スーさんの、夏は終わらない

7月17日(火)

「個人戦の市内大会が終わった。」と書くはずであったが、台風4号のために試合は順延。昨日(16日・海の日)に、ようやく2回戦までを終えることができた。

実は、試合中止の決定は、前日の夕方に競技本部から各顧問のケータイ宛に配信されていた。さらには、翌15日(日)の試合も、全ての種目を中止することが中体連本部より決定されていた。どうやら台風は日曜日には静岡県を抜けていきそうであるから、16日(海の日)に個人戦の1日目が実施されるであろうという予想であった。台風とは言え、練習は少しでもやっておきたいところだ。

幸い、14日はシンムラくんとこのK中が花川テニスコートの屋根付きコートを使用できる手筈になっていた。「ウチも交ぜてよ、お願いだから~」とシンムラくんに頼み込み、午前中に合同練習を行うことになった。K中とは、大会に入ってから今まで以上に一緒に練習する機会が増えたことから、選手たちも互いにだいぶん打ち解けている。一緒に練習をしても、ほとんど違和感がない。ゲームも交えて、たっぷり4時間ほど練習することができた。

その日の夜は前夜祭(何のだ?)。全ての種目が中止になので、オーツボくんやヤイリくんも参加しての小宴である。外はだんだんと風雨が強まってきた。それでも、さすがは支部メンバー、「台風何するものぞ!」とばかりにいつもの雀荘へと繰り出し、東回し3,4位抜けで打つこと深更に及ぶ。この日の手前は惨敗。マイナ70近く凹んでしまう。「ってことは、個人戦はいい結果が出るってことだよな」と独り合点することで悔しさを紛らすことにする。

明けて日曜日は、台風が静岡県に再接近する日だ。確かに明け方まではずいぶんと風雨もひどかったようである。ところが、午前10時を少し過ぎた頃から青空が見え始めた。すかさず、選手の一人から連絡が入る。「先生、晴れてきましたけど、練習はやらないんすか?」との問い合わせである。そんなこともあろうかと、大会が中止になって空いている花川テニスコートには午後からの予約を入れておいた。抜かりはないのだ。「暴風警報が解除されたら、花川集合ね」と連絡する。

どうやら、台風4号はかなり陸地から離れたところを進んでいったらしい。午後からは風もほとんどなく、暑い晴天となった。シンムラくんとこも同様にコートを取っていたので、またまた合同練習になる。本校の選手もそうだが、K中の選手たちもほんとうに楽しそうに練習をする。心からテニスが好きなのだろう。「何とか勝たせてやりたい」という気持ちにさせられる。

個人戦は市内各中学校からそれぞれ5ペアずつ参加してのトーナメントである。県大会に進出できるのは26組。ベスト16に入れば「当確」。入れなくても、ベスト32(3回戦突破)なら順位決定戦に回って1回勝てば出場決定、そこで負けても2試合勝てば決定である。しかし、昨年もそうであったが、3回戦を突破するのがなかなか難しい。初日を抜けるのさえ厳しいのだ。登録順で、下位のペアはどうしても2回戦でシード校の有力ペアや各校の大将ペアと対戦することになる。まず、初日に2回戦を突破するのが大きな目標になるのだ。

さて、本校の選手たちである。最初に登場したのは、5番登録の2年生ペア。2年生とは言え、特に後衛選手は最近めきめきと実力をつけてきている選手であるから、そう簡単には負けないだろうと思っていた。ところが、あっという間にストレート負けしてしまった。試合前に「相手の前衛選手はボールを取りそうだから、前衛のところには打たないように」という指示で送り出した。しかし、本校の後衛選手はリターンをいきなり相手前衛目がけて打って失ポイント。続く前衛選手も、リターンを相手前衛に目がけて打って失ポイント。思わず、我が目を疑ってしまう。どころか、1ゲーム終了してチェンジサイドなのに、ベンチに戻って来ようともしない。「おい、ベンチに戻って来いよ」と声をかけてやっと我に返るという感じであった。ベンチでは給水もしようとはしない。「あのなあ…」と声をかけても、ほとんど目が虚ろである。こりゃダメだと実感した。案の定、後衛選手はほとんど打つボールが入らずに失点、前衛選手もダブルフォルトやリターンのミスを繰り返してゲームセット。その持てる技術を知っているだけに、見ていてまことに歯がゆい敗戦であった。

この敗戦は他山の石としなければならない。さっそく、他の選手たちを集めて再度注意事項を確認する。この先が思いやられた。敗戦は伝染する。よほど脳天気か、物事に動じない心構えを持っていなければ、他ペアが敗戦したことに動揺しないでいるのは難しい。それはそうだろう。いつも一緒に練習をしている仲間だ。「おれらも負けるんかなあ」という漠とした不安を持ってしまうだろうと思うのだ。しかし、3,4番登録のペアはそれぞれ無難に初戦を突破してくれた。少しは安堵の胸をなで下ろした。

2回戦に入った。シードされていた本校の大将ペアの試合が始まった。最初のゲームこそ多少の競り合いにはなったが、途中からは本校の前衛選手がおもしろいようにポイントを決めてストレート勝ち、幸先のいい2回戦のスタートになった(と思った)。しかし、同様にシードされていた2番登録のペアは、残念ながらタイブレークの末に敗れてしまう。このペアも、その技術の高さは知っているだけに、何とも釈然としない敗戦であった。負けるときというのは、そういうものなのかもしれない。

4番登録のペアも2回戦で敗退した。2ゲームリードされたが、続く2ゲームを連取して波に乗るかと思われたのだが、第5ゲームを落としてそのままゲームセット。この試合も、十分に勝てるチャンスがあっただけに、何とも惜しい敗戦であった。

気を吐いたのは3番登録のペア。後衛選手が2年生、前衛選手が3年生の異学年コンビであるが、最初のゲームこそ落としたものの、第2ゲームからは立ち直ってそのまま4ゲームを連取して勝ち、3回戦に駒を進めることになった。結局、初日をクリアしたのは2組だけという結果であった。予想以上に厳しい結果であったと言えよう。そう言えば、昨年も2番登録のペアが初戦(2回戦)で敗退してしまった。だけでなく、県大会に抜けたのは1組だけであった(尤も、そのペアは全国大会まで行ったけど)。それだけ個人戦で勝つのは難しいということなのだろう。

まだ2回戦が終わっているだけで、県大会への出場が決まったわけではない。3回戦以降は、今週の土曜日(21日)である。何とかこのまま2組とも県大会に出場させてやりたいものだ。まだまだ気の抜けない日々が続く。ふう。