でも疲れましたの学校開放日

6月28日(月)

先週は、木曜日と金曜日が「学校開放日」であった。

この「学校開放日」なるものは、以下のような目的で実施されている。

①日常の教育活動を、保護者や地域住民に公開し、学校の現状に対する理解を深める。

②地域の信頼に応え、学校と地域、保護者が一体となって、生徒の健全育成に取り組む体制をつくる。

要するに、「地域に開かれた学校」を目指して、保護者や地域住民に学校へ来ていただき、その活動の様子を見ていただくという趣旨なのである。

それはいいのだが、この「学校開放」については、多少の問題点がある。

最も問題となるのは、学校開放中に、「不審者」が校内へ侵入したらどう対処するのか、という点である。

大阪池田小の事件以来、浜松市内のほとんどの小中学校も、児童・生徒が校内にいる時間帯は正門を閉鎖するようになった。

さすがに門扉が閉まっていると、「不審者」も校内には入りにくいということがあるのだろう。

しかし、「学校開放」期間中は、そうはいかない。

「児童・生徒の安全面の確保」は、学校において何よりも優先されなければならない事項である。

つまり、「開かれた学校」と「学校のセキュリティ」というアンビヴァレントな状況の中におかれているということなのである(ホントは、正門のところに「守衛さん」とかがいてくれればいちばんいいんですよね)。

とりあえず、本校では「受付」のところで、教頭が終日対応することとなった(教頭先生、お疲れさまでした)。

参観者は、名簿に氏名を記入し、「参観者」という名札を付けてから、校内に入ってもらうようにした。

昨年までは、午前中のみ開放していたが、「午前中ではなかなか学校へ行けない」という保護者の声にも配慮して、今年は午前9時から午後3時半までの開放時間としたのだが、その甲斐あってか、多くの人たち(2日間でのべ100人以上)が学校を訪れてくださった。

さて、開放日2日目の金曜日には、賓客が本校を訪問された。

県教育委員会の義務教育課長が訪問されたのである。

静岡県では、この4月から「中学校1年生支援プログラム(中学校1年生において、学級編制の弾力化や少人数指導の充実等を行う)」が実施されている。

本校もご多分に洩れず、この4月より中学1年生の学級編制の弾力化(本来ならば7学級のところを、1クラスの生徒数を減じて8学級で編制)を実施している。

さらには、保護者の要望もあり、1年生の英語と数学で「少人数指導」も導入した(もちろん、「習熟度別」ではやってませんよ、念のため)。

浜松市内では、いくつかの学校で「中1支援プログラム」を実施しているのだが、ちょうど本校が「学校開放日」ということもあり、その実施状況を視察するとのことで、めでたく本校への視察訪問とは相成ったらしい。

県教委義務教育課長ともなると、われわれ義務教育に携わる下々の教員が拝謁の栄を浴する機会など、めったにあることではない。

もちろん、事前に県の出先機関や市の教育委員会からは、訪問の旨連絡があった。

いくつかの質問事項があるので、それに対して答えられるようにしておいてほしいとのことであった。

当然、教育課程に関わることが主になるので、教務がお答えしなければならないようであった。気が重くなった。

課長一行は、きっかり午前10時に来校された。校長先生と懇談後、主に1年生と3年生の授業の様子を参観された。

そのあとは、校長室にて質疑応答である。いつお呼びがかかるかと恐懼して職員室で待機していると、はたして校長先生が顔を出し、「教務主任、ちょっと校長室へ」とのお言葉。

畏まりつつ校長室へ入ると、すぐに課長より「少人数指導を行うについて、時間割編成上工夫したことや苦労したことは何ですか」とのご質問。

続いて、矢継ぎ早に「加配教員をどのように有効活用しているか」、「すべての時間を少人数で行うのではなく、題材または教材によって2C3T(2クラスを3人の教員で指導する)にする等の弾力的な時間割編成はできないか」などの質問がなされる。

どれも核心をついた質問ばかりであった。

答える方はといえば、何せ新米の教務主任なので、冷や汗をかきつつお答え申し上げるのが精一杯である。

「世に賢き人の種は尽きまじ」(そんなこと誰か言ったっけ?)。とにかく、頭の回転が手前などよりは数倍速い(8ビットと64ビットの違いと申しましょうか)という印象であった。

いくつか具体的な御指導もあったが、いちいち納得できるものばかりであった。

最後に、「カリキュラムの編成については、とにかく教務主任の采配に負うところが大きいですよね。そういう意味ではたいへんなお仕事ですが、ぜひがんばってください」と激励された。

うれしかった。

帰り際、職員玄関でお見送りをする時にも、またもや手前のところに「教務、がんばってくださいね」とおっしゃっていただいた。恐縮の限りである。

現実にはなかなか難しいところもあるのだが、できる限りよりよき方向に向けて教育課程の編成をしていこうと決意を新たにした。得がたい機会であった。でも、疲れました。