スーさん、九蓮宝燈の夢を見る

8月28日(金)

“ラララ九連~、ラララ宝燈~。ラララ九連宝燈~。
ラララ一萬~、ラララ九連宝燈~。
でも五萬だったら~ただの清一色~”(「九連宝燈の歌」より←そんな歌ないってば)
しかし、和了しなくてよかった。でなきゃ、生きて帰れないとこだったわけだし…。

毎夏恒例となった城崎極楽温泉麻雀ツアーは、今年は「超」多忙の本部連盟内田総長をお迎えして開催されることになっていた。
それに先立ち、「次期総長」カンキくんから、「せっかく神戸まで来られるんなら一緒に飲みましょう!」とのお誘いもあり、ならばと城崎行きの前日は神戸三宮にて小宴との日程を立て支部会員に通達したところ、オノちゃん、ヨッシー、シンムラくんの3名に加え、直前になって新人のオータくんも城崎行きの当日に現地集合するとの申し出があった。
かくして、今週月曜日の朝はいつもの鰻屋さんに立ち寄って土産の白焼きを積み込み、東名高速道から伊勢湾岸道、第二名神から名神と通って、われらを乗せたシンムラ号は一路神戸へと爆走したのであった。

神戸到着は昼少し前。昼食は、行く前から阪急春日野道駅高架下の「ひかりや」にて、「焼きめしモダン」を食べる、と心に固く決めていた。ヨッシーらはそれぞれ「そば焼き」、「ぶた焼き」とか「オムそば」とかを注文した。どれもこの上なくおいしい。そうして、最後に登場したのが「焼きめしモダン」。一品で鉄板のほぼ全面を占めてしまうほどの大きさである。中心部にはそばめし。その山を取り囲むようにお好みが裾野を広げている。その裾野がもっちりしておいしいことと言ったら!山のそばめしとのマッチングが絶妙である。最初に見た時には「こんなたくさん食べれんの?」との声も挙がっていたのに、あっという間に平らげられてしまった。ちなみに、「焼きめしモダン」はメニューには掲載されていない。『やっぱり神戸はモノがちがう』(エイ出版社)のおかげである。

満腹になって、とりあえずその日宿泊予定の三宮のホテルへ。チェックインはできないが、車と荷物を預かってもらう。
それはいいのだが、どうもこのホテル周辺が騒がしい。ホテルのロビーにも、どうも市井の人とはちょっと違う(服装とか)人たちが多く出入りしていた。なんだろう?と思ってフロントのおねーさんに確認したところ、どうやらそのホテルの向かいのビルで映画の撮影をしているとのこと。ビートたけし監督の映画らしい。どおりで、騒がしいはずである。

そんなこんなで夕刻、カンキくんらとの待ち合わせ時間に。と、「シャドウ」カゲウラくんから、「ちょっと早く着きそうなんで、ホテル行っていいすか?」とのメールが入る。程なく、ロビーにてカゲウラくんと再会。「内田先生の結婚式以来なんで、あんま久しぶりって感じじゃないっすね、でもこのホテルに出入りしてる人たちって何すか?」どうやら、有名人を見かけたらしかった。
そのまま待ち合わせ場所の生田警察前まで行くと、ちょうどカンキくんも到着したところであった。「あとはナガミツくんだけなんだけど、ちょっと遅くなるとか言ってたんで、先に行っちゃいましょう」と、カンキくんがその旨をメールしようとしていたところへ、どこかの釣り堀からの帰りと思しき、恰幅のいい人が登場した。「ジョンナム」ナガミツくん、その人であった。事前に「鰻の白焼きを持ってきますから、バッグとか用意しといてくださいね」と連絡をしておいたのだが、何と「ジョンナム」くんはそのまま釣りにでも行けそうなクーラーバッグを持参してきたのであった。「キミ、いったい何匹鰻を持って帰るつもりかね?」と周囲からの冷たい視線もものともせず、「持って帰れるだけいただこうと思ってます」と答える「ジョンナム」。

小宴は、生田警察署向かいの「天竺園」。上海料理と書かれた間口一間ほどの入口を入ると、店の至る所に色紙が貼られている。どうやら著名人が頻繁に訪れるお店らしい。
このところ、中華料理は浜松で四川風ばかりを食べていたためかやや淡泊な感じもしたが、料理はどれもこの上なくおいしい。「ジョンナム」ナガミツくんの機関銃のようなトークに大爆笑しつつ、ビールがどんどん進む。
適度に過ごしたところで、カンキくんのところにメールが入った。ヒラオさんとオーサコくんが合流できそうな案配らしい。
ならば三宮の駅近くに移動しようということになって、そのまま前回内田先生の結婚式の際に二次会で行ったバー「ローハイド」へ。ちょうどお店に到着したところで、ヒラオさん、オーサコくんと合流する。
ヒラオさんは、ちょうど先週の土曜日に「朝カル」にて内田先生たちと「監督術」についてトークしたばかりだった。いろいろと聞いてみたいことがあった。こういう話を肴にしながら飲む時は、急ピッチで酒が進む。つい調子に乗って強い酒を過ごしてしまった。
さらに三次会は東門街にある餃子屋さん。ここでも、水餃子や焼餃子をアテにしながらくいくいと焼酎を飲んでしまう。
さすがに夜も更けてきたということで、ヒラオさん、オーサコくんに別れを告げてホテルへと戻りつつも、
「も一軒行こうよ」と四次会へ。どこの何というお店に行ったのか定かではない。カンキくんに連れられるままに、そこではバーボンのソーダ割りをこれまた数杯飲んでしまった。

