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2004年8月 アーカイブ

2004年8月 7日

さて、本も買ったことだし、JJも注文したし

le 6 aout

悲しいと言うか寂しいと言うか、
昨日一人で電車に乗って、一駅二駅と過ぎるにつれて
そんな気分になってきて、もう少しでいきなり泣くところ
だった。
今日も、ちょっとそんな感じ。

そう、昨日までの4日間、高橋源一郎先生の
集中講義に参加させていただいたんです。
ある日突然、内田先生がテープ起こしのバイトを
持ってきてくださったので。

いやぁ、本当に貴重で夢のような4日間でした。
だって、考えられませんよ。
高橋源一郎さんにお目にかかるんですから。
初めて自分で自分のことを、うらやましいと思いました。
ちなみに、高橋先生と私の「らくがき帳」は
おそろいです。わぁーぃ。
てか、びっくり。

お話をいただいたとき、急にテンションが上がって
即行に「やります!」とか言ったものの、時間が経つにつれて、
あれー?よかったのかなぁ・・・。そんな簡単に返事して。
って思うようになってきて、でも引き受けたんだから・・・
って一応気合を入れて早起きして学校に行ったわけですけど、
その行きの電車の中で気分悪くなったりしてたんですね、実は。
ははは。
学校に着いちゃったら結構平気なんですけど、
なぜか、その道中にすごい緊張してて。
控え室で、私が内田ゼミの面接を受けて結果が出るまでの間、
食欲がなくなって、という話をしていたら、
高橋先生に「気が弱いんですね。」って言われたんですけど、
今回も密かに食欲がなくなった。
どうやら、私は気が弱いらしい。
知らなかったなぁ。

でも、緊張もあったけど、何より楽しかったなぁ。
こう、普段は非常にあさ~くせま~いところで暮らしているので、
急に大学に戻って、先生方の話を聞いていると、
わくわくするんですよね。
だって、ほとんど知らないことばっかりだから。
しかも、明治文学。
私は、本を読んでいるようで全然読んでない。
作者とその代表作のタイトルだけは、中学受験のときに
覚えたので知ってて、内容は知らないという。
だいたい、夏目漱石の『吾輩は猫である』を、過去3回
読もうとして読み始めて、3回とも途中でやめてますからね。

だけど、集中講義のおかげで、明治文学の内容は、
お金とか結婚とかよい大学に行くとか、そういうのがほとんど
なんだなぁってことがわかりました。
『虞美人草』も『たけくらべ』も『野菊の墓』も、
全部ビデオで見ましたし。
それに、本も買ったんで、その内読むと思います。
授業で見た映画、全部興味深かったけど、
私の中で一番ヒットしたのは『野菊の墓』でした。

民さん、道理であなたは野菊のような人だ。
僕は野菊が大好きだ。

なるほど。

そうそう、最終日にレポートというか小説を提出することに
なっていて、私も書こうかなぁって始めは思ってました。
ここで、ウソのようなホントの話。
私が通ってた中高って一貫だけど、一応高校に上がる前に
校長先生と面接するんですね。
そのときに、将来何をやりたいですか?っていう質問を
されて、私は「小説家になりたいと思ってます。」って
淡々と答えたんです。
何か知んないけど、昔からなりたいものが二つぐらいしか
ない子で、時によって変わるけど、それが歌手か小説家
のどっちかだったんですよ。
で、校長先生から、たぶん励ましのお言葉をいただいたような
気がするんですけど、まぁ、そんな兆しもなく・・・。
っていう話を、2ヶ月前ぐらいかなぁ、仲良しな高校のときの
先輩に話してて、その後、こんなような会話をしたんです。
「でも、よく考えたら小説とかって、自分の内面とか経験とかが
出ると思うんですよ。それで、テレビに出たりもするじゃないですか。
えらいですよねー、みんな。だって、私だったら恥ずかしくて
正体とか明かしたくないと思いますよ。知ってる人には
読んで欲しくない気がするし。」
「あははは。じゃぁ、さっちゃんそういうのに向いてないやん。
だって、作家とかってみんなに読んで欲しくて書くんやろ?」
「ははは。そっか。」
って。

