スーさん、伊豆長岡にゆく

1月19日(月)

土曜日は、県中学生選抜男子ソフトテニスチームの練習で伊豆長岡へ。
県選抜女子チームが使用する予定で予約していた伊豆長岡の体育館だが、急遽女子チームが埼玉県まで遠征することになったとのことで、「じゃ男子に回してよ」とヨッシーがお願いして借用可能になったのである。

伊豆長岡は、伊豆半島への玄関口に位置する。町の中央部にある源氏山を挟んで、東が源頼朝も訪れたと言われる古奈温泉、西が明治36年に発見された長岡温泉街で、併せて伊豆長岡温泉と呼ばれている。平安時代に伊豆へ流された宮人がこの地の景観を見て「京の長岡によく似ている」と喜び、命名したのが町名の起こりとか。「温泉としては比較的新しい長岡だが、無色透明でクセのない優れた泉質は評判高く、幅広い客層で賑わっている。」(@温泉ナビ!)とのこと。

浜松から伊豆長岡までは車で2時間半ほど。「せっかく行くんなら、温泉に入って朝のんびりできる方がいいっす」という「県選抜スタッフお抱え運転手」シンムラくんの意見具申を多として、前日金曜日の夕方に浜松を出発することにした。
メンバーは、監督・「主務」ヨッシー・「運転手」シンムラくん。コーチのオノちゃんは、土曜日がPTA行事で出勤だそうで、「土曜日宿泊にしましょう!」と訴えたが監督が却下、地団駄を踏みながら泣きの涙で当日合流ということになった。

その金曜日、東名浜松西インターに入ったのが午後6時ちょっと前。宿舎到着が遅くなりそうだったから、途中で夕食を取っていくことにした。伊豆長岡の近くとなれば、もちろん沼津。沼津港のお鮨屋さんか食堂「丸天」だ。鮨店の方は閉店が早い。午後8時過ぎにはもうラストオーダーである。でも、渋滞さえなければ何とか8時前には到着できそうであった。
午後7時半、沼津インターを出てまっすぐに沼津港へと向かう。駐車場に車を入れ、「まだやってるかなあ」と心配しつつ食堂街へ出てみると、やはり鮨店は明かりが消えつつある。迷うことなく「丸天」に。
その丸天、ちょうど夕食客が引けた時間帯だろうか、店内は空いていた。さっそくメニューを見ながら注文する。

よほどお腹が空いていたのだろう、ヨッシーは「マグロ三昧ご飯なし」・「岩海苔」・「下足揚」と次々に注文し、さらに「上天丼」を付け加えた。旺盛な食欲である。手前は「刺身盛り合わせ定食」と「かき揚げ」。シンムラくんは、手前の注文したかき揚げを食べればいいのに、「かき揚げ丼」を頼んだ。たぶん、かき揚げを独り占めしたかったのだろう。欲の深い男である。
ヨッシーの岩海苔と下足をつまみにして、生ビールを飲みつつ待つこと暫し。まずは手前の「刺身盛り合わせ」が出てきた。皿の大きさがほとんど新聞紙1面を半分に折ったほどである。その皿に、マグロをはじめとする各種刺身が盛られている。ご飯はどんぶり。2杯までは無料でおかわりができる。美味しい刺身がいかに温かいご飯にマッチするか、ご存じの方は多かろうと思う。もちろん、すぐにお代わりをすることになった。
その間、シンムラくんはどんぶりの上に「まるで茶筒のように」立ち上がっているかき揚げと格闘していた。「食っても食っても、下のご飯が見えてきませ~ん」と、まるでかき氷を食べるように、かき揚げに天つゆを掛けながら食べていた。
ヨッシーも、「マグロ三昧」はすんなり食べたようだが、どうやら最後に注文した「上天丼」のボリュームに圧倒されているようであった。「ううう、ご飯を食べるつもりで頼んだ天丼の、そのご飯が食べられな~い」と泣きが入っていた。食べ物でヨッシーが立ち往生するところを初めて見た。
かくして、「く、苦しい」とか、「かき揚げはもう1年はいらない」とか、「このままじゃ温泉入れな~い」と泣き言を言いつつ、丸天を後に。
いやはや、「丸天」恐るべし!

宿舎到着後は、まっすぐに本館の大浴場へ。ぬるま湯から始まって、ジャグジーや露天風呂、サウナなど合わせて6種の風呂が堪能できる。
「昼間仕事してたことがまるでウソのようですよねえ」とシンムラくん。星を見ながら露天風呂に入るこの上ない幸福感をご想像いただけようか。
体の芯から温まって部屋に戻り、そのまま爆睡。

翌朝、素泊まりだったので近くで外食するつもりで出掛けようとすると、「よろしければ無料ですのでどうぞ」とフロントで紙包みを渡された。中にはまだ暖かいおにぎりが2個入っていた。朝食ならこれで十分である。よい宿であった。
練習は9時からだったので、その前にもう一度本館にて朝風呂。昨晩とは浴場が男女で入れ替わっていた。得した気分で、そそくさと入浴。朝陽を浴びながら湯煙の中で入る檜風呂!思わず、風呂の中で呼吸法を試してみたくなった。そうやって湯船に浸かっていると、何やら生命力が高まってくるような気がした。
いやはや、伊豆長岡温泉恐るべし!

「天気はいいし、もうこうなったら練習なんかどうでもいいから修善寺まで行っちゃおう!」とか、「西伊豆堂ヶ島で遊覧船に乗ろう!」とか、勝手なことを言い出す監督を無視してシンムラ号は体育館へ。
今回の練習では、来月に富士宮で予定されている研修大会に出場する団体2チーム6組を選ぶことになっていた。今までの布陣から3組6人が外される。どの選手もすばらしいパフォーマンスを持っているだけに、その選考は容易ではなかった。
午前中の練習を見ながら、昼食時にスタッフでミーティングを行ってメンバーを絞り、午後はオノちゃんも到着するので、試合でのパフォーマンスを見て選考することにした。おかげで、何とか選手選考を終えることができた。

それにしても、回を重ねるたびに親しみが増していく選手たちである。彼らと一緒に試合に臨めるこの身の幸せを思う。
都道府県対抗戦まであと2ヶ月あまり。いい準備をして臨みたい。

<追伸>
かように、県選抜チームの練習に伴って宿泊やら飲食をしてはおりますが、当然のごとくその御足は自腹でありまして、スタッフだからと言って何らかの補助があるということは一切ありません。時々、主務のヨッシーが交通費等を補助してくれることはありますが、それとて高速代の半額にも満たない程であります。と言うか、そうした堅いところがあるからこそヨッシーが任命されたわけでして。念のため。

文中、「丸天」と、入ったお風呂のHPを載せておきます。機会があればお立寄を。
「丸天」
http://www.uogashi-maruten.co.jp/menu/index.php
「サンバレー伊豆長岡」
http://www.izu3800.jp/newpage/spa-ichinoyu.htm