ライフプラン休暇

9月20日(水)

今年は、「ライフプラン休暇」なるお休みをいただけるそうで。

この休暇は、35〜55歳までの5年ごとに、土日を挟んで前後3日間の休暇をいただける制度のことである。休暇とは言え、自分の有給休暇を消化するものであって、そのための特別休暇があるというわけではない。

前回の休暇(5年前)は、平日を利用して京都の紅葉見物と洒落込んだ。「平日だから、さすがの京都もそんなに多くの人がいるってわけではなかろう」などと高を括っていたのだが、甘かった。

車で京都東インターを降り、まずは最初の目的地である三千院へと向かった。京都市内を大原へと向かう道は、気持ちいいくらいに空いていた。「おお、やっぱり平日だよなあ。やっぱりこうでなきゃ!」などと鼻歌交じりのドライブである。三千院近くの駐車場に車を停め、歩くこと数分。小川沿いの参道に差し掛かったところで、自分の見通しがいかに甘いものであったかということを思い知らされた。参道が人、人、人で身動きが取れないのである。「あのなあ、今日は平日だよ?あんたら、ちゃんと仕事してんの?」と思わず悪態を吐きたくなるような状況であった。

京都市内は、どの道を通っても渋滞だったため、翌日は車を諦め電車で行くことにした。宿舎は大阪に取ったので、阪急で京都へと向かった。桂で嵐山線に乗り換え、終点まで。しかし、ここでも渡月橋を越えたところで人、人、人で身動きが取れない。それでも、天竜寺・二尊院・祇王寺・常寂光寺・念仏寺やらを巡って、そのすばらしい紅葉を愛でることができた。特に、常寂光寺の紅葉は、言葉も出ないほどに美しかった。

で、今回の休暇である。前回は教職員の互助組合から2万円の図書券をいただいたが、今回は何と5万円の旅行券!である。こうなると、一人で使用するのは気が引けるので、不肖の妻に「あのさあ、今年ライフプランで休みが取れるんだよ。旅行券ももらったんだよ。だから、たまには二人でどっか行く?」とお伺いを立ててみた。妻からは「あら、いいじゃない。でも、休み取れるかなあ。もしも休みを取る日が決まったら早めに教えてよ」とのお返事であった。6月のころである。

馴染みの旅行社営業マンに一部始終を話したところ、国内旅行のあらゆるパンフレットを持ってきてくれた。こういうパンフレットを見ている時がいっとう楽しい。「おお、北海道もいいなあ。ラベンダー畑ってか。湯布院で温泉三昧も捨てがたい」などと、行き先は目移りするばかりである。でも、妻が「秋までは連続の休みが取れそうもない」とのことで、行き先が具体化することはなかった。

夏休みが終わり、そろそろ吹く風にも秋を感じる今日この頃ということもあり、真剣に日時と行き先を検討することにした。妻からは、「日時だけ決めてくれたら、そこで休みを取るようにするね。でも、2日しか休み取れないから、あんまり遠くへは行けないわね」と言われていた。年間行事計画とにらめっこしながら、授業や部活動に最も支障の少ない時期を考えた。

すると、あるではないか!いい時期が。11月22日から飛び石で、土日を挟んで休みを取ると、何と6連休になるのである。期末試験も終了しているし、テニスの試合もない(たぶん)。迷うことなく、時期は決定された。

となれば、後は具体的な旅行計画である。かくして、妻とは22日から1泊2日で温泉旅行、1日おいて土曜日は芦屋で合気道のお稽古、翌日曜日は関西学生アメリカンフットボールリーグ最終戦(ファイターズ対パンサーズ)の観戦、そして祝勝会(たぶん)をして、翌日浜松戻るという計画が策定されたのである。

さて、妻との温泉旅行であるが、とりあえず行き先を決めねばならない。遠くへは行けないということであれば、県内の温泉が第一候補である。となれば、静岡県が誇る伊豆半島の温泉はどうだろうということになる。さっそく、伊豆半島に近い沼津K学園高のスガイ先生に尋ねることにする。

そのスガイ先生から、伊豆西海岸の松崎から山間へ入ったところにある、何とも渋い温泉ホテルをご紹介いただいた。すぐに紹介されたホテルのHPを見てみた。
「文化財にも指定されている、築300年の庄屋をホテルに改装した、歴史と日本文化の良さを体感できるホテルです。館内の温泉は、全て源泉掛け流し、美肌の湯と名高い湯が楽しめます。どこか懐かしくて暖かい、和の風情が心を打つ、やすらぎの宿…。」
一も二もない。妻の意向を尋ねることまでもなく、即断即決である。スガイ先生からは、「すばらしい奥様孝行ですよね」と揶揄?された。でも、ほんとうに「一度は泊まってみたい!」という思いにさせられる宿なのである。

ああ、11月が待ち遠しい。聞くところによれば、11月22日って、「いい夫婦の日」だそうだ。言うことなしなのである。

というわけで、内田先生、11月の最終土曜日は芦屋までお稽古に行かせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。また、越後屋さん、イワモトくん、神戸ユニバの競技場までご一緒しましょうね!