スーさん、山田師範のお稽古に出る

5月12日(月)

金曜の夜から、北総合気会の山田博信師範が来浜された。金曜夜の通常稽古と土曜日午後からの特別稽古で、杖を中心にみっちりと稽古をつけていただいた。得がたい機会であった。

連休前からしばらく稽古に行ってなかったのだが、金曜の夜は何をさておいてもと駆けつけると、はたして杖の稽古をしていた。今まで間違って覚えていたところが何カ所かあった。と言うか、一連の流れの中で、「ここ、ちょっと違和感あるよなあ」と思っていた箇所が、「ああそうだったんだ」と得心することができ、よりスムーズに振れるようになった。

それより何より、それまで歯槽膿漏でずっと痛んでいた奥歯が、杖の稽古中から痛みが消え、家に帰ってからもまったく痛みを感じなくなった。不思議だった。杖を振ることで、それまで奥歯周辺に詰まっていた毒素が体内に消散してしまったのだろうか。

土曜日は、昇級審査がジュニア2人と5級1人だけだったため、すぐに終了して特別稽古に入った。杖を使った投げ技が中心である。膝を抜いて身体を沈め、杖の一方を腰に付けて杖を持ち上げ、転換しながら杖を降ろしつつ相手を投げる。しかし、つい腕力だけで投げようとするので、山田師範に同行された北総のヤマグチさんらから注意を受ける。きちんと杖の一方を腰に付けていないと、とてもじゃないけど相手が重くて杖を振ることなどできないことがよくわかった。

2時間ほど杖を使った稽古の後は、後ろ両手取りからの徒手。特に、二教裏返し技としての三教裏固め技が興味深かった。こうして、トータル3時間半たっぷりと稽古する。最後の方は、体中に熱が篭もってしまったような状態になったため、水分を取りつつ休憩しながらの参加となった。さすがに激しく疲労した。

その日の夕刻からは、久しぶりの支部定例会ということで、山田師範との直会には失礼させていただいて、雨中自宅まで迎えに来てくれたシンムラ号に同乗させてもらい、いつもの旗亭まことにて小宴。バスケット部の公式戦を終えたばかりのヤイリくんも駆けつけ、敗戦で反省しきりの弁を聞きながら、あれやこれや話をする。そのうちに、ヨッシー、オーツボくんといつものメンバーが集まって、宴闌となる。

程よいところで切り上げ、これまたいつのも雀荘へと移動。5人だったので、現在熾烈なビリ争いを演じている3人(ヨッシー、シンムラ、ヤイリ)が常時打ち、プラスの2人(手前、オーツボ)が交代で入るということで東回しが始まった。牌の掴み取りで、最初は手前が入って競技開始となったのだが、どうも稽古後の水分不足から急ピッチでビールと焼酎を大量摂取したためか、打牌を待つうちにうつらうつらし出してしまった。以後、よく覚えていないながらも、終わってみるとプラ60超だったらしい。いやはや、どうも酔雀は健在らしい。それでも、襲い来る眠気には勝てず、「ゴメン、あまりにも眠たいんで、後はオーツボくんお願いね」と雀荘を後にして、ソッコーで家に戻る。

明けて日曜日は、先週金曜日に「日曜日、雨だったらウチの学校の体育館が使えるから、合同練習または練習見学ご希望の向きはどうぞ」と連絡を入れておいたところ、さっそくオノちゃんとシンムラくんから参加申し出があったため、オノちゃんとこの女子部員6名とシンムラくんとこの男子部員3名を加えてのインドア練習となった。

さすがに、男子ばかりのところに女子が入っては、とても練習にならないとも思っていたので、それなりの練習プログラムを考えていた。やはり、と言うべきか、最初は女子同士で練習していたから余計にそうだったのだが、あまりラリーも続かず、コントロールも定まらない場面が多く見られ、「やっぱり男女一緒に練習するのは無理かなあ」と思っていたのだが、オノちゃんの指示もあってなるべく男子と打ち合うようにし始めて、みるみるボールが打てるようになってきた。

いかにも打法のまずいところは、ちょっとアドバイスするだけですぐに直っていく。今さらながら、子どもの持つ柔軟性と潜在力には感心させられた。打つボールも、どんどんスピードアップしてくる。何より、ボールを追いかける目つきが真剣そのものに変わってきた。でも、顔つきはにこにこして楽しそうにしている。練習とは、かくあらねばならない。

もちろんこれは、普段からオノちゃんがねっちり教えているということの積み重ねあってのことである。表面張力で零れずにいた容器の水が、ちょっとしたきっかけで一気に零れ始めるということと同様であろう。そんな練習の裏付けがなければ、いきなりブレークスルーするはずはない。

女子同士でやると、どうしてもミスが多くてボールが続かないのだが、男子は多少乱れ打ちされたボールでもそれなりに返球することができる。だからラリーが続く。そうするとおもしろくなってくる。こうやって練習することが、上達への近道ということなのだろう。女子部レベルアップの一つのヒントがあるような気がする。

「同じように練習しているつもりなんですが、ウチの学校に戻ってやると、どうしてスピードダウンしてしまうんでしょうねえ」とシンムラくんもしきりと嘆息しながら首を傾げていた。これは、指導する側のイメージの問題であろう。自分のイメージに近い感じでボールが打てたときには、「そうそう、今みたいな感じで」とその場で選手たちに言ってあげることが必要だ。そうすると、選手たちも「こういう感じで打てばいいんだな」と実感できる。要は、自分のイメージに近づけるために、指導者がどのような具体的な指示を選手たちに与えられるかということであろう。シンムラくんには、ぜひそのような指導技術を身につけてもらいたいものだ。

練習終了後は、オノちゃんからの昼食の誘いをお断りして、そのままいつもの理容店へ。ちょうど昼時に行かないと、他の時間では混んでて相当に待たされるからだ。到着すると、ラッキーなことに、待ち時間なしですぐにやってもらえた。さっぱりして店を出、自宅近くに戻って遅めの昼食。小寒かったので、まだ片づけてなかった炬燵に入ってそのまま昼寝(夕寝?)。

以前だと、休みの日には読書と決まっていたが、最近は何も読まずに寝てしまうことが多い。疲れているのだろうか。おかげで、読みたい本はたまっていく一方である。眼鏡が老眼用になっていないということも、本を読まなくなった一因かもしれない。いずれにしても、年を追って老人力がパワーアップしていることだけはまちがいない。やれやれ。