気の重い原稿です。劣化について語るのは簡単です。昔は良かったという話...
...テーマにかかわらず年寄りの繰り言で、多忙で健全な若者は恐らく無視するで
しょう。暇で不健全な若者は劣化の最先端にいますから、私の記事なんか読まな
いでしょう。それ以外の普通の若者を想定して、情理を尽くして文章を練りあげ
ると、今度は怒らせてしまいます「あなた方世代の責任でしょ」。まさにその通
りなのですが、大汗かいたあげく言い訳まで準備するのはタイパの悪い話です。
いつものことですが。
社長様は神様ですか
発生直後の社長インタビューで、「確認ですけど、『中に入っていいよ』とア
ナウンスとかは?」と質問した記者がいたそうです。「すると、吉田社長は、心
外だとの表情でこう説明した。『そういったことは一切ございません。明確に否
定しておきます』」そうです。
まず「確認ですけど、」というのも馬鹿げた話。アナウンスが有無の確認なら、
なんでわざわざ、現場の駐車場にいなかった人に質問するのでしょう。おまえが
取材しろよ......いや、よく考えれば取材以前にわかることです。
地震後すぐに買い物客の避難誘導がはじまり、建物外に全員の避難完了。さて、
誰がどうやって、アナウンスとやらをするのでしょうか。従業員は駐車場などに
散らばっています。それに、強力な放送設備があったとしても、誰がどこでマイ
クを握るのでしょうか。
避難の手順を考えてもおかしな話です。このイオンモールは防災拠点としての
利用も想定されていたそうですから、安全確認を迅速に行い被災者の受けいれる
準備を始める可能性はありました。
けれども常識的なマニュアルなら、最初にするべきなのは、「保安要員は安全
確認のために持ち場に戻って下さい」というアナウンスのはずです。ただしもし、
このような指示が出されていれば、さらに数十人単位で犠牲者が増えていたはず
です。それにアナウンスをした本人はどうなっていたのでしょう。「確認ですけ
ど」そんな話はありません。
そもそも「中に入っていいよ」などという呑気な許可を、誰が誰に何のために
するのでしょうか。そんなお気楽な状況なら、はじめから避難などする必要はな
かったのです。
この間抜けなインタビューに、社長が「心外だとの表情」になったのは、安全
管理を疑われたからではないでしょう。忙しい時に絵に描いたような愚問をぶつ
けられたからでしょう。
「予見できなかったというは、それでいいんですかね?」というのも無意味は
質問です。神ならぬ身の社長に地震を予見できたはずがありません。爆発につい
ても「予想通りの迫力。今後もあちこちのモールでドカンドカンと行きますから、
応援の方よろしく」とでも答えると、記者は思っていたのでしょうか。
一方、「ガス漏れの可能性」とか「戻ろうとする従業員の抑制」などの実務的
な問題ついては、爆発原因すらはっきりしていない段階で、軽々に社長が口にで
きる話ではありません。どちらにせよ完璧な愚問だったわけです。
質問内容や態度があまりにも低レベルな記者が混じっていると、取材者船員が
取材対象に舐められることになります。「マスゴミのバカども相手に誠実に説明
しても、どうせまともな記事にはならんわ」と思われてしまうのは、他の記者に
は迷惑極まりない話です。
https://www.j-cast.com/2026/07/30516778.html?p=all
「想定外でいいのか」「戻っていいとアナウンスは?」 イオン社長会見での
しつこい記者質問に疑問も続々、J-CASTニュース、野口博之、
遅れてきた優等生も一声だけ
既存メディアがイオンモール熊本での群発愚問で顰蹙を買う一方、それなりに
大きな事故なのに、あまり追求されていないのがコストコ熊本御船倉庫店での売
り場崩壊です。この事故は、地震後すぐに各種NSNに動画付きで情報が流れました。
それを受けて最初に報道したのが、ネットメディアのJ-CASTニュースでした。
熊本地震でコストコの商品落下「重く受け止めております」 地震大国で「高
積み陳列」が心配...IKEAにも聞いた、J-CASTニュース、
https://www.j-cast.com/2026/08/02516811.html?p=all
「既存」メディアの続報を待っていたところ、ほぼ一週間後の8月4日、やっ
