スーさん晩秋の二都ツァー

11月27日(月)

休暇の後半は、土曜日から大阪へ。夕方から、大迫力くんがセットしてくれたミナミでの「ちりとり鍋」宴会である。

実は、土曜日の宿が全く取れなかった。例年、この時期は京都の紅葉見物客が大阪・神戸にまで溢れ出し、京阪神の宿は(特に休日前は)ほとんど空いていない。たまたま、いつも年末大阪忘年会で宿泊しているホテルに直接連絡を入れたところ、「1部屋だけなら空いてます」と返事だったので即座に予約を入れ、何とか宿を確保することができたのである。

大阪に泊まるのならと、「ミーツ」の取材でいろんなお店に詳しいと思われる大迫力くんにすぐさま連絡を入れたところ、「夕方からは予定ないっすよ。おいしいもん食べましょう。ドクターとか他の人たちにも連絡入れときますね」というお返事。いやあ、持つべきは「内田ゼミ聴講生仲間」である。

大阪には昼過ぎに到着。とりあえず、餃子とビールで昼食。喉が渇いていたのと、餃子との相性がよかったのとで、つい2本も飲んでしまう。そのままホテルにチェックインして、近くをぶらぶらとショッピング。と、どうも靴の中で足が滑るような感じがするなあと思って靴を見たところ、何と!靴底とアッパーを綴じ合わせていた部分が所々見事に分離して、あんぐりと口を開けているのである。

この靴は年に数回しか履かない靴で、街中を歩き回るときだけ使用していたものである。でももうたぶん10年くらいは履いている。寿命と言えば寿命であろう。とりあえず、靴は買わなくてはならない。難波の辺りを「靴屋靴屋」と呪文のように唱えながら歩き回り、まず目に入った店で「歩き回るのにタフな靴で、防水加工がしてあるヤツください」とお願いする。いくつか見せてもらい、すぐさま購入する。もちろん、壊れた靴の処分もお願いした。

そんなことをしているうちに、大迫くんから何度かメールが入る。「もうそろそろ出られそうです。今どちらにおられますか」とのことである。「タワレコの6階にいるよ」とお返事をして、大迫くんを待つ。程なく合流。「結局、イワモトくんと3人だけになりました。みなさん、都合が悪いみたいで」と恐縮していたが、とんでもない、無理を言って「飲みましょう」と持ちかけたのは手前の方である。一緒に飲んでくれる人がいるだけで十分なのである。

イワモトくんとの待ち合わせ時間にはまだ間があったので、「ちょっとフライングして熱燗でも飲みましょう」ということになり、法善寺横町近くの「久佐久」というお店へ。鯵の刺身やらをつまみながら日本酒をいただく。そのうちにイワモトくんからも連絡が入ったので待ち合わせの心斎橋へ。メイン宴会は「ちりとり鍋」である。行く前までは、てっきり「トリちり鍋」なべだとばかっかり思っていた。違うんだよね、「チリトリ」って、あの学校の掃除の時間とかに使用するヤツのことだったのである。そのちょうどちりとりくらいの大きさの鉄板の上で、モツやらを甘辛のタレで煮焼き?しながら食すのである。これがうまい!つい、ビールをごくごくと飲んでしまう。仕上げはうどんを投入。しみじみとおいしい。

満ち足りた気分のままに、今度は「Bar Jazz」に移動してバーボン。さすがにこのへんから酔いが回ってきた。「ではそろそろ」ということで宿へ戻ることにする。いやあ、大迫力くんにはたいへんお世話になりました。おっしゃるとおり、「ちりとり鍋」は絶品!でした。イワモトくんもわざわざ大阪まで駆けつけてくれてありがとございました。

明けて日曜日は、二日酔いでぼーっとした頭のまま神戸へと移動し、まずは投宿先であるホテルにチェックイン。ゑびす屋さんとは12時半の待ち合わせだったから、それまで三宮のジュンク堂へ。内田先生の本が置いてあるコーナーで『東京ファイティングキッズ・リターン』を発見、すぐさま購入。昼食後、ゑびす屋さんと合流して、いざ神戸ユニバ競技場へ。

競技場に到着した直後からぱらぱらと雨が落ちてきた。既に多くの観客がスタンドを埋めている。特に、屋根下はほとんど空いていない。二手に分かれて場所を探すことする。何とかゑびす屋さんがぎりぎり雨が避けられそうな場所を見つけてくれたので、そこでキックオフを待つ。

