の中とか駅とかにしかないし。

実は、今の職場に通いだしてから、急に身体がたるんだ
気がしていたんですよねぇ。
体重は減ったのに、二の腕とかお腹とかやばいなぁって。
足もやばかったんだな・・・。

基本、事務仕事だから座りっぱなしでしょ。
さらに、車通勤でしょ。
・・・そりゃたるむわよ、あなた。
みたいな。

これに比べれば、万博の頃は健康的な暮らしだったなぁ。
職場まですんごい歩いてたし、人に見られる仕事で立ち仕事
だったし・・・。
よく汗もかいてたしなぁ。
そんなに意識して運動しなくても、普通に動いてたし
きれいに立つために筋肉使ってたんですよね。

でも、事務やってたら意識して身体動かさなきゃいけない。
まぁ、そんな気がしていて、何となくバドミントン部に
入ってるわけですけども、週1回2時間ぐらい動くだけ
ですしねぇ。
それも、毎週行ってるわけじゃないし。
やれやれ。
気をつけなきゃ。


話は変わって、『身体知』。
いやぁ、興味深い本ですねぇ。
友だちに勧めよーっと。

現代人に欠落しているらしい身体感覚って、
武道とか出産で身につくのではないかって話ですけど、
こういう話を聞くと、出産が楽しみになってきますね。
どうなるんだろうって純粋に好奇心が湧いてくる。
私も、助産婦さんと共にいいお産を経験できたら
いいなぁって思います。

てか、武道や出産ほどではないにしても、
人に見られる仕事をしていると、身体感覚が鍛えられる
気がします。
・・・人に見られる仕事ってのとは違うのかなぁ?
私は、『身体知』を読みながら、そういや万博中に
鍛えられた気がするなぁって思って。

私たちが研修で教わったことの一つに、
「アンテナを高くする」ってのがあって。
これは、すごく大切なことだったし、普段の生活でも
確実に役立つことの一つですよね。
(そうそう、そういう意味でも万博で働けたことの
ありがたさを再認識しました。)
アンテナを高くするってのは、つまり身体感覚を
敏感にするってことでもあり、いろんな方向に気を配ると
いうことでもあり・・・。
私は、万博中にアンテナを高くしようと心掛けることで、
それまでより周りの状況に対しての反応が良くなった
と思っているんです。
会期中は気付かなかったけど、今働いていてそう感じる。

あと、四方から見られる状況もあったので、
背中も意識するし・・・人に見られる仕事っていいかもしれない。

三砂先生が、『身体知』の中でストッキングが嫌いだという
ことや、夏の暑い日にジーパンってどうなんだ?ということを
おっしゃってましたが、これに激しく共感。

私もストッキングが嫌いなんです。
残念ながら私は着物生活を送っていないので、
スーツを着るときにはストッキングをはきますが、
全くもって心地よいものではないですよね。
特に夏はムリ。
ジーパンは、言われてみれば一昨年までの夏には
しょっちゅうはいてたし、去年もたまにはいてましたが、
今年はほとんどはいてません。
何なんでしょうねぇ。
去年の夏がすごく暑くて、ジーパンなんてはいてられないよ
って思い、短パンとかスカートをはくようになって、
今年もそんな感じ。

でも今、若い人のジーパン姿ってすごい多いですよね。
電車とか乗ってると、学生さんとかほとんどジーパン
はいてる気がする。
確実に暑いはず・・・。

あと、冬場にストッキングはいてジーパンはいてたり、
ストッキングの上に靴下はいてたりするじゃないですか。
あれは、どうなんですかねぇ。
私は、気持ち悪くてムリなんですけど。

あれですよね。
やっぱり、自分の身体に無関心なんですよね。
たぶん。
太ってるとか痩せてるとかには関心あるんでしょうけど、
身体の中とか身体が感じることについては、
あんまり気にしないから気付かないのかもしれない。

