スーさん、やっと夏休み

8月27日(土)

ああ、夏休みもとうとう残すところあと5日となってしまった。

今年は何とも短い夏休みであった。

1学期の終業式が台風で1日遅くなったということもあり、計35日間の夏休みであった。

巷間では、「いいねえ学校の先生は。35日間も休みがあってさあ」などと宣わるようであるが、とんでもない誤解である。

平日は、ほとんど通常勤務であるし、それに校内外の研修が加わる。夏休みの前半は部活動夏季大会の引率指導に明け暮れ、その合間に補充学習を指導し、はたまた後半は部活動の新チームの指導と、ほとんど休んでいる暇はないのである。

もちろん、授業はないので本務は開店休業とも言えるのであるが、それ以外の「夏休みにしかできないこと」というのが多々あるのである。

ちなみに、正式な休暇は5日(夏季休暇)。それ以外に、希望すれば3日の「家族休暇」を取ることができる。

手前は、まだ夏季休暇を2日取っただけである。残りの3日は、来週月曜日からの「うなぎ宴会in芦屋&城崎温泉麻雀ツアー」に残しておいた。

つまり、「ようやく手前も夏休み」というわけなのである。

今週の水曜日(24日)には、岐阜市にて行われた全国中学校ソフトテニス大会(個人戦)を、部員ともども観戦しに行った。

昔は、「全国大会は見るものではない、参加するものである」との一念から、いそいそと観戦になど出かけていったことはほとんどなかったのであるが、今年は同じ東海ブロックの岐阜市にて開催ということで、「まあ近くだから行ってみっか!」と観戦希望生徒を募り、貸切バスにて出かけてきたのである。

会場で、この3月にて神戸松蔭女子学院大のソフトテニス部監督をご勇退された表先生とお会いすることができた。先生は、現在日本連盟の副会長をされていて、この大会には日本連盟の代表として参加されておられるとのこと。大会本部にて久闊を序し、あれこれとお話をする。お元気そうで何よりであった。

他にも、さまざまな大会等でご縁のあった先生方と顔を合わせることができた。いやあ、やっぱり全国大会はいいっす。

試合の方は・・・男女ともすばらしい選手をたくさん見ることができた。思わず拍手したくなってしまうようなプレーも多く見ることができた。

そして、(そんなことはとうに分かっていたことであるが)最早中学校から競技を始めたプレーヤーでは、全国大会で太刀打ちすることなど到底不可能であるということを改めて確認したのであった。

もちろん、今回の大会には中学からラケットを握った選手も出場していたことと思う。しかし、そういう選手と小学校からの経験を積んだジュニア育ちの選手との対戦は、言わば太平洋戦争中のマリアナ沖海戦で米軍パイロットが評した「マリアナ沖の七面鳥撃ち」という形容に相応しい(見たことないけど)ものであったように思われる。

女子個人戦で優勝(翌日行われた団体戦も)したのは、中高一貫校の私立校に在籍するペアであった。

小学校からの競技実績のある選手を、学区のない私立の中高一貫校が優先的に入学をさせてチーム編成をすれば、公立中学校など物の数ではない(ちなみに、その学校は今夏のインターハイでも団体・個人ともに優勝を飾っている)。

御多分に洩れず、中学校のソフトテニス界でも二極化の階層分化は着実に進行しているのである。「がんばって、全国大会に出場しよう!」というのは、今や小学校からの競技経験のある選手が入学してくるチームにのみ許されたスローガンとなりつつあるのである。

夢のない話になってしまった。

恨み言や羨望を言い募っても仕方がない。悔しければ、自分もジュニアのクラブをつくり、あくまで全国大会で勝利することを念頭に置きながらそのシステムづくりと具体的な指導に腐心すればいいのである。

しかし、たぶん手前はそういうやり方とは違う方向性を指向していこうと思う。

あくまでも、「中学校に入ってから初めてラケットを握った」生徒たちを教えていくことにこだわりたい。

なぜなら、全国のんどの中学校でソフトテニスの指導をしている先生方の多くは、そのような現状の中で指導を模索しているからである。そして、そういう全国の多くのソフトテニス部員によって、日本のソフトテニス競技はその競技人口を支えられているからである(でもこれって、やっぱり「負け犬の遠吠え」ですかね)。

まあ、そんなことはれて、手前は来週からの今年の最後の貴重な「夏休み」を十分堪能してくることとしよう。内田先生、うなぎをお楽しみに!