スーさん、ぼやく

7月2日(月)

中体連夏季大会が始まった。

6月30日(土)は、市内大会団体戦の予選リーグ。昨年と同様に、男子は浜名湖畔にある雄踏総合公園テニスコートにて行われた。3~4校によるリーグ戦で、1,2位校(4校リーグは3位校同士で決定戦)が決勝トーナメントに進出できる。

本校は3校リーグで、第9シードブロックに入っていた。第9シードは、こともあろうにシンムラくんの率いるK中学校である。これは、組み合わせ抽選の結果、そうなってしまった。後から籤を引いたのは手前である。「なにも同じブロックに入らなくてもいいらあ」とは、シンムラくんも同様の気持ちであったろう。と言うのは、互いによく練習試合を行っている間柄だったからだ。

手前はあまり練習試合を組まない。他校と試合をやる前に、身に付けさせておかなければならない技術がいっぱいあるからだ。技術の習得には時間がかかる。ゲームで技術を磨くことも大切なのであろうが、その前に相手に応じて使える技を増やしておきたいのである。学校によっては、それこそ毎週末に練習ゲームを組んでいる学校もあると聞く。それはそれでメリットもあるのであろうが、どうも手前はそういうふうに指導できない。練習ゲームを組むと、どうしてもレギュラー以外の生徒は活動できなくなる。それもどうかと思うということもある。

しかし、全く練習マッチを行わないというわけにもいかないので、たまには「ねえ、練習試合やらない?」とお誘いをかけることもある。真っ先にお願いするところは、この春までオノちゃんが指導し、その後シンムラくんに引き継がれたK中である。何より、お願いがしやすい。それに、K中は学校近くの公営コート(人工芝)を保護者が借りてくれることから、いっぺんに3面とか使用できるので、レギュラー以外の生徒も連れて行けるということもある。

だいたい、本校にはほとんど練習試合のオファーが来ない。なんで?オレが何をしたって言うんだよお、などとは申すまい。どうやら、顧問が嫌われているであろうことだけはまちがいない。それにしても何で?話をしたこともない人から敬遠されるということは、どうも試合会場にいるときのオイラの体からは、何やら得体の知れぬ毒々しいもの、人をして容易に近づき難くさせる何ものかが排出されているのやもしれぬ。まあ、これは自身の不徳の致すところであろうから自業自得というところであろう。

というわけで、昨年の秋、今年の春、連休明けと、K中とは都合3度ほど練習試合をさせていただいた。昨年の秋にやったときには、まったく歯が立たなかった。ほとんどのペアが全敗に近い状態であった。それもそのはず、本校は秋の新人大会は市内で敗退であったが、K中は県大会まで進出したのである。春になってからは、だいぶん勝てるようになってきた。それでも、五分五分とまではいかず、4分六分くらいでK中の方が勝っていた。ようやく五分五分くらいに追いついたと実感したのは、つい最近のことである。

で、今回の対戦である。実は、K中とは昨年の市内大会でも対戦した。団体戦決勝トーナメント準々決勝、勝てば県大会出場が決定という試合であった。この試合は、本校の大将ペアがタイブレークの末に敗れ、3番勝負も同様にタイブレークにまでもつれた接戦であった。昨年はようやく勝つことができたが、はたして今年はどうであろうか。それにしても、ご縁があるということなのだろう。

さて、互いに1勝同士で臨んだその対戦、トップはK中の大将ペアがストレート勝ち。しかし続く2番は、本校の2年生後衛が積極的に打ってストレート勝ち、勝負は3番へと持ち込まれた。この3番勝負、本校ペアの楽勝ムードで進行した。2ゲームを連取して王手をかける。このまま楽勝かと思われた。ところが、次の第3ゲームは雑なリターンで落とし、第4ゲームもファーストサービスが全く入らずに落として、タイブレークになってしまったのである。そのタイブレーク、一進一退の攻防である。互いにミスをしたりエースを取ったりしながらポイントは並行カウントを繰り返す。先にマッチを握ったのはK中であったが、すんなりとは決まらない。逆に、本校ペアもマッチを握ったのだが、決めることができない。最後は、本校ペアのリターンミスからマッチを握ったK中が勝利したのである。

疲れた試合であった。試合後、シンムラくんも「もう、先生のとことはやりたくないです」と言っていた。そうか、だから練習試合のオファーが来ないんだ。試合には負けたが、そんなに後味の悪い試合ではなかった。選手たちも、敗戦のわりには、さばさばした表情であった。次週に控えている決勝トーナメントのことに思いを馳せていたのだろうと思う。

決勝トーナメントは、もちろん楽な戦いではない。初戦は2位同士、硬式テニス経験者数名を擁するC中である。どちらかと言えば、変則のチームである。やりにくい相手だと予想している。その初戦を抜けたとしても、次はベスト8をかけて第2シードのA中である。ちなみに、そのA中は昨年秋の新人戦県大会で見事団体優勝を飾っている。一般的に考えれば、勝てる要素はほとんどない。しかし、可能性はゼロではない。それに、中学生の試合は何が起こるかわからない。当たって砕けろで、やれるだけのことをするだけである(実は、楽しみにしてたりもする)。

そんなことはないとは思うが、まかり間違って勝ったりすると、これでまた練習試合のオファーが来なくなるんだろうなあ。ま、仕方ないか。では、結果を刮目してお待ちください。