昇級審査

11月20日(日)

19日(土)は、合気道浜名湖道場の昇級審査。

審査は午後からで、審査の前に北総合気会の山田師範による特別稽古が予定されていた。

昼前に自宅近くまで迎えに来てくれたシンムラさんの車(タカバさんも同乗)で、審査会場である湖西市のアミニティプラザへ。

山田師範のお姿を拝するのは1年ぶりである。特別稽古は、片手両手持ちからの投げ技を中心に行われた。手前の場合、捌いたあと相手のどちらの手をどのように持って技をかけるのかということがどうもよくわからない。師範の技を見ているときは「ふむふむなるほど」と思っているのだが、いざ自分がやる段となると「あれ?どうだっけ?」とすぐに「居着いて」しまうのである。

2時間の特別稽古が終わって、いよいよ審査。

今回は、5級が1人で他は3級以上の審査ばかりだったので、いきなり手前たちから審査が始まることになった。

最初は、転換や回転などの体捌き。「ハイ、1歩前に出て転換」とか「その場で回転」などと次々と山田師範から指示が出されるのだが、どうも「指示された言葉」と「具体的な動き」とを結びつけるのに時間がかかってすぐに体が動かない。ふだんから、「言葉」と「動き」がすぐに結びついていくよう意識して稽古することの大切さを実感する。

次は組手で、まずは横面打ちからの一教から四教。今回は審査を受ける方がひたすら「取り」を行うということで、「まずは相手のやり方を見てから」などと高を括っていた手前は、はたと「居着いて」しまった。幸い、組んでくれたシンムラさんが小声で「こっちです」などと言ってくれたので、何とかごまかしながらやったものの、四教はまだ先生から一度しか教わったことがなかったため、周りを見ながら形だけ真似るということしかできなかった。

続く横面打ちからの小手返しと、正面打ち入り身投げの座り技は何とかクリアしたものの、次の横面打ちからの回転投げでまたもや「居着いて」しまった。内回転は何とかできたものの、「外回転もやるように」と言われて「え?外回転って?」と思った瞬間に頭が真っ白になってしまったのである。何とも情けないことである。

後味の悪さだけを残して審査が終わった。続いて行われた1,2級の審査で、いつもいっしょに稽古しているシンムラさんやヤマダさんの溌剌とした動きを羨ましく見つつ、「まあ3級だから何とかなるでしょう」などと暢気に構えていた我が身の迂愚を呪っていた。

今回の審査では、浜名湖道場初の「昇段審査」が行われた。道場1期生のナカムラさんである。ありとあらゆる捌きをこなしつつ、次々と技を繰り出す姿を見て心から感銘を受けた。同時に、はたして手前もこのまま稽古を続けていれば、ああやってできるようになるのだろうかと疑問に思ってしまった。それほどにナカムラさんの技は見事であった。何より、道場初の段位獲得者となったことを、他の道場生たちとともに讃えたい。

情けない思いを抱きつつ、審査終了後の直会へ。

今まで山田師範と親しく言葉を交わすことはなかったのだが、今回は寺田先生が「山田先生とぜひお話をしていただきなさい」と先生のところまで連れて行ってくださったので、前回の直会の際にお聞きしようと思っていて聞きそびれたことをお伺いした。

「合気道のお稽古では、どうしてイチ・ニ・サンというような教え方をしないのですか?」という疑問である。師範はすぐにお答えになった。「それは、動きが円にならず角ができてしまって、その角ごとに居着いてしまうからです」と。

今回の審査では、「居着く」ことの怖さを身を以て実感させられた。手前はふだん学校の部活動でソフトテニスの指導をしているのだが、練習できちんと打てているのに、試合になるととんでもないミスをする生徒たちをどう指導しようかと頭を悩ませてきた。何のことはない、そうやって指導している自分自身が、いざとなればすぐに「居着いて」しまっていたのである。これでは、生徒たちの「試合時における居着き」を克服できようはずはない。

ただ、今回の審査をとおして、これから自分なりにどうやって稽古していこうかということについて、一つのヒントも得ることができた。

情けない思いをした昇級審査も、今後の糧となることが得られたのなら、以て自得とすべきであろう。さらに精進を重ねるばかりである。

内田より:鈴木先生、三級昇級おめでとうございます。初段まであと一息ですね。
ますますのご精進を期待しております。

山田師範を囲んで