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会議は短く

5月25日(水)

天保山の診療所で丸一日外来診療をする。普段、僕の担当は水曜日の午後だけなのだが、午前中に外来をしているI先生から交代を頼まれたのである。

外来はそれほど忙しくなかったので、患者さんを診る合間に、大学のN先生に教えてもらった戸田山和久の『科学哲学の冒険』(NHKブックス)を読みすすめた。

科学的実在論をめぐる議論についてわかりやすく丁寧に書かれている。対話形式になっていて、内容に入り込みやすい印象を受けた。まえがきにも書いてあるが、本書は科学哲学の入門書であり、科学哲学を専門としている筆者が、この分野となじみの薄い人たち(特に高校生や大学1,2年生)にその面白さを伝えることを目的としている。

科学的実在論と、社会構成主義および反実在論との間に起こっている論争について記述してある第5章を特に興味を持って読んだ。反実在論に対して必ずしも旗色が良いとはいえない科学的実在論を「なんとか擁護したい」という筆者の姿勢がすがすがしい。潔く、粘り強く、そして頭の良い先生だ。


夕方から大学へ行き、培養細胞の培地交換をしてから病棟のミーティングに出席する。来月から短期間だが大学病院の病棟で医者をすることになっているので、その準備のためである。

ミーティングは午後6時から始まり、終わったのが午後9時30分過ぎ。無意味に長い。研修医のプレゼンテーションが冗長なのが特に気になった。

症例のミーティングは、問題点を明確にして、診療方針の決定に必要な情報(症状や検査結果)を共有し、その時点で議論可能な事項について議論をするということが重要である。

方針決定に必要な情報が不足している段階で「あーでもないこーでもない」と議論するのは、あまり意味がない。

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2005年5月26日 09:26に投稿されたエントリーのページです。

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