夏のたたかい

7月13日(水)

日曜日(10日)、中体連夏季市内大会ソフトテニス競技の個人戦が行われた。

例年どおり、市内各中学校から6組ずつ参加してのトーナメントである。

浜松市は、今月1日に周辺12市町村を合併吸収して、新市へと移行した。しかし、さすがにまだ周辺市町村も一緒になっての市内大会は開催が難しいため、旧市内だけの大会となったのである。

県大会への出場組数も、例年どおり15組。ベスト8に入れば、県大会への出場権が確定するし、そこで敗れても順位決定戦で1試合勝てば県大会へは出場できることになる。

本校から参加した6組であるが、2年生のペアが3回戦で敗退してしまったものの、他の5組は順調に勝ち上がって、そのまますべての組がベスト8に入ることができた。

問題は、ここからである。

まず、第1シードの大将ペアが、準々決勝でファイナルゲームの末に敗れてしまう。

2番手ペアは危なげなく勝ったが、3番手ペアは本校の6番手ペアとの同士討ちとなり、接戦の末、6番手ペアに敗れてしまった。

4番手ペアも、ファイナルゲームの末に敗れ、ベスト4に残ったのは2組。

しかも、準決勝はまたしても同士討ちとなってしまった。

決勝戦を睨んでの同士討ちは、チームオーダーを優先させなければならない。

いくら6番手ががんばってベスト4まで残ったとは言え、決勝戦で本校の大将ペアを倒した相手を負かせるだけの技術はない。

昨年も書いたが、「駆逐艦」では「戦艦」に勝てないのである。

しかし、そのことを実際に試合をしている生徒に理解させるのは至難の業だ。

生徒は、きっと「自分たちが勝って決勝戦に出る」というつもりで試合をしている。つまりは、ある意味では「自分たちは戦艦である」と思っているのである。

大人でも、「自分の立ち位置」というものを自覚するというのは難しい。ましてや中学生に、である。

6番手ペアには「次の3位決定戦でどう勝つかということを考えろ」と声をかけ、何とか2番手ペアが決勝戦へと駒を進めた。

その決勝戦、相手は準々決勝で本校の「戦艦」を沈めたペアである。

対する本校ペアは、「戦艦」とまではいかないにしても、「重巡洋艦」くらいの実力は持っているペアである。

ゲームが始まった。

第2ゲームの第2ポイントまでは、本校ペアの完勝であった。ところが、そこからレシーブミスを2ポイント続けて、流れが大きく変わってしまう。

そのゲームを失って、続く第3ゲームはシーソーゲームとなった。互いに何度もゲームポイントを握りながら決着がつかなかったが、最後は本校ペアが力尽きてこのゲームも落としてしまう。

競ったゲームを落とした後の第4ゲームは、あっという間に相手のトリプルマッチポイントとなってしまったが、そこから本校ペアが驚異の粘りを発揮してマッチポイントをしのぎ、何とかファイナルゲームに持ち込むことができた。

これでまた流れが変わったと思い、選手には「最初の2ポイントの入り方だけ注意するように」と指示して送り出したのだが、その第1ポイントでいきなりダブルフォルト。続くポイントは相手前衛に決められ、流れが相手に傾いたまま連続5ポイントを失い、最後に何とか2ポイントを返したもののそこでゲームセット。

これで、本校の個人戦3連覇は潰えた。

考えてみれば、他校の選手たちは中学校に入学して以来、夏の大会ではずっと本校選手が優勝したところを見続けてきたのだ。

そんな他校の選手たちには、「ハン(恨)の感情」とでも言えるような気持ちが無意識下に蔵されていたのかもしれない。「よおし、自分たちが3年生になったときには!」と心中期するところもあったのであろう。

なりふり構わず向かってくる相手ほど厄介な相手はいない(現に、決勝戦では相手後衛が信じられないほどのボールを何球も立て続けに打ってきた)。

それを軽く受けて躱すほどの技量は、残念ながら本校の「重巡洋艦」にはなかったということである。

実(げ)に、連覇というのは難しい。

しかし、今週の土曜日には同じく3連覇のかかった団体戦がある。個人戦で優勝できなかった悔しさを晴らすためにも、団体戦では何とか3連覇できればよいのだが。

まあ、がんばります。