スーさん、監督する

12月25日(木)

この2日間、「第18回東海中学生ソフトテニスインドア大会」に参加するため、愛知県は西尾市にまで出張っていた。
この大会に出場するのは実に12年ぶり。以前出場した時にはそんなことはなかったのだが、いつのころからか、この大会は全国都道府県対抗戦に出場する候補選手ばかりで構成されたメンバーにて行われる大会となっている。

出場チームは、愛知県を除く東海3県から各3チームずつ、それに開催地愛知県の4チームを加え、計13チームの団体戦で行われる。
どの県も、来る都道府県対抗戦を念頭におきながら、その選手選考も兼ねてトップレベルの実力を有する選手ばかりを揃えて大会に臨む。
特に、ジュニアの盛んな三重県チームなどは現時点で既に全国レベルにあると言ってよく、実際に今夏の全国大会に2年生ながら出場した選手もエントリーされている。そんな大会だから、はたしてわが静岡県チームがどの程度のパフォーマンスを発揮できるのか、楽しみ半分、心配半分の気持ちであった。
昨年の静岡県チームは、ベスト8に1チーム入ったとのことであった。何とか今年はそれを上回ればと思いつつ大会を迎えた。

この大会に備え、A・Bチームは富士宮で、Cチームは浜松で練習会を行った。
Aチームの監督は富士宮のオノダくん、Bチームはヤマガタくん、Cチーム監督はオノちゃんに任せてある。自分が直接率いるチームはないものの、せめて浜松で行われるCチームの練習会場くらいは提供せねばなるまいとの思いで、先週の土曜日は本校で練習会を行った。
ストロークの練習に始まり、前・後衛別の練習やら、コンビネーション練習、午後からはゲームを行った。監督のオノちゃんに加え、コーチのシンムラくんも、ボール出しをしながらそれぞれ気がついたことを選手たちにアドバイスしていく。やはり選抜されただけのことはあって、ちょっとしたアドバイスでも見る間にプレーが変わってくる。もちろん、手前も気がついたことはその場で指導するようにした。
練習の最後には、監督のオノちゃんから「いやあ、試合が楽しみっすよ」という言葉が聞けた。それなりの手応えを感じたということであろう。そうして、実際に試合ではそのとおりに事が運んだのであった。

初日は予選リーグである。
Aチームが、岐阜B・三重C・愛知Dの4チームリーグ。Bチームは、岐阜A・愛知Cの3チームリーグ。Cチームは、愛知A・三重Bの3チームリーグに組み合わせられていた。
予選リーグの結果(1・2位)によって、翌日の決勝トーナメントに入る場所が決まってくる。3・4位は、同県対戦とならないよう抽選によって予選1・2位チームと対戦することになっていた。

第1試合はAチーム、相手は地元西三河の選抜である愛知Dチームであった。
トップは、主将である富士宮のW選手のペア。第1試合ということもあってか、どうも前衛選手のミスが目立つ。1ゲーム目から接戦となり、結局タイブレークにまでもつれ込んでしまった。それでも何とか勝つことができた。
続くペアは、副将である三島K中のS選手のペア。難なく3ゲームを連取するが、そこからミスが目立ち始め、この試合もタイブレークになってしまう。そのタイブレークは、終始リードを奪って勝つことができたが、すっきりとしない勝ち方であった。
3番は、先月末の県大会個人優勝のペアである。楽勝だろうと思っていた。ところが、どうやら二人ともインドアの微妙なボールのバウンドにアジャストしないらしい。目を覆わんばかりのミスが重なって敢えなく敗戦。先が思いやられた。

続く第2試合ではBチームが登場した。相手は愛知C。しかし、どうもミスが目立つ。何より、後衛選手がボールを持てない。前衛も自分からボールを追うこともなくポイントできない。結局、3チームとも相手のなすがままに敗戦となってしまった。

気を吐いたのはCチームであった。
初戦、相手は愛知A。しかし、怯むことなく向かっていき、トップのS中O選手のペアはストレート勝ち。続く県個人準優勝後衛であるI選手のペアも、失ゲーム1で完勝。3番こそストレート負けしたものの、2-1の勝利であった。
Cチームの勢いは止まらない。続く相手は三重B。今夏の東海大会にも出場したペアを擁する強敵である。ところが、この相手にもO選手のペアは失ゲーム2で勝ち、続くI選手のペアは何とストレート勝ちして、予選1位通過と同時にベスト8入りも決めてしまった。監督のオノちゃんもしてやったりと満足げであった。

逆にAチームの方は、次の三重Cにはストレート勝ちしたものの、リーグ最終戦の岐阜Bに1-2で敗れてしまい、予選2位でのリーグ通過となってしまった。その結果、決勝トーナメントでは1回戦を突破すると、優勝候補の三重Aと対戦することになってしまった。

さて、決勝トーナメントである。
まずはAチーム。1回戦の相手は、前日対戦した愛知D。今度は苦戦することなく2回戦へと進んだ。
しかし、2回戦の三重Aには、それぞれゲームは取れたものの0-3での敗戦となってしまった。全国レベルの前衛選手を相手にどう配球するかということなど、今後の課題がはっきりした敗戦であった。

Bチームの相手は、前日Aチームが負けた岐阜B。しかし、前日とはうって変わってBチームのどのペアもテンポのいい試合ぶりである。健闘むなしく敗れはしたものの、トップが接戦をものにしていれば十分に勝てるチャンスもあったと思われた。

Cチームは、岐阜Cを接戦の末に倒した愛知Bとの対戦であった。初戦での勢いそのままに向かってくる手強い相手になりそうであった。3番勝負になることも十分に予想されたため、前日の予選リーグで真ん中に置いていたペアを殿にするオーダーで臨むことにした。
トップ、O選手のスピードボールは悉く止められ、前衛も活躍の場がなく敗れてしまう。
続く相手の2番は、後衛がよく切れるカットサービスを打つペア。しかし、こちらの後衛がうまく配球し、前衛もいいところで飛び出してポイントを重ね、ゲームカウントを3-0とリードする。しかし、ここから相手が粘り出した。こちらも、何度かマッチポイントを握るのだが簡単に決まらない。見る間にゲームはタイブレーク。そのタイブレークも、ポイント5-5まで競ったのだが、最後はこちらの前衛のボレーミスでゲームセット。
3番は、こちらのI選手のペアが楽勝しただけに、何とも惜しい敗戦となってしまった。

その後、勢いに乗る愛知Bは、決勝戦で三重Aをも3番勝負の末に倒して優勝してしまったと聞いた。ということは、Cチームのパフォーマンスがいかに高いものであったかということが裏打ちされたということでもある。オノちゃんも面目躍如というところであったろう。

目指す都道府県対抗で1勝を挙げることにはまだほど遠いが、今回の遠征が大きなヒントをくれたように思う。それは、スタッフ共通の思いでもあろう。

がんばろう。