« 死に方いろいろ | メイン | はっはっはと声出して笑える間は大丈夫 »

さっちゃん、今年で何歳?(ぎく)

le 28 janvier


書きそびれた先週からの話。


まず、万作萬斎新春狂言を見に行った。

狂言めっちゃ久しぶり。
丸一年ぐらい見てなかったかも。
でもやっぱり、いいですね。

『犬山伏』と『しびり』と『煎物』を
見せていただきました。

『犬山伏』は、今年の干支「戌」にちなんで
犬が出てくるから・・・ということでしたが、
犬の面が怖いんですね、これ。
まぁ、どう見ても犬じゃないんですけど、
それが犬ということで。
ちょっと感じの悪い山伏さんが、犬に吠えられ
噛まれるお話です。
犬の名前は「虎」。

続いて『しびり』は、狂言でおなじみの太郎冠者が
主人に買い物を命じられるものの、行きたくないので
仮病を使うというお話。
この太郎冠者役は、普段は子どもが受け持つそうですが、
今回はなんと万作さん。
萬斎さん曰く、子どもかある程度歳を重ねたものじゃないと
できない、そうです。
確かに、あのかわいい感じは若い人では
出せないかもしれない。
ちなみに、「しびり」とはしびれること。
足がしびれて歩けない、という仮病です。

最後に『煎物』。
これは、ほとんどやることのないもの(おもしろくないから)
だそうですが、萬斎さんが研究しなおしてアレンジを
加えた・・・ということで、かなりおもしろいものに
なってました。
お祭りの世話人が町の人を集めてお囃子の練習を
しているところに、煎じ物売りがやってきて、
煎じた薬湯を売ろうとするんですけど、売れず。
邪魔とか言われて、最終的にお祭りのお囃子にのせて
宣伝し、一緒になって踊ってしまうという。

最初に、萬斎さんによるレクチャーがあるんですけど、
そのおかげで、こう見ていてもかなりわかりやすい。
今回驚いたのは、250曲ほどあるうちの100は
やることがほとんどないって話。
『犬山伏』もあんまりやらないそうですが、
『煎物』含め、やってみてもあまりおもしろくない・・・
そんな理由??みたいなねぇ。
意外っと思ったけど、見る側にしても
結局おもしろい方がいいんですよね。

いやぁほんと、久々にほわ~っとした喜びのようなもの
を感じました。
何なんでしょう。
何か違うんですよ、他のもので味わう感じとは。


さて狂言でも笑いましたが、『THE有頂天ホテル』
では、笑いすぎて涙が出ました。
しんみりした登場人物たちの心境とか、複雑な
人間関係とかもあるんですけど、ほとんど笑って
終わった。
伊東四朗さんの顔とかオダギリジョーの額とか
津川雅彦さんの耳とか西田敏行さんの化粧とか
アヒルとか役所さんと戸田さんの動きとか
唐沢さんの頭とか・・・おかしすぎる。
どれだけ笑わせるねん。
全体的に、出てる人たちみんなの行動が変ですから。
しかも細かい。
いたるところに笑える要素が潜んでる感じ。
おもしろい。
ホントおもしろいですよ。

三谷さんっておもしろいですよねー。
家にいて書けなくてイーーーってなったら、
ティッシュを箱から全部引っ張り出して、
それをまた静かに戻してゆく・・・とかって
テレビで言ってましたけども、見てみたいなぁ。
私、ずっと前から、「一番見てみたい有名人の暮らし」
ってのが、三谷幸喜さんと小林聡美さんの暮らしなんですよ。
キムタクと工藤静香さんの暮らしとか、全く興味ないです
けど、三谷さん家には興味ある。
大あり。


あと、映画では『博士の愛した数式』も見ました。
この小川洋子さんの小説、大好きです。
ボロボロ泣きながら2回読みました。
映画は、ちょっと小説と違う部分もあるんですけど、
上手い置き換え方だなぁと思う部分もあって。

80分という限定された記憶って想像つきますか?
毎朝、目覚めたときに自分のジャケットに留めてある
小さなメモを見て、自分の記憶が80分しかもたない
という事実を認識する。
80分しかもたないということは、その事実を
突きつけられるときのショックや悲しみも、
毎朝、毎回味わうんですよね。
80分後には忘れるとは言え、その繰り返しって
どんな感じなんだろう。

博士役の寺尾さんを見ていて、博士ってこういう人
だったんだなぁと再認識。
博士は、何に対しても誠実な態度で、何に対しても
純粋な気持ちで接していて、何か数字について発見すると
すごく嬉しそうな顔をするイメージなんですけど、
実際、寺尾さんの目がキラキラしていたり一生懸命
だったりして・・・寺尾さんってすごいですね。
それから、深津さんはもちろん綺麗なんですけど、
浅丘ルリ子さんって綺麗ですね。

このお話で、よかったなぁと思うのは、
家政婦さんの息子ルートくんが、すごく心のやさしい
いい子だというところなんです。
ルートくんがいることで、博士と家政婦さんとルート
という3人が限られた記憶の中でも強い絆で結ばれている
感じがして。
ルートくんがいるおかげで、母屋に住む未亡人さんと
家政婦さんの距離も縮まったと思うし。
博士が名づけた通り、まさにルートなんだなぁ。
どんな数字でも迎え入れる良い心を持ってる。


と、まぁ先週から今週にかけて、いろいろと
楽しく過ごしましたが、これからは真剣に仕事を
探すことにしました。
きっかけは、髪切りに行って最後の最後に、
何のつながりも予告もなく、「さっちゃん今年で
何歳?」と美容師さんに聞かれたこと。
何でそんなこと聞いたのか知らないけど、
聞かれて何故か考えさせられる部分があったので、
働こう、と思いました。
で、仕事を探すにあたって、まだ若い人たちの
就職を支援してくれるところへ登録済み。
苦しい・・・とか言って逃げるといけないから、
逃げられないように。
がんばるか。

About

2006年1月29日 10:09に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「死に方いろいろ」です。

次の投稿は「はっはっはと声出して笑える間は大丈夫」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。