フィールドでは、両チームの選手たちがウォーミングアップをしている。もちろん身贔屓であるが、ファイターズのブルーのユニフォームって、緑の濃いきれいな人工芝に映えるなあと実感する。そのうちに、カンキくんが合流。そろそろキックオフかというところで、ウッキーも合流。ウッキーは、今までアメリカンフットボールの試合を見たことがないのこと。ゑびす屋さんが隣で「解説者」を務めることになる。

さて、試合開始。ファイターズのレシーブである。立ち上がり、ファイターズのオフェンスは進まず、まずはパント。対するパンサーズオフェンスは、パスとランを巧みに交ぜておもしろいように進む。幸い、反則による罰退もあって得点には結びつかない。しかし、このまま第1Qが終了しようかというところで、パンサーズがまずは先制する。

うう、今年もパンサーズは強いわいと思っていたのだが、第2Qに入るとファイターズのオフェンスもだいぶ進むようになってきた。ディフェンスのアジャストもよくなってきている。ファイターズが押し気味にボールを運び、ついにエンドゾーンまで迫った。そして、QBがキープしてタッチダウン!あれ?ボールをこぼして転がってるぞお?おいおい!おおお!拾った拾った!やったあ!ファイターズQBがファンブルしたボールを、ディフェンスラインの選手が押さえてタッチダウンしたのである。これで同点。

勢いに乗るファイターズはそのままディフェンスもパンサーズを敵陣深くに釘付けにする。このまま第2Q終了かと思われたパンサーズの第4ダウン、パントスナップが浮き上がって、パンターの上を通過してしまった!あれれ?およよ?あれってセイフティだらあ?ね、ゑびす屋さん?って、もうハーフタイムになると思ったゑびす屋さんは、コーヒーとかを買い出しに行ってくれていて不在なのである。ファイターズディフェンスの選手たちが両手を上げて喜んでいる。やっぱりセイフティだ!やったあ!これで逆転である。

この頃から、雨は横殴りにひどくなってきた。こんな中でハーフタイムショーをやらされるチアの人たちもたいへんである。さて、後半。相変わらず、パンサーズオフェンスはよく進むのだが、肝心なところで反則による罰退が響いて得点できない。ファイターズのオフェンスも、強力なパンサーズディフェンスに阻まれて進まない。試合はそのまま第4Qへ。

「去年も第4Qに入ってとんでもないドラマが待ってましたよね」とゑびす屋さん。しかし、勝利への執念だろうか、ファイターズのオフェンスがここへ来てまた進み出した。敵陣まで攻め入り、エンドゾーンまでインチを残してRBがダイブ!これで16−7。でも、まだ安心はできない。何せ、相手はここ4年間もファイターズを甲子園から遠ざけてきた強敵なのである。

案の定、試合終了まで2分を切ったところでパンサーズは見事なパスでタッチダウンを奪う。差は2点。当然、オンサイドキックである。「ここでボールを取られなければたぶん勝ちです」とゑびす屋さん。パンサーズはノーバウンドで自校の選手をねらってきた。しかし、ボールはファイターズの選手が押さえた。これでほぼ勝利が確実になった。後は時間を消費するだけである。応援席からはカウントダウンが始まった。残り3秒、ファイターズの第4ダウン、パンターがそのままボールをキープして試合終了!ファイターズ、5年ぶりの甲子園である!

雨にも濡れてだいぶん体が冷えて消耗した。そのまま三宮へと戻って、カンキくんがご存じという餃子屋にてゑびすや屋さんたちと祝杯!夕方まで昨晩のアルコールが残っていたはずなのだが、不思議とおいしい餃子を食べ出すと、またビールが飲めてしまう。カンキくんからいろいろと部活動の指導やらについての鋭い質問などを受けながら、くいくいとビールを飲む。

祝勝会の後は、ウッキー、カンキくんと内田先生宅へ。今春卒業したゼミ生たちが集っているところへお邪魔させていただく。さっそく『東京ファイティングキッズ・リターン』にサインしていただき、教育のことどもについて、先生から興味深い話を伺う。先生とこんなに話をしたのも久しぶりである。ゼミ生たちが帰った後も「まだ終電には間に合いますよ」と言われてそのまま深更まで。先生のところは、何度お伺いしても居心地がいい。つい、時間の経つのを忘れてしまう。

こうして、計6日間に亘った休暇が終わった。しかし、有意義な休暇であった。おいしいものをたくさん食べた。贅沢な思いもさせてもらった。ふだんはあまり会えない人とも話をすることができた。ファイターズも勝った。いいことずくめの休暇であった。休ませていただいた分、明日からはまた業務に励むのだ。いい知命が迎えられそうである。