スーさん、愛娘の旅立ちに平静を装う(ほんとは泣き寝)

3月27日(火)

娘の引っ越しも、ようやく一段落した。

プリウスではとても運べないので、車は現在も入院中の弟のオデッセイを借りることにした。3列目の座席を倒してカーゴスペースをつくり、そこにまず自転車を積み込む。続いて布団セット。さらには、鍋等の調理器具、ラジカセ、CD、そして忘れてはならない楽譜等をめいっぱい積み込んで、とりあえず運転席以外に2人は乗れるスペースを確保して藤沢市まで出発したのは先週の木曜日(大安吉日)。

この日に合わせて、大きな電化製品(洗濯機や冷蔵庫など)やピアノを搬入してもらうよう手筈を整えていたので、それらが到着する午後までに浜松から運んだものを部屋に運び入れる。いちいち部屋から自動ドアを開けてもらわなくてもいいように建物の内側に妻が控え、手前が車から荷物を運ぶというリレーである。それを娘が部屋で受け取り、適当に整理しながら置いていくという作業が続く。

カーテンを取り付けなどしているうちにお昼。業者さんがいつ来るのかわからないので、とりあえず部屋で昼食にしようということで、運んできたばかりの自転車で、近所にあったモスまで手前が昼食の調達に出かける。知らない街を自転車で走るというのも、なかなか新鮮な気分にさせられる。

昼食を食べ終えた頃、電化製品が到着した。さすがに業者さんは手慣れていて、手際よく作業を進めていく。部屋の電灯の取り付けは手前の仕事である。そのつもりで持参したミニ脚立が役に立った。ひととおり搬入が終わって、娘はテレビや洗濯機の使い方説明を受けている。その間、手前と妻とでゴミの段ボールやらを車まで運ぶ。休んでいる暇はないのだ。

電化製品の業者と入れ替わりに、ピアノが到着した。娘の部屋は2階である。どうやって搬入するのだろうかと興味津々であった。とりあえず、作業をやめて搬入作業を見守ることにする。作業は総勢4名で行われた。ピアノを釣り上げるクレーンを操作する人が1名、トラックからピアノを降ろしクレーンに装着する人が3名である。妻は、「たぶん部屋の窓から入れると思うんだけど」と言っていたが、豈図らんや、娘の入居したアパートの建物には、各階にちゃんとピアノ用の搬入口があったのだ。そのドアは一見非常口のように見えるのだが、非常口にしてはドアの外に階段がついていない。間違って開けたりすれば、そこからまっすぐ地面に落ちてしまうのである。かくして、ピアノは玄関から堂々と部屋に入ってきたのである。

ピアノの組み立てが始まった。残る大きな家具はベッドである。ベッドは、妻と娘が浜松で購入して、この日の午後に搬入してもらうように頼んでおいてある。しかし、時間がはっきりせず、「ひょっとしたら夜になるかもしれません、って言われたよ」と妻。「とりあえず、連絡先聞いてるからお父さん電話してくれない?」ということで、搬送業者に電話を入れてみる。と、思わぬ返事が返ってきた。「今日の午前中に配達に行ったんですけど、留守だったんですよお」と言うのである。「え?そんなはずないですよ、午後から夜にかけて配達って聞いてたんですよお?」と言ってはみたものの「でも、荷物はこちらの営業所に置いてあるので、お届けは夜になってしまいますねえ」ということである。ならば仕方がない、こちらから取りに行くしかない。営業所の電話番号を確認して、すぐにナビで検索して出かけることにする。それでも、往復1時間ほどはかかりそうな距離であった。

こういうときに、ナビはほんとうに役に立つ、特にオデッセイに装着されていたのは最新のHDナビで、渋滞回避の進路を教えてくれるだけでなく、近くの店舗等についても情報を提供してくれる。おかげで、郵便局やファミレス、ホームセンターなども、即座に確認して行くことができた。

ベッドを確保してアパートに戻る。この頃にはもうピアノの組み立ては終わって、業者は帰っていた。すぐにベッドの組み立てにかかる。ホームセンター等で売られている家具は、こうやって組み立て式になっているものが多い。たぶん、その分がディスカウントされているのだろう。ベッドは程なく完成、さっそく位置を決め、マットレスや敷き布団、掛け布団をセットする。

