スーさん、芝生のコートについて考える

11月4日(火)

以下は、先月末のニュース。

“文部科学省は28日、サッカーくじ(toto)の収益によるスポーツ助成金の配分先を決める中教審特別委員会を開いた。来年度から小中高など公立学校の校庭を芝生にする事業を対象に加えることを決めた。くじを運営する独立行政法人日本スポーツ振興センターが年内に、全国の自治体に希望を募る。(…)従来も公設の野球場やテニスコートなどの芝生化は助成してきたが、校庭への助成は初めて。芝生にすると「けがをしにくく、年齢を問わず緑に囲まれて運動を楽しめる」(文科省)とされ、特別委も「国民に身近な助成制度とする上で有効だ」と校庭芝生化への助成を支持。放課後や休日に校庭が地域住民のスポーツ活動に開放されていることを条件に、対象に加える。小中高だけでなく、公立の幼稚園や特別支援学校も助成対象になる。”(@47News)

芝生ですか。

いいっすね。
でも、誰が管理するんです?
専用のキーパーとか配置してくださるんで?
じゃないと、夏休み明けとか、雑草だらけになりゃしませんかね。
冬の間に枯れて、そのまま春になっても再生しなかったとか。
ってか、枯れない芝生を植えていただけるんでしょうか?

でも、今、公立学校に必要な助成って、ほんとうに「芝生」なんですか?
文科省のお役人様方は、本気でそんなことを考えてらっしゃるんでしょうか?

時には、以下のような新聞社説の一説もご勘案願いたいのですが。

“文部科学省が昨年公表した公立学校の勤務実態調査結果で、小中学校教員の残業時間が平均2時間に及ぶことが分かった。また、日教組による最近の調査でも、先進国と比べて授業以外の業務が際立って多いことが明らかになっている。現実に、教員は本来の学習指導以外に、いじめ問題や親への対応などに追われている。多忙で厳しい状況にさらされて心を病む教師も後を絶たない。「教師にゆとりを」との声も高まっている。そのためには、教職員の定数増が有効な解消策に違いない。”(@神戸新聞)

ちなみに、本校教員の週あたりの平均授業持ち時数は19.9時間。週28コマで時間割を構成しているので、何とか日に1単位時間(50分)は職員室で執務できる時間を確保し得ている計算になるが、日に2単位時間の執務時間(通称「空き時間」)はほしいところだ。そうすれば、教科に関することも学級事務に関することも執務する余裕ができる。

では、どうすればそんな余裕ができるか?
もちろん、神戸新聞の論ずるように、「教職員の定数増が有効な解消策」であろうことはまちがいない。

公立義務教育諸学校の教員定数は、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」という長ったらしい法律によって規定されている(第7条)。
これは、「学級総数」に「当該学校規模に応ずる(第7条の)表の下欄に掲げる数」を「乗じて得た数(1未満の端数を生じたときは、1に切り上げる)の合計数」によって、教員数が決定される仕組みになっている。例えば、本校の総学級数は12なので、12×1.720(表に掲げられた数)=20.64、つまり教員定数は21人となる。
さらには、「指導法の工夫改善が期待できそう」と教育委員会に認められた学校には、地教委の「推薦」という形で、「加配」という増員をしていただけるシステムもある。これは、たとえば「来年度は1年生の英語と2年生の数学で全ての時間をTTで実施するよう計画してます。ついては、週あたり24時間も授業時数が増えてしまいます。」などと書面にして懇請すると、それに見合った教員が増員される(その関係書類を全て作成するのが教務主任の仕事である。うげげ。)という仕組みだ。
でも、そんなややこしい手続きを経てでも、教員を増員してもらいたいというのが現場の願いなのである。

現場にとって何よりうれしいこと、それはゆとりをもって授業や行事指導などができるようになることである。そのためには、教材研究や学級事務、校務分掌を処理する時間を確保することが必須となる。そのためには、まずは教員の定数を増やしてほしいのである。芝生はそのあとでいいのだ。

ま、いっか。
芝生のテニスコートってか。
それもいいかもな。
芝刈り機持参でコートへってか。
おしゃれだ。