スーさんのほっこりした週末

5月26日(月)

雨の週末であった。

土曜日は、週間天気予報では終日雨との予報であったが、直前になって午前中は曇りの予報に変わっていた。予定どおり午前中に部活動の練習を終え、帰りにちょっとした買い物を済ませて帰宅。夕方からは、恒例の支部定例会。その頃には既に雨が降り出していたので、出掛けるのも手間だなあと思っていたところ、オノちゃんから電話が入る。どうやら、いつもの旗亭が満席らしい。河岸を変えようという話の序でに、ヤイリくんが車で向かっていると聞き、まことで待つオノちゃんを拾って自宅まで迎えに来てもらうようお願いをした。

他人が喜ぶことをしたときというのは、ツキが回ってくるものらしい。その日の勝ち頭はヤイリくんであった。芦屋での、本部連盟との対戦以来のオーバー100プラ。大爆発である。それまで酔雀などと調子こいてプラス街道を驀進してきた手前は、毎回配牌にも自摸牌にも恵まれずに惨敗、久々のマイナに沈んだ。

だいたい、ヤイリくんに火をつけたのはシンムラくんである。それまでヨッシー、ヤイリ、シンムラの3者が熾烈なビリ争いを演じてきた。ところが、前回の対戦の折にシンムラくんが、「今日はヤイリさんを抜きますから」と言ったことでヤイリくんに火がついたと聞く。ったく、寝た子を起こすようなことをしてからに!もちろん、火をつけた張本人は最下位に沈んだ。これで、ヨッシーとも並んだはずである。口は災いの元。シンムラくんには深く反省してもらいたい。

明けて日曜日は、朝から土砂降りの雨。本来ならば練習はやらないのだけれど、この日はたまたま午前中だけ学校の体育館が空いていた。事前にそのことを承知していたので、「雨だったウチ来る?」とオノちゃんたちに誘いをかけておいたところ、オノちゃんとことヨッシーのところがそれぞれ部員を連れて参加させてほしいということになった。

学校に着いて、テニスコートの排水状況を確認してから、体育館へと向かった。既に、本校の選手たちに混じって両校の選手たちも練習していた。オノちゃんとこは2回目だから、何となくリラックスしているような感じだ。ヨッシーとこの選手たちは初めてだから、かなり緊張しているように見えた。表情が硬い。プレーも同様である。

インドアでの練習は、外で行う練習とは多少メニューを変える必要がある。サーフェスのこともあるし、きっちりラインが引いてないということもあるからだ。細かいところにも目を配りつつ、言ってその場で矯正できそうなことはすぐに指摘していくうちに、ヨッシーとこの選手たちのパフォーマンスも上がってきた。オノちゃんとこの選手たちは、手前の指摘にも笑顔で答えるくらいになっていた。

手前はこれまでずっと女子の指導をしてきた。一時期、男女同時に教えていたときもあったが、基本的には女子部の顧問を続けてきた。本校に転勤して初めて男子を本格的に教えるようになったが、女子を教えるのとはまた違う新鮮さを感じている。男子は、あんまり細かなところまで教えなくても、見よう見まねで工夫してどんどん上達していく。残念ながら、女子にはそういうところがほとんど見られない。どちらかと言うと受け身である。だから、教える方もつい細かなところから一つ一つ教えていくようになる。

そうやって「細かなところから一つ一つ」教えるということは、もちろん悪い指導ではない。しかし、男子を教えて、女子の指導を振り返ってみると、どうも女子をずっと指導していると、そういう細かな指導法が当然のことのように思ってしまい、「練習のための練習」というような陥穽に嵌ってしまうところもあるかもしれないと思うようになった。練習は、試合で勝てるようになるために、技術的・心理的・戦術的レベルを上げることにその最大の眼目があるはずであろうが、それがいかにも組織的に整然と練習がこなされていくことだけで満足してしまうような陥穽である。

今は、女子はジュニア全盛の時代である。どう逆立ちしても、ジュニア育ちの有力選手には中学校の3年間だけでは太刀打ちできるようにはならない。とするなら、練習法もそんな状況に応じたものに変えていかなくてはならないということだろう。基本技術をできるだけ効率よく身に付けさせながら、同時に戦術面で必要な練習をこなしていくというようなやり方である。しかも、できれば少数精鋭で、である。

この、「少数精鋭」というのが女子部では難しいのかもしれない。女子部の場合、そういうやり方をすると、必ず「なんであの人らばっかり」とか「どうせウチらはヘタだしぃ」というような、あまりよくない雰囲気が蔓延してくることがあるからだ。いきおい、できるだけ平等に練習させることになる。たとえコートが1面しかなくとも、である。そうなると、どうしても「練習のための練習」になってしまうような気がする。

もちろん、市内の女子部顧問の中には、その辺の事情をよくわかっていて、レギュラー以外の部員の練習をほとんど見ないよう徹底している顧問もいるそうだ。そうやって、簡単にレギュラー以外の部員を切って捨てるようなことをしても何とも思わないような人なら知らず、普通の顧問であればそんな非情なことはできない。だから、そこをどうしていくのかというところに、女子部顧問の腕の見せ所があるように思う。

かように、女子部顧問はたいへんである。オノちゃんやヨッシーには、ぜひともがんばってもらいたい。そんな援護射撃の意味もあっての今回の合同練習であった。特に、オノちゃんは今までずっと男子部の顧問だったから、男子のイメージがあるはずだ。ただ男子とのギャップだけに目を向けるのではなく、その男子のイメージにどうすれば近付けられるかという指導を期待したい。

練習後、オノちゃん、ヨッシーと昼食を共にして散会。帰って昼寝をしたあと、久しぶりにプリウスを洗車。それから、娘の海外研修用の書類を、ネットからダウンロードして打ち出そうとしたら、プリンタのインク切れ。仕方がないので、近くの家電量販店まで買いに行き、帰りにTUTAYAで先月末からレンタルを開始した「アイ・アム・レジェンド」を借りてきて見る。テレビのCFとかの印象で、てっきり「地球上にたった一人だけ残された科学者の感動的物語」と思っていたのだが、とんでもないゾンビ系の映画だった。見なきゃよかったと後悔した(途中でも見るの止めればいいだけの話なのだが、一度見始めるとつい見てしまった)。

こうして、また今週も本を読まなかった。いよいよ遠近両用眼鏡を買わないといけないのかもしれない。