この国はどうなっておるのだ。スーさん激昂す

6月2日(月)

5月最後の土曜日は、県の高校総体ソフトテニス競技(団体戦)の応援・見学のため、選手たちを伴って県営草薙テニスコートへ。

応援するのは、もちろん沼津K学園高の女子ソフトテニス部。前任校で中2まで教えたK選手が、レギュラーで出場するということもある。それより何より、監督であるスガイ先生の応援である。見学は、この大会がソフトテニスをしている県内高校生の最も真剣に勝負に挑む大会で、そんな高校生たちのひたむきな姿から、実際に自分たちが試合に臨む際の何かしらの示唆が得られれば、と願っての見学である。

例年だと、静岡駅まで東海道線、さらに新静岡駅から静鉄に乗り、運動場前駅にて下車して草薙テニスコートまでと辿っていた。ところが今年は、一緒に行くオノちゃんから、「静岡駅だと新静岡駅まで歩かなきゃいけないし、新静岡からもけっこう時間かかりますよね、だけど、東海道線でそのまま草薙まで乗ってしまえば、降りてすぐに静鉄の駅があるから、そこから2駅戻れば運動場前です」と聞いていた。もちろん、そのルートで行くことにした。

当日は雨が心配されたが、浜松を出るころには小止みになっていた。雨だと、見るのも難儀するが、試合をする方も思わぬ番狂わせが出来したりする。そんな心配がないだけでもよかった。会場に到着すると、既に1回戦も終わろうかというところであった。

生徒たちに帰りの集合のことやらを連絡して解散させ、とりあえずスガイ先生を探していると、ちょうどK学園高が試合をしているところであった。観客席で見ていたコーチのイデさんに聞くと、何と初戦から3番勝負になっているとのことであった。試合後、スガイ先生と話をした。どうも全体的に出来はよくないとのことであった。

2回戦、オーダーで真ん中に置いている2年生ペアがタイブレークの末に敗れて、またしても3番勝負となった。スガイ先生もこうなることを予想していたのだろう、殿には一般選手も交えた県の選手権大会で3位に入賞した3年生ペアを置いていた。難なく勝ってベスト8。

準々決勝の相手は第1シードのS商高。さすがに2回の敗戦ということもあり、調子の出なかった2番の後衛選手を替えて臨むと、今度は3番まで回ることなく、K学園高のベスト4進出が決定した。準決勝の相手は、第4シードのF高。確か、県東部予選でも負けている相手だ。2面同時進行の試合だったが、どちらのコートも競り合いになっていた。が、要所でミスが出たのがK学園高、対してポイントをもぎ取っていたのがF高という展開で、結果F高が勝って決勝戦へと駒を進めた(結局、F高はそのまま優勝した)。K学園高は、敗れはしたものの主力は1,2年生たちである。来年以降が楽しみと言えよう。

決勝戦は、男子を観戦した。前日の地元紙の予想どおり、FK高とM高との対戦となった。注目していたのはM高である。女子の試合の合間にちらとみたM高、気迫十分の試合ぶりであった。スマートな戦いぶりのFK高に、M高が気迫を前面に出してどれだけ挑めるかというところが見どころであった。

試合が始まった。FK高大将ペアには、さすがのM高も太刀打ちできない。しかし、逆にM高の大将ペアも鎧袖一触でFK高ペアを退け3番勝負、しかし、M高の3番にはとんでもない後衛が控えていた。目の覚めるようなスピードボールをびしびしと打ち込み、ショートボールを打たされてもそのままネットに前進、スマッシュを決めてしまうという。かと言って、前衛選手を攻めても、ディフェンスは強固で、近くに打ったボールも悉く跳ね返されてしまう。FK高ペアもお手上げであった。かくして、M高2年ぶりのインターハイ出場が決まった。

それにしても、M高の選手たちの試合ぶりは見事であった。気迫でボールをコートにねじ込んでいくよう、とも形容できるようなプレーの連続であった。まさに、「心は技術を超える」と言えようか。試合で気迫を前面に出すことも技術というならば、高い技術を身に付けていると言えるのかもしれないが、そうでなければ、気迫が相手の技術を圧倒したということであろうと思う。見習うべきこと、考えさせられることの多い試合であった。来てよかった。

