スーさん、濃い5日間を過ごす

11月24日(水)

いろんなことがあった5日間だった。

19日(金)
エコポイントなるものが今月中で半減するとか聞き、「どのみちテレビを買い替えなきゃいけないんなら、この際だからちょっと無理して今月中に地デジを買うしかないかあ」と妻とも相談して、とりあえず家電量販店へ。
一応、「もしも買うんなら」と新聞広告のチラシなどで以前から目星をつけていたものはあった。最初に行ったお店でその機種のことを店員さんに聞くと、「すみません、今在庫がなくて、いつ商品が入るかも未定です」とのお話だった。
仕方がないので、次のお店へ。しかし、お目当てのテレビはここにもなかった。さらに次のお店へ。まったく同じものはなかったが、やや上位機種で値段もそれなりのものはあった。しかし、「入荷は12月の下旬になります」とのことだった。購入は保留して、さらに次のお店へ。何と、ここのお店はテレビコーナーで店員さんの説明を聞くのに、まるでファミレスの順番待ちのような名前を記入する用紙が用意されていた。待つこと暫し。名前が呼ばれたので、「32型、録画機能が付いたもの、10万円以下で」と問うと、該当するテレビを紹介してくれた。あれこれ思案の末、ブルーレイの録画再生機能が付いたものを購入することにした。
しかし、別に今のテレビで何の不足もないのに、なんで買い替えなきゃいけないんだろうという疑問は残った。だから、なんで?
テレビは来月上旬にはわが家に届けられる手筈である。

20日(土)
娘が帰省した。翌日に予定されている従姉妹の結婚式に参列するためである。
以前から、この帰省に合わせてケータイをiPhone4に変更するよう打ち合わせていた。午後、駅まで迎えに行き、従来のキャリアのお店でMNPの手続きをしてもらって、SBのお店へ。
妻は仕事だったため、妻の分も含めてすぐに手続きに入ってもらった。2台分ということもあってか、連絡先のデータ移行も含めてかなりの時間がかかった。夕方、ようやく使える状態になったので、とりあえずケースだけは購入して、娘に妻のところへと届けさせることにした。
この日は久しぶりに支部例会。終わって帰宅してから、妻と娘のiPhone4にアプリを同期させる作業。家のMac miniは、家族3人がログインできる状態に設定してあるので、iTunesのアプリ同期もスムーズに行うことができた。娘には、使用法やアプリの解説書を娘に渡したのだが、どうやらこの夜はずーっとiPhone4と首っ引きだったらしく、翌朝「2時間しか寝てな~い」と起床してきた。

21日(日)
この日は、学校創立50周年記念式典が予定されていた。もちろん、生徒は出校日。しかし、自分は妻の姪の結婚式のためにお休みをいただいていた。
式は午前10時、披露宴が11時からだったが、娘は歌のリハーサルがあるとのことで、一人だけ早めに会場へと向かった。その会場、このところ何かとお世話になることが多かった「ミュゼ四ツ池」。つい最近では守さんの歓迎小宴を開いたところだ。
妻と会場に到着すると、顔馴染みになったMマネージャーから、「親族紹介をしていますので、お急ぎください」と言われた。慌ててその部屋に案内される。それが済んで挙式、写真撮影、そして披露宴。
シャンパンの乾杯から始まったのだが、私たちのテーブルでは誰もお酒を飲む人がいなかった。仕方がないので、一人でシャンパンやらビールやらワインを飲んだ。料理が美味しかったので、つい飲み過ぎた。宴の終わる頃には頭が痛くなってきた。そのまま家に戻って、夕方まで昼寝(夕方寝?)。ようやく頭痛が治った。