私は、単純なので去年に『オニババ化する女たち』を
読んでからだいぶん身体を意識するようになりました。
というか、心掛けるようになりました。
(あ、だから夏にジーパンはけなくなったのかも。)
子宮とかよくわかんないけど、なんとなく意識するように
気をつけていたら、実は少しずつですけど月経血を
コントロールできるようになってきて。
意識するって大切だなぁって感じですよね。


この日記を書くまで、いろいろ頭の中でぐるぐるしてる
ものがあったんですけど、(ハンカチ落としとか
ご縁とか愛情とかコミュニケーション能力とか)
全部拾えそうにないので、最後に内田先生の定点観測について
お礼を。

帰る場所を設けてくださって本当にありがとうございます。
私が、特に不安も抱かずになんだかふらふらしていられるのは、
ココに帰る場所があるからこそ。
もちろん、実家もありますが、精神面では
家よりも「長屋」の方が落ち着く気がしていて。

私が4年前(もうそんな昔なんですね。)
フランスに行く決心をできたのは、先生が
「1年経ったら帰っておいで。」って言って下さったからで、
その言葉に安心して、帰る場所があるから行ってこようって
思えたんです。
で、フランスにいた頃に“とほほ”日記を始めさせていただいて、
以来ずーっとココで見守られているわけで。
ありがたいです。

また、内田先生以外にも見守って下さっている人たちが
いるということに気付きまして・・・。
どうも、ありがとうございます。

これからも、観測よろしくお願いいたします。

2006年8月28日

恐るべし!カプサイシン

le 28 aout

朝、洗濯を干しにベランダへ出たら、
たこの足(と、うちでは呼ばれているが、正式名称は
知らない・・・カラカラ回るタオルとか干すやつ。)に
カマキリが座っていた。

なぜ?

てか、私はカマキリが苦手なのである。
バッタとかクワガタとかカブトムシとかは、
結構平気に触れたりするけど、カマキリはダメ。
それは、過去にバッタと同じ感覚で胴体をつかんだときに、
あの鋭いカマでシャッと手を切られたことがあるからなんですねぇ。

カマキリのカマって後ろまで届くんだ・・・という
発見とともに、二度とカマキリには触るまいと心に誓った・・・
というか、触れなくなってしまった。

そのカマキリが、なぜか2階のベランダにいる。
わけわからん。
とりあえず、たこの足からは離れてもらう必要があったので、
たこの足を下に向けてベランダの柵に移っていただくように
仕向ける。

何とか成功。

あぁ、これでひとまず安心だ。
と思って洗濯を干し続け、チラッと様子を窺ったら
カマキリの姿がない。
どっかに飛んでった?って思いつつ、キョロキョロしてると、
母のパジャマにくっついていた。
そして、そこからずんずん高い方へ登っていらっしゃるようだった。

やばい。
こっちに飛んできたら困る。
と思ったので、とりあえずさっさと干し終えて退散することに。
網戸を閉めるとき、もう一度カマさんの位置を確認したら、
カマさんの首がコキコキっと動いて目が合った・・・。
こ、こわい・・・。


さてさて、この度、内田先生が渡仏中のため、IT秘書さんに
日記を送ることになった。
2年前に引き続き2度目のことで、もう珍しくもないの
かもしれない。
が、その2年前、私の日記は更新されなかった。
2年前の私は、「あれー、送ったのに、変だなぁ。」と
思ったのだけれど、その日記をもう一度送ってみる、というような
ことが何となく気が引けてできなかったため、
再送しなかった。
それだけではなく、先生の渡仏中に、再びIT秘書さんへ日記を
送ることすらしなかった。

やはり、何となく気が引けた、し、何となく不安だったので。

まぁ、何故更新されなかったのかということについては、
先生帰国後しばらくしてから原因が発覚しまして。
単に、私の方のメール機能が故障していたっていうね。
つまり、送ったけど届いてはなかったという。
はははは。
今回は、どうやら故障していないようなので、
この日記が更新されるはず。

