台風余得
10月4日(月)
バターサンドは、やっぱりおいしい。
10月3日(日)
ああ、月が丸いね。ああ、頭が悪いね。
やあんなっちゃうね。あー、こりゃこりゃ。
それでもお月さまは、今日明日で、すこしはかたちも変わるだろうけど、
頭ばかりは、すぐには変わりませんなあ。
やあんなっちゃうね。あー、こりゃこりゃ。
10月2日(土)
やったね、イチロー。新記録達成。
やっぱりすごいひとはすごい。
天才の枠を超えたひとりの大物のことは、
なんと表現したらよいかよくわからぬが、偉大な人だと改めて感じる。
歴史的な人物であり、ある意味、世界一になったんだなあ。
幼い頃から感じる野球にへの懐かしい匂いと、高揚感が蘇ってきた。
10月1日(金)
台風が過ぎ去ると月がきれいに見える。
月がきれいに見えると、心が落ち着かなくなる。
気が、わさわさする。身体が、イガイガする。
こういうとき、笑うのがとっても難しい。
9月30日(木)
内田先生のお誕生日。おめでとうございます。
9月29日(水)
今日はいちにち、祝日のような気がしてたまらなかった。
9月なのに、朝からずっと4月だと勘違いばかりしていた。
ああ、誰がなんと言うと9月だというのに。
秋刀魚おいしい季節だというのに。
身体がぼんやりしている。張りがない。
夕方から治療を受け、台風接近を思わせる風を受けながら、
予約していた時間に間に合うよう、髪を切りへと移動する。
美容師さんの話では、きょうは台風接近のせいで、
昼過ぎから大量にキャンセルが出たらしく、
お店全体が少々暇な日となってしまったそうだ。
そのため、夕方過ぎに飛び込んだわたしのときまでに、大分時間が空いていたようで、お店のなかには、いつになくゆっくりした雰囲気が漂っていた。
実際に台風が近畿地方に本格的にやってきたのは、
夕方もとっくに過ぎた夜の頃だった。
「真面目にテレビやニュースなんかで台風接近を知って動かなかったひとは、
行っとけばよかったって、いまごろ後悔してるんじゃないかな」と、
キャンセルした何人かのひとたちのことを美容師さんは、
ほんの少し皮肉っぽく思い出し、ほんの少し哀れんでいるようにもみえた。
真面目にテレビやニュースのいうことを聞かなかったわたしは、
そのことに深く同感してしまった。
結構髪を切るのもタイミングがいるのよね。
いつもより一段と静かなお店のなかでは、心地よいハサミの音が聞こえる。
時が進むに連れ、だんだんと短髪になる。
初めて、その人に切ってもらったときよりも、明らかに短くなっている髪だ。
ところで今日は、めがね生活実践中なので、
鏡の向こうでどうなっているのか、途中経過の見当がまったくつかない。
相当に目が悪いうえ、生まれつきのこともあり、何も見えない。
まあ、普段から、最初に大体の雰囲気と希望を伝えたら、
途中にあれこれ注文をつけるほうでもないので、
見えなくとも別段困ることはないのだけれど。
それでも切り終える途中に一回、そして切り終えてから一回、
髪を乾かしてからもう一回という具合に、たびたびめがねを渡してもらい、
鏡で「今日の全体像」を確認する。
見事である。予想通りの短さ。予想通りの長さ。
しかし、結果的に辿り着いたこの髪の短さといい、
めがねをうけとる動作といい、場所が場所なら、
うっかりすると、これは完全に床屋スタイルの作業である。
すっきりした気分と、すっかりよくした気分で、
切り終えたばかりの髪のまま、店を出る。
唸り声とも聞こえる台風の雨のなか、凄まじく風が吹き荒れる風のなか、
歩いても、すこしも髪がゆれることがない。おおお。すばらしい。
そして予定どおりの電話。
そう、台風接近くらいではわたしもまた、
そう簡単には約束を変えることはないのである。