スーさん、寿命を延ばす

12月14日(月)

土曜日は、県中学生選抜ソフトテニスチームに選ばれた9ペア18人の選手による第1回強化練習会。会場は、県大会の予備日として確保してあった浜松市の花川運動公園テニスコートである。
会場に到着すると、既に選手たちはコートに入ってボールを打ち始めていた。ひとしきり打って体が温まったと思しきところで選手たちを集め、練習に臨んでの留意点等を簡単に説明する。
・ふだん自校でやっている練習とは違う練習を課せられるかもしれないが、頭と体を柔らかくして対応すること。
・自分のフレームワークにこだわらないことで、さらなるレベルアップが図れるようにすること。
・明るい雰囲気で楽しく練習すること。
・よくわからないところやうまくいかないところがあったら、すぐにコーチ陣に質問して確認すること。

さっそく、練習に入った。午前中はストローク中心のメニュー。さすがに、県下から選ばれた選手たちである。たぶんやったことはないと思われる練習でも、すぐに対応してそれなりのパフォーマンスを見せてくれる。
もちろん、技術的レベルの高い選手ばかりなので、それに触発されてさらにパフォーマンスのレベルが上がるということもある。他の選手との相互作用である。こういうことも、集まって強化練習会をやることの大きな意義の一つであろう。

お昼になったので練習は中断して昼食休憩。スタッフは、食事を共にしながら午後のゲームをさせる際のカップリングを協議する。このカップリングというのが難しい。こちらでいいだろうと思って組ませてみても、思うように互いの力を発揮してくれないペアも出てきてしまうからだ。そこが、スタッフの腕の見せどころであろう。あれこれ協議の末に、ほぼこれでいこうというカップリングも決まった。
そのペアで午後はゲーム。思いの外、高いパフォーマンスを見せてくれたペアもあれば、明らかに練習不足によるミスを繰り返すペアもあった。
ある程度ゲームをこなしたところで、もう一度スタッフで集まって、冬休みに予定されている東海インドアに出場する団体戦3チームの編成を協議する。実力順に編成するか、3チームとも平均化された編成にするか多少は議論が分かれたが、今回はほぼ実力順でいこうという結論に達した。それで実際の試合ぶりを見て、だんだんとメンバーを絞っていくのである。

とりあえずの目鼻も立ったところで練習はお開き。終了後、選手たちには練習に参加しての感想を書いてもらった。
「スタッフの方たちが優しく教えてくれて、自分のやりたいことが全てできました。」
「練習が早く終わったように感じ、もっとやりたいと思いました。」
「団体チームが決まりましたが、勝つことだけを考えるんではなくて、協力して楽しんでやりたいです。」
「みんなはとても上手でした。その中で練習できて、プラスになるところが多かったです。」
どうやら、スタッフの意向は選手たちには確実に伝わっていると感じさせられた。

保護者たちへの対応(主務)は、もちろん今年もヨッシーである。2年目ということもあり、大体の様子がわかって対応にも余裕が出てきたのではあるまいか。
昨年もそうだったが、本県選手の保護者の方々はほんとうに協力的であった。文字どおりの「後方支援」に徹してくださった。練習や試合のこと等についての不協和音は、何も監督の耳には入ってこなかった。
聞くところによると、某県では保護者兼コーチがあれやこれやと練習に口出しするのみならず、自分で勝手に練習マッチを組んだりして、相当にチームをかき乱したらしい。
少なくとも、本県では然様なことは一切なかった。おかげで、スタッフは試合の準備だけに集中することができた。よき保護者に恵まれたのはもちろんであるが、ヨッシーの心配りがあってこそのことであろう。

