3月23日(金)
気がつけば、3月もあと10日あまり。
年度末の業務処理と新年度の準備をしているうちに、早こんな時期になってしまった。
備忘のために、今月の主だったことを記しておきたい。
実は、年度末までが使用期限の共済組合発行「施設利用券」を活用してどこかへ、できれば「伊豆まつざき荘」へ行きたいと考えていた。
しかし、土日は都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会のための練習会やら研修大会の予定が入っていた。となると、平日のどこかで休みをいただくしかない。家内は不定期休なので、その休みの日と自分の業務とを勘案して、最も職場に迷惑のかからないと思われる日程を検討した。結果、8日(木)~9日(金)の2日間でお休みをいただくことにしたのであった。
日程と宿泊先は決まったものの、昼食場所を含めて道中立ち寄るところなどはほとんど決めてはいなかった。
出発前に確認すると、開花の遅れた熱海の梅園と河津桜がちょうど見頃であることがわかった。天気予報によれば、9日は終日雨とのことだった。となれば、8日のうちに熱海の梅園と河津桜をともに愛でるコースがよかろうということになった。かくして、東名浜松西IC~東名沼津IC~東駿河湾環状道路~熱函道路~熱海梅園というルートが決定されたのである。
いくら平日でも、熱海の梅園は混んでいるであろうという予想であった。しかし、ちょうど梅園の近くまで来ると、さほど混んではおらず、最も近い市営駐車場に車を停めることができた。ワクワクしながら梅園に入場する。
園内は、初川沿いの細長い敷地いっぱいに植えられた紅梅・白梅・枝垂れ梅が、まさに満開を迎えていた。少し高くなった休憩所から園内を見下ろすと、まるで薄く朱や白の霞がかかっているかのように見えた。見事だった。
ひとしきり堪能して駐車場に戻ると、ちょうどお昼を少し過ぎたところであった。昼食をどこで食べようかと考えていたときひらめいたのが、2月の熱海での研修大会の折りハットリくんと一緒に食べに行こうとして果たせなかった「イカメンチ」のお店だった。
店名をよく覚えていなかったので、地元のヤマガタ先生に聞いてみようとメール送信したのだが、返事がなかった。「ま、近くまで行けば思い出すだろう」と思い、熱海の温泉街を抜けてそのまま135号線を南下することにした。
網代の漁港を過ぎて、バイパスのトンネルをくぐると、何軒かお店が見えてきた。思い出した。「味里」である。一度通り過ぎてしまったので、少し戻ってお店の横に車を停める。
中に入ると、家族連れが一組、座敷に上がって食事を待っていた。小じんまりとしたお店だ。あれこれメニューも見てみたが、どうやら件の「イカメンチ」付きのランチが一押しらしかった。迷わず注文して待つこと暫し。出てきたのは、刺身の盛り合わせ・鯖の味噌煮・カニの味噌汁にイカメンチが付いた定食だった。
イカメンチは、蒲鉾とも揚げ物とも、えも言われぬ不思議な味の食べ物だった。地元観光協会のHPによれば、“網代イカメンチは、網代に昔から伝わる家庭の味・母の味であり、地元で水揚げされたアジ、サバ、イカ、トビウオなどのすり身を使用し、刻んだイカや野菜と調味料を加えてつみれにした後に、揚げる、焼く、茹でるなどの方法で加熱調理した郷土料理(水産練製品)です。”(@伊豆網代温泉観光ナビ)とある。付け合せのキャベツと一緒にマヨネーズでいただいたのだが、何とも香ばしい食感であった。
相当に満足して河津町へと移動する。
河津町へは、そのまま135号線をひたすら南下するだけである。宇佐美を過ぎ、伊東の温泉街を過ぎ、川奈から海岸線を離れて伊豆高原方面へ。途中、ヤマガタ先生の勤務する城ヶ崎海岸近くの中学校の側を通り過ぎ、再び海岸線へと戻って、以前宿泊したこともある北川温泉、そして熱川、稲取を過ぎると、河津町に入る。今井浜海岸を過ぎると、河津桜祭りの案内が見えてきた。河津川沿いの桜が見頃だと聞いていたので、とりあえずその近くまで行って車を停める。
駐車場の誘導をしていたおじさんに、どの辺りが見頃かとお聞きすると、河津中学校の手前まで川沿いを歩き、原木を見に行ってもいいけど、それより「かじやの桜」の方が見応えあるよ、と教えていただいた。そのとおりに歩いてみた。
