スーさんの連休

10月15日(水)

4連休だった。
ん?3連休のまちがいでしょ?って。
それが4連休にさせてもらったんです。いえ、火曜日は年次有給休暇をいただいたってわけで。

土曜日は、旧浜北市を除く浜松市の市民スポーツ祭ソフトテニス大会中学校の部。新人戦の個人戦版とも言える大会である。各校からは5組ずつ、男子は計160組が参加してのトーナメント戦。ベスト32に残れば県西部地区大会に出場できる。
結果は、大将ペアが準々決勝で敗退して6位、もう1組の2年生ペアが2回戦を突破してベスト32入りして西部大会出場を決めた。他の3組はいずれも1年生が入っていたためか、残念ながら2回戦までで全て敗退してしまった。ま、こんなものであろう。

この日はすぐに自宅に戻り、この日休みだった妻と連れ立って映画を見に行くことにしていた。夫婦50歳割引きなら、1人千円で映画を見ることができるからだ。上映予定を確認すると、ちょうど「20世紀少年」がいい時間帯だった。「ちょっと早めに行って、軽く何か食べてから見ようよ」ということになった。
映画は面白かった。
何とも懐かしい思いにさせられた。主人公たちの少年時代が1970年代に設定されていたため、「そうそう、そうだったそうだった」など激しく頷かされる場面が多く見られた。ぜひ第2章以降も見てみたいと思った。

翌日曜日は、来年1月に予定されている市町村対抗1年生団体戦(ダンロップ・カップ)に出場する浜松市の代表選手選考会。
終日、勝てば上位コート、負ければ下位コートへと落とされる熾烈なサバイバルゲームが展開された。この時期、何と言っても小学校からのジュニア経験がある選手が強い。旧浜北市や天竜市の選手ばかりが目立った選考会だった。
終日運営に当たっていたシンムラくんやオータくんに、ジュニア選手にも負けない選手づくりをしていくための方策を考えるようハッパを掛ける。

その日の夜は久しぶりに支部定例会。
昨年もそうであったが、どうも秋口からツキに恵まれない。このところまたもやオノちゃんの猛追を受け、一時期100以上も離れていたトータルのプラスもほとんど差がない状態に並ばれた。それにしても和了れない。逆に、振り込むと大きい。まるで今季の阪神みたいだ。ってことは、トップにはなれないってことか。
途中、あまりの睡魔に襲われ、東回し2位抜けでやっていたので、「ゴメン先に帰るわ」と退出させてもらう。2日続けての試合で疲れていたのかもしれない。

さて、月曜日(体育の日)は、前々から妻と日程調整をして「ここしかない!」ということで決めた大沢温泉行。今年で3年目になる。
西伊豆松崎から那賀川沿いに山あいを東上、「ホテル」とは銘打っているが語感とは異なって歴史ある庄屋屋敷をホテルに仕立てた「大沢温泉ホテル」。
ライフプラン休暇で初めてこの宿に投宿し、得も言われぬ奢侈感と懐旧の情を引き起こされたことを契機に、妻と「これから毎年この宿に来よう」と約束して迎えた3年目。
昨年は、西伊豆の風光と佳肴を堪能させてもらった。今年は南伊豆がテーマである。

プリウスのナビに行き先を数カ所インプットし、ドライブミュージックのためのiPod touchとFMトランスミッタをセットして一路伊豆半島を目指す。
最初の目的地は「天城越え」でも有名になった旧天城隧道。事前に、ヤイリくんから「駐車場から歩くとけっこう距離あります」と聞いていたのだが、妻が「でも1.8キロでしょ?」と言うので、駐車場から歩くことにした。
歩き始めはよかった。「おお、いい感じじゃん。伊豆の踊子が通った道って感じだよなあ」などと軽口を叩いていた。ところが…。行けども行けども目指すトンネルは見えてこない。もちろん、道は登りなので足も息も苦しくなってくる。と、そのうちに上から車が降りてきた。「え?車で行けるのかよ」と知った瞬間から、急に歩く意欲が失せた。「な~んだ、車で来ればよかった」とぶつぶつ不平を言いながら歩く夫を傍目に見ながら、妻は「へえー、川の水きれい」などと嘆賞しつつ、スキップ交じりで歩いている。不平のない人である(だからこんな夫でもうまくやっていけるのだろう)。
ふうふう言いつつ、ようやくトンネル入口に辿り着いた。向こうに出口が見えた。せっかくだからとトンネルに入っていったのだが、ちょっと歩いただけでもう足下も何も見えない暗闇となった。妻は出口まで歩く意欲十分であったようだが、「もヤメよ」と引き返すことにした。

車に戻ると、正午を30分ほど回っていた。近くで昼食をとも思っていたのだが、事前に下田の昼食場所を調べていたこともあり、そのまま河津ループ橋を通って下田まで南下することにした。
1時間後、目的の店に到着した。下田港すぐ近くの「魚どんや」という回転寿司店である。
店の前まで行ってみると、何と店の外まで行列ができている。「どうする?」と顔を見合わせたが、妻が「どのくらい待つか聞いてくるね」と店内に入っていった。すぐに手招きをした。「あんま待たないみたいよ」と言うので、そのまま店内で待つこと10分ほど。ようやくテーブル席に案内された。もちろん、お目当ては地魚の握り。まずは金目鯛からいただくことにした。大沢温泉ホテルの夕食はボリュームたっぷりなので、あまり食べてはいけないと了解しつつも、「おお、これうまそう」とつい手を出してしまう夫婦であった。

