スーさん、メカに苦しむ

5月15日(火)

前回の日記で、大切なことを記し忘れていた。

3日、東名を音羽蒲郡インターで降り、逐一更新される交通情報を聞くために、ラジオ(確かCBC)を聞きながら国1を走行していたときのことだ。武田鉄矢が出演していたトーク番組だった。いきなり、「ウチダタツルさんが、カリュウシコウという本の中で…」と話し始めたのだ。

それまで交通情報以外は軽く聞き流していたのだが、「え?内田先生のこと?」とにわかにボリュームをアップしてみた。まちがいない、内田先生の『下流志向』の内容に触れながら、若者たちのことについて話をしている。そうなのだ、武田鉄矢も『下流志向』を読んでいたのだ。おかげで、渋滞のドライブも気にならなくなってしまった。

もう一つ、遠征が終わって家に帰った日、そのことを妻に話していたら、「あら?私が聞いたのとは違うのかしら?内田先生が直接ラジオ出演していた番組」と言うではないか。「はあ?オイラが聞いたのは、先生が直接じゃなくて、武田鉄矢が…」「じゃあ、違うわよ。内田先生がアナウンサーのインタビューに答えながら、電話で直接お話しされてたのよ。あれは確か、3日の朝、出勤途中の車の中のラジオで聞いたわ。途中でもう職場に着いちゃったから、最後まで聞けなかったのが残念だったわあ。確か、憲法のことをたーくさんお話しされてたわよ。」

何と。先生が出演されていた番組を聞き逃すとは、何たる不覚。このラジオ番組出演のことは、帰宅してから先生のHPを見て知った。全国区の放送だったのだ。うう、聞きたかった。NHKにはぜひ再放送をするよう検討していただきたい。

さて、DVDレコーダ(SH社製)のことである。昨春に購入したのだが、実は購入したときからBS放送の受信感度が悪かった。それまではBSをビデオに接続していたのだが、何の問題もなく録画することができていた。ところが、DVDレコーダに換えてからBS番組の映りが極端に悪いのである。特に、雨が降ったりして天候の悪いときなど、映像はおろか音声すらキャッチできないような状態であった。

接続の仕方が悪いのかと思い、何度もマニュアルを見ながら接続の確認をしたのだが、どうやら間違ってはいないようだ。となると、アンテナに問題があるとしか考えられない。昨年のちょうど6月、2階のエアコンが壊れて新調した際、工事に来てくれた人にいろいろとそのへんのことを尋ねてみた。ウチのアンテナは、隣にある実家と共有である。「そうですね、コードの内部が一部断線しているのかもしれませんね。アンテナを新調して、コードも引き直した方がいいかもしれません」とのことだ。「でも、隣はちゃんとキレイに見れるんだよ」と言うと、「じゃあ、アンテナじゃないのかもしれないですね」とはっきりしない。そのまま1年の歳月が流れた。まあ、騙し騙し使っていくしかないかと思っていたのだ。

しかし、先日ベルリンフィルのジルベスター・コンサートを録画して、翌朝「どれどれ、キレイに録れたかな?」と確認したとき、ついに堪忍袋の緒が切れた。画面はざらざらで判別不明、もちろん音声すら拾われていない。「おのれ、このバカレコーダめ!せっかくサイモン・ラトルの指揮ぶりが見られると思ったに、何たる不始末、ええい、どうしてくれよう!」とレコーダからBSのアンテナ線を引っこ抜いたのは言うまでもない。

仕方がないので、不使用だったビデオデッキを再び持ち出し、とりあえずBSだけはビデオで録るようにアンテナの接続を変更した。しかし、DVDレコーダをそのままにしてはおけない。取扱説明書を見ていると、どうやら「お客さま相談センター」なるものがあるということがわかった。

先週の土曜日の午後、さっそく電話してみた。音声ガイドに従って、番号やら記号やらをプッシュする。しかし、「ただいま電話がたいへん混み合っていますので、そのままお待ちいただくか、後ほどお掛け直しください」とのアナウンスが繰り返される。どうせフリーダイヤルだから、とそのまま待つこと数分、ようやくオペレーターと電話がつながった。説明すると、「では、月曜日に係の者を派遣させていただきます」とのことであった。

その「係の者」が、昨日わが家を訪れてくれた。こういう人って、車で全国を行脚していたのかと思っていたら(バカだねえ)、車は浜松ナンバーだった。そりゃあそうだろって。すぐに作業にかかってくれたが、あれこれ接続を換えてみながら、「うーむ」と唸ってばかりいる。どうやら、原因がはっきりしないようなのである。ところが、持参した同一機種をつなぎ直してみたところ、突然BSがキレイに映るではないか!なーんだ、ウチのレコーダが不良品だったってことなんだ。「そうですねえ、まだ何とも言えませんが、どうも内蔵のBSチューナーに問題があるのかもしれませんねえ。とりあえず、しばらくお借りしてよろしいですか?」とのことであった。一も二もない。ついこの日曜日の夜に録画したロストロポービッチの追悼番組(NHK教育)をまだ見ていないが、ハードディスクの中身はきちんと保存されるとのことであるから、とにかく直してもらうに如くはないのだ。

というわけで、今までDVDレコーダがあったところには代替機が鎮座している。修理にどれほど時間がかかるのかわからないが、できれば来月の9日までには直ってもらいたいものだ。だって、その日の夜には、NHKのBS「クラシック倶楽部」という番組で、ブルックナーの交響曲第8番が放映されるのだ。オケはN響だけど、指揮がスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ。しかも、ノヴァーク版による演奏(ブルックナーの交響曲はやはりノヴァーク版がいい)だというから、なおさら聴いてみたい。まあ、直らなくても代替機で録って、DVDに焼き直せばいいんだけど。

しかし、これで地デジとか始まったらどうなるのだろう。BSですらトラブっているのに、さらにチャンネルが増えるということは…。ふう。先が思いやられる。