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囚われの白衣 北天にPolarisを尋ねる

8月27日(金)

別世界に幽閉されて三日目。曜日の感覚が希薄になってきた。

5時30分に起きて風呂に入ってから、ホテルのロビーで日記を書く。

今日も午前中は口演発表で、午後はポスターセッション。夕食後に再び口
演を聞く。ポスターと夜の口演で、いくつか面白そうな発表があった。

休憩や食事の時間に、同室のKさんと発表内容についてぽそぽそと感想を
述べあう。

Kさんは使用するタームが正確な人だ。話をしていて、言葉の選び方がと
ても慎重であるという印象を受ける。普段ラボで相当鍛えられているのだ
ろう。笑顔の奥に芯があって、ちょっとだけ一流の寿司屋で修行をしてい
る板前さんみたい。おぼろ豆腐のように言葉がずるずると崩れていく僕と
は大違いだ。

九州からきたという整形外科の先生は(二日連続お風呂で一緒になった)
、僕より大分年上の人かと思ったら、ほとんど同じ年齢だということが分
かりびっくりする。最近、こうしたことに驚く機会が本当に増えた。僕は
あさってで33歳になるが、どんどん幼児化している気がする。

この先生は研究に専念していた大学院生活をこの春に終えたのだが、事情
により今年1年だけ研究を続けているそうだ。来年には整形外科の臨床に
戻るという。

参加者の中には、患者さんを診ることをやめて研究に専念している医者も
いる。

初日は参加者全員が高校の天文部員のように見えたが、3日目にもなると
結構色々な人が混じっているのだということが分かってきた。

しかしそれはセミナー初日に僕自身が予想したように、単に僕が天文部員
化しただけなのかもしれない。外から見ると均一に見えていた集団も、中
に入ってみるとその構成要素は思っている以上にヘテロだったりするのだ

少しずつ天文部員化が進んでいるものの、僕は北極星の位置さえ理解して
いないような気がする。

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2004年8月28日 08:18に投稿されたエントリーのページです。

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