スーさん、夏休み気分がまだ抜けない

9月18日(火)

ようやく授業の生活にも馴致してきたかと思いきや、3連休である。いや、休みなどいらぬということでは決してない。3日も休んでしまうと、またぞろ夏休みモードに戻ってしまい、連休明けの勤労意欲が著しく萎えていて、臥所から身を起こすのにかなりな難儀を伴うということが問題なのだ。

その3連休のことである。別に何かイベントがあったというわけはない。「いつもの休みの日」という感じの3日間であった。

まず土曜日は、シンムラくんからの要請もあり、K中のホームコートである高丘公園テニスコートまで出向いて練習マッチ。シンムラくんとこは、この1,2年生の新チームから再建の途上にある。2年生部員が確か6名しかおらず、必然的に1年生を入れてチーム力アップを図らねばならないことから、技術力の全体的な低下は如何ともし難く、本校との試合はわずかに大将ペアが2勝したに過ぎなかった。

まあ、監督をやっておればこういう事態はよくあることで、それでもめげずに地道に指導を積み重ねていくことこそ、また次なるチャンスが巡ってきたときに実をつけ花を咲かすことにつながる。シンムラくんには、長い目でがんばってほしいものだ。

その日の夕刻からは、いつものお店でいつもの週末小宴。最近は、「いつもの店でいつもの時間から宴会です。来られる人はどうぞ〜」とかメールを入れておくと、自然に誰かしら集まるようになってきた。もちろん、小宴後は麻雀である。

その麻雀であるが、今年は年明けから絶好調(半年で昨年のトータル勝ち分に迫る)で、他の追随を一切許さず、「一人荒野をゆくが如し」といった勢いであったが、さすがに半年を過ぎるとその勢いも衰えを見せ始めた。特に夏休みに入ってからは、配牌だけでなく自摸にも恵まれず、大敗はしないもののマイナスで終えることが続いた。神戸や城崎でも同様で、浮上のきっかけを掴めないままでいた。

その間に着々とプラスを伸ばして来たのは、年間王者に輝くこと幾度かのオノちゃんであった。オノちゃんは、神戸・城崎遠征でも絶好調で、たぶんそのあたりでトップが逆転していたと思われる。ところが、その「絶好調」オノちゃんも、今月初めの静岡中高体連合同懇親会後の、K学園コンビによる怒濤の役満攻撃によってどうもツキがなくなったらしく、トータルで下降線を辿るようになってきていたのだ。

そのオノちゃんと対照的にツキが戻り始めたのが手前である。ここ2回ほどでプラスは100を超え、夏休みに負けた分も取り戻したばかりでなく、さらにプラスが上乗せされてきているのだ。よいことである。もちろん、現時点で再びトップに返り咲いたことは申すまでもない。

さて、3連休の中日(日曜日)は、テニス部員たちに、「朝8時の時点で雨が降ってなかったら練習ね」と言ってあった。起きて外を見てみると、雨は降っていない。しかし、つい先ほどまで雨が降っていたような地面の湿りようである。急いで学校へ行ってみると、はたしてコートは使用不可能であった。「これじゃあできないから、今日は休みだね」と部員たちを解散させた。そのまま帰ろうとしたのだが、エヴァのことを思い出した。

エヴァンゲリオンの劇場版が、今月初めに封切られていたのだ。昨年末に大阪日本橋でエヴァ弐号機のフィギュアをゲットした身としては、でき得ることなら見ておきたい。ところが、浜松では公開している劇場がないのである。で、調べてみると、お隣の豊橋市で公開されていることが分かった。浜松から豊橋までは車でおよそ1時間。しかも、その劇場は朝一の「ファーストショー」なら千円で見られることが判明したのだ。行かないテはない。

そのファーストショーに行こうと思い立った。しかし、時間はあまりなかった。とてもファーストショーには間に合わないだろうと思った。なのに、プリウスは豊橋へと向かったのである。なんでかはわからない。国1のバイパスに出、浜名湖と太平洋を分かつところの直上を跨ぐ橋を通って、一路豊橋へ。ところが、目的の劇場まであと6キロというところで、公開の時間になってしまった。遅れてでも見ようとも思っていたのだが、急に見ようという気が失せてきてしまった。

こうなると、せっかく豊橋に来たのであれば、どうしても寄っていくところがある。駅前広小路通りにあるS文館書店である。ここの品揃えには、昔から一目も二目も置いていた。欲しいと思っても浜松では手に入らなかった本も、ここならほとんど手に入れることができたのである。何を隠そう、内田先生の『「おじさん」的思考』は、この書店で手に入れたのだ。

そのS文館書店に入って、エスカレーターを上りながら、急にある本のことを思い出した。いつか内田先生がお薦めの本(コミック)として紹介されていた『坊ちゃんの時代』(関川夏央・谷口ジロー/双葉社)である。今まで思いつくたびに書店で探してみたのだが、見つけることは叶わなかった。そうそう、神戸三宮のジュンク堂でも見つけられなかったのだ。逸るココロを抑えつつ、コミック売り場へと急いだ。と、いきなり、「谷口ジロー」の文字が目に飛び込んできた。あったあった!しかも5冊揃って!どうやら、豊橋行きはこの本が喚んだのだと思った。他に、『荷風随筆集(上・下)』(野口冨士男編、岩波文庫)なども購入し、満足感に浸りながら帰途に就く。

3連休最終日は、またもや朝から雨。部員には、「今日も練習はお休み」と連絡を入れ、もちろん前日見ることが叶わなかったエヴァを見るために、再び豊橋へ。途中、今春まで本校で用務員をしていたMくんに「豊橋までエヴァ見に行くんだけど、行く?」とメールを入れると、ぜひ同行したいという旨の返事が返ってきた。彼も「隠れ」エヴァ・ファンだったのである。

途中でMくんを拾って、一路豊橋へ。彼は今春から市役所勤めになった。いろいろと苦労もあるようだ。車中そんな話をしていると、程なく到着。駐車場がいっぱいだったので、ちょっと離れたところに車を停めなければならなかったが、何とかファーストショーには間に合った。暗い中を場内に入ると、既に始まっていた。あっという間の2時間弱であった。エヴァ劇場版は、今後も第4作まで続くのだそうだ。最も関心が高まるのはもちろん最終作だと思う。続編が楽しみである。

家に帰ると、母が、「どうもカーポートの排水が悪いんだけど、詰まってるかどうか見ておくれでないかい?」と言うので、梯子を持ち出し、屋根に上って排水溝の泥などを取り除く作業を続ける。4カ所の掃除を終え、ついでにプリウスも洗車すると汗まみれである。エアコンの冷風を浴びながら、居間でのんびり『「命令違反」が組織を伸ばす』(菊澤研宗/光文社新書)を読む。太平洋戦争のいくつかの場面を、経済学の学説から読み解こうというおもしろい発想の本であった。

こうして、豊橋へ2日続けて行った3連休は終わった。連休明けの朝が、いかに起きたくないものかは、冒頭に書いたとおりである。さてと、今週もがんばろっかあ。4日勤務すれば、また3連休だし(おっと、そうなるとまた連休明けが起きたくなくなるんだろうなあ)。