まぁ今回はこの機会に、頭の中でいろいろ考えていたんですよ。
いやいや、ココはこういう風にした方が、とかって。
でもその内に、恥ずかしくなってきて、やっぱやめようかなぁ
どうしよっかなぁって思ってる内に、
はっと気付いたら朝の5時になってたんです。
考えていたはずなのに、いつの間にか寝てたという・・・。


昨日家に帰りながら、あのとき内田ゼミに入れてなかったら、
高橋先生に会う機会なんてなかったもんなぁ、とか思いつつ、
この4日間は大切に大切に記憶に保存して、これから先
ずっとお守りのように携えていこうって思いました。
そうやって、結構しんみりと家に帰ったらですね、
6時半なのに洗濯物取り込んでないし、チロの散歩にも
行ってないし、さっきまでのことはやっぱり夢だったのか?
これが現実なのか?と一瞬わからなくなりましたよ、ほんと。

でも、録音したMDが手元にあるので、全く夢なんかでは
なくて、両方現実なんですが。
同じ現実とは思えないな。
てか、早くMD起こしの仕事に取り掛かれよって感じですよね。

まぁ、とりあえず、今日は本屋さんに行こうと思って、
姫路のジュンク堂に本を買いに行きました。
『世界の中心で、愛をさけぶ』とか。
これ、すごい売れてて、なんかみんな読んでるんだなぁとか
思うと、読みたくなくなって読んでなかったし、
映画もドラマも見てないんですが、高橋先生の講義を
聞いてると読みたくなってきたんですね。
近々読むでしょう。
あと、『野菊の墓』。
これは、2日前にこのジュンク堂で探したんですが、
見つからず、店員さんに調べてもらったところ、
すいません、今、在庫がなくて・・・という話だったんですよ。
驚きですよね。
絶対あると思ったのに。
でも、今日行ったら新潮文庫のところに、いっきに6冊ぐらい
並んでて、それはそれでびっくり。
で、『JJ』の8月号も、講義を聞いていて読みたくなったので、
取り寄せてもらうことにした。
私は、全くJJっぽい人ではないので、たぶん一度も
読んだことがないです。
それから、『広告批評』。

いやぁ、買った買った、と思って早速『広告批評』の
「高橋源一郎と若手作家たち」を読みたくなったので、
ドトールにでも行こうかなぁと、そっちに向かって
歩いていたんですけど、なんか足が止まってしまって、
どうすっかなぁって迷いだしたんですよ。
で、ちょっと考えて、まぁ行けばいいじゃんということになって、
ドトールに入ってみると、騒がしい。
奥の方で、揉め事なのか何なのか知らないけど、
誰かが怒鳴ってる。
警察を呼べとかどうとか。
げっ。
何だ、さっきの胸騒ぎはこういうことだったのか、
と勝手に納得して、さっさと店を出た。
結局、斜め前のサンマルクカフェに入って『広告批評』を。

おもしろいところがいっぱいあって、思わず
笑いそうになったんですけど、ここが自分の部屋じゃないって
ことに気付いて、あわてて防ぎました。
しかし、高橋先生は、いつ睡眠をとってらっしゃるんでしょうか?