確かに、ほぼ満開の桜だった。桜祭りの期間中ということもあり、川沿いにはいろいろな地元産品を中心に出店のテントが軒を並べていた。
町立の南小学校も河津中学校も、それぞれ桜祭りの会場近くにある。期間中は、とても勉強どころではなかろうと思われた。それほどの賑わいである。
教えられた「かじやの桜」は、確かに思わず唸ってしまうほどの立派な木であった。家の庭いっぱいに、一本の河津桜が枝を拡げていた。その枝を隠すほどに、淡紅色というよりは濃い色の花びらが覆っていた。親切に「写真を撮りましょうか?」と申し出てくれた地元の人のご好意に甘えて、家内と写真に収まる。
車に戻る頃から、ポツポツと雨が降り始めていた。ちょうど午後4時を過ぎた時刻であった。そのまま、その日の宿である「伊豆まつざき荘」へ。
河津町からは、伊豆バガテル公園の側を通って下田街道に出、途中で県道15号線に入ってそのまま松崎町へと向かう。伊豆東海岸から西海岸へ1時間ほどのドライブである。
下田街道を走行中、対向の軽トラ車がいきなりパッシングをしてきた。「え?ライト付けっぱなし?」と確認したが、ライトはオートにセットされていたから点灯はしていなかった。「ネズミ取りとか?まさかね」などと家内と話している間もなく、車内にセットしたレーダー探知機が鳴り出した。やな予感がしたので、そろそろと走行することにした。はたして、ちょうど坂を下りきったところでネズミ取りをしていた。「こんな山の中でもやるんだねえ」と家内と呆れることしきりであった。それより何より、教えてくださった地元の人(と思われる)に感謝である。
伊豆まつざき荘は、部屋から松崎港が見えるきれいな宿である。最上階が展望風呂になっている。もちろん温泉である。
でも、ここの宿は温泉より何より、食事がいい。チェックイン時、夕食の特別メニューの追加があるかどうか尋ねられたので、今回は前回宿泊した際に頼めばよかったと後悔した一日限定五食の「金目鯛の煮付け」を迷うことなく注文することにした。それを楽しみに待ちつつ、まずはお風呂へ。
「金目鯛の煮付け」は、予想以上の大きさだった。家内と「うへえ~」と言いつつ箸を伸ばす。ここの食事はどの料理もたいへんにおいしい。金目鯛も含めて完食する。
寝る前にもう一度お風呂に入り、ポカポカと温まって就寝。ああ、この幸福感を何と形容しよう。
伊豆まつざき荘の食事のよさは、実はその朝食に止めを刺す。バイキング形式なのだが、鯵や金目鯛の干物は言うに及ばず、ワサビ漬けやひじきなど、伊豆山海の幸が堪能できるのである。
チェックアウトの際には、Facebookでお馴染みということで粗品をいただいた。どこまでもよい宿である。ぜひまた泊まりに来ようと思った。
帰りは、沼津のスガイ先生オススメの「観音温泉」に立ち寄ってみようと思っていた。中伊豆を通って帰ろうと思っていたので、ちょうど観音温泉ならその帰り道にあるからだ。
松崎から、前日通ってきた県道15号を再び河津方面へ。途中で「観音温泉」と書かれた案内のところを曲がって山あいの道へ。この道は、車がようやく1台通れるだけの道幅しかなかった。対向車が現れたらどうしようと思いつつ、山の奥へと入っていく。そうしてようやく目指す観音温泉へと辿り着いた。
入口がどこかよくわからなかったが、帰り支度をしていると思しき人が「こっちだよ」と教えてくださった。言われたとおりに廊下を辿っていくと、フロントに行き着いた。「あのお、日帰り入浴したいんですが」と尋ねると、「それは売店でお願いします」と言われた。売店で同じことを繰り返すと、「すみません、入浴は11時からなんです」と言われた。時計を見ると10時半だった。家内と「どうする?」と顔を見合わせた。ちなみに、日帰り入浴は1人1300円。そんなに安くはなかった。それに、ここで30分待って温泉に入ると、もうそれでお昼近くになってしまう。お昼は沼津港で食べる予定だった。それでお店の人に「30分早いんですけど、今から入っちゃダメですか?」と尋ねたところ、「10分前くらいなら何とか」と言われた。
再度家内と相談して、「また次回の楽しみということで」ということにして、どこか途中で日帰り入浴ができるところがあれば寄って行こうということになった。
家内がiPhoneで天城湯ヶ島や修善寺の日帰り入浴できるところを調べた。どうやら、修善寺の筥湯や新井旅館の人気が高いらしいことがわかった。とりあえず、そこをナビにインプットした。
河津ループ橋を上り、天城峠を越えて湯ケ島へ。そして修善寺へ。件の新井旅館は駐車場がよくわからなかったために断念し、前回来た時と同じ駐車場に車を停めた。そのすぐ横が筥湯だったのである。
筥湯は、入口に銭湯の番台さんのような人がいた。入湯料金は350円!その理由は中に入ってすぐわかった。洗い場はシャワーが二つほどあるだけで、たぶん檜作りと思われる浴槽が真ん中にでーんと設えられている。まるで「温泉てのはなあ湯で勝負しろい!」とでも言わんばかりの、いたってシンプルな湯である。
修善寺の源泉の湯温は62度。もちろん、水を足して適温にしなければ入れない。だから少し熱めの湯だ。でも、それがいかにも気持ちがいい。しばらく誰も入ってこない浴槽に浸かって、修善寺の湯を満喫する。これで、観音温泉に入れなかったことも帳消しになった。
ほかほかと温まったところで、ちょうどお昼近く。お腹も空いてきたので、昼食場所である沼津港へと急ぐ。
家内は久しぶりに沼津港の「魚河岸丸天」で食事をしたいと言っていたが、実際に行ってみると、平日だというのに例によって店の外にまで人が溢れて順番待ちしていた。しかたがないので、これまた久しぶりの「たか嶋」にてお鮨をいただくことにした。
今回も、熱海の梅と河津桜、そして美味しいものをたくさんいただいた。いつも伊豆への旅はハズレがない。だから何度も行きたくなってしまうのだろう。浜松に帰っても、次はいつ伊豆に行こうかと考えていたのだった。
その翌日の土曜日(10日)は、県選抜チームの遠征で滋賀県の長浜ドームへ。関西、北陸、東海の選抜チームが集っての研修大会である。
明けて日曜日(11日)は、富士市にて選抜チームの練習会。
その翌週の土曜日(17日)は、今度は自分とこのチームと一緒に再び長浜ドームへ。
ようやく春休みに入っても、春分の日(20日)は県選抜チーム本戦前の最後の練習会でまたもや富士市へ。
10日間で長浜と富士市へそれぞれ二回ずつ行ったことになる。西へ東への10日間だった。
明けて21日は、学年職員全員で終日休暇をもらっての親睦小旅行。小型バスをチャーターして「焼津うまいもんツアー」へと繰り出したのである。
行き先は、もちろん「かどや」。昼前に焼津へ行き、「かどや」隣の「サンライフ焼津」にて「黒潮温泉」に入り、湯上り後に「かどや」にて生ビール&海の幸を存分に摂取、帰りは「焼津さかなセンター」にて夕食のおかずとおみやげを購入、という極楽プランが策定されていた。
特に、「かどや」にては、魚料理の数々は言うに及ばず、地元でしか飲めない大吟醸の「磯自慢」、「女泣かせ」、「初亀」を存分に賞味することができたこともあってか、学年職員にはひどく好評だった。
年度末の人事異動による辞令が伝達されたのが22日。その日から、新年度の学年職員構成も含めた準備会議が二日間。何とか分掌案も決定して、あとは細々とした実際の準備に入るだけである。
かように振り返ってみると、自分の場合は、どうにかして仕事や部活動の指導と、リフレッシュのバランスを取っているように思われる。そうせずにはおられない性分なのであろう。もちろん、これからもこうしてうまくオンとオフのバランスを取っていきたいと思う。
さて、平成23年度が終わって、平成24年度を迎える。
でも、その前に来週の月曜日から3日間は、三重県伊勢市にて「都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会」の本戦がある。昨年は震災で開催されなかったので、二年ぶりの大会である。
それが終わって、29日の夜はサントリーホールにて、インバル・都響のコンビによるマーラーの交響曲「大地の歌」の演奏会が待っている。東京にいる娘も一緒に聴く予定だ。できれば早めに東京に行って、スガイ先生から案内された日本橋界隈を散策しようと思っている。
翌日は、家内と築地で昼食!
あれ?
やっぱりオン・オフのバランス取れてますね。