もうこれでいいだろうと思っていたら、テレビを置く台がないとのことで、それを購入しにホームセンターへ。適当なものを見つけてアパートに戻り、再び組み立て。とりあえず、ここまでできたところで帰途に就く。この日から娘はアパート暮らしかと思いきや、「まだやることあるから帰る」と一緒に浜松へ。途中、SAで遅めの夕食をとり、浜松に着いたのが午後10時過ぎ。日帰りで藤沢までの距離を走るのはやはり疲れる。

引っ越しの疲れもあったと思うのだが、週末の土曜日はコンタクトのことで聞いておきたいことがあるいう娘を眼科医まで送ったあと、急に「サンダーバードインジャパン」展を見たくなって、そのまま無料化された国道1号線バイパスを走って静岡市まで。今月、駅前にオープンしたパルコにて開催されているのである。ちょうど昼頃到着してパルコへ。しかし、これはわざわざ見に行くほどのことはない展示であった。このまま帰るのもなあ…と思い、繁華街の書店に立ち寄ったら、何とジュンク堂池袋店にもなかったボードリヤールの『消費社会の神話と構造』(紀伊國屋書店)を見つける。即座に購入。期待していたものが期待はずれだったときには、期待していない別の喜びを見出すこともあるってことなのだ。

その日の夜は久しぶりに支部連盟の定例会。実は、手前は年明けからずっとプラスが続いていた。もちろん、年間王者であるのだから当然と言えば当然なのであるが、既に3ヶ月にしてプラス500以上なのである。しかし、そのツキにも衰えが見え始めたか、今回はマイナスであった。今週末には、いよいよ本部連盟との第2回交流戦が予定されている。今までの好調さを維持しつつ、交流戦に臨みたいところである。

明けて日曜日は、さすがに終日家に蟄居して読書。雨ということもあり、室内楽のCDを聴きながら、のんびり読書を愉しむ。夜は、妻が仕事で遅くなり、娘は妻の在所に遊びに行って不在ということもあって、仕方がないのでネットで「5分でできるかんたんレシピ」とかいうサイトを見ながら、スーパーまで材料を調達しに行って酒肴を自作する。たまに作ると、最初は美味しく食べられるのだが、時間が経つほどに「もういらねー」となってしまう。まだまだ料理は修業不足なのである。

そして昨日。午前中に学校で新年度のための会議をしていると、妻からメールが入る。この日は、妻と娘が二人でアパートの荷物整理に行くことになっていたのだ。「どうしても運んでほしい荷物ができちゃったから、もしも午後から半休とか取れるんだったら、持ってきてもらえるとうれしいんだけど」とのことである。幸い、会議は午前中に終わった。校長先生にお願いして午後から休暇をもらい、家の玄関先に積んであった荷物をプリウスの後部座席に押し込んで三度目の藤沢行き。

到着は4時前。さらに、「やっぱ、炊飯器とか棚とかほしいよね」という妻と娘の要望で、近くのホームセンターまで。この日は夕方からピアノの調律が行われることになっていたので、それまでに買い物を済ませることにする。3回目ともなると、さすがにアパート周辺の地理にも詳しくなってくる。調律師がやってきて作業が始まった。2時間はかかるということである。棚の組み立てが終わったところで、夕食を食べに出かける。近くのファミレスである。食事をしながら、ふと娘が「お父さんって、こういうこと(ファミレスで食事)ってないよね」と言った。そう言えば、家族でファミレスに来たことなんて、ほとんど記憶にない。まあ、しばらく離れ離れになるのだから、こういうこともありなのだ。

この日は娘をアパートに残して、妻と二人で帰途に就く。とりあえず、3日ほど一人で生活してみるとのことである。とにかく、4月からは一人暮らしが始まるのだから、それまでに生活のイメージをつくっておいてもらわなければならない。この日の帰宅は11時過ぎ。運転疲れか、肩がばりばりに凝っている。すぐに風呂に入って爆睡。

さて、先ほども書いたが、今週末は待ちに待った本部連盟との交流戦である。場所はもちろん、芦屋の連盟会長宅である。前回は、支部の圧勝に終わった。会長からは「浜冦」と命名されたほどである。もちろん、今回も鎬を削る勝負をすることこそ、何より本部への敬意を表すものと信じている。支部からは総勢7名(オノ、ヨッシー、オーツボ、下野国、ちょんぼ、忍者と手前)が参加する。会長には、ぜひ「浜冦再来襲!」と言わしめたいものである。さて、結果はいかに?!