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うっきー一族の家訓!第58条

8月30日(月)

「仮免のとき、脱輪だけは、したらいけないよ」

合宿免許に来る前、ワタシが親から言われたことばである。

「脱輪」というのが、いったいどのような事情や事態によって起きることなのか、
言われた当初、じつは本人は、いまひとつ意味がわかっていなかった。

「脱輪?ふーん」

と答えたものの、とにかくしないでおこう。

そう、心に決めて向かったものである。

なぜ、わざわざそんなことを言われたかといえば、
それは父が免許を取るとき、仮免で脱輪した苦い経験があるからだそうだ。

聞いた話では、父は仮免前日、飲み会か何かがあり、
夜遅くまで、しかも普段飲む以上に多くアルコールを摂ってしまい、
翌日、見事二日酔いがたたったらしい。

以後、我が家では、そして、そのことを知る親戚のあいだでは、
車の免許を取るという人物が現れると聞くが早いか、
必ずどこかで誰かが、「え?仮免受けるの?脱輪せんようにね」
と言うことになっていたようである。

さて、こうして、ひとりのなんでもない出来事が、
時と場所を越えて、限定的な特有の意味をもつ挨拶になり変わってしまった。

しかし実際、脱輪した人など、親戚のなかでは、未だかつて聞いたことがない。

誰も、そんな悪魔の囁きのような言葉に、耳を貸さなかったからだろう。

いやはや。

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2004年8月30日 21:38に投稿されたエントリーのページです。

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