さて、本も買ったことだし、JJも注文したし、
そろそろ仕事を始めますかね。

2004年8月26日

『山は生ーきーてーいーるー♪』らしいよ。

le 26 aout


テープ起こし・・・というか、まぁMDなんですけど、
MD起こしって結構大変ですね。
何ていうか、あのー、もはや根気の問題ですよね。
たぶん、これは。

私は、文字が好きなので、文字を打つことも好きですが、
MDがねぇ。
このMDウォークマンが、ピピッっとか言って、先頭に
戻ってしまうという。

最初の頃は、心穏やかに、もう一回頭から聞いてたりした
んですけど、30分ぐらいならまだしも、1時間以上まで
進んでるのにもかかわらず、ピピッっと0に戻った日には、
もう寝ろってことか、って思って寝ましたからね。
私が、巻き戻すときに誤って先頭に戻してしまうというのなら、
納得できますけど、聞きながらカタカタ打ってる最中に
ピピッですから、納得いかない。
でも、頻繁なわけですよ。そのピピッが。
何故なんだ?
どうしろって言うねん・・・。
内田先生のウォークマンだし、適当にボタンとか押して
壊れたら困るしなぁ。
って、ぼんやりしてる内に、そういえば編集とかできるよね?
って思って、ギリギリ先生の出発前に「説明書」を
送っていただいた。

以来、適度に区切れる技を身につけたので、
これからは、もうちょっとスムーズに進むかなぁ。


そんな中、気分転換も兼ねて神戸に出て、
シネリーブルで『茶の味』を見た。

石井克人監督で、浅野忠信とか我修院達也とか三浦友和とか
手塚理美とか武田真治とか土屋アンナとか中島朋子とかが
出てるやつ。
そう、なんか、いろんな人が出てたんですよ。
私としては、浅野忠信と我修院さんが楽しみだったんですけど。

とりあえず、めっちゃおもしろかったです。

出てくる人出てくる人、みんな変。
ツッコミどころも満載だし、笑うところも満載だし、
会場全体が大爆笑な場面もあって。

春野さんという一家を中心とした話なんですけど、
家族間で交わされる会話の内容は変だけど、
微妙な間とか、母の問いかけに無反応な子どもとか、
その辺は現実と一緒なんですよね。
まぁ、結構田舎に春野家はあるんですけど、こんな家族だったら、
田舎も楽しいだろうなぁみたいなね、そんな家族で、
いっつも誰かがお茶を飲んでるんですよ。
時には、縁側に座って、家族全員で湯のみ持ってるときもあるし。

おじいちゃん役が我修院さんで、もう、このおじいちゃんの
行動とかしゃべりとか歌とか、一切理解不能だ、
いっつも音叉持ってて音とってるし・・・
って思ってたら、最後、実はすごく家族思いのいい人だったんだ
なぁ、で、死を予感してたんだなぁってことがわかって。
そう、死んじゃうんですけど。
それも、息子の誕生日記念のCDを作り終えてから、
まるで、それによって力尽きたかのように。

その息子ってのは、三浦友和の弟役の漫画家の人で、
これまた意味わかんないんですよねぇ。
36歳ぐらいの誕生日なのに、その記念にCDを作りたいって
言って、ミキサーをやっている手塚理美の弟、浅野忠信に
ミキシングをお願いするんですよ。
三浦友和と手塚理美は夫婦なんですけど。
でもなんか、浅野さんは嫌だって断るんだけど、
最終的に引き受けることになって、ちゃんとスタジオ借りて、
録音とかするんです。
で、その漫画家とおじいちゃんと漫画家のアシスタントの女性の
3人が、『山よ』っていうタイトルの自作らしき歌を
踊りつきで歌うんですけど、これがまた笑える。
てか、誕生日に関係あるのか?
「山よ、山よっ、山よ山よっ、山は生ーきーてーいーるー」
って、頭から離れないんですけど・・・。
浅野さんとか、聞いてる内に、意識が遠くなってっちゃうんですよ。
で、その浅野さんが、聞き終わった後で、
「こんなの聞いてたら頭おかしくなるよ。」
って言うのに、隣にいる武田真治が
「この曲、僕に預けてくれないかなぁ。」
ですからね。
「マジで?」
そりゃ、浅野さんじゃなくても、そう思うよ。みたいな。

この映画、140分ぐらいあって、春野家以外にも、
謎のコスプレの人たちとか、ヤクザらしき人とかも
出てくるんですけど、とにかく、全員どっか変ですから。
私には、かなりおもしろかった。
とりわけ、『山よ』が。

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