スーさん、結婚式に出る

5月31日(月)

いろんなことがあった土曜日だった。

午前中は、甲南麻雀連盟浜松支部会員の一人である、シンムラくんの結婚式並びに披露宴。
受付が午前10時からで、開宴は11時。会場は、式が仁徳天皇の御代に創祀されたと言い伝えられる浜松八幡宮。披露宴は、神社内にある結婚式場にて執り行われた。
開宴30分ほど前に会場に到着して受付を済ませると、既に控えの間にはオノちゃんら支部会員たちの姿が見える。コーヒーを飲みながら、あれこれとりとめのない話をしているうちに、披露宴会場へと促される。
普通だと、ここで新郎新婦を囲んで出席者全員によるお写真となるのだが、やたらと時間がかかるこの儀式はなかった。
席に着いて、開演前にサービスされたワインなどを飲んでいるうちに、新郎・新婦の入場となった。やんやの歓声のうちに二人が登場。仰けから新郎はニヤニヤしていた。よほどうれしいのであろう。
二人は、そのままゆっくりと正面席に着座、開宴となる。

それにしても、最近の結婚披露宴では「仲人」なるものをほとんど見かけなくなった。そういう時代なのだろうか。
ご両人の紹介は、それぞれの職場の上司。それ以外のスピーチは一切ない。いきなりケーキ入刀となる。所謂「余興」の類は、そのほとんどがビデオで紹介される。
お色直しの前は、新郎友人のM中学校ソフトテニス部顧問、アキタ先生による「乾杯」の熱唱。新婦側の席から「ひょっとして音楽の先生?」との声が漏れるほどに見事な歌いっぷりであった(もちろん彼は音楽の先生ではなく教科は社会科)。
二人がお色直しをしている間は、会場のカーテンとドアが開けられて、すぐ隣に設えられたベランダにて「ガーデン・バーベキュー」。これがなかなかいい感じの「中入り」となる。サービスされたのは肉料理とスイーツ。よく考えられている。外の空気に触れた開放感も手伝って、ついまたビールが一杯また一杯。

洋装へのお色直しが終わって両人が再登場、宴は後半へ。よくあるキャンドルサービスの代わりに、二人がそれぞれのテーブルを回りながら写真を撮る時間となった。かように、宴のプログラムもずいぶん様変わりしていると思った。
トリは、ヤイリくんによる小田和正「woh woh」のピアノ弾き歌い。いやはや、ヤイリくんがピアノを弾けるとは。うへえ〜と仰け反る支部会員たち。
エンドロールは再びビデオ。二人の感謝の言葉紹介される。BGMは、わが不肖の娘が従姉妹の結婚式のために作詞作曲したオリジナル曲。スタジオで歌を録音してCDに焼いてきたものを、「そのまま使わせてほしい」とのことだった。もちろん娘は快諾。これが、幸いなことにけっこう好評だった。もっとも、「あれなら売れますよ!」と太鼓判を押してくれたのはオーツボくんだったが。

披露宴終了後、ソッコーで着替え、浜松駅近くの妻の職場までタクシーを飛ばす。礼服や引き出物その他を妻に預け、そのまま再びタクシーで浜松駅へ。この日、静岡市の県営草薙庭球場にて開催されていた県高校総体ソフトテニス競技(団体戦)の応援・観戦のためである。
時刻はもうすぐ2時になろうとしていた。とても在来線で静岡まで向かう余裕はない。時刻表を確認すると、ちょうど次の「ひかり」は静岡に停車することになっていた。「ひかり」ならば静岡駅まで30分もかからない。乗車して着席すると、同様に自宅まで荷物を置きに帰って、「たぶん同じ新幹線では行けないと思います」と言っていたオノちゃんから、「間に合うかも」とメールが入った。程なく、オノちゃんが現れた。車で来ていたので自宅まで送ってくれたオーツボくんが、ついでに急いで駅まで送ってくれたとのことだった。持つべきは支部会員である。

静岡駅からは、私鉄乗り換えのために歩くのも時間が惜しいというとこで、草薙テニスコートまでタクシーに乗ることに。会場に到着すると、ちょうど準々決勝が終わろうとしているところだった。
すぐに沼津K学園高のスガイ先生を探した。準々決勝が終わって、選手たちに話をしているところだった。「どうよ?」と尋ねると、「いやあ、ダメっすね」という答えが返ってきた(まあ、彼の場合はいつもそんな答えであるが)。どうやら2回戦でだいぶん苦戦したらしく、試合内容がとても悪いとのことだった。

まだしばらくは準決勝が始まりそうもなかったので、男子の準決勝を見ることにした。優勝候補の一角であるM高校は、K学園高(男子)と対戦していた。監督はハラ先生である。顧問になってちょうど10年目の2年前、個人戦で初めてインターハイに出場を果たした。近年、めきめきと指導の実力を発揮してきた若手?のホープである。
そのK学園高男子、優勝候補のM高校に一歩も引けを取らず、堂々と打ち合ってすばらしい試合を繰り広げた。勝敗の行方は三番勝負に。途中までは互角の展開だったが、じりじりとM高校のペースとなり、最後は力でねじ伏せられたという格好で試合終了。それでも、ベスト4は立派である。
このところ、県高校男子はM高とFK高の二強時代が続いてきたが、何とかその一角に食い込んでいってほしいと思う。そんな可能性を存分に見せてくれた好ゲームだった。

そのうちに、今度は女子の試合(準決勝)が始まった。相手は、準々決勝を三番勝負タイブレーク5−5から2ポイントをもぎ取ってベスト4入りしてきたFK高。2面同時進行で始まった試合は、風の影響か両者ともミスの多い立ち上がりだった。しかし、要所でポイントを締めたのはK学園高だった。ほとんど危ない場面もなく2−0で勝ち、いよいよ決勝へ。

男子の決勝が先に始まった。M高校の相手は、ほぼ予想通りのFK高。両校は、決勝戦に相応しい、レベルの高い試合を見せてくれた。軍配はM高校に挙がった。集中力の差が勝敗を分けたのかもしれなかった。
続く女子の決勝戦。相手は、3年連続インターハイ出場を狙うF高校。3ペア中2ペアが後衛並行陣だった。トップはK学園、2番はF高校が取って三番勝負。ミスなくボールを打ち込む後衛と、要所でポイントを取りにいく前衛とのコンビネーションプレーを展開するK学園ペアに対して、じりじりとポイントを失っていくF高校ペア。ゲームカウントを3−0とリードして、ほぼ勝利を手中に収めた。1ゲームは落としたが、そのまま優勝を決めてくれた。K学園高、4年ぶりの団体戦出場である。
今年のインターハイは、なんと沖縄で開催である。なんともうらやましい限りだ。でも、そこへ到るまでには休日も返上して猛練習に励んだことであろう。その分、沖縄の美しい自然とおいしい料理を堪能することくらいは、インターハイ出場を決めた者だけに許されるご褒美なのだ。

興奮覚めやらぬままに浜松へ戻り、いつもの中華料理店にてプチ宴会。その日、どうしても麻雀をしたいという「怪獣」ヒロノくんの申し出もあって、東回しを5回ほど。終わってみれば支部長がプラ80超のトップ。
朝から深夜まで、なんともめでたい一日であった。