スーさん、合気道する

10月20日(火)

新型インフルエンザによる学級閉鎖は、何とか1学級のみに止め置くことができ、その後は罹患生徒の拡大も見られなかったため、ひとまずは終息の方向へと向かいつつあると判断できる状況となった。
やれやれという感じだが、いつまた第二波、第三波が襲ってくるやもしれぬ。中学生対象のワクチン接種が始まるのは来年の1月。それまでは気を緩めることの出来ない状況が続くであろう。特に、来春の入試の時期がいちばん気を遣いそうだ。まことに、やっかいな流行病である。

さて、先週末は甲南合気会秋合宿以来の合気道にたっぷりと浸ることができた。月に一度、指導に来浜されている北総合気会の山田師範による稽古を、金曜の夜と土曜の夕方に都合4時間ほど受けることができたのである。
金曜の稽古は木剣が中心。今まで見よう見まねで振っていたが、「ははあ、こうやってやるのかあ」と納得することばかり。今回は、山田師範から直接に指導を受けることが多く、足の捌きを中心にずいぶん細かいところまで直していただいた。得がたい機会であった。

稽古終了後、ロッカー室で着替えていた際、来月に予定されている審査の話になった。自分はまだ稽古日数が不十分であると思っていたので、審査は来年の5月かなあなどとのんびり考えていた。
すると、山田師範が「スズキさん、1級だったよね?」とお尋ねになった。「ハイ、そうですけど、まだ稽古日数が100日以下だと思います」とお答えすると、道場の師範代格であるナカムラさんが、「スーさんは9月までで93日ですかね」と教えてくれた。次の瞬間、山田師範が思わぬことをおっしゃった。「いや、90日超えてるんだったら、初段受けていいじゃない」と。思わず、絶句してしまった。え?来月?昇段審査?受けるの?このオレが?マジで?(以下略)
「ハ、ハイ、わかりました。が、がんばります」とお答えしたものの、心中かなり動揺していた。大丈夫だろうか。
1級の審査を受けたのは2年前。爾来、いつかは昇段審査を受ける時も来るだろうから、その時に備えてしっかり稽古しておかないと、とは思ってきた。しかし、実際に昇段審査に堪えうるだけの技を習得してきたかと問われれば、甚だ心許ない。
そうではあるのだが、かくなる上は腹を括るしかあるまい。ええい、やるしかないじゃないか、と自分自身を叱咤激励するのみである。

今回は、土曜日の夕方からも山田師範による稽古が予定されていた。来月審査ともなれば、寸暇を惜しんで師範の稽古を受けねば。予定は、4時半くらいにスタートと聞いていた。いつものスポーツセンターに行くと、既に稽古は始まっていた。
何と、呼吸操錬を一つ一つ詳しい説明を加えながら稽古されていた。準備運動もそこそこに、すぐに稽古に入らせていただく。
ああ、そうやってたんだあ、とこれまた納得することしきり。
以下、鳥船についても、単純な船漕ぎ作業ではないということもよくわかった。前日に引き続いて、得がたい機会となった。
続く徒手の稽古は、両手取りからの四方投げ、入り身投げ、片手両手取りから転換しての四方投げ、二人掛かりからの入り身投げなど。
いちいち、一つ一つの技に新しい発見があり、師範からの細かい指摘も加わって充実した稽古となった。

この日の夜は、山田師範を囲んで小宴。たっぷりと汗を流した体にビールが水のように吸い込まれてゆく。ちょうど師範が差し向かいにおられたので、合気道を始めたきっかけなど、いろいろなお話を伺うことができた。返す返すも得がたい機会であった。

明けて日曜日は、午後から先週録画しておいたTBS系日曜劇場の「JIN~仁」を見る。思わず、引き込まれるように見てしまった。
すぐに書店へ走り、原作のコミックをとりあえず2巻まで購入してきた。こんなおもしろいものを今まで知らなかったことを悔いた。未見の方、ぜひご一読を。ハマること請け合いです。