スーさん、焼津へ行く

3月9日(月)

日曜日は、焼津周辺を逍遥。学校で学年所属のない教職員だけのプチ親睦旅行である。
メンバーがメンバーだけに、なかなか全員の都合をつけることは難しいのだが、本校事務主査の肝煎りで、ほぼ全員が参加して実現の運びとなった。
きっかけは、手前の「焼津の“かどや”ってホント何を食べてもおいしいんだよね」という一言であった。

焼津港すぐそばにある「かどや」は、だいぶん前に中高体連ソフトテニス部合同の指導者研修会を実施した際、地元高校の顧問の先生に教えていただいたお店である。研修会終了後、浜松から参加した顧問の先生方と一緒に行ってみた。焼津港すぐ近くのお店ということで、メニューは魚料理の定食が中心であったが、一品料理も品数豊富であった。いろんな先生がいろんな料理を注文した。どの料理を食べても抜群のうまさであった。手前は、どちらかというと刺身などは積極的には食べない方であるが、その刺身が絶品であった。日頃食べている刺身は何だったのだろう、お刺身っておいしいじゃん!と思えるほどだった。

そんなことをお昼時の職員室で話していたら、どうやらグルメの事務主査は密かに夫君と「下見」を敢行したらしかった。そうして、確かにおいしいということを確認した上で、そのときに食したものとは別のものも食べてみたいという欲望を抑えることできず、ならばと自分で着々と「焼津かどやツアー」の準備を進め、できるだけ多くの参加が見込める日程を決めて、再びかどやを訪れようと目論んでいたのだった。

手前は、この日曜日だけはエアポケットのように県選抜チームの練習が入っていなかった。「焼津かどやツアー」はその日に決定された。
交通手段は貸切のジャンボタクシー。これならば、昼から飲んでも「誰が運転するんだよう」ともめたりすることはない。
その他、立ち寄る場所等についてもよく考えられていた。
途中、「夜泣き石」で有名な東海道の「小夜の中山」に立ち寄る。
続いて、焼津市郊外の「花沢の里」を散策する。そうしてちょうど喉も渇き空腹を覚えた頃に、「かどや」へと傾れ込む。そうして、思う存分ビール&魚料理を堪能する。
腹も満ちたところで、お店のすぐ隣にある公共の入浴施設(露天風呂付き)にて入浴をする。
さらには、家族への土産ということで、「焼津さかなセンター」にて新鮮な魚介類を購入して帰る。
ざっとこんな旅程であった。いやはや、事務主査恐るべし。

さて、浜松駅にてジャンボタクシーに乗車、国道1号線のバイパスを一路焼津へ。
予定どおり小夜の中山に立ち寄って水飴を賞味し、焼津市内に入って花沢の里へ。
この花沢の里、焼津市の北部、東名自動車道の日本坂トンネルの近くにある隠れ里とのこと。
“日本坂は、『万葉集』にも詠まれた最も古い時代の東海道(やきべつの小径)で、奈良時代には、日本坂峠を越えるルートが東西を結ぶ幹線ルートだった。静岡市側の小坂からハイキングコースになった旧道を使い、日本坂峠を越えて焼津側に下ると、花沢の里があります。炭焼き小屋や水車が復元され、長屋門造りの家並みが軒を連ねる実に絵になる情緒あふれる風景に出会えます。村の家々の前には小さな水路があり見るからに涼しげな風景も一層、山間の村落の魅力となっています。”(@爺ちゃまのあちこち見てある記「時代屋」)
まさに、そんな説明どおりの鄙びた里であった。いたるところに植えられた菜の花は満開。他にも、山桜や家の軒先に植えられたスズランが可憐な花をつけていた。今は使われなくなった水車小屋も残されており、花沢川の清流と相俟って山里らしい雰囲気を醸し出していた。焼津の市内からちょっと離れているだけなのに、こんな山里があるとは知らなかった。

ちょうど小1時間ほどの散策を終えると、猛烈に空腹感を覚えてきた。
そのまま待望のかどやへ。
既に、店内には空席待ちの客が数名入口付近で待っていた。お店からは事前に予約を入れておいてくださいと言われたそうだが、宜なるかなというところであった。
すぐに座敷に案内されると、予め注文しておいた刺身の盛り合わせ、金目鯛の煮付け、桜海老のかき揚げが次々と出されてくる。こんな料理を前にして躊躇することはできない。すぐに全員ビールで乾杯し、ほとんどものも言わずにそれらの料理に舌鼓を打つ。「うまい!」という言葉ももどかしく、目の前の料理が次々と平らげられてゆく。
「で、そろそろパート2の追加注文ですかあ?」と誰彼なしに言い始めると、それぞれに「鰹の土佐づくり!」、「鮪カツのおろしポン酢!」、「白子のポン酢!」、「のどぐろの煮付け!」、「あん肝!」などと、次々に注文が追加されていく。いやはや、恐るべき食欲である。

手前は、魚料理の時には日本酒をいただく方がよい。で、日本酒を注文した。2種類の日本酒しか置いていないとのことであった。「女泣かせ」と「磯自慢」である。安価な後者を注文した。冷やだったのだが、これがまたたとえようもなくおいしいし、魚料理にぴったり合う。
寡聞にして知らなかったのだが、この「磯自慢」、昨年の洞爺湖サミットの際に食前酒として提供されたお酒だったらしい。それまでも、知る人ぞ知る地元の名酒だったらしいが、以来人気が出て簡単には手に入らないお酒になったらしい。
地元でも、「磯自慢」は料理がおいしいと評判の店にしか置いてないとのことであった。そんなお酒が飲めたとは、これまたラッキーであった。
結局、追加注文も含め11品目を平らげて、今回のプチ旅行の主目的である「かどや体験」は終わった。

食後は、お店のすぐ隣にある入浴施設へ。
満腹のお腹をさすりつつ、午後の日光が差す露天風呂に入る心地よさ。得も言われぬ満足感に包まれる。入浴後は昼寝ができればもう何も言うことはなかったのだが、そうもいかない。
この日の最後の目的地、「さかなセンター」へと向かい、新鮮な魚介類を土産に購入して帰途に就く。
年度末の多忙な折、いい気分転換になった小旅行であった。

えーと、みなさまも焼津にお越しの際には、ぜひ「かどや」へ行かれることをオススメします。
お店のHPとかありませんが、「焼津」「かどや」で検索してみればすぐに関連情報をゲットできると思います。ほんとうにおいしい魚料理とお酒が、リーズナブルな価格で堪能できます。ぜひ。