スーさん、滋賀にゆく

3月10日(月)

土曜日は、「第20回滋賀・近隣府県中学生ソフトテニス研修大会」(団体戦)に参加するために、日帰りで彦根まで。今月は遠征が重なっている。日帰りでの参加にしたのは、なるべく遠征費を抑えたいということが主たる理由である。

早朝の高速道路は空いている。トラックがまばらに走行しているだけだ。そのまますいすいと東名・名神を走って、2時間ほどで彦根に到着した。ところが、関ヶ原を越えた辺りから雲行きが怪しくなってきた。それまでは朝日が眩しいド・ピーカンだったのに、である。彦根インターを出ると、雨になった。まあ、この辺りは冬はいつも雪が積もるところだ。それが気温がそう低くはないために雨となったものなのであろう。

会場に到着すると、先月、雪の多治見でお世話になった岐阜のワタナベ先生と一緒になった。互いに、「先生が来るから、こんな天気になっちゃうんだよ!」という諍いになる。どうやら、手前とワタナベ先生とは一緒にならない方が、天候のためにはよろしいようだ。

本部席で、主催のニシカワ先生に挨拶をして久闊を侘びる。ニシカワ先生は、先月東京で行われた日本ソフトテニス連盟の会合に出席している。その際の話題などをいろいろと伺うことができた。そうしている間に、雨は霧雨様になってきた。この日は好天が予報されていたから、このまま回復に向かうであろうと思われた。

試合は、3ブロックの予選リーグと、その順位による決勝トーナメント。本校が入っていたリーグには、他に滋賀県選抜(今月末に開催される全国中学生都道府県対抗戦に出場する県代表チーム)と奈良のH群中が入っていた。最初はそのH群中との対戦である。このH群中とは、昨夏の浜松での研修大会で対戦していた。そのときは本校が勝ったが、どちらが勝ってもおかしくはない接戦であった。その雪辱に燃えるものもあったのであろうか、H群中のどのペアも気迫十分で向かってきた。対戦は、トップが調子の出ないままに負け、大将は勝って3番勝負となったが、3番はこちらの前衛がほとんどポイントできないままに敗れてしまった。

次は滋賀県選抜との対戦である。トップは、これも本校の前衛がミスを繰り返して敗戦、次は大将が難なく勝って、またもや3番勝負となった。ところが、何を思ったか、相手は大将ペアを3番に置いていた。こうなることを見越していたのだろうか。でも、研修大会だよ?何もそこまで勝敗に拘らなくてもいいでしょ?とも思ったが、そんな強いペアと試合ができるのはいい経験になる。多少は競り合いになるところもあったが、この試合でも本校の前衛は機能せず、あえなくストレートで敗戦となった。これで予選リーグは全敗となった。あまりに3番が機能しないので、決勝トーナメントではその3番をトップに替えて、それまでトップに出ていた2番を殿に据えることにした。

決勝トーナメントまでの間を利用して、ニシカワ先生と昼食に出た。戻るとトーナメントが始まっていた。初戦は3位同士の対戦で、何とワタナベ先生のチームと対戦したらしい。通路にいたワタナベ先生から試合の経緯を聞いた。本校が2-0で勝ったらしい。監督不在の方が結果はいいということか。それとも、オーダー変更が奏功したか。

続く準々決勝は、姫路のH畑中であった。監督は、それまでに選手を何度も全国大会に連れていったことのあるマツモト先生である。この先生の細やかな指導、特に前衛選手の指導には学ばされることが多い。選手たちのマナーもよく、すばらしい気迫で相手に向かっていく。範としたいチームの一つである。

試合が始まった。トップは、あっという間に3ゲームを連取されてしまうが、ここから開き直ってタイブレークに追いついた。そのタイブレーク、ポイント4-2とリードするも、次のポイントで前衛が「居ながらボレー」をミスして流れが変わった。そのまま何と5ポイントを連取されて敗れてしまう。次は、互いに大将戦となったが、ゲームカウント2-2まで競ったが、結局H畑中がそのまま流れをものにして逃げ切った。結果、0-2の敗戦であった。

この大会の良いところは、負けても試合ができることである。「研修大会」と銘打つからには、そうでなくてはいけない。巷間、「研修大会」を謳いながらも、負ければハイそれまでよ、という大会が多いと聞く。だから、ただ勝つことだけを求めるそのような大会には、本校はできるだけ参加はしないようにしている。中学生のスポーツなのだから、勝つことよりも、いかに自分の技術を磨くかということこそ肝心なことであろう。それを、ただ勝つことだけを求めてしまうと、技術の向上は袋小路に入り込んでしまう。中学生のソフトテニスを指導する指導者たちも、いいかげんにそんなことに気付いてほしいものだ。

さて、「敗者戦」の初戦は、昨年のこの大会優勝校である奈良のT南中であった。トップは、後衛が粘り強くボールを繋げ、前衛が思い切りのいい勝負を仕掛けてくるペア。本校は、もう一度2番をトップに戻して臨んだが、これがタイブレークの接戦になった。しかし、そのタイブレークは本校の後衛選手がすばらしいボールを打ち込み、前衛もここへ来てようやく本来の動きを取り戻して勝つことができた。続く大将ペアも苦戦することなく勝って、「敗者戦決勝」(5位決定戦)へ。

相手は、何と京都のミヤタ先生率いるNJ中であった。対戦前、「せっかくだから実力順に選手を出して、ゲーム数も7ゲームマッチで、勝敗にかかわらず3番までやるようにしましょう」と秘かに打ち合わせた。本部には内緒である(ニシカワ先生ごめんなさい!ミヤタ先生がどうしてもそうやろうって言うから)。

NJ中の大将ペアは、京都府のU-14のステップ3まで選ばれたペアで、もちろん都道府県対抗戦京都府代表である。現時点で、ウチの大将ペアの技術がどこまで通用するかが確認できる。少なくとも、半年前であれば1ゲームも取れない相手であったことだけはまちがいない。試合は、シーソーゲームとなった。互いにレシーブゲームをキープして、ゲームカウントは2-2。ところが、次のサービスゲームを取ったNJ中ペアが流れをものにしてそのまま4-2でゲームが終わった。それでも、2ゲーム取れたのだから、少なくともレシーブゲームはいい組み立てができるようになってきたと言えよう。

気を吐いたのは、続く2番であった。NJ中の2番後衛は、大将後衛とほぼ同レベルの強力なストロークを持っている。ところが、本校の後衛選手は打ち負けなかった。どころか、逆にびしびしと厳しいボールを相手コートや前衛選手目がけて打ち込み、前衛もいいタイミングで相手後衛のボールを誘い込んでポイントし、4-1で勝利してしまった。

結果的に3番勝負となったのだが、この試合はNJ中の圧倒的な勝利であった。3ゲームを連取されて、ようやく2ゲームを取り返したものの、抵抗もそこまで。この日は、最後まで前衛が機能しなかった。今後の大きな課題と言えよう。

それにしても、レベルの高い研修大会であった。監督はもちろんであるが、選手たちもそれぞれいい勉強になったことと思う。各自が何を自分の課題にしていかねばならないかを、痛いほど実感することができたであろう。そんなことを思いながら、美しい彦根城の見えるテニスコートを後にする。

主催のニシカワ先生、じっくり時間をかけて対戦してくださったミヤタ先生、お世話になりました。次にお目にかかるときには、さらにレベルアップしたところをお見せできるようにしておきます。次回もどうぞよろしくお願いいたします。やっぱ、「研修大会」って、こうでなくっちゃあ!