スーさん、温泉にゆく

3月15日(月)

日曜日から1泊2日で西伊豆は松崎へ。
例年、共済組合より「宿泊施設利用券」が支給されるのだが、いつも使用しないままに年度末を迎え、慌てて近くの宿泊施設に泊まりに行ったりしている昨今である。
昨年は、妻が「まだ食べたことない」と言ったので、奥浜名湖にある施設に「スッポン会席」を食べに行ったのだが、そう毎年同じことをするのも芸がないと思っていた。
今年はどうしようとぼんやり考えていたところ、ちょうど妻の仕事が連休になる日があることがわかった。それではということで、ちょうどその日に泊まれそうな県内宿泊施設のウェブページを片っ端から調べてみたところ、伊豆松崎の「まつざき荘」だけが宿泊可能ということが判明した。
すぐに予約を入れたのが先週の木曜日。ちょうど公立高の合格発表日で授業のない月曜日は、有給休暇をいただくことにした。

久しぶりに西伊豆へ行くということで、沼津K学園高のスガイ先生のところに連絡を入れ、「土肥から堂ヶ島の間で、どっか美味しいお昼の食べれるとこ知らない?」と尋ねると、宇久須からちょっと南へ下った安良里地区内のお店をいくつか教えてもらった。
春の西伊豆へ行くのは初めてである。秋とはまた違った趣を楽しみにして浜松を出発した。

東名は、相変わらず車は多かったが、特に渋滞するようなこともなくすいすいと沼津インターまで。途中見えた富士山は、最近降った雪のためだろうか、6合目くらいまで雪化粧であった。
沼津インター出口は、最近複雑に道が枝分かれしている。とりあえず「伊豆」と表示された道路を選択すると、そのまま三島・箱根方面へほぼノンストップで行ける道が整備されていた。この道路、以前箱根から降りてきた際に伊豆縦貫自動車道へ繋がっていることを確認した道であった。さすがにそこまで行ってしまうと、西伊豆へは遠回りになってしまう。途中、三島で途中下車して、下田街道を修善寺方面へと抜けることにした。三島市内はいつもの混雑であったが、下田街道は空いていた。伊豆中央道に入って有料道路を修善寺まで。さらに、湯ケ島の手前を右折して船原峠越え。下れば土肥である。
海岸沿いの国道136号をすいすいと宇久須を越えて右折、安良里漁港に入る。スガイ先生の紹介してくれたお店ならどこでもよかったのだが、たまたま駐車場が近くにあった「よこ田」に入る。
既に午後1時を過ぎていたが、店内はほぼ満員であった。「すみません、いっぱいなんで…」と入店を断られそうになったが、店の女将が「いいですよ、お二人でしょ?カウンターにどうぞ」と言ってくださった。いい感じがした。さっそく注文。あれこれ思案の末、「鯵の活造り定食」を頼むことにした。妻は鮪のすき身丼。すぐ横に水槽があり、鯵は注文するとそこからすくって料理されて出てくる。新鮮なことこの上ない。身も引き締まって歯ごたえがある。こんな鯵は初めて食べた。

ビールを飲んだ夫に代わって、そこから宿までは妻の運転。堂ヶ島を越えて松崎まで。そんなに時間もかからないドライブであった。
宿舎である「まつざき荘」は、前身は国民宿舎であったそうだが、4年前に現在の場所に移築されたそうだ。まだ新しくきれいな宿である。ほとんど部屋が海に面しており、駿河湾に沈む夕日が一望できる。
チェックインを済ませて旅装を解くと、部屋から浜辺と神社が見えた。行ってみることにした。これが何と、かの厳島神社の分社だった。もちろん、本社には比ぶべくもなかったが。夏は前の浜辺が海水浴場になるのだそうだ。夏の賑わいが目に浮かぶようだった。
一頻り散策して戻り、まずは一風呂。大浴場は最上階にあった。ここからも海が一望に見渡せた。湯はもちろん温泉。松崎から山あいに入った大沢温泉の湯とはさすがに違うが、体の芯から温まる湯であった。
夕食は、昼に安良里で食べてあまりに美味しかったカサゴの煮付けを追加注文した。これがまたひどく美味しかった。ついビールを過ごしてしまった。
食後は再びお風呂へ。十分に温まって快眠。翌朝も、朝食前に三度風呂。温泉はこうでなくてはいけません。
地元産品が並ぶバイキングの朝食をたっぷりといただいて、「まつざき荘」を後にする。よい宿であった。宿泊補助券を使ったこともあるが、ほぼ大沢温泉ホテル一人分の料金であった。また来ようと思った。

帰りはすぐに沼津方面へと戻ってもよかったのだが、せっかくだからとさらに南へ下って雲見まで足を延ばしてみた。松崎から雲見への海岸沿いの道は、兵庫県の城崎から香住へと抜ける海岸沿いの道とそっくりであった。断崖絶壁、岩場の海岸、そうして突如現れる海水浴場。途中、何度か車を停めて写真を撮った。それほどに景色のよい場所がいくつもあった。
雲見からは再び松崎へと戻り、ナビが推奨する仁科峠越えの道を辿る。ところが、これがとんでもない山道であった。対向車に注意しながら、何とか仁科峠を越え、そこから船原峠方面へ降りて、行きしに通ってきた下田街道へ。
ちょうど昼時ということもあり、いつもの沼津港の魚市場で昼食。今回は珍しく妻が「丸天で食べたい」と言ったので、新装なった二号店の「みなと店」へ。その前に、沼津K学園高ソフトテニス部OGのお父さんに出会った。昨夏、弁天島の花火を一緒に舟から見物した方である。ご縁があるなあと思った。
「丸天」のボリュームたっぷり定食に膨らんだお腹をさすりつつ、そこからは妻の運転。いつものように、国道1号を清水まで、そこから東名で浜松まで。天候に恵まれたよい旅であった。

次の3連休はソフトテニスの遠征。自校のチームと県選抜チームを率いて滋賀と京都への遠征である。
さらに、春休みに入った26日からは三重県伊勢市にて都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会。
つかの間の休暇であった。
今週で3学期も終わる。忙しい年度末が待っている。