NAGAYA住まい四年目の年賀のご挨拶

1月4日(木)

新年、明けましておめでとうございます。

この日記も、おかげさまで4年目を迎えることになりました。過去3年の間に、少しずつ読者が増えてきたらしく、年賀状にも「うなとろ、愛読しています」とか、「いつも楽しく読ませてもらってます」などと書かれるようになりました。ありがたいことです。それもすべて大家様のおかげであります。今まで同様つまらぬことしか書けませんが、よろしければこれからもご愛読のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、「今年もいつもどおりのお正月」と思いきや、年末から扁桃腺炎を患っていた妻が、元日から高熱を発して寝込んでしまうというスタートとなった。「ちょっと寝てればそのうちよくなるわよ」などと言いつつ、医者にも行かなかったのが災いしたのだろう、元旦は初詣から帰って「うー喉が痛い」と言いつつ朝食もそこそこにダウン、親戚へのお年始にも行けず仕舞いで、午後から拙宅に参集することになっていた「支部」メンバーを迎える準備をして、そのまま布団にもぐり込んでしまった。

午後になって、「支部」のいつものメンバー(オノちゃん、ヨッシー、シンムラくん、怪獣、元消防団員)が集まってきた。内田先生宅での宴会に倣い、「一品持ち寄り新年会」である。こういうときに、その存在感を際だたせるのがヨッシー。わざわざクーラーボックスを持参し、飲み物からつまみ類一切、飲んだ後のカップ麺類、さらには紙コップまで用意して、準備万端いつでもこい状態なのである。後方支援とは、まさに彼のためにあるような言葉だといつも感心させられる。

飲み始めて2時間ほどたったところで、娘が顔を出した。「ちょっと、お母さん、熱40度近くに上がってるんだけど」とのこと。それは捨て置けぬ、すぐに当直医へ連れて行こうということになった。新聞で確認すると、「あ、ボクんちその近くです」と、飲まずにドライバーに専念することになっていたシンムラくんが宣わった。「え?ホント?じゃあお願いできる?」ということで、すぐさま当直医へ電話すると、「今10人ほどお待ちですので、たぶん1時間以上はお待ちいただくことになると思います」とのことであった。是も非もない。「では今から行きますのでよろしくお願いします」と電話を切り、すぐにシンムラくんに出発してもらった。新年会初参加のシンムラくんであったが、新年初頭から大活躍である。

その間に、こちらは宴会場を片付け、いつもの雀荘への移動の準備である。それまでは拙宅にて「新年初打ち会」をやっていたのであるが、「いつもの雀荘は近くなんだし、全自動卓は疲れないから、元旦から使わせてもらうように交渉してみましょう」というオノちゃん(だったかヨッシー)の提案で、昨年から宴会後はいつもの雀荘で「初打ち会」を開催するようになったのである。

程なくシンムラくんが帰ってきた。お礼を言い、残りの食料等を積み込んで、手前以外はシンムラ号で雀荘へと移動する。手前は宴会場の片付けやらをして、自転車で雀荘へ。到着すると、既に対戦は始まっていた。6人なので、「東回し、3・4位抜け」で対戦することにしたとのことである。1回戦が終了したところで、妻から電話が入った。再びシンムラ号の出番である。同乗させてもらい、当直医まで迎えに行く。

診断では、扁桃腺炎でリンパ腺が化膿して熱が出ているとのことであった。ともかく自宅まで送って、(何てひどい夫だ、妻が高熱を出して苦しんでいるというのに自分は麻雀か!という自責の念に嘖まれながらも)雀荘へと引き返す(まあ、そんなに心配することなかったってことです)。

その初打ち会であるが、仰けから怪獣が飛ばしている。「なにい?そんな待ちありかよお!」とヨッシーからも怒りの声が上がっている。そう、「怪獣」とはワルモノなのである。結婚するまでは常連のメンバーの一人であったのだが、結婚と同時にぴたりと麻雀をやらなくなった。それもそのはず、この男、結婚の条件に「タバコをやめること」を挙げられ、「ハイ、やめますやめます」と心にもない約束をし(だいたい同じことを二度繰り返して言うときってほとんどはウソなんですね)、家以外では平気で喫煙をしているという極悪非道の男なのである。

「怪獣」という名の由来は、麻雀をやりながら「うおおーすんごい!」とか「げええー!」などという奇声を発することから名付けられたものである。中学の体育教師であるが、現在は異校種間交流で高校に勤務している。バレーボールをこよなく愛し、部活動の指導には熱心に取り組んでいる。しかし、そんな事情もあって結婚したので妻には頭が上がらず、「麻雀は月一回だけにしなさい」と厳命されたりして、知らず知らずのうちに縁遠くなってしまったのである。

そんな男であるから、麻雀もひたすら勝ちにこだわる麻雀である。もちろんドラは大好きだし、引っかけ、ヤミ聴、字牌の単騎待ち立直などお手のもの、加えて対戦中も「さすが、雀荘に住んでいるとまで言われたお方は強いねえ」などと、自分が上がれないときなど嫌味たっぷりの口撃もある。とにかく、人相も悪いが性格も悪い、しかしなぜか憎めないという男なのである。

そのうちに、オノちゃんがリタイアした。どうも体調が悪いらしい。三たびシンムラくんの出番である。オノちゃんを自宅まで送り届け、戻って今度は「最下位抜け」で対戦。最近ようやく「正式会員」に認定されたシンムラくんは、さすがにまだ打ち筋が定まっていない。自分の手牌を見るのが精一杯である。何度となく振り込んでは、「あーあ、そうかあ」と反省しきりである。

もちろん、その時点でトップは怪獣。さあ、ここから怪獣を引きずり下ろそうというところで、「妻に叱られますから」と帰り支度を始める。とことん、ワルモノなのである。「なにい?帰るだとお?勝ち逃げかよお!」という罵声を浴びながら、「じゃあ、あっしはこれで」と逐電してしまった。いかにも怪獣らしい。まあ、年に一回の麻雀であるから許してあげようではないかということになる。

四人になったということで、そこからは東南回しになった。手前はディフェンディング・チャンピオンである。昨年来の好調をキープして、終わってみれば怪獣にはやや及ばずの+71。最下位は、三桁以上負けたシンムラくんであった。それにしても、ひたすらドライバーとして八面六臂の大活躍をしながら、麻雀では最下位に沈むという、何ともかわいそうな結果であった。しかし、これも修行である。彼には、ヤイリくんのように何度も辛酸を嘗めながら、大きく成長してもらいたいのである。そんな思いもあって、諸先輩方も試練を与えているということなのだよ。シンムラくんには、昨年のヤイリくんのマイナスを超えることのないよう精進を重ねてもらいたいものだ。

それにしても、「いやはや」の元旦であった。今年はどんな年になるのだろう。