翌朝。天井がぐるぐると回っていた。すぐにシャワーを浴びて、ペットボトルの緑茶とかを飲んでみたのだが、そんな程度ではどうにもならないほどのひどい二日酔い状態を呈していた。
何とか朝食を取ってチェックアウト、新神戸駅に到着しているオータくんを迎えに行ってから御影へ。
内田先生宅に鰻を届け、そのまま先生をお待ちする。「じゃ行きましょうか」ということで、手前とカンキくんが先生のBMWに同乗さえていただき、一路昼食場所である出石を目指す。

内田先生からは、「スーさんは後ろで寝てなさい」とのお言葉を賜り、後部座席にて先生とカンキくんとの間で交わされるいろんなお話に耳を傾けつつ、時には会話に参入させてもいただきながら出石に到着。
出石の名物は「皿そば」。直径15センチほどのお皿にちょちょいと盛られた蕎麦を、とろろと卵と薬味を入れたそばつゆに浸して食す。一応5皿で一人前とのことだが、到底一人前では収まらない。最低でも2人前は食べてしまう。ちなみに、われらが立ち寄った「大門」では15皿以上食べると「粗品進呈」とのことであった。みんな粗品をいただいて出石を後にする。

城崎到着は午後3時少し前。旅館に荷物を置き、まずは外湯へ。ちょうど3時から入れるとのことで、いちばん近くの「御所の湯」へ。ここはミストサウナとかもあって、二日酔いを解消するにはもってこいの湯。たっぷりと時間をかけてアセトアルデヒドの分解作業を促進させる。おかげで、だいぶん楽にはなってきた。何とか体調を戻したい手前は、オータくんとさらに「まんだらの湯」もハシゴすることにした。

宿に戻るや否や、「さあ、麻雀しましょう!」との総長のお声掛かりで、卓がセットされて「城崎極楽温泉麻雀」はスタートしたのであった。
ルールは本部仕様。東南で2,3位抜けと決まった。最初の半荘はヨッシーが絶好調。反対に箱下に沈んだのはシンムラくんであった。この間、手前はまだ体調がもどらず、うたた寝をしながら戦局を見守ることに。
シンムラくんが沈んだのには理由があった。実は、われらの隣の部屋は、何と女子大生と思しき集団の部屋だったのだ。どうやら、シンムラくんは隣の部屋の動向が気になって仕方がないようだった。それで集中力を乱されたらしい。まだまだ修行が足りないということである。

夕食を挟んで、さらに麻雀。いよいよ手前の出番である。この対局中、とんでもないことが起きた。何と、親で「九連宝燈」と聴牌!(一萬と五萬のシャボ待ち、もちろん五萬なら清一色)してしまったのである。もう誰のリーチも関係なかった。でも、「もし和了ったらどうしよう、死んじゃうかも」とドキドキしていたのである。結局、その場はオノちゃんが自摸ってしまったので、九連宝燈は夢幻となってしまった。
これでツキに見放されたか、以後は和了することもほとんどなく、トータルの結果はビリ3位であった。3強はオノちゃん、ヨッシー、総長。3弱は支部長、カンキくん、シンムラくん。心乱されたシンムラくんは、ダントツのビリであった(自業自得)。

翌朝、朝食をたっぷりいただき、ヨッシーが用意して入れてくれたコーヒーをみんなで飲みつつ、先生からいろんなお話を聞く。朝食後の何とも言えないのんびりした時間がうれしい。話はつきないままにチェックアウトの時間に。
帰路、円山川沿いのいつもの土産物店に立ち寄り、その店の看板であった「カニのハサミ」のポーズで記念撮影。さらには、舞鶴道の六人部PAでトイレ休憩して、内田先生、カンキくんとお別れする。

何とも楽しい3日間であった。
特に、内田先生のお話をたっぷりと聞けたのが何よりであった。この旅で、またさらに内田先生のお考えの一端を知ることができた気がした。得難い機会であった。
何より、内田先生の屈託のない笑い声が忘れられない。
ふだんは「超」がつくほどの多忙ぶりであると想像される。でも、そんなことを微塵も感じさせず、周りの人たちを自然に楽しい気持ちにさせてしまう。サービス精神旺盛と言うよりも、先生自身がそのことを心から楽しんでいるという感じがする。
そうなのだ。みんなで楽しく過ごすことこそ、何よりも大切なことなのだ。
先生からは、そんなことを自然に教えていただいたような気がした。
いつもそう思うが、先生のお話を聞くと、何か力というかファイトが湧いてくるとような気がする。
自分も、少しでも先生に近づけるようになりたい!と思った。

総長、お忙しい中、ほんとうにありがとうございました。今夏最高の思い出になりました。
それから、カンキくんも前日の手配からいろいろとありがとうございました。
また来年ご一緒しましょうね!