スーさん、講習を受ける

5月24日(月)

この身の不運を呪いたい。
教員免許状更新のことである。
民主党政権移行に伴い、この制度はマニフェストにあるように廃止されることが決定された。
ただし、「来年から」だ。
つまり、今年はまだこの制度が有効なのである。そうして、自分はその更新対象者だった。

対象者は、「各生年月日(栄養教諭免許状を所持する者は免許状を授与された日)ごとに応じて定められた年月日(修了確認期限)の2月前までの2年間内に各大学等が開設する30時間以上の免許状更新講習の課程を修了し、大学等から発行された修了証明書を添えて、勤務する学校が所在する都道府県の教育委員会に申請することにより、免許状更新講習の課程を修了したことについての確認(更新講習修了確認)を受けることが必要」(@文部科学省)となる。
今年の対象者は、平成24年1月31日までに更新講習を受けなければならない。

更新講習の内容は以下のとおり。
「本人の専門や課題意識に応じて、教職課程を持つ大学などが開設する講習の中から、
①教育の最新事情に関する事項(12時間以上)
②教科指導、生徒指導その他教育の充実に関する事項(18時間以上)
について必要な講習を選択し、受講すること」
もちろん、その受講に関わる費用は個人負担である。
上記①(12時間)は必修講習。費用は12,000円。②は選択講習で、1講習6時間で6,000円×3講座だから、計18,000円、締めて30,000円也である。

この現場には極めて不評な制度は、平成19年6月の改正教育職員免許法の成立により、平成21年4月1日から導入された。目的は、「定期的に最新の知識技能を身に付けることで、教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指す」(@文科省)のだそうだ。ご丁寧に、「※不適格教員の排除を目的としたものではありません」というただし書きまで添えられている(こんなただし書きがあると余計に勘ぐりたくなるものなのだが)。

あのなあ。
そんなこと、文科省が主導してくれなくたって自分でやるってば。
それにだ。「最新の知識技能を身に付ける」ことと、「教員が自信と誇りを持って教壇に立」つことや「社会の尊敬と信頼を得る」ことと、どういう相関関係にあるんだ?
「最新の知識技能」とは、何についての「知識技能」なんだ?
教員は、「最新の知識技能」を有しているから、「社会の尊敬と信頼」を得られるのか?そうではなくて、今まで蓄積されてきた文化の一端を教える技能を持っているから、「尊敬」され「信頼」されるんじゃないのか?
そういうことを、どこで、だれが説明してくれているんだ?
少なくとも自分は、寡聞にして知らないのだが。

さらに。
この制度、来年は廃止されるんだよ?
廃止されることが決まっている制度の講習を、対象の教員が高い動機付けを以て受講すると思っているのだろうか?(まあ、3万円も支払ってるから、ちゃんと受けようと思うのかもしれないけど)
そんな、モチベーションの上がらない講習を受けさせて、それが「教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ること」につながると、文科省の官僚たちは真剣に考えているのだろうか。そんなことは、ちょっと想像力を働かせればよくわかることだと思うのだが。それとも、官僚の仕事には想像力など必要ないということか。
多くの大学が、受講者受け入れのために準備をしていたことであろう。だから、「即刻廃止」というわけにはいかないというような事情もあるのだろう。
それでも、受ける身としては上記のような理由から、あえて「即刻廃止」を望みたい。

組合からは、「受講しないと免許が失効しますので、ご注意ください」とのお知らせがあった。あのさあ、組合も「即刻廃止」を主張しろよってば。「ご注意ください」じゃないんだよ。
仕方がないので、嫌々ながらあれこれ調べてみることにした。
どうせ受けるんなら、近いところがいいなあと思い、地元のS大開講講座をネットで確認してみた。
今月中に登録をして、希望する講座をネットで予約するシステムになっていた。その確認をしたのが連休明け。ちょうど提出書類が立て込んでいたということもあって、「ふ〜ん、今月中ならまだ時間あるからいいや」と放っておいた。
そろそろ月末を迎えるということで、「しょうがない、申し込みでもするか」とネットを見たのが本日。
浜松キャンパスで受講できる講座のほとんどが定員に達していた。何とか、「必修」と「選択」2講座までは予約できたが、残る「選択」1講座は「キャンセル待ち」となってしまった。
キャンセルがなかった場合には、本学のある静岡市か、三島市のキャンパスまで受講しに行かなければならない。
文句ばかり言ってる場合じゃなかったってことか。
でも、今年対象の先生たちは、そのほとんどが自分と同様の思いを抱いているのではなかろうか(自分と違うのは、文句はあるけど一応やるべきことはやっておいたことだ)。

残る選択1講座、どうしようかなあ。ったく、鬱陶しいったらありゃしない。
そうだ!ナガミツくんとこの大学で受けよっかなあ。でも、夏の京都は暑いよなあ。ナガミツくんが「祇園で舞子さんと一杯やりましょう!」って言ってくれれば、一も二もないんだけど。

これだから文科省ってキライだ。