スーさん、蟄居を夢見る

8月17日(金)

猛暑である。とにかく暑い。日陰でじっとしているだけでも、体中にじっとりと汗が滲んでくる。まるで、サウナの中にいるようだ。エアコンの効いた部屋から一歩外に出ようものなら、それこそ熱さが一挙に襲ってくるような感じがする。こんなときは、とにかくどこへも出ずに、ひたすらエアコンの効いたわが家で本でも読みながらじっと蟄居しているのがいちばんである。

にもかかわらず、このお盆休み(13~15日)は、昼はテニスコートに、夜は懇親会場にと、およそ「家で蟄居」などとは言ってられない3日間であった。例年この時期に浜松で行われている、「中学校選抜ソフトテニス新人研修大会」の運営に携わっていたからである。不肖手前が「総務委員長」である。略せば(略さなくてもいいけど)「総長」なのである。「だから何だ」と言われても困るが、「じゃ、お願いね」と言っておれば大抵のことが進んでいくという、まことにお気楽な立場である。その実態は、主として県外からお見えになる顧問の先生方の接待役というところであろうか。

大会は13日からであったが、例年その前日から浜松に入ってくるチームもある。そのため、スタッフは午後から試合会場である花川テニスコートに詰めなければならない。もちろん、練習のためにコートは夕方まで10面ほど確保してある。県外チームのみならず、スタッフの学校の選手たちも練習することになっている。

今回、前日に入ったのは、京都府の4チームであった。例年だと、午後1時前には到着しているのだが、今回は愛知県内がかなり渋滞したとのことで、2時を過ぎてからの会場入りであった。京都のミヤタ先生やキシ先生とお会いするのは、5月の滋賀での大会以来である。それぞれ自チームの今夏の健闘ぶりなどを情報交換しながら、練習マッチを行う。

それにしても、いつもながらミヤタ先生率いるNJ中は強い。今夏も、団体・個人戦共に近畿大会までは出場し、特に個人戦では、2年生ペアながら勝てば全国大会出場というところまで勝ち上がったということだ。本校のボクちゃんたちでは、とても太刀打ちできる相手ではないのである。それでも、練習マッチの中では、何とか相手に食らいついていこうという気持ちが随所にプレーとして見られた。大会中にも、そんな気持ちで臨めれば、それなりの成果も上げられるのではと思っていた。

夜は、今年初参加の京都O中の顧問の先生も交え、いつもの居酒屋にて前夜祭。前夜祭から参加した顧問には、その店特製の鰻の蒲焼きをご賞味していただくことになっている。「え?これ一匹ぜんぶワタシが食べちゃっていいんですかあ?」と言いながら、O中の先生もうれしそうに召しあがっている。鰻って、けっこう好んで食べる人が多いということを実感させられる。

明けて、13日は大会初日。団体戦の予選リーグが行われた。西の外れは姫路から、東は富士宮から参加した男女合わせて41チーム(うち、県外からの参加が21チーム)を、それぞれ4チームずつ12ブロックに分けての予選リーグである。予選1,2校は決勝トーナメントへ、3,4位校は研修トーナメントを行うことになっている。少なくとも、4試合は確実にできるのである。

本校は、何とか予選リーグを全勝で抜けることができた。その日の最後に行われた決勝トーナメントの1回戦も、何とか突破することができた。今年の夏季大会は、2年生が半分入ってのチーム構成で臨んだということもあり、2年生はそれなりにゲームをこなしているということの結果であろう。それに、本校の大将ペアの前衛は、先日行われたU-14の県内最終選考にも選ばれて、次の東海ブロック段階選抜(STEP3)に参加することが決まっている選手である。頼りになる中心選手がいるときのチームは、そう簡単には負けない。