最近、自分の中で、ソフトテニスの試合を見る視点が違ってきたように感じる。どこがどうと、はっきりとは言えないのだが、純粋にゲームそのもの、競技そのものを楽しんで見られるようになってきた。今までは、どうしても「教えること」という視点で試合を見ていたように思う。どういう技術を教えればこのような試合ができるようになるのだろうと思いながら試合を見ていたから、どうしても試合を楽しむというような見方ができなかった。今はそうではない。そのことが、今後の自分のコーチングにどう影響してくるのか楽しみに思う。

明けて日曜日、実は誰か同伴者がいれば、この日は横浜スタジアムにて行われる「ヨコハマボウル」に行こうと思っていた。昨年の甲子園ボウルの再戦、わがKGファイターズと日大フェニックスとの試合が予定されていたからだ。キックオフは午後1時半。昼前について、中華街で美味しい料理に舌鼓を打ちながら飲み、ヨイヨイになってスタジアムへと繰り出してフットボール観戦。何とゴージャスな!でも、誰も行こうと申し出がなかった(涙)。妻は仕事だった。「もっと早く言ってくれれば行けたんだけど」と。まあ、今度の土曜日は県の選手権があるし、それに備えて練習もやらなきゃとも思っていたから諦めもついた。

で、午前中は練習。さすがについ前日に高校生たちの気迫あふれる試合ぶりを見たばかりである。声は出るし、ボールのスピードは速いし、高校生効果はてきめんである。百聞は一見に如かずとは、まさにこのことであろう。あとは、実際の試合でM高のような気迫が前面に出せるかどうかだ。

練習が終わって帰宅、そのまま前日DVDに録画しておいた映画を見る。BSでやっていた「鉄人28号 白昼の残月」である。懐かしかったが、どうもストーリーがよくわからない。思わせぶりな描写や不要と思われる場面も多かった。脚本の所為だろうか、後半登場して鉄人に木っ端微塵にされるロボットたちも、別に登場しなくてもストーリー展開に影響はないように感じた。

半分昼寝もしながら見終わって、ふと、「おお、今日は1日だからファーストデイではないか!」と思い出した。この日は映画が千円ポッキリで見られる。そう言えば、不肖の娘が小さいころに大好きだったナルニア国物語の第2章が映画化されている。すぐに上映時間を確認した。日曜日だが、夕方からの上映ならばそんなに混んではいまいとの予想で、5時過ぎからの上映時間に合わせて映画館へと向かった。

件の映画館は、郊外の大規模ショッピングセンター内にある。さすがに駐車場は満杯。どこか空いているところは…と探していると、ちょうど1台駐車場から出ようとしている車があったのでそこに駐車。受付で、「できるだけ後ろで、前に人がいない席がいいんですけど」と言うと、「ちょっと混んでまして、端のお席になってしまいますが…」と紹介してくれた。実際に席に着いてみたが、端であることなど全く気にならない席であった。

映画が始まった。上映から、20分ほど経過したころだろうか、数人の若い女性たちが階段を上ってきた。傍らを通過したとき、ひどくアルコールの臭いがした。イヤな感じがした。案の定、その女性たちは手前のすぐ後ろの席に陣取ることになった。話し声はするし、座席を蹴るような音はするし、で振り返って見てみると、何と前の座席に足をかけて見ていた。何をか況んや。この国の礼儀作法たるや、かくも下劣に成り下がりたるや。己んぬる哉。

さすがに映画の出来がよかったためか、スクリーンに集中することで右斜め後方に突き出されている足は気にはならなくなったが、映画の印象が良かっただけに、余計に何ともイヤな気持ちにさせられた。自分も教員の端くれである。ああいう若者に育ててはいけない、と強く思った。

おっと、忘れてた。そう言えば、前回は手前のバカ日記が、何と大屋様のブログに掲載されてしまった。その時の、得も言われぬ恥ずかしさを何と表現しよう。まるで、長屋の片隅でいつもの仲間たちと酒を酌み交わしているところをテレビ中継されてしまったかのような、普段着のまま結婚式に出てしまったかのような、何とも恥ずかしい思いであった。やっぱり、オイラには長屋が居心地いいっす。