とNHKの地上波のニュースで見かけました。けれども、奇妙なことに他局や他紙は
追いかを報道をする様子がありません。そのNHKも続報はないようです。
コストコ 熊本地震で5人けが "一部商品落下 重く受け止める"、NHK、
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10015195951000
この事故が重大だと思われるのは、最低でも20kgはある荷物用パレットが、
目測では3mぐらいはありそうな棚から落下したからです。ことの危険性は、パレ
ットメーカーからも指摘があります。死者が出なかったのは、全くの幸運だった
と言えるのではないでしょうか。
コストコ熊本の商品落下はなぜ起きたのか、パレット1枚20kgが落ちる高積み
陳列のリスク、プラスチックパレット株式会社、
https://plastic-pallet.co.jp/costco-kumamoto-pallet-rack-20260803/
けれどもコストコの広報ページには、店内でおこった人身事故への言及は、8
月4日現在、全くありません。それどころか、「この度の地震により被災された
皆様に、心よりお見舞い申し上げます。発生した地震の影響、およびお客様と従
業員の安全確保を最優先に考慮し、誠に勝手ながら、以下の通り臨時休業とさせ
ていただきます。」などと完全に他人事です。
重要なお知らせ、コストコ、
https://www.costco.co.jp/ImportantInformation
NHKの取材に対する対応でも、「一部商品の落下を防げなかった事実につい
て、大変重く受け止めております。この度の事象を真摯(しんし)な教訓とし、
今後より安心してご来店いただけるよう、安全管理体制の再確認と、さらなる安
全確保の徹底に努めてまいります」とコメントしながらも、怪我人についてはJ-
CASTニュースに「会員様および従業員に命に関わるような重篤な被害の報告は受
けておりません」などと答えています。それにしても「一部商品」ってどういう
ことですか。全部も商品が落ちる事なんか、もともとありそうもないですから、
話を小さく見せるためだけの見苦しい表現です。
店内でおこった事故なのですから、「報告」など当てにせずに、怪我の原因、
程度(打撲なのか骨折なのか)、被害者の年齢性別(「30台の男性」など)、容
態(入院中かなど)、予後(全治日数など)といった詳細を把握し、プライバシー
にも十分配慮しながら広報するべきです。
こうしたことを怠っているのですから、コストコは事故をもみ消そうとしてい
ると勘ぐられても仕方ありません。また、しつこく取材して「なぜ事故の詳細を
広報しないのか」を問いたださない各局・各紙も、もみ消しに加担したと言われ
てしまいそうです。
実はコストコが震災時に人身事故をおこしたのは、今回で少なくとも2回目で
す。「東日本大震災で東京都町田市のスーパー「コストコ多摩境店」の駐車場ス
ロープが崩落し8人が死傷」して、刑事事件にまでなっています。
このときも今回も、複数いるはずの被害者が、誰一人として声をあげていない
のが不気味です。
コストコ崩落事故で高裁判決が責任言及 設計責任者ら3人再び不起訴 東京
地検、異例の再捜査、産経新聞、
https://www.sankei.com/article/20170718-I4BUQBEGTFMR5EI2TXEF3EPSTQ/
立地や事故の状況は今回とは異なりますが、どちらのタイプの事故も他の大型
商業施設では、ほとんど例がないもののように思われます。地震被害の少ない国
で生まれた「倉庫型」のビジネスモデルと日本の耐震基準の間に、規格上のエア
ポケットのようなものがあったとすれば、コストコにも同情の余地はあります。
けれども、従業員、顧客、建築関係者、同業他社などと事故の情報共有をして、
再発防止に取り組む気が今後も無いのなら、悪い事は言いませんから、大惨事が
起こる前に地震国からは撤退することをおすすめします。
というようなことを、なんで既存メディアは論評しないのでしょうか。コスト
コはyahooなどにも広告をバンバン打っている企業だということが、微妙にか露骨
にか知りませんが影響を受けていないことを祈ります。