その日の夜は、ほとんど全ての顧問が参加しての懇親会。会場は、浜松城近くのホテルコンコルド浜松。宴が佳境に入って、それぞれの府県からの参加校の顧問がまとまって自己紹介。この時間が楽しい。最後は、近畿ブロックの長である滋賀のニシカワ先生が締めてくれて散会。二次会は、「浜松の夜の委員長」こと、マチイくんが案内してくれたスナック。41度の焼酎をロックで飲む。これが効いた。前後不覚になって、よろよろと自宅に辿り着き、そのまま意識不明となる。

翌日は、決勝トーナメントの2回戦以降から決勝まで。残念ながら、本校はその2回戦で敗退してしまった。対戦相手は、同じ静岡県内のチームであった。ジュニアのファームを持ち、典型的なジュニアのテニスを展開するチームである。さすがに、本校後衛陣にはまだ打ち切って勝てるほどの力量はついていない。今後の課題ということであろう。

男子団体戦は、京都NJ中が昨年に引き続き連覇。女子は、久しぶりに参加してくれた奈良K中が優勝した。男女とも、決勝戦は高レベルの試合であった。現時点で、これだけのレベルの高い試合が見られるということだけでも、参加した選手たちにはいい目標づくりになるのではないかと思われる。

団体戦の表彰式に引き続いて、個人戦のリーグ戦が始まった。個人戦も団体戦と同様に、それぞれ4組のリーグ戦、1,2位ペアによる決勝トーナメント、3,4位ペアによる研修トーナメントが行われる。リーグ戦は、それぞれ6試合あるのだが、最終日の試合のことを考えると、4試合くらいは消化したいところだ。今回の組み合わせを作成したオノちゃんが本部席に陣取り、なるべく早く進行するよう指示を出している。いいペースでリーグ戦が消化されていく。本校から参加した4組は、リーグ6試合中5試合が消化でき、3組がそれぞれ2勝1敗の2位で、決勝トーナメントへの進出が決まった。上出来である。

その日の夜は、「お別れパーティー」とも言うべき最終夜の宴会。場所は、浜松駅近くの繁華街にあるビアホール。さすがに3日目ともなると、ビールもそうたくさんは飲めない。県外の先生たちも、それぞれおとなしく宿舎へと戻っていった。

最終日は、個人戦のリーグ戦の残りと決勝・研修トーナメント。本校の決勝トーナメント残留組は、3組中2組が初戦で敗退した。それぞれ勝てるチャンスもあったと思われるが、負ける方が課題をはっきり意識できるからいいのだ。

気を吐いたのは大将ペアである。2回戦で、第4シードの愛知県のクラブチームの大将ペアに勝って勢いに乗った。続く3回戦も、姫路H中2番手ペアに勝ってベスト8。さすがに準々決勝は奈良K中の大将ペアに鎧袖一触で退けられたが、それでもこれだけレベルの高い中での8強は立派であった。さぞかし自信になったことと思う。今まで、遠征に出たりしても、なかなか結果を残せないままにここまで来たのであるが、これで一段階ステップアップしたと思う。確かな手応えを感じることができた。

優勝は、男女ともNJ中であった。ミヤタ監督の面目たるや躍如ということであろう。来夏が楽しみである。でき得れば、来年の富山全国大会で顔合わせできるようになりたいものである。そんな思いを残しながら、3日間の大会の幕が閉じた。毎年そうであるが、この大会が終わって「ようやく夏休み」という感じがする。運営を支えてくださったスタッフの先生方、そして、今年も高速道路の渋滞をものともせずに県外から参加してくださった先生方に、心から感謝の意を表したい。

昨日は出勤する予定であったが、さすがに疲れ果てていたので、休みを取ることにした。終日家にいたのだが、あまりにも暑くて、あんまり疲れが取れたという実感はない。天気予報では、この日曜日くらいから猛暑も和らいでくるそうだ。少しは涼しくなってもらわないと、とてもじゃないけど2学期からの勤務には耐えられないような気がする。はあ(ため息)。