22日(月)
昨日の出校日の代休。
たまたま妻も休みだったので、大学へ戻る娘を駅まで送りながら、そのまま静岡市へ。
映画「冬の小鳥」の鑑賞が目的である。この映画のことは、以前読んだ『本は読めないものだから心配するな』の著者である管啓次郎さんのブログで知った。こう紹介されていた。
「何もいわないから、ぜひ観にいってください。岩波ホール。何の知識もなく観たほうがいいと思います。」
「岩波ホール」ということは、たぶん全国でも上映されるホールが限られていると思い、さっそくネットで調べてみた。案の定、観られる映画館は全国でも数ヶ所しかなかった。が、ラッキーなことにその数少ない映画館に、静岡市の映画館が含まれていた。これはぜひとも観に行かずばなるまいと思った。前売りを買おうとも思ったのだが、気づいたときには既に前売りチケットの販売は終わっていた。一人1,800円はなかなかの値段だが、それだけの価値ある映画なら当日券でもよかろうと思っていた。上映は、午前中が9時50分から、午後は3時45分からの2回上映だった。
午後の上映なら、高速道を使わず、途中お昼も食べながらのんびりと静岡市まで走って、最後に映画を見て帰ってくるという日程を考えた。
こういうときに、ウチの奥さんは「何の映画見に行くの?」とか、「どこまで行くの?」とか、あれこれ言わないのでとてもありがたい。黙ってついて来て、それなりに楽しんでくれるのである。
まずは、最初の目的地である焼津の「小川港魚河岸食堂」へ。焼津と言えば、「かどや」なのだが、生憎「かどや」は月曜日が定休日だった。そこで、以前から気になっていた焼津港すぐ西の小川港にある「魚河岸食堂」に行ってみようと思ったのである。
浜松駅から、国道1号線のバイパスを東へ。途中、磐田と掛川で渋滞したが、小川港には昼前に到着。さっそく件の魚河岸食堂へ。お店に入ると、壁一面にメニューの写真が貼られている。注文は自販機でチケットを購入するのである。自分は、刺身・黒はんぺん・かき揚げ・しらすがセットの「駿河定食」を、妻は「刺身の盛り合わせ」定食をそれぞれ注文。食券を出すと、番号順に呼ばれるのでカウンターに料理を取りに行く。さすがに平日ということもあり、店内はさほど混んではいない。それでも、正午を過ぎると続々と客がやって来た。
料理はたしかにボリュームたっぷりであった。何より、鰹の刺身は新鮮で美味しかった。しかし、「かどや」には及ばないというのが正直な感想であった。
満腹のお腹をさすりつつ、「んじゃ、温泉にでも入るべ」ということで、「かどや」のすぐ隣にある入浴施設へ。ところが、何と定休日のはずだった「かどや」が営業していた!お店の前の駐車場は満車。「な~んだ、やってんじゃん!」と言いつつ、すぐ隣りの入浴施設の駐車場へ。ひどく空いていた。入口をよく見ると、「本日休館日」の立札。「な~んだ、やってないじゃん!」
仕方がないので、これまた家を出る前に調べておいた干物屋へ。焼津と静岡のちょうど間にある用宗港近くの干物屋さんである。
お店に着いてあれこれと干物を見る。珍しい干物もあった。定番の鯵や鰯に加え、このお店オススメの干物をいくつか買い求める。妻が支払いをしている間に、そこから行けそうな温泉を調べてみた。こういうときに威力を発揮するのがiPhone4である。起動したのは、「温泉さがし」というアプリ。すぐに静岡市内の2件の温泉が検索された。すかさずナビに入力して目的地に設定。干物屋さんから20分ほどで到着した。
着いたのは「静岡温泉」。「本日はお二人で800円デーです」と案内された。得した気分になった。湯は、何と本物の温泉だった。サウナも含め、小1時間ほどのんびりと湯に浸かる。
最後は映画。なかなか映画館の場所がわからなかったが、これまたiPhoneの地図アプリで迷うことなく探すことができた。受付でチケットを購入しようとすると、「夫婦でどちらかが50歳以上なら、お一人千円で鑑賞いただけます」と案内された。特別の映画だとそんな割引もないのではと思っていたのだが、これはありがたかった。
「冬の小鳥」は、評判どおりのいい映画だった。と言うか、重たい映画だった。韓国は家族関係を大切にするお国柄と聞いていたが、その韓国の映画でこのような作品が作られるということは、韓国もご多分に漏れず家族関係が変容しつつあるのかと思わせられた。
音楽も最小限に抑えることで、ともすると「お涙頂戴」となりそうなところを、ぐっと抑えた佳作に仕上がっていたと思う。胸に残る思いを反芻しながら、雨の東名を浜松へと帰る。

23日(火)
この日は、合気道多田塾自由が丘道場主催 の「気の練磨・剣杖特別稽古」へ参加するため、浜名湖道場の道友であるタカバさん、ヤマダさんと東京へ。
多田先生の稽古を受けるのは2年ぶり。前回も同じ「気の練磨・剣杖特別稽古」であった。
途中、事故渋滞もあったが、お昼過ぎには会場である目黒区の区立八雲体育館に到着して昼食場所を探しに。
実は、この日の朝から、守さんに勧められた「マフェトン」を妻と実施することにしていた。とりあえず2週間、一切の糖分(ブドウ糖類)を摂取しないようにするのである。朝はサラダと納豆と目玉焼き。お昼はどうしようかと思っていたのだが、ファミレスならば何か食べるものもあろうと入店すると、はたしてご飯を除けば肉と野菜を蒸し焼きにした料理があった。外食でも何とかなるものである。実際に食べてみると、ご飯なしでも「腹八分目」でちょうどよい感じだった。
昼食後、「どうしても多田先生の稽古を受けたい」ということで、前日からご子息のところへと出向いて東京に泊まっていたオノちゃんと合流し、体育館へ。すぐに稽古着に着替えてフロアーへ。
稽古は予定より15分ほど早く始まった。準備体操のあとは呼吸操練。続いて剣の稽古。先生からは、全体に準備が悪いことを指摘された。さらに続いて杖の稽古。ふだんはほとんど稽古していないので、杖の2番はよく覚えておらず、周りを見ながらの稽古となった。さらに2番Aの杖が終わって、グループでの稽古と指示されたので、すかさず北総山田師範のお姿を探してそちらに合流する。そこで、山田師範に何度もやっていただきながら、ようやく2番Aを何とか最後まで振ることができた。
1時45分に始まった稽古は、休憩なしで夕方5時半まで4時間近くに及んだ。ひどく汗をかいた。情けないことに、左手人差し指と右足親指にマメを作ってしまった。それだけふだんが稽古不足ということである。
何より、多田塾のエートスを存分に感じることができた。それだけでも、東京まで行った甲斐があった。得難い機会であった。

「濃い」5日間だった。