スーさん、セブ島にゆく(ことに決定)

10月3日(月)

またライフプラン休暇の年が巡ってきた。
ライフプラン休暇とは、35歳から5年ごとの有休消化のための休暇だ。土日の前後3日間で取得するのが原則で、合わせて5日間は連続で休めるのである。
自分の場合は、今回が退職前の最後の休暇となる。
前回は、前半は伊豆の大沢温泉へhttp://nagaya.tatsuru.com/susan/2006/11/24_2113.html、後半は神戸・大阪へと出掛けて(http://nagaya.tatsuru.com/susan/2006/11/28_1023.html)至福のときを過ごした。しかし、これが最後の休暇となると、いきおいその時期と行き先とを熟慮せねばならないという気持ちにさせられた。

管理職からは、休暇該当職員が多いのでなるべく早めに時期を決めてほしいと言われていた。Googleカレンダーを眺めながら、学校行事や部活動の試合が入っていないところを探していたところ、何と8連休になるところを見つけた。
本校の合唱コンクールは10月29日(土)に行われる。もちろん、翌30日(日)はお休みで、31日(月)が合唱コンクールの代休。11月1日・2日と休みを取れば、3日が文化の日で5連休。さらに、4日に休みを取れば、次の5日・6日が土日なので、合わせて8連休!
それが認められるかどうかはわからなかったが、とりあえずそれで希望を出してみた。
夏休みに入る前、幸いなことにその日程で休暇が取れることになった。

せっかくそれだけ休めるのならと、思い切って海外旅行でもしようかと考えるようになった。
きっかけとなったのは、今年2月の内田ゼミによるバリ旅行である。久しぶりの海外旅行だったが、生涯忘れえぬほどに楽しいツアーだった。バリに行ったのは新婚旅行以来だったが、年齢相応に違った楽しみがあるということを知ったのである。

あれこれ考えて、最初はハワイに行こうかと思っていた。何と言っても、世界有数のリゾート地であるし、まだ行ったことがなかったからだ。
でも、ハワイツアーについての情報収集をしていくうちに、どうやらあまり安価には行けそうにないことと、どこへ行っても人が多そうで、あまりのんびりとはできそうにない感じがしてきた。
それからというもの、いくつか旅行社の人が学校に来るたびに、どこかおススメのところはないかと尋ねてみた。
ベトナムは物価が安いのでけっこう豪遊できると聞き、ついでにお隣まで足を延ばしてアンコール・ワットを見てくるというようなツアーも候補に上がったが、予算がけっこうかかってしまうことがわかってボツ。
でも、行くんなら予算的にもアジアだよなあということは決まった。

そんなとき、BSでマレーシアのランカウイ島のリゾートホテルを紹介した番組を見た。つい、食い入るように見てしまった。そして、ランカウイ島のことをあれこれネットで見ていて、『ふたりで行くアジアの「隠れ家」ホテル』(増島実、PARCO出版)という本を見つけた。すぐに「密林」のマーケットプレイスでポチった。
程なく本が届いた。写真集のような本だったから一気読みした。そうして、ランカウイももちろんいいが、日本から4時間ほどで行けるフィリピンのセブ島もなかなかよいではないかと思うようになった。

その本に紹介されていたセブ島のホテルは「プルクラ」という。全37室、オールスイートのコテージタイプで、どの部屋にもプライベートプールが付設されている。
件の本には、美しい「プルクラ」の写真とともに以下のような紹介文が付されていた。
「東京を飛び立って4時間あまり、飛行機はセブ島・マクタン空港に到着する。そこからプルクラまでは約1時間20分のドライブを要す。ホテルの敷地に入って、さらに数分。車はゆっくりとエントランスに滑り込む。ベルボーイに荷物を渡し、エントランスホールかに足を踏み入れたとたんに、あなたは、これから始まる滞在が心地良いものになることを感じるはずだ。(…)天井が高く、吹き抜けになっているため、海からの風がさわやかに通りすぎて行く」(50頁)
今すぐにでも行きたくなった。

