スーさん、ようやく夏休み

7月23日(月)

ようやく市内大会が終わった。

土曜日は個人戦の続き(3回戦以降)。しかし、外は朝から雨。競技本部から中止の連絡はない。男女それぞれ64組しか残っていないということから、最悪でも屋根付きコート4面を使用すれば何とか終われるのでは、という目算を立ててのことであろう。

雨だと選手以外の生徒たちは待機する場所がない。応援に行く予定をしていた3年生には、「今日は応援なしね」と連絡を入れて、会場まで出かける。駐車場付近がかなり混雑していた。中に大型バスが数台停まっているのが見える。キャンセルできなかったのだろうか。いろいろと事情はあるのだろうが、屋根下コートは観客席の数が限られている。そこに、応援の生徒たちが所狭しと着席したのでは、選手たちの居場所がなくなってしまう。特別な事情の時には、自分たちの事情だけを優先してしまうと、いろいろと不都合なことが出来してくる。案の定、屋根下コートに行ってみると、既に観客席はほぼ満席状態である。「だから言わんこっちゃない」と文句を言っても始まらない。観客席は諦め、いつもの場所に簡易テントを張って、当座の雨をしのげるように準備する。

そのうちに放送が入った。競技委員長であるオーシロくんの声だ。「本日の競技についてご説明します。とりあえず、屋根下コート4面を使用して試合を始めます。なお、ゲーム数は5ゲームマッチに変更します」とのことであった。

最初に試合を行ったのは、2,3年生のペアであった。結果、1ゲームは取ったものの、要所でミスが出ての敗戦であった。これで3年生の県大会出場はなくなった。残るはただ1組、2年生ペアだけである。

ちょうど2試合目が終わる頃から、雨が小降りになってきた。放送が入った。「雨が止んできましたので、外のコートも使用して試合を始めます。選手は準備をしてください」とのことだ。しかし、雨は完全に止んだわけではない。多少の雨なら強行しようということなのだろう。人工芝のコートならそれが可能なのだ。

2年生ペアの試合が始まった。そんなに手強い相手ではなかった。1ゲーム目だけは多少ポイントが行き来したが、2ゲーム以降は危なげなく取ってストレート勝ち。3回戦を突破する。続く4回戦も突破して、難なくベスト16。これで県大会への出場が決まった。

ベスト8をかけての5回戦は、ゲームカウント1-1から、続くゲームを連続して落としての敗戦であったが、その第3,4ゲームはともに先にゲームポイントを握っていただけに、勝てるチャンスも十分にあった、何とも悔やまれる敗戦となってしまった。でもまあ、彼らはまだ2年生である。今年の悔しさは、また来年晴らせばいいのだ。

県大会への出場ペアは、閉会式に参加しなければならない。自分とこの選手の試合がないと暇である。だからというわけではないのだが、シンムラくんのK中の大将ペアがまだ勝ち残っていたので、一緒に練習したということもあり、彼らを応援することにした。

その準々決勝、K中ペアの相手は、団体戦で優勝を飾ったY中の大将ペアである。このペアには、本校の大将ペアも昨秋のスポーツ祭で対戦して、タイブレークの末に敗れている。だから、大体の特徴は覚えていた。K中ペアが、対戦前のアドバイスを受けに手前のところまでやって来たので、攻撃のポイントを手短に伝え、試合を見守ることにする。

ゲームの最初こそ多少のミスもあったが、途中からはK中ペアがびしびしポイントを決め出し、相手のミスにも助けられて、そのまま苦戦する場面もなく勝利する。一緒に応援していたオノちゃんは、ちょうどこの春まで監督だったということもあって、その勝利に大喜びしていた。これでベスト4。

続く準決勝の相手は、この春の都道府県対抗全国中学校大会に静岡県代表として出場したペアである。苦戦が予想された。試合前に具体的な戦術も伝えておいたのだが、試合途中で後衛選手の足が攣ってしまった。これでは試合にならない。棄権こそしなかったのものの、試合はそのままストレートで敗退し、3位決定戦に回ることになった。

3位決定戦の相手は、5回戦で本校の大将ペアが敗れた相手。簡単に相手のことを伝え、試合を見守った。足の攣りも治って立ち直った後衛選手がいいところにボールを打ち、前衛選手も確実にポイントを決めて勝つことができた。何よりであった。

その日も、いつものところで小宴。個人戦のお疲れさま会である。とりあえず、個人1組だけでも県大会への出場を決めてくれたということもあり、安堵のビールを飲む。宴果てたあとは、いつものように支部定例会。このところ麻雀は勝率が悪い。今回も一度としてトップを取ることはなく、逆にほとんど最下位に沈んだ。ここ2回で、マイナ100以上である。「ってことは、いいことあるってことだよな」と、先週と同様の台詞を吐いて帰る。

翌、日曜日は、試合に出られなかった3年生たちのための「研修大会」。こういう「番外」の大会を組んでいるのは、中体連の中でもソフトテニス競技部だけである。よいことだと思う。確かに、運営は楽ではないし、余分に休みが削られるということもあるので、その開催の是非については賛否両論があるということを聞いた。当然のことであろう。でも、やってやろうではないか。せっかくまじめに3年間部活動に取り組んできた生徒たちである。レギュラーには選ばれなくとも、「ソフトテニスを続けてきてよかった!」と言わせてやりたいではないか。

実は、この大会、昨年は本校ペアが優勝を飾っている。当然、今年は第1シードである。本校からは計5ペアが出場したが、その第1シードペアを除く4組は、残念ながら全て1回戦で敗退してしまった。しかし、第1シードのペアは気を吐いた。初戦から、苦戦することもなく順調に勝ち上がった。あれよあれよという間にベスト8。

それまでは特にアドバイスをすることもなく、自分たちだけで試合をやらせていたのだが、さすがにベスト8にまで勝ち残ってくると、何とか勝たせてやりたいと思うようになった。準々決勝は、少しだけアドバイスもして何とかベスト4。準決勝もタイブレークの試合となったが、そのタイブレークは相手が一方的にミスして勝ち、何と決勝戦への進出が決まったのである。

その決勝戦、試合前のストロークを見ていると、どう贔屓目に見ても相手の方が上手だと誰しもが感じたことであろう。ところが、いざ試合が始まってみると、相手がミスばかりしてくれる。そのまま順調にゲームを取ってマッチポイント、最後は相手が大きくアウトしてゲームセット、本校の研修大会2連覇が達成されたのである。

さすがに、優勝したペアはいい顔をしていた。応援していた他の3年生たちもいい顔をしていた。これだから研修大会はやめられないのだ。どんな大会であっても、やはり優勝というのは喜ばしい。選手たちとがっちり握手!である。本大会ではあまりいい成果の出せなかった今年の3年生たちであったが、最後にいい結果が残せてほんとうによかった。

さて、県大会の個人戦は1週間後の今月31日からである。会場は、昨年と同様に静岡市にある県営草薙テニスコート。目標は初戦突破である。明日は終業式で、ようやく夏休みを迎えるのだが、日に焼ける日々は続く。