2月7日(月)
雨が降るので、身体が冷える。
咳が出るので、息が苦しくなる。
鼻声になるので、美声が出ない。
ああ、どうしよう、どうしよう。これでも大晦日なのに。
ああ、どうしよう、どうしよう。これでも明日が新年なのに。
2月6日(日)
二月蟹(にがつがに)
意味:二月に食べるカニはおいしい、ということ。
用法:「このカニ、おいしいね」
「だって二月蟹だもん。逆さにしたっておいしいよ」
どういうきっかけか、日毎に何かを書くようになってから、いくらかの季節が流れ、いくらかの歳月が過ぎた。いくらかのモノを食べ、いくらかのことばを交わし、いくらかの場所へ行った。いくらかの変化が起こり、いくらかの悦びを得、いくらかの快楽を知った。いくらかの出会いがあり、いくらかの別れがあり、いくらかのつながりを得た。いくらかのものが消え去り、いくらかの発見があった。そして、そのうち、いくらかは「いくらか」ではなく、「たくさん」になった。
「ものを書くということは、相手に贈り物をするということだよ。相手を思ってフレンドリーに書く」
いまも、そしていつも心にとどめているのは、このことばだ。ことばに執着し捉われてばかりいるわけではないけれど、いまも、そしていつもわたしに足らないのは、それをなすがための愛情なのだ。
「愛がない」ってのは、人間として困ったもんだ。いったいどこにあるんだろう。ああ、誰か教えてくれないかなあ。誰か送ってくれないかなあ。でも、そんなこと言っている限り、わたしは冷たい人間なんだろうなあ。(つづく)