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お背お付けあそばし月間

海老蔵丈襲名披露の助六を観る。
「抜かねえか」の所をはじめとしてキマリの鮮やかさ・美しさは感動的だが、今回ハッと驚いたのは紙子姿で意休に扇で打たれるところ。
半身に座って斜め下に目を伏せている、その顔と体から色気がむらむらと立ち昇り、まさに水が垂れるよう。
助六は荒事と和事がミックスされているという稀有な役だが、その和事の面をぐいーっとアップで見せつけられた気がした。
幕間に「前傾姿勢でご覧になりますと後ろのお客様のご迷惑となりますので云々」というアナウンスが入っている。
これは画期的で喜ばしいことである。
特に三階席では視界の確保が難しいので、多くの人が夢中で、もしくは「これぐらいなら」との軽い気持ちで身を乗り出す。
一人がほんの数cm前かがみになると、すぐ後ろの人は申すに及ばず、むしろ距離が離れた人ほど視界の障害となって、そのストレスたるや筆舌に尽くしがたい。
「乗り出さないで!」の大声と「うるさいわねーぇ」の小声が飛び交い、周辺がイヤーな雰囲気に包まれることもしばしばである。
しかしこのアナウンス、飲食と排泄でてんてこ舞いのお客の耳にどれだけ届いたことであろう。
今月にとどまらず、しつこくしつこくアナウンスし続けていただきたい。
という訳で、七月は「お背(せな)お付けあそばして月間」とする。
それにしても「自分の身体がいかに空間を塞いでいるか」に無頓着なのはゆゆしきことである。
数人で道一杯に広がって歩いたり、通り道で延々と立ち話をしたり、狭い歩道ですれ違うのに寸毫も体をかわさなかったり、人の鼻先をかすめて横切ったり、後ろも見ずに突然立ち止まったり、挙句の果てにぶつかったり、電車の通路に短い足をおっぽり出していたり、乗降口に意地になってしがみついていたり。
そういうことをしない人ニ私ハナリタイ。
ただでさえ日本の都市は狭いのである。

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2004年06月20日 16:02に投稿されたエントリーのページです。

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