また三連休

9月25日(火)


また3連休であった。


何もなければ、甲南合気会の合宿に参加していたところだ。しかし、次の日曜日には市内新人大会の予選リーグが予定されている。試合1週間前なのに、「じゃ、オイラは合気道の合宿行ってくっからさあ」とは、とても選手たちには言えなかったのである。


だから、この3日間は、特にどこに出かけるということもなく、午前中は部活、午後は家で昼寝&読書、晡時よりいつもの小料理店にて小宴&麻雀という、判で押したような3日間であった。


まずは麻雀。土曜日、ヤイリくんが大三元を和了った。振り込んだのはヨッシーである。実は、ヨッシーがヤイリくんに大三元を振り込んだのは、これが2度目である。ヤイリくんは、發と中を晒していた。もちろん、その時点で役満警戒である。白を自摸ったなら、ひたすら抱え込むしかないのである。ところが、何を思ったか、ヨッシーがいきなりその白を打牌したのである。間髪を入れずにヤイリくんの牌が倒された。やはり大三元だったのだ。しかし、「なんで?」と発したのは愚問であった。何と、ヨッシーは小四喜を聴牌していたのである!いやはや、恐ろしや。しかし、終局してのトップは手前なのであった。これで、トータルのプラスは700を超えた。


たまたま、週末だけ開店するスーパーの近くを通りかかった時、ふと閃いたことがあった。駐車場まで買ったものを満載して運ぶカート。大量にあることは間違いない。だって、駐車場にそのまま放置してあるものもあるほどである。このスーパーとかで使用されているカートであるが、テニスのボール出しをする際にうってつけのアイテムなのである。コロがついて移動は自由自在だし、ボールが入ったカゴを載せても程よい高さでボール出しに便利なことこの上もないのである。


このようなカートを購入しようとすると、数万円はかかるのである。ただでさえ部費はボール代で精一杯であるから、斯様なモノを購入するだけの余裕はない。無償で提供してもらうには、スーパーなどでそろそろ廃棄かというものをいただいてくるに如くないのである。


すぐに駐車場に車を停め、近くのおばちゃんに、「すみません、中学校の教員です。部活の指導で使用したいんですが、古くなって処分間近のカートとかってありますでしょうか?テニスの指導で使いたいんです」と尋ねてみた。「え?はあ。ちょっと待ってね、店長に聞いてみるから」とインターホンを手に取った。待つこと暫し。「いいみたいですよ。いま警備員がカート持って来ますから」との嬉しいお返事であった。


程なく、警備員さんが大小二つのカートを運んできた。「どっちがいいですか?」と言うので、小さい方を選ばせていただいた。「あんた、管理職?」「いえ、違います」「じゃ、何?」「テニス部の顧問ですけど」などとやり取りをしていると、先ほどのおばちゃんが、「いいのいいの、話はわかってるから。持ってってもらってよ。その分、また買いに来てくれるって言ってるから」とアシストしていただいた。プリウスの後部座席に何とか収めると、心なし「ぐふふふ」と笑みが零れてくるのであった。


折り畳み式のベンチも購入した。校内試合をする際、試合の際、また試合時にテントの中で待機する際など、使う場面は多い。近くのホームセンターやディスカウントショップに行ってみたのだが、夏に山積みしてあった目的のベンチを置いている店はなかった。どうやら、仕入れ分がなくなったところで販売は終了したものらしい。


何とか手に入れたいと思い、校外の大規模ショッピングセンター内にあるスポーツ店を訪れてみた。お目当てはキャンプ用品売り場である。確かにベンチはあった。しかし、高価なのである。特に、より小さく折り畳めるものほど高価であった。辺りをよく見てみると、ずいぶん安価なベンチがあった。しかも、他の高価なベンチと違って、ちゃんと背もたれも付いている代物である。


ところが、1脚しかなかった。コートの両サイドに置こうと思っていたから、2脚購入するつもりだったのだ。すぐに店員に聞いた。「これ、一つしかないんでしょうか?」と聞くと、はたして、「すみません、現品限りなんですけど」との答えであった。「えっと、系列店とかから入手することってできますかあ?」と尋ねると、「確認してみますね」とのお返事であった。暫時待機。「数日で系列店より入荷できることがわかりました。ご注文なさいますか?」と聞かれた。逡巡することは何もない。とりあえず、1脚だけ購入して帰途に就いた。


翌日、カートとベンチを生徒たちに披露した。「おお!」、「すげえ!」と感嘆の声が挙がった。何よりであった。中学校の部活動の指導においては、こういうことがとても重要である。練習環境や用具を整えるのは、監督の仕事なのである。


午後の読書では、ちくまプリマー新書を2冊読んだ。『音楽を「考える」』(茂木健一郎・江村哲二)、『未来形の読書術』(石原千秋)である。特に、前者がおもしろく読めた。茂木健一郎氏がクラッシック音楽を好むとは知らなかった。リヒャルト・シュトラスの「ナクソス島のアリアドネ」が聞きたくなった。


その日の夜は、前日に諸般の事情で麻雀ができなったオノちゃんやオーツボくんを迎えて、支部定例会の第2夜。手前とヨッシー、ヤイリくんが連日となる。この日も手前はプラス50で終えることができた。トータルは800に迫ろうという勢いである。このまま年末まで疾駆したいものである。


3日目は、午前中の部活指導を終えた午後から、昼寝の後で近くのTUTAYAにて、「ゲド戦記」を借りてきて夕方まで見ていた。公開された際には、紛々たる議論(不評が多かった)を巻き起こしたと記憶しているが、とにかく見てみようと思ったのである。


確かに、「ん?なんで?」とか、「何それ?」と言いたくなるような場面がなかったわけではない。しかし、それなりにおもしろく見ることができた。何より、「ゲド戦記、読んでみるかなあ」と思わせられたところで、映画制作は意義があったと言えるのではないか。DVDを返却したついでに書店へ走り、とりあえず第1巻を購入してきた。


かくして、平穏なる3連休が終了した。来週からは新人戦が始まる。来年の夏に向けてのスタートが切られるのである。がんばろう。