その日の夕刻からは、支部会員による例会。今までの旗亭に代わる河岸を見つけようとしているのだが、なかなかそんな店は見つけられない。
この日は、「すっぽんエキス入り餃子」が売りの居酒屋に行ってみた。間口一間の普通の家かと見紛うお店であったが、店に入るとカウンターも座敷も埋まっていた。「6人くらいですけど…」と言うと、奥の座敷を空けてくれた。さっそく、名物餃子をアテに生ビールで乾杯。
この餃子、名称はいかがなものかと思われるが、確かに香ばしくておいしい餃子であった。他にも、「豚にんにく」、「にんにくライス」など、特にシンムラくんが注文するのは、なぜか精力が増強されそうな品ばかりであった。疲れていたのかもしれない。マスクをして参加したオータくんは、きっと風邪から回復したに違いない。荒れてる職場でかなりエネルギーを消耗している○○くんは、これでスタミナを充填できたことであろう。

それにしても、○○くんの話を聞いていると、表沙汰にはなっていないが(そのために奮闘している人がきっといるに違いない)、地下のマグマのように、本市の学校現場にも不気味な変動が起こり始めているということはないだろうか。
保護者も、生徒も、地域も、そうして何より現場の教師も、時代の波を受けて変性している。学校というシステムはその変性をきちんととらえて、それに対応するべくシステムのバージョンアップをこまめにしているだろうか。そして、それはどのような手段で検証すればいいのだろう。その手だてをわたしたちは持っているのだろうか(少なくとも、外部の学校評価と内部の教職員評価がその役を果たすとは、到底思えない)。
現場の教師について言えば、もちろんこれは自分だけの印象論であるが、教師集団が持つ多様性が年を経るごと幾何級数的に失われていきつつあるように感じる。有り体に言えば、「事なかれ主義」が蔓延しつつあるどころか、それが各々の教師たちの身体奥深くまで染み込んでいるような気がするのだ。
多様性を失った教師集団には、有事に臨んでの対応力に欠けるところが出てきてしまうであろう。そうならないために、これからわたしたちが学校現場でやらなければならないこととは何であろうか。とりあえず、教育現場をなるべく俯瞰的に見てみること、その中から自分ができること、できそうなことをきちんと腑分けをして、そこから手を付けていくことであろうか。

あまり気分がすぐれぬままに(飲み過ぎたのかもしれない)、いつもの雀荘へ。
支部長は、このところオノちゃんとの相性が極めて悪い。こちらがリーチを掛けると、程なく追っかけリーチを掛けられ、あろうことか一発で振り込んでしまうというようなパターンがいかにも多い。あるいは、終盤に来て誰かがリーチを掛け、山越しで現物を切っていると、海底でオノちゃんに振り込んだりしてしまうとか。はたまた、のみ手のリーチに振込むと、裏ドラが乗って親満とか。なんでこうなるのだろうと思ってしまう。同じようなことが続くと、そこには人智を越えた量り知れぬ力が働いているようにも思ってしまうのであるが。
以前は、飲んで麻雀をしても、打牌は慎重であったと思う。ところが、最近はあまり注意を払わずに危険牌を打ってしまうのである。飲みすぎが原因なのかもしれない。
総長からは、「振り込んだときこそ、にこやかに点棒を差し出さなきゃダメですよ」と教えられている。でも、生来の負けず嫌いな性分から、とてもそんな大人然を装うことなど不可能なのである。早く、本部の江さんのように、振り込んでも鼻歌が出るくらいの余裕を持てるようになりたいものだ。

ってなことを、不肖の妻に話していたら、「でも、そうやって振り込んでる分だけ、違うことでいいことあるかもしれないじゃない」と慰撫された。そうかもしれない。
そう言えば、詳細は書けないが、「おかげで手前の寿命はだいぶん伸びたかもしれない」と思われることもあった。今思えば、ここ数年、いわば孫悟空の緊箍児のように手前にそれなりの縛りを掛けていたもの(と自分で勝手に思っていたもの)が、きれいさっぱりとなくなったのである。
おお、そういうことか。
人間、どこで、何が、どう影響して、その結果どうなっていくのかは、誰もわからない。でも、そんな自分の未来について、きわめて想像しにくい(たとえ想像しても全然リアリティがない)状況というのはあると思う。今回は、そんな想像をしなくてもよくなったという意味で、大いに喜ぶべきことなのであろう。
オノちゃんには、感謝しなければならないかもしれない。(しかし、東回し6回でマイナ130超は、いかにも負け過ぎである)