ネットで調べると、いくつかプルクラへのツアーが出てきた。
もちろん、それで頼んでみてもよかったのだが、さすがに海外旅行となると何かあったときにきちんと対応してくれそうなところを選んでおきたかった。
幸い、JTB浜松支店には、教え子のカコくんという営業部長がいた。すぐに連絡を取った。
「あのさあ、セブ島行きたいんだよね。それも、プルクラっていうホテルに泊まりたいの。ツアーある?」と聞いてみた。
後日、そのカコくんが資料を持ってやって来た。どうやら、プルクラは37室の中にも部屋のランクがあって、大きさとか設備が微妙に違っているらしかった。ネットに載せられているツアーは、そのほとんどがいちばん安い部屋のものだということだった。
また、JTBのツアーならわざわざ成田まで行かなくても、セントレアから行けるツアーもあるとのことだった。成田までの交通費を考えれば、もちろんセントレアから行ける方がよい。
というあれこれを勘案した上で、やっぱりカコくんとこにお願いすることに決定した。その時点で11月のツアーはまだ出ていなかったので、「時期になってツアーが確定したら、またパンフレットを持って来ますから、それで確定しましょう」ということになった。

ところが。
9月のお彼岸を過ぎた頃、そのカコくんから申し訳なさそうな声で、「先生、こちらもうっかりしていたのですが、プルクラは部屋数が少なくて、ハネムーナーがもう半年以上前から予約を入れていたりして、部屋が取れそうにないかもしれないんです」と電話が入った。「時期が違えば取れる可能性もあるんですが」とも。
時期を変えることはできなかった。学校には既にその日程で休暇申請を出してしまってある。他の先生の休暇取得とも調整の上でのことだから、今さら休暇時期の変更は不可能だった。
「何とかがんばってみてよ」と頼むしかなかった。
それから待つこと1週間。
「先生、ホントにすみません。やっぱり11月1日からの滞在はお取りすることができませんでした」との返事だった。「3週間ほど後ならキャンセルが出たので取れるのですが」と。
プルクラは諦めるしかなかった。

でも、そう簡単には諦めることができなかった。
仕方がないので、プルクラと同じようなホテルはないか探してみることにした。
しかし、予算と時間を考え合わせると、なかなかセブ島のように条件のいいリゾートはなかった。諦め切れないままに、もう一度JTBのパンフに目を通していた。
プルクラを恨めしく眺めてふと見やった次のページ。同じセブ島で「総客室数38室、自然に囲まれた隠れ家的リゾートホテル」として紹介されていたホテルがあった。ホテルのグレードはプルクラよりもワンランク下のLグレードだったが、どうやらプルクラと同じような感じのホテルらしかった。

そのホテル、「アレグレ・ビーチ・リゾート」という。すぐにネットで調べてみた。
ホテルのHPで見ると、プルクラとよく似てかなりいい感じのホテルだということがわかった。
さらに、「セブ島、ホテルランキング」でググッてみたところ、ホテルの「口コミ人気ランキング」がトップヒットした。見てみると、何とプルクラよりも一つ上にランクされていた。
すぐカコくんに、「セブ島のアレグレっていうホテルなら取れる?」とメールを入れた。
翌日、そのカコくんから「予約できました」というメールが入った。飛び上がらんばかりだった。できればオーシャンビューの部屋がよかったから、部屋のグレードアップもお願いしたおいたのだが、それも予約できたとのことだった。
かくして、銀婚式記念の年、家内と一緒に行くセブ島「アレグレ・ビーチ・リゾート」への旅が決まったのである。

iPhoneには、指定された期日まで「あと何日」をバッジでお知らせしてくれる「あとマル」というアプリがある。さっそくそれをホーム画面のトップに置いた。
セブ島まで「あと28日」である。