えっと、よろしくお願いします。


昨日の話。

兵庫県立美術館のチケットがペアで手に入ったので、
彼とともに『アルベルト・ジャコメッティ展』へ出掛けた。

私は、この美術館に行くのが初めて。
ずっと行ってみたいと思っていたけど、なかなか機会が
なかったので。

あれですね。
建物だけでも、充分に楽しめるんですねぇ。
海からすぐだし。
風の庭、とか本当に風が来てすごく心地よい空間だった。
もし近所に住んでいたら、間違いなく憩いの場にしている気がする。

さて、ジャコメッティ展ですが、彼が一番気に入った彫刻は、
アルベルトの弟「ディエゴの胸像」。
その前から離れられなくなるくらい、引き寄せられていた・・・。
私が気に入ったのは、「檻」。
檻の両端に手をかけている人の、その感じが、タイトルの
「檻」とはうらはらにこちらに開かれている印象があって好き。

と、ジャコメッティの他にコレクション展も堪能し、
本当に「県立美術館を堪能した」という感じで満足して
帰り、お昼ご飯を食べ夕食の買出しに行き、一緒に晩ご飯を
作る。

この日のメニューは、ハッシュドビーフとニラ、トマト、
焼き豆腐を炒めたもの。

我が家では、ハッシュドビーフとか言っても市販のルーを
買って来てささっと作ってしまうのだが、昨日は彼が買っていた
本を見て一から作る。
でも、簡単。
材料なんて、トマトとトマト缶と牛コマとタマネギと
小麦粉とソースとケチャップとコンソメと塩ぐらいのもので。
昨日は、そこに他の料理と勘違いして買ってしまったバジルの
葉っぱを加え、さらにおいしくなっていた。
どこからこの旨みが出てくるの?と不思議に思うぐらい、
おいしかった。

問題は、焼き豆腐の炒め物。

同じ料理の本を見て、ほぼ書いてある通りに作っていたら、
途中で異変が。

まず、二人してほぼ同時にくしゃみが出た。
そして、鼻水が止まらなくなってきた。
さらに、咳が出るようになった。
目がチクチクしてきた。
涙も出てきた。
・・・先に、私が戦線離脱。
「ごめん」と言うことすらできず、咳込みながら隣りの部屋へ。
しばらく休憩して、あ、ましになってきたかもーと
思い、再び台所へ。
台所には、息をするのも苦しいようなヒリヒリした空気が
充満していた。
彼は、すごい勢いで予定にはなかった卵を炒め物に投入。
そして、離脱。
さすがに、この場に居続けることは不可能だったらしい。

な、何これ??

えー、まぁ要するに、原因は鷹の爪なんですねぇ。
ごま油で熱する内に、辛さと香りが引き出されて来て、
それが台所中に広がって、我々の目・鼻・喉等を
刺激し始めたという。
恐ろしい・・・。

本に、刻んで炒めて香りが出てきたら焼き豆腐を・・・とか
書いてありましたけど、これは、刻むべきではなく、
しかも、香りが出てきたら取り出しちゃう方が安全。
た、たぶん。
(あ、てか、本の材料は唐辛子なんだった。
唐辛子なら、刻んで炒めても大丈夫なんだろうか?)

彼の判断は正しく、溶き卵を入れたおかげで、
焼き豆腐やトマトたちの辛さは、かなり和らいでいた。
なんだ、おいしいじゃん、と思ってパクパク食べていたら、
彼がゆっくりと炒め物から出た汁を飲んだ。
「辛い?」と聞くと、まぁ飲んでみて、と言うので、
味見。
・・・無言。
そして、笑えてきた。
はははははは。
いやぁ、カプサイシンですか?
すごいですねぇ、カプサイシンって!みたいな。

そのカプサイシンのおかげで、じわじわ汗が
出てきて、あとからあとから汗が出てきて・・・。
やれやれ。
そもそも、調理中から、汗がすごかったんだけど。
顔だけじゃなく、背中から胸から腕から汗が噴出していて、
えらいことになってた。

この日、うちらがたどり着いた結論。
「この料理を作るのは、もうやめよう・・・。」

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