スーさん、新人戦に思う

9月28日(月)

土曜日は、市内新人大会の団体戦予選リーグ。男子は、計37校が12のブロックに分かれて総当たり戦を行い、それぞれのリーグ1,2位が決勝トーナメントへと駒を進めることになる。
この大会、今年2月に行われた1年生大会の結果でベスト8がそのまま8本シードされている。それ以外の学校は、顧問者会の折りに16本シードまでをくじで決め、残った学校はすべて抽選して組み合わせが決められた。
この時期の試合は、どの学校もまだまだ完成度が低く、今夏の大会に3年生に混じって大会に出場した選手たちこそアドバンテージはあるものの、全体的にミスの目立つ試合ぶりである。それは、本校とて例外ではなかった。

開会式が終わってベンチに戻る。いつもなら、主将が他の選手たちに声をかけて集合させ、監督からの指示を受けることになっている。ところが、今回指名された主将はどうやらそんなことも失念していたらしい。自分は今夏の大会に団体メンバーとして参加していたにもかかわらず、である。
他の選手が気付き、主将に逆に声をかけてようやく監督のところに来た。
「組み合わせと進行表は昨日みんなに渡してあるよなあ。で、試合コートはどこだっけ?」
と尋ねると、どうやら主将以外は試合コートを確認していなかったらしい。
「あのなあ、今から時間で練習コートが割り振られるんだけど、できれば試合するコートで練習した方がいいだろ?そんなことも確認してなくて試合をやるってか」
少々声を荒げて指示しなくてはならないことも、新人大会たる所以なのかもしれない。

組み合わせの関係で、本校の試合は午後からだった。とりあえず、第1試合になっていたシンムラくんとこの試合ぶりを見させてもらうことにした。この試合、3番勝負にはなったものの、特に苦戦する場面もなくシンムラくんチームの快勝であった。
続くシンムラくんとこの第2試合の相手は、オータくんのチームである。事前の練習マッチでは、オータくんとこに軍配が上がっていたと聞いていた。そのとおりに、この試合は3番勝負でオータくんチームの勝利であった。
そうこうしているうちに、自分とこのリーグの他の2校による試合が始まった。一応、どんな試合ぶりなのかは見ておこうと思った。2試合目まで見たが、本校がどちらのチームと対戦しても、そう問題はなかろうという印象であった。

ようやく本校の試合が始まった。トップ、ゲームカウントを3−1とリードしつつも、ミスが目立ってじりじりとゲームを落とし、気がつけばタイブレーク。互いにミスを積み重ねて決め手を欠くまま、最後は本校ペアが連続してミスして試合終了。相手前衛はまだ1年生の選手であった。情けなかった。
続く第2試合、これも本校ペアが3−1とリードを奪うものの、そこから「勝ちビビリ」が出てしまったか、単純なミスや配球が目立ち始め、またもやタイブレークに。この試合も、最後は本校ペアのミスでゲームセット。団体戦第1試合の敗戦が決定した。

でも、リーグ戦である。本校に勝ったH中は、第1試合でT中に0−3で敗れていた。本校が続く第2試合でT中に3−0で勝てば、本校の予選1位通過もあり得る状況であった。
その第2試合、さすがに選手たちも予選落ちは納得できないと思ったのであろうか、第1試合とはうって変わった試合ぶりで、ほとんどゲームも落とすことなく快勝してくれた。これで本校の予選1位通過が決定した。

後ろで試合を見ていたシンムラくんが、オータくんのとこが第2試合で敗退したことを教えてくれた。で、1勝1敗3チームの得失点差により、オータくんのところがよもやの予選敗戦という結果になったということであった。
本部席に行くと、件のオータくん、「麻雀の負けっぷりが悪かったってことでしょうか…。」と肩を落としていた。敗戦は確かにこたえるが、そこから学ぶことも多いはず。これに懲りず、さらに精進を重ねてほしいものだ。

さて、前回の日記で、いきなりFAXを送りつけてきて練習マッチに誘うやり方が流行しているとのお話を紹介させていただいたが、その件に関し、沼津K学園高のスガイ先生がおもしろいメッセージを送ってきたので紹介しておきたい。
スガイ先生や支部の面々とは、yahoo!の「メッセンジャー」を使用して連絡を取り合ったりしているのだが、そのメッセンジャーにスガイ先生からこんなメッセージが入ったのである。

(スガイくん)そんな詐欺によく引っかかりましたね。
(わたし): 詐欺?何のこと?
(スガイくん):詐欺でしょう。ファックスだけの案内で練習試合に参加することですよ。
(わたし):どういうところが「詐欺」なの?
(スガイくん):何もないところで「あなたが当選しました」というのと同じでしょう!それに乗っかったわけで、一般的には詐欺と言います。
(わたし): な~るほどなあ。それは言えるわ。たぶん、どっかで会ったことある先生だと思ってたんだよなあ。中体連の役員関係でさあ。ぜ~んぜん違った!

そうか。詐欺だったんだ。
オレオレ詐欺、ならぬ「FAX詐欺」。
互いの顧問の交流もない、あまりに安易な練習マッチだったから、思わず「コンビニマッチ」とでも命名しようかと思っていたのだが、ここはひとつスガイ先生に敬意を表して、「FAX詐欺マッチ」と命名することにしようか。

練習マッチは、昼食等を共にしながら顧問同士があれこれと情報交換したりする中で仲良くなり、具体的に互いのチームの課題を明確にしつつ、さらに試合で選手に個人的な課題を意識をさせていくことが大きな目的だと思うのだが。
そうやって、まずは顧問同士が仲良くなっていく。つまり、競技を通じた仲間の輪が広がってゆくのだ。
ところが、最近はどうやらそんな練習マッチは流行らないらしい。
顧問同士が言葉を交わすこともなく、ただひたすら試合が組まれ消化されていく。他校のことなどお構いなし。どうすれば自チームがレベルアップするかということだけが焦眉の急となり、いきおい選手への指導の言葉も罵詈雑言に近いものとなっていってしまう。
よくないと思う。

それらのことも鑑みつつ、シンムラくんやオータくんなど、次代を担う若手指導者たちには、そんな練習マッチに異を唱える研修会の開催を提案してある。参加する顧問の顔が見える研修会である。
もちろん、そんな練習マッチが計画されれば、何をさておいても参加させていただくつもりであるし、自分の今までの経験も、参加してくれた顧問の先生には伝えられるだけ伝えていこうと思っている。
シンムラくんやオータくんには、ぜひがんばってほしいと思う。

<追伸>
今週の例会では、またもやシンムラくんが役満をフリ込みました。オノちゃんに国士を振ったんです。シンムラくんとこは、決勝トーナメントでも勝つかもしれません。くわばらくわばら。