スーさん、テレビを買う

12月13日(月)

別に、どうしても地デジのテレビが欲しかったわけではない。
買うんなら、来年夏のボーナスでと考えていた。でも、先月(11月)の初めから、新聞のチラシで「お急ぎください!エコポイントは来月から半減されます!」攻勢にさらされると、「うーむ、どうせ買い替えなきゃいけないわけだし、それならエコポイントも満額いただいた方が得だよなあ」と下司な考えを持つようになってきた。
それからというもの、「ま、買うんならコレかな」などと家電量販店のチラシを見ながら自然と品定めをするようになっていた。選んだのは、32型、録画機能の付いたもので、価格は10万円以下のもの、という条件を満たす機種であった。
以前から、誰彼とはなしに「T社製のものがよい」という噂を耳にしていた。いきおい、選択肢の第一は、「T社製」ということになった。

エコポイント満額支給まで残り10日あまりとなった先月の中旬過ぎ、土日はかなり混み合うだろうとの予想で、金曜日の夕方にチラシで見た家電量販店に行ってみることにした。
テレビのコーナーで、目星を付けていた商品を探した。程なく見つけることができた。でも、チラシよりは多少高めの値札が付いていた。近くの店員に声を掛けて、「あのこれ、ちょっとは安くなるんすか?」と尋ねてみた。「残念ながらこれ以上は…」というお答えだったので、「じゃあ、納期はいつになります?」と聞くと、「ちょっとお待ちください」と別の店員のところへ行ってあれこれと打合せ後に、「すみません、この機種は注文商品なのですが、発注してもいつ入荷するかまったく未定とのことです」という返事が返ってきた。そんな商品ではお話にならない。そうですか、じゃ結構ですと言い残して次のお店へ。

同じ商品のチラシを見たことのあるKデンキへ行ってみることにした。
到着して、テレビコーナーで件の機種を探した。なかった。店員も他の客への対応で忙しそうにしていた。商品がないなら仕方がない。同様の機能を持つ機種を探してみたが、どれも値段が予算オーバーするものばかりだった。諦めて次のお店へ行ってみることにした。

Kジマ電気では、いきなり店員をつかまえて、「すみません、32型・録画機能付き・10万円以下のテレビは?」と聞いてみた。紹介された機種は、チラシで目星を付けていたものよりは多少割高だったが、ハードディスクに録画できるもので、ブルーレイも見られる代物だった。値段と納期を確認した。ほぼこれでよかろうと見当を付け、最後にYマダ電機で比較して安い方のお店で購入することにしようと決めた。

さて、最後のYマダ電機である。何と、ここのテレビコーナーは、ファミレスのように順番待ちの名簿欄に「テレビの説明順番待ち」の名前を記入することになっていた。
待つこと暫し。ようやく名前が呼ばれたので、Kジマ電気と同様の条件を言ったところ、「それならこのへんの機種ですね」といくつかのテレビを紹介してくれた。その中には、Kジマ電気で目星を付けたものもあった。値段は、…かなりこちらの方が安かった。ちょっと驚いた。
それから、店員の詳しい説明を聞いた。最後の選択は、録画をハードディスクにするかブルーレイにするかというところに絞られたのだが、決め手となったのは、ブルーレイ機種の方はLEDを使用していてエコだが、ハードディスク機種の方は光電管を使用しているということ、それから、家にブルーレイの録画再生装置があってもよかろうということだった。
かくして、S社製の32型・ブルーレイ録画再生機能付き・10万円以下のテレビを購入することになったのであった。

そのテレビが先週火曜日に搬入・設置された。
その日、自分は出張が入っていたので、妻に午後から時間休を取ってもらって設置に立ち会ってもらうことにした。
途中、妻から「なんか、BSの電波が弱くてうまく映らないんだって。アンテナの位置を変えるか、新たにアンテナを設置するかしないとダメみたい」とメールが入った。そうなのだ、アナログの時からそうだったのだが、BSは確かに電波状態が悪かった。
家に帰ると、居間に地デジテレビが鎮座していた。スイッチを入れてみた。しばらくして画面が明るくなった。おお!と思わず声が出た。確かにキレイだ。チャンネルをBSに変えてみた。こちらは、映ったり映らなかったりだった。言われたとおりだ。仕方がない。これはもう一度ちゃんと見てもらうしかなかろうということになった。

翌日、BSの件でYマダ電機に電話してみた。妻の休みを確認して、「じゃあ、金曜日にお願いします」と依頼した。
その金曜日、Yマダ電機の人は朝一番で来てくれた。例によって妻からメールが入った。BSのアンテナは、隣の実家と兼用しているのだが、どうやらその接続の仕方がかなり杜撰だったらしい。その解消のためにブースターを介入させてあったのだが、その接続も正しくなかったとのこと。結果的に、ブースターの接続を替えてみると、それまでは4割以下だった電波状態が7割以上まで回復したらしかった。妻が見ても別段支障はない状態だったので、「そのまま様子をみることにしたから」ということだった。

その日の夕方、家に帰る前に、ここいらでは例外的にMacを専門的に扱っているKデンキに寄って、Apple TVを購入した。地デジに換えたらすぐに購入しようと前から決めていた製品である。
家に帰って、さっそくBSの番組を確認してみた。文句なしのきれいな状態で視聴できた。すぐさま、その日BS-hiで放送されたハイビジョン特集「響け千人の交響曲~ベトナム国立交響楽団の挑戦~」を見ながら録画してみた。
終わって、今度はApple TVを接続してみた。本体といいリモコンといい、まるでオモチャのようだったが、なかなかどうしてこれが面白かった。いかにもアップルらしい遊び心に溢れた代物だった。

このところ急に充実してきたわが家のデジタルライフ。
かくして、冬籠りの準備は用意万端整ったのである。