ビールを飲んだ夫に代わって、そこからは妻がプリウスを運転する。そのまま大沢まで向かってもよかったのだが、翌日は雨が予想されていたので、何とか天気のよいうちにと半島最南端の石廊崎まで行ってみることにした。
ここでも、灯台まではずいぶんな坂を登るハメになってしまった。しかも、今度はビールが入っている。5メートルほど登っただけでイヤになってしまった。妻は呆れていた。
ようやくの思いで灯台まで辿り着いた。絶景!であった。来た甲斐があった。やはり、苦労しなければすばらしい結果は得られないということである。

下田から大沢までは、まっすぐ行ける道がない。「来た道を戻るのはちょっと芸がないかも」ということで、ナビを無視して道路案内に従って大沢まで行くことにした。これがとんでもない山越えになった。すれ違いも儘ならぬ狭い山道を、「も~!」と言いながらプリウスを駆る妻。その横でうつらうつらしながら「まだ着かないの?」と間抜けなことをほざく夫。

ようやく大沢温泉ホテルに着いたのは午後5時であった。もちろん、すぐに風呂へと直行である。
風呂に行くと、一人先客がいた。程なく、貸切となった。源泉掛け流しの湯を独り占めするこの贅沢を何と表現しよう。しかも、大沢の湯は掛け湯が必要ないほどに優しい湯温である。まさに「癒しの湯」である。そのまま半身浴やらを繰り返してほぼ1時間。でも、のぼせない。たっぷりと堪能して部屋に戻ると、ちょうど夕食の用意がされているところであった。
ここの夕食は、ほんとうに品数豊富である。さすがに、最後のデザートまでにはかなり時間をかけないと辿り着くこと叶わなかった。またもや、「お昼あんなに食べなきゃよかったね」と後悔する夫婦であった。
8時からはこの宿恒例の餅つきがあるのだが、それをパスして(逆にその時間ならまた風呂が貸切になる)大浴場へ。妻は夜が女性専用となっている屋上の露天風呂へ。
帰って来るなり「今夜って十五夜の月でしょ?すばらしいわよ!」と一頻り感心している。屋上の露天風呂は「満天の湯」と命名されている。しかし、それを堪能できるのは女性だけなのである。
湯上がりに冷えたオリーブ茶を飲みながらの四方山話に、伊豆の夜は深々と更けてゆく。
翌朝は、もちろん男女交代なった屋上の露天風呂へ。ここでも貸切状態で、朝の清々しい空気と鳥の囀りを愛でながら掛け流しの湯に浸かる。
確かに、大沢温泉ホテルは建物そのものは古いし(逆にそれが売りということもある)、他のホテルのように部屋付き露天風呂とかがあるわけでもない。でも、この湯だけは、たぶん伊豆半島のどの温泉にも負けない湯なのであろう。
そうなのだ。この湯に入りたいがために、また大沢温泉ホテルに来たくなってしまうのだ。

「また1年後ね」と大沢温泉ホテルを後にして、再び下田へと向かう。
下田港をめぐる遊覧船に乗ろうという目論見である。港に着くと、船が出たばかりだった。次の出航時間を確認して、それまで「開国博物館」を見学することにした。なかなかの展示であった。十分時間をかけて見る間もなく、遊覧船の出航時間が迫ってきたので港へ。
遊覧船は黒船を模して蒸気帆船を装っている。小雨が降ってきたが、それでも乗船客は20人ほど。カモメに見送られながら堤防の外へ出、ペリー艦隊が投錨したといわれる場所を遠くに見ながら、ぐるりと港を巡ること20分。吉田松陰が金子重輔とともに船を漕ぎ出した場所も見ることができた。
下船後、その場所へ行き松陰と重輔の像のあるところで写真に収まって下田を後にする。

帰りは、天城峠の道の駅で天然の山葵を購入しただけで、下田街道をひらすら北上する。昼も1時を過ぎて沼津港に到着、いつも行列ができていて入店叶わなかった「丸天食堂」にて、ボリュームたっぷりの昼食。
もちろん、そこでもビールを飲んでしまった夫に代わって、この日から集中工事が始まって渋滞必須の東名を避け、その影響でこちらも渋滞する国1をひたすら自宅へ向かってプリウスを駆る妻。どうやら、今回はこの構図がお決まりのようになってしまった。
東名は、清水・静岡間が渋滞していた。日本坂トンネルの手前では15キロ渋滞との情報も得ていた。そこで、沼津から焼津までは国1を走り、焼津から掛川までは東名を、掛川から袋井まではまた下道、最後は袋井から浜松西まで東名というドライブプランであった。
それにしても時間がかかった。ようやく家に辿り着いたのは午後6時。がんばって運転してくれた妻に感謝したい。

こうして、今年の大沢温泉行も終わってしまった。
来年が待ち遠しい。

<追伸>今回の旅行で撮った写真をmixiにアップしました。マイミク登録されてる方